2020年7月27日更新

傑作多し!?上映時間200分越えのめちゃ長い映画30選【世界一長い映画は?】

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『アラビアのロレンス』ピーター・オトゥール
©COLUMBIA/zetaimage
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映画を愛する人にこそ観てほしい!200分超えの長い映画30選

上映時間の長い映画は、予算がかかる上に映画館での上映回数が少なくなってしまうため、映画会社からは敬遠されがち。 しかし映画を作る人や観る人にとっては、物語にどっぷりと浸れる長時間映画は、貴重な感動体験に巡り会う絶好の機会と言えるのではないでしょうか。 ここでは、本当に映画を愛する人にこそ鑑賞してもらいたい200分(3時間20分)超えの長尺映画を、公開年順に紹介します。

『風と共に去りぬ』(1939年/222分)

1940年のアカデミー賞9部門受賞作

『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー
© MGM/zetaimage

南北戦争のただ中にあるアメリカのジョージア州を舞台に、大農園の娘スカーレット・オハラ(ビビアン・リー)の波乱万丈な人生と、当時アメリカ南部に残っていた白人貴族文化の終焉を描いた、壮大なロマンス映画です。 第12回アカデミー賞にて、作品賞・監督賞をはじめとする9部門を受賞。助演女優賞を獲得したハティ・マクダニエルは、黒人俳優として初のオスカーに輝きました。

『七人の侍』(1954年/207分)

黒澤明監督の徹底した戦闘のリアリズム

戦国時代のとある貧しい農村。野武士の襲撃計画を知った農民は、村を守るため無職の侍を雇うことを思いつきました。村人が宿場町でどうにか見つけた6人と、勝手についてきた菊千代(三船敏郎)が、村人と協力して、野武士を相手に壮絶な死闘を繰り広げます。 後の黒澤作品の完成された演出力とは違う、豪快な手触りが魅力的な時代劇アクションです。

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『ジャイアンツ』(1956年/201分)

名優ジェームス・ディーンの遺作

『ジャイアンツ』ジェームズ・ディーン
© WARNER BROS./zetaimage

テキサスの巨大な牧場主であるジョーダン(ロック・ハドソン)のもとに、東部から嫁にやってきたレズリー(エリザベス・テイラー)は、ジョーダンの姉ラズ(マーセデス・マッケンブリッジ)に冷たくされながらも、耐えて生活していました。 ある日ラズが落馬事故で亡くなり、遺産である土地の一部が牧童のジェット(ジェームズ・ディーン)の手に。石油ブームを見込んでその土地の掘削に賭けたジェットは、油田を掘り当てて富豪となるのでした。レズリーに対する密かな想いを抱えながら。

『十戒』(1956年/220分)

映画史に残る“海を割る”シーン

旧約聖書にある「出エジプト記」を、豪華主義で知られた当時の人気監督セシル・B・デミル監督が、壮大なスケールで描いた大作です。 主人公である預言者モーセをチャールトン・ヘストンが演じました。

『ベン・ハー』(1959年/224分)

製作費54億円の超大作!

『ベン・ハー』チェールトン・ヘストン
© MGM/zetaimage

舞台は1世紀のエルサレム。貴族であるベン・ハー(チャールトン・ヘストン)は、幼馴染の軍人メッサラーの策略で逮捕され、ガレー船の漕ぎ手として3年間耐え忍びます。 海戦中に司令官を救い出したことで刑を免除され、市民として復活した彼は、憎きメッサラーと戦車競走する機会を得るのでした。

『アラビアのロレンス』(1962年/207分)

ロレンスはなぜ英雄と呼ばれたのか?

『アラビアのロレンス』ピーター・オトゥール
©COLUMBIA/zetaimage

アラブ反乱(1916年6月~1918年10月)において、反乱軍に協力した実在のイギリス陸軍将校、トーマス・エドワード・ロレンスの活躍を描いた作品です。 アイルランドの名優ピーター・オトゥールが、ロレンスを演じました。

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『クレオパトラ』(1963年/244分)

史上空前の巨費を投じた巨大歴史スペクタクル

時代は紀元前1世紀、「絶世の美女」として知られるエジプトの女王・クレオパトラの後半生を描いた歴史映画です。エリザベス・テイラーを始めとする大スターに加え、巨額の制作費を投じた豪華な衣装やセットに目を奪われます。 4時間を超えるプレミア上映版も、今ではホームメディアで手軽に鑑賞できるようになりました。

『ゴッドファーザー PART II』(1974年/200分)

コルレオーネ・ファミリーの半世紀を超える歴史を描いた大作

映画『ゴッドファーザー』(1972年)の続編ですが、前作の前日談と後日談が並行して描写されるという構成になっています。 本作の1つの軸は、1950年代に父ヴィトー・コルレオーネの跡を継いだマイケル(アル・パチーノ)が、マフィアのファミリーを守るために苦闘する姿。 この物語に、20世紀初頭にアメリカに移民してファミリーを築きあげた父ヴィトー(ロバート・デ・ニーロ)の苦難の歴史が交錯されます。

『旅芸人の記録』(1975年/230分)

20世紀半ばのギリシアの風景と政治を横断する旅映画

ギリシャの巨匠、テオ・アンゲロプロス監督の代表作。牧歌劇を上演しながらギリシャを旅する芸人一座に焦点を置いて、1939年から1952年までのギリシャの政治史を語ってゆく映画です。 アンゲロプロス監督が得意とする長回しや一人語りのオンパレードからなる約4時間の大作で、美しい映像も強く印象に残ります。

『1900年』(1976年/316分)

ファシズムと共産主義に翻弄された20世紀前半のイタリア

1901年生まれの地主の息子・アルフレード(ロバート・デ・ニーロ)と貧農の息子・オルモ(ジェラール・ドパルデュー)は身分のまったく違う幼馴染。この2人を中心に、ファシズムと共産主義が対立する20世紀前半の激動のイタリア史を描いた作品です。 オリジナル版は5時間を超える大作だったことから、劇場では2部に分けたり、大幅にカットしたりして公開されました。

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『ヒトラー、あるいはドイツ映画』(1977年/410分)

ヒトラーを生み出したドイツの文化に正面から向き合うアート映画

ヒトラーを生み出したドイツの文化とは何か、という問いに正面から向き合う芸術映画です。 プロットはなく、ドイツのクラシック音楽をBGMに、舞台の書き割りのようなものを背景にして、次々と独白と対話が繰り広げられます。 ちなみに監督のハンス・ユルゲン・ジーバーベルクは、ブレヒトのリハーサルを8ミリで撮影したり、テレビ・ドキュメントを多数制作したりするといった経歴の持ち主です。

『アレクサンダー大王』(1980年/208分)

19世紀から20世紀にかけてのギリシアの悲劇

『アレクサンダー大王』フレデリック・マーチ、リチャード・バートン
© UNITED ARTISTS/zetaimage

『旅芸人の記録』のテオ・アンゲロプロス監督による、19世紀から20世紀にかけてのギリシアをテーマにした歴史絵巻です。1870年に実際に起きた事件にもとづいています。 1900年の大晦日、古代の英雄「アレクサンダー大王」の名をかたる義賊の頭領が、英国貴族を誘拐して山間の村に逃亡。そこで彼は新しい共同体を作ろうとしますが、その夢は仲間割れや兵士の手によって打ち砕かれるのでした。

『ファニーとアレクサンデル』(1982年/311分)

第56回アカデミー賞外国語映画賞ほか3部門受賞作

映画とテレビの仕事がそれほど厳しく区別されないヨーロッパでは、一流の映画人がテレビの仕事をすることが珍しくありません。スウェーデンの代表的映画監督であるイングマール・ベルイマンの手になる本作も、テレビドラマとして制作されました。 ベルイマンの半自伝的作品で、20世紀初頭のスウェーデンの裕福な一家における、夫婦や親子の葛藤が主題です。

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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年/251分)

マカロニ・ウェスタンの巨匠・セルジオ・レオーネ監督、最後の大作

本作の舞台はニューヨーク。ユダヤ人ゲットーで育ったヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)は、1930年代に禁酒法の裏でひと儲けしますが、その後仲間を裏切って姿を消していました。それから35年、ヌードルスのもとに届いた1通の手紙がきっかけで、過去の記憶が蘇っていきます。 エクステンデッド版は約4時間の大作で、30年以上の歳月を行き来する構成ですが、巧みな編集で飽きずに観られます。

『SHOAH ショア』(1985年/570分)

証言からあぶり出されるホロコースト

ナチスドイツのユダヤ人絶滅政策「ホロコースト」の関係者へのインタビューに、映画的演出を加えたドキュメンタリー映画。ユダヤ人の生存者ばかりでなく、加害者のドイツ人や傍観していたポーランド人にまでインタビューしています。 1974年から11年の歳月を掛けて、資金調達や生存者探しといった困難にもかかわらず完成に至った、9時間以上の大作です。

『ラストエンペラー』(1987年/219分)

坂本龍一の音楽にもご注目

『ラストエンペラー』
© HEMDALE/zetaimage

中華圏最後の皇帝である愛新覚羅溥儀の生涯を、前出『1900年』のベルナルド・ベルトリッチ監督が描いた作品です。 中国系アメリカ人俳優がキャストの大半を占め、ほぼ全て英語で会話する演出がなされています。

『サタンタンゴ』(1991年/438分)

ハンガリーの奇才・タル・ベーラ監督が奏でる、悪魔のタンゴ

ハンガリーの、とある寂れた村。村人が、他の村人の金を奪って逃げようなどと怪しげな相談をしています。その不穏な雰囲気を、7時間以上にわたってタンゴのステップのように行きつ戻りつしながら、さまざまな角度から映し出した映画です。 特にプロットはなく全編長回しを使っているのが特徴ですが、リアルな村人たちの描写に次第に引き込まれる魅力があります。

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『美しき諍い女』(1991年/238分)

1991年度カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞作

夏の南仏を舞台にしたフランス映画。引退した老画家が、自分を訪ねてきた若い画家の恋人を気に入り、彼女をモデルにして、未完の作品「美しき諍い女」を完成させようとするストーリーです。 実際の画家を使って長回しで撮影した絵を描く場面や、モデル役のエマニュエル・ベアールの大胆なヌードが話題になりました。

『JFK』(1991年/206分)

ケネディ大統領暗殺の真相究明に燃やす執念

ケネディ大統領暗殺は本当にリー・ハーヴェイ・オズワルドが単独で行ったのか? この謎の解明に執念を燃やす地方検事・ギャリソン(ケビン・コスナー)の実話にもとづいた歴史映画です。5年以上の搜査ののち、ついにケネディ暗殺の黒幕の起訴にこぎつけたギャリソン検事。彼の法廷弁論のシーンは、思わず画面に釘付けになります。

『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(1991年/236分)

1960年代の台湾を舞台にした青春映画

1961年に台湾で実際に起きた、中学生男子が同級生女子を殺傷するという事件を中心にした青春犯罪映画です。約4時間という上映時間の長さもさることながら、100人以上のアマチュア俳優をさまざまな役に使ったという点でも、スケールの大きい作品と言えます。 思春期のさまざまな悩みや、当時の台湾の政治・文化の状況などが丁寧に描かれています。

『ハムレット』(1996年/242分)

台詞は全て原作通りです!

『ハムレット』デレク・ジャコビ、ケネス・ブラナー、ジュリー・クリスティー
© COLUMBIA/zetaimage

デンマーク王子の復讐の物語であるシェイクスピアの同名戯曲を映画化した本作。ディスニー実写版『シンデレラ』(2015年)の監督や、『ダンケルク』(2019年)への出演で知られるイギリス人俳優、ケネス・ブラナーが監督兼主演を務めました。 元の脚本もシェイクスピアが残した戯曲のなかで最も長く、その台詞を原作どおりに再現しています。

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『EUREKA ユリイカ』(2000年/217分)

宮崎あおいの実兄との共演作

青山真治監督による「北九州三部作」の第2作にあたる作品。全編セピアの静かな映画です。バスジャック事件で心に傷を負ったバス運転手(役所広司)と10代の兄妹(宮崎将と宮崎あおい)が、人生の再生をかけて共同生活を始めます。 カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞とエキュメニック賞を受賞しました。

『地獄の黙示録・特別完全版』(2001年/202分)

コッポラ監督が描く、ベトナム戦争の狂気

山奥で王国を築いているカーツ大佐(マーロン・ブランド)を暗殺せよとの命令を受けたマーティン・シーン扮する陸軍大尉。ジャングル深く分け入るにつれて、彼の目の前には狂気としか言えない光景が次々と展開されることに……。 2001年に上映時間202分の「特別完全版」が公開され、2019年には182分の「ファイナル・カット」が発表されています。

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003年/201分)

ホビットのフロド、最後の冒険!

トールキンの小説『指輪物語』を原作とする、壮大なファンタジー映画『ロード・オブ・ザ・リング』。冥王サウロンが作った「力の指輪」を巡る 三部作の最後を飾る、旅の仲間たちと闇の軍勢との最終決戦を描いた作品です。

『鉄西区』(2003年/545分)

滅びゆく「工場」「街」「鉄路」の三部作

映画『無言歌』の王兵(ワン・ビン)監督による、日本占領下に設置され、時代と共に衰退していく中国の重工業地帯「鉄西区」の様子を、三部に分けて撮影したドキュメンタリー映画です。

『輝ける青春』(2003年/366分)

美しい映像と感動の人間ドラマで振り返る20世紀後半のイタリア

イタリアのある中流家庭の1966年から2003年までの歴史を、2人の兄弟の半生を軸に描いた大河ドラマです。当初、ミニシリーズとして制作されましたが、テレビ放映を延期してカンヌ映画祭「ある視点」部門に出品され、同賞を獲得しました。 上映時間6時間6分の劇場版の他に、さらに30分ほど長いテレビ放送版が存在します。

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『愛のむきだし』(2008年/237分)

園子温監督節炸裂の一本!

奔放な女サオリ(渡辺真起子)の誘惑に溺れる神父の父テツ(渡部篤郎)の懺悔をききながら、盗撮行為にのめり込む息子のユウ(西島隆弘)。 ある日ユウは理想の女性マリア(満島ひかり)と出会いますが、彼女は女装したユウが演じた架空の女性「サソリ」に惚れてしまいます。

『沈まぬ太陽』(2009年/202分)

信念に生きた男の一生

実在する日本航空の社員による体験を基に書かれた、山崎豊子の同名小説の映画化作品です。 「国民航空」の労働組合長として働く恩地(渡辺謙)。彼は、労働環境改善のため奔走した結果海外に飛ばされ、10年の月日を過ごして帰って来ます。その矢先、同社の旅客機墜落事故が起きるのでした。

『ジョルダーニ家の人々』(2010年/399分)

家族と不倫と同性愛と、移民の問題

ローマに住む技術者の父ピエトロを大黒柱とするジョルダーニ一家は、専業主婦の妻アニタ、外交官の長男アンドレア、心理カウンセラーの長女ノラ、次男の大学生ニーノ、三男の高校生ロレンツォの6人家族。 平和に見える一家が父の不倫を機に崩壊し、やがて新しい家族として再生していく過程を描いたドラマ映画です。

『ジェネレーション・ウォー』(2013年/275分)

再会を誓ったドイツの若者たち

第2次世界大戦を生きたドイツの若者たちの姿を、5人の男女の運命を通じて描き出した歴史ドラマ。ドイツのテレビのミニシリーズとして制作されました。 戦争に行く前に再会を誓った兄弟、親友、恋人たちに、はたして再会の日はくるのか?日本人のあまり知らない、ロシアやポーランドでの戦争のリアルな描写が必見です。

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『アイリッシュマン』(2019年/209分)

Netflixに救われた大作ギャング映画

「アイリッシュマン」と呼ばれ、マフィアとも繋がっていた実在の労働組合役員・フランク・シーランの後半生を描いた歴史大作。フランク(ロバート・デ・ニーロ)と労組のドン・ジミー・ホッファ(アル・パチーノ)の友情と裏切りがストーリーの軸です。 監督のマーティン・スコセッシは、本作の構想を10年以上練っていましたが、Netflixから資金の提供を受けて完成することができました。

ギネス認定!世界一長い映画『アンビアンス』はなんと上映時間30日!!

「予告編」だけでも7時間20分!!!

通常の映画と異なり、実験的映画やギャラリーのインスタレーションの映像には桁違いに上映時間の長い作品があります。アンディ・ウォーホルも1967年に上映時間25時間という映画を公開しました。 21世紀に入って、100時間を超える作品が作られるようになり、2012年に公開された『Logistics』は857時間(35日17時間)を記録しました。 2020年末に公開が予定されている『アンビアンス』の上映時間はなんと720時間(30日)! この映画の2014年に発表された72分の「予告編」は、2017年版ギネスブックで「最長の映画予告編」として紹介されました。なお2016年には7時間20分の予告編も公開されています。

身近になった長尺映画を楽しもう!

ビデオなどが普及してから、映画館で観ることの難しかった長編映画のプレミア版やノーカット版も、手軽に楽しめるようになりました。さらに同じ作品を繰り返し観ることで、内容の理解をより一層深めることができます。 お休みの日などに、ここで紹介した長い映画の名作をじっくり鑑賞してみてはいかがでしょうか。