2018年4月20日更新

文字通り“劇的な”人生を描いた伝記映画25選!【2000年代製作作品】

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ウィンストン・チャーチル (プレス)
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“劇的な”人生を歩んできた人物を描く伝記映画25作品

有名無名問わず、他人の知られざる人生には興味が惹かれるもの。聞こえは悪いかもしれませんが、「のぞき見できる人生」を歩んできた人物ほど、映画化においては最適な題材となります。 そんな、文字通り“劇的な”人生を歩んできた実在人物を主人公にした、2000年代に製作された伝記映画25本を抜粋します。

1,フィギュアスケート史上最大の事件の全容を暴く実録ドラマ【2018年】

貧しい家庭に生まれながらも、フィギュアスケーターとして天性の素質を持つトーニャ・ハーディングは、日々母親の虐待やシゴキを受けながらも、その能力を磨いていきます。その甲斐あって二度のオリンピック代表選手になるまで上り詰めたトーニャでしたが、ライバル選手ナンシー・ケリガンの出現により、彼女の人生は大きく狂い出します。 フィギュアスケート史上最大の事件とされる、1994年のナンシー・ケリガン襲撃事件の全容を描いた実録ドラマ。波乱万丈なトーニャ役を演じ、製作も兼任したマーゴット・ロビーはアカデミー主演女優賞にノミネート、鬼畜すぎるトーニャの母親を演じたアリソン・ジャネイは、アカデミー助演女優賞を受賞しました。

2,エマ・ストーンが伝説の女子テニスプレイヤーを熱演!【2018年】

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』

1973年、女子テニスの世界チャンピオンだったビリー・ジーン・キングは、優勝賞金が男子の8分の1である現状を憂い、「女子テニス協会」を設立します。これに対し、元テニス王者だった55歳のボビー・リッグスが挑戦状を叩きつけ、世紀の男女対抗試合(バトル・オブ・ザ・セクシーズ)が行われることとなります。 『ラ・ラ・ランド』でアカデミー主演女優賞を獲得したエマ・ストーンが、ビリー・ジーン・キングを演じた伝記ドラマ。長年明かすことのなかった、彼女の内面的苦悩にも深く入り込んだ内容となっています。男性優位主義を掲げてビリーを小バカにする態度を取りまくる、ボビー役のスティーブ・カレルも実にハマり役。日本では7月6日に公開予定です。

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3,アスリートから違法ポーカールーム経営者へと転身した女の野望【2018年】

優秀なモーグルスキー選手だったモリー・ブルームは、ケガによりアスリートを断念します。法律家を目指そうとロサンゼルスに移住したモリーでしたが、生活のために働きだしたクラブを通じて、セレブたちが集う違法ポーカーゲームの存在を知ることに。次第に彼女は、違法と知りつつもポーカールーム経営者の道を歩むこととなります。 オリンピック候補選手から一転、26歳で違法ポーカールーム経営者となった女性モリー・ブルームの半生を描いた実録ドラマ。モリー役を、『ゼロ・ダーク・サーティ』『女神の見えざる手』でのタフな役で定評があるジェシカ・チャステインが演じます。『ソーシャル・ネットワーク』で脚色賞を受賞した脚本家アーロン・ソーキンが、初監督を務めるのも話題です。

4,大統領をも恐れさせたFBI初代長官の隠された顔に迫る【2012年】

アメリカ連邦捜査局(FBI)の初代長官に任命されて以降、実に8人もの歴代アメリカ大統領に仕えてきたジョン・エドガー・フーバー。晩年に差しかかった彼は回顧録を作成すべく、書記を相手に自身がたどってきた道のりを語り始めます。 FBI初代長官フーバーの生涯を、クリント・イーストウッド監督が実際にあったとされるエピソードのみを抜粋して映画化。大統領に対しても強大な権力を振りかざしてきたフーバーの、明かされなかった裏の顔を赤裸々に綴ります。フーバーを演じたレオナルド・ディカプリオとしても、新境地を開拓しました。

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5,ヒトラーにNOを突きつけたイギリス首相の27日間の軌跡【2018年】

第2次世界大戦初期の1940年5月のイギリス。ナチスドイツによる侵略の脅威が迫る中、首相に就任したばかりのウィンストン・チャーチルに国の運命が委ねられます。前首相チェンバレンや外務大臣ハリアックスらによるヒトラーとの和平交渉派の声が高まる中で、チャーチルが下した決断とは……。 国民人気は高い一方で政敵も多かったチャーチルの、1940年5月9日からの27日間を追います。気難しいながらも好々爺な性格のチャーチルを演じてアカデミー主演男優賞を受賞したゲイリー・オールドマンに加え、同じくアカデミー賞を受賞した辻一弘のメイクアップ技術も見逃せません。 物語の要となるダンケルク作戦を描いた、『ダンケルク』や『人生はシネマティック!』なども併せて観ると良いでしょう。

6,報道の自由VS.政府の圧力、勝つのはどちらか?【2018年】

ベトナム戦争の泥沼化により反戦の声が高まっていた1971年のアメリカ。そんな中、ニューヨークタイムズ紙は、国防省がベトナム戦争うぃ分析をした文書「ペンタゴン・ペーパーズ」が存在することを突き止めます。ライバル紙ワシントン・ポストの発行人キャサリン・グラハムは、部下の編集主幹ベン・ブラッドリーらとともに、文書の存在を公表しようとするのですが……。 ドナルド・トランプが大統領に就任したのを受け、巨匠スティーブン・スピルバーグ監督が「政府による報道メディアへの圧力」を問題提起する狙いで製作。40年以上前に起こった出来事ながら、扱うテーマは現代にも通じる社会派ドラマとなっています。

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7,『ローマの休日』の脚本家に隠された波乱万丈の映画人生【2016年】

1940年代のハリウッド黄金期を支えていた脚本家ダルトン・トランボは、第二次世界大戦後にアメリカに吹き荒れた共産主義者の弾圧、通称”赤狩り”に遭います。しかし議会での証言を拒んで投獄されることに。出所後、キャリアを完全に断たれたトランボは、偽名で脚本を書く生き方を選びます。 1953年の名作『ローマの休日』を偽名で書いていた脚本家ドルトン・トランボの、再起にかける軌跡を映画化。逆境にめげることなく反骨精神を持って映画づくりに情熱を注いだトランボを、テレビシリーズ『ブレイキング・バッド』で知られるブライアン・クランストンが、ユーモアを交えて演じています。

8,車イスの天才科学者と彼を支えた妻の半生【2015年】

1963年のイギリスで、ケンブリッジ大学院で理論物理学を研究する青年スティーブン・ホーキングは、魅惑的な女性ジェーンと出会い恋に落ちます。しかし、ホーキングは次第に体の震えや転倒といった変調をきたすように。やがて難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断、余命2年の宣告を受けてしまいますが、ジェーンはスティーブンを支えることを決めます。 ベストセラー『ホーキング、宇宙を語る』などで知られ、2018年3月に76歳で亡くなったホーキング博士と妻ジェーンの半生を、彼女自身が記した自伝をベースに映画化。博士と同じ疾患の患者と接するなどして徹底した役作りをしたエディ・レッドメインが、アカデミー主演男優賞を獲得しています。

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9,息子を誘拐された母がドケチな大富豪義父と犯人と戦う【2018年】

1973年、石油王ジャン・ポール・ゲティの17歳の孫ポールがローマで誘拐される事件が発生、母親ゲイル宛てに身代金1700万ドルを要求する電話がかかってきます。離婚によりゲティ一族から離れていたゲイルがゲティにお金の工面を乞うも、大のドケチだった彼はそれを拒否する事態に……。 実際に起こった誘拐事件の顛末を、リドリー・スコット監督が映画化。当初ゲティ役はケヴィン・スペイシーが演じていましたが、完成直前にスペイシーのセクハラ問題が浮上し降板。その代役をクリストファー・プラマーが務めましたが、その際の追加撮影において、ゲイル役のミシェル・ウィリアムズと交渉人役のマーク・ウォールバーグとの「ギャラ格差」問題が浮上するなどのドタバタが発生しました。

10,名作ミュージカル映画製作の舞台裏を描くハートフルストーリー【2014年】

1940年代初頭。ディズニー映画創始者で社長のウォルトは、娘のために児童小説『メリー・ポピンズ』の映画化を企画します。しかし、原作者のトラヴァースは聞く耳を持たず、ひたすら断わり続けるのでした。それから約20年後、ウォルトはついにトラヴァースをスタジオに招き、直接交渉するまでにこぎ着けるのですが……。 1964年のミュージカル映画『メリー・ポピンズ』が製作されるまでの秘話を、トラヴァース役のエマ・トンプソンとウォルト・ディズニー役のトム・ハンクスのオスカー俳優の共演で描きます。なぜ原作者のトラヴァースは頑なに映画化を拒み続けたのか?彼女の幼少時代を並行して描くことで、その理由が明らかとなります。

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11,名ファッションブランド・シャネルの成功の秘密とは?【2009年】

フランスの片田舎の孤児院に姉とともに入れられたガブリエル・シャネルは、施設を出た後にナイトクラブの歌手兼仕立て屋のお針子として働きます。クラブで知り合った貴族のバルザンに見初められたガブリエルは、満ち足りた生活を与えられた一方でイギリス人貴族のアーサー・カペルと出会い、ファッションへの探求心を高めていきます。 世界的ファッションブランド「シャネル」の創設者、ガブリエル・“ココ”・シャネルの若き日を描いた伝記映画。『アメリ』のオドレイ・トトゥ演じるシャネルが様々な苦難を乗り越え、一代ブランドを築き上げるまでを綴っていきます。

12,25歳で亡くなったヒップホップ・レジェンドの壮絶な生涯【2017】

ニューヨークのハーレムで生まれ、黒人解放組織「ブラックパンサー」のメンバーだった両親を持つ2PAC(トゥパック)は、天性のラッパーとしての素質を活かし、1991年にデビューを果たします。抑圧と差別を訴えるリリック(歌詞)でたちまちスターダムに上り詰めた2PACでしたが、東西ヒップホップ界の抗争やメディアからの糾弾を受けるのでした。 1996年に、25歳で凶弾に倒れた2PACことトゥパック・シャクールの生涯を描いた伝記映画。余りにも若くして亡くなったことから、今なお生存説が出るほどのカリスマ性を持つ彼の死の裏側に迫ります。迫力のライブシーンも必見です。

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13,世界最大のSNSを作った男の成功と孤立【2011年】

2003年。ハーバード大生のマーク・ザッカーバーグは、友人のエドゥアルドを巻き込み、大学生同士がネットを介して自由に交流できるサイトを立ち上げ人気を博します。やがてそれは大学の枠を越えた巨大ビジネスとなっていきますが、同時にそれは、ザッカーバーグの周辺も目まぐるしく変化させることとなります……。 世界最大のSNS「フェイスブック」の創設者ザッカーバーグの半生を、フィクション要素も織り交ぜて描き、批評的にも興行的にも大成功を収めました。当初3時間分あった脚本を、セリフを早口で喋らせる演出とテンポ良い編集で約2時間にまとめた、デヴィッド・フィンチャー監督の手腕が冴えわたっています。

14, 伝説ヒップホップグループの激動の道のりを描く【2015年】

1986年のカリフォルニア州コンプトンでドラッグの売人をしていたイージー・Eは、友人のDJドクター・ドレーやラッパーのアイス・キューブらとヒップホップグループ「N.W.A.」を結成。理不尽な社会や警察への攻撃的なリリックが評判を呼び、デビューアルバム「ストレイト・アウタ・コンプトン」は全米で大ヒットします。しかし、その過激な彼らの活動は、次第に警察やFBIから危険視されるようになるのでした。 アメリカでも屈指の治安の悪さで知られる西海岸の町コンプトンを舞台に、自らおかれた過酷な日常をリリックにしたN.W.A.メンバーを描きます。アカデミー脚本賞にノミネートされるなどの高い評価を得ました。

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15,吃音症に悩むイギリス国王が世紀のスピーチに臨む【2011年】

1936年1月、イギリス国王ジョージ5世の崩御よりデイヴィッド王子が即位します。しかし彼はアメリカ人女性との結婚を望み王位を返上。代わりに弟のアルバートが「ジョージ6世」として即位しますが、彼は幼いころから吃音症に悩んでいました……。 現イギリス女王エリザベス2世の父ジョージ6世の伝記を映画化。吃音症を克服すべく言語聴覚士ライオネルの下で治療を受けるジョージと、彼を支える妻エリザベスの姿が共感を呼び、アカデミー作品賞を始めとする4部門を受賞しました。はたしてジョージは、第2次世界大戦開戦に際し国民を勇気づけるスピーチができるのか?

16,名トランペット奏者が辿る失意と再生の日々【2015年】

黒人ミュージシャンが主流だった1950年代において、白人トランペット奏者として知られたチェット・ベイカー。しかし彼は、度重なるドラッグ問題でトラブルを重ね、表舞台からすっかり遠ざかっていました。やがて俳優として共演した女優ジェーンと恋に落ちたベイカーは、彼女の支えもあって再起を目指します。 1950年代のジャズ界で活躍し、あのマイルス・デイヴィスを凌ぐ人気があったとされるトランペット奏者、チェット・ベイカーの半生を描いた伝記映画。ベイカー役のイーサン・ホークは、役に臨む際に半年におよぶトランペットのトレーニングを受けたとともに、ベイカーの代表曲「マイ・ファニー・バレンタイン」を自らの歌声で披露しています。

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17,シャンソン界の歌姫エディット・ピアフの波乱の生涯【2007年】

1915年の第1次世界大戦中のパリで生まれたエディットは、娼館を営む祖母の元で育ちます。大道芸人の父に引き取られ、路上で歌うことで歌唱力を磨いた彼女は、やがてパリの名門クラブのオーナーに見出されることに。そしてプロデビューを果たしたエディットは、スター街道を進むのですが……。 「愛の讃歌」などの名曲で知られるシャンソン歌手、エディット・ピアフの波乱万丈な47年の生涯を映画化。エディット役のマリオン・コティヤールが特殊メイクを施して熱演。アカデミー主演女優賞やセザール賞などの数々の栄誉に輝きました。

18,アメリカ史上最も悲劇に見舞われたファーストレディの使命【2017年】

1963年11月22日、時のアメリカ大統領ジョン・F・ケネディと妻ジャクリーン(ジャッキー)は、翌年の大統領選に向けてのキャンペーンのためテキサス州ダラスに向かいます。しかしジャッキーはそのパレード中に、夫を凶弾で失ってしまうのでした。悲しみに暮れる暇もないまま、葬儀の取り仕切りや副大統領の大統領就任式といった対応に追われるジャッキーは、密かにある使命を果たそうとします。 『ブラック・スワン』でオスカー女優となったナタリー・ポートマンがジャッキーを演じ、同作品を手がけたダーレン・アロノフスキー監督が製作に携わった伝記ドラマ。ジャッキー本人が愛用していたブランドの衣装に身を包んだポートマンが、芯の強い悲劇のファーストレディーを熱演しています。

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19,突如として奴隷にされた黒人男性の壮絶な12年間【2014年】

1841年の奴隷制度がないニューヨークでバイオリニストをしていた黒人ソロモンはある日、知人となった白人によって拉致され、アメリカ南部に奴隷として送られてしまいます。自分は自由証明書で認められた黒人と訴えるも聞き入れられずに、ソロモンは様々な白人の家にたらい回しにされるのでした。 実際に誘拐され12年間奴隷となっていたソロモン・ノーサップ自身の手記を、黒人監督のスティーヴ・マックイーンが映画化。興行的成功が見込める内容ではないと大手映画会社が出資を渋る中、企画に感銘を受けたブラッド・ピットが名乗りを上げたことで(俳優としても本作に出演)、ようやく製作が実現しました。その結果、見事にアカデミー作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞しています。

20,モナコ公妃となった元ハリウッド女優が見せた「大芝居」【2014年】

1956年にモナコ国王レーニエ3世の求愛を受け、公妃となった女優のグレース・ケリー。それから6年経っても公務の場になじめずにいた彼女の元に、アルフレッド・ヒッチコック監督から新作出演のオファーがきます。そんな中、モナコがフランスからの課税を強要され、危機に直面した夫を救うべく、グレースは一世一代の大芝居に打って出ます。 『裏窓』『喝采』などの代表作を持ち、モナコ公妃となったグレース・ケリーの知られざるエピソードを、ニコール・キッドマン主演で描きます。「事実と異なる描写が多すぎる」と、グレースの実子によるクレームもありましたが、至るところにヒッチコック作品へのオマージュが盛り込まれている点にも注目です。

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21,“ロックの父”と称されたカントリー歌手の最期の6年間【2016年】

1944年のアメリカ・アラバマでカントリー歌手をしているハンク・ウィリアムスは、歌手のオードリーと結婚。ハンクは順調に音楽活動が進む中、オードリーは歌手としての夢を諦めきれない状態が続いていました。次第に夫婦間の溝は深まり、ハンクは浮気やアルコールに逃げるようになります。 “ロックの父”と称されたカントリー歌手ハンク・ウィリアムスの、29年の生涯のうちの最期の6年間を濃密に描きます。家族やレコード会社からの板挟みに遭いながらも、音楽に全てを注いだハンクの生き様を、「マイティ・ソー」シリーズのロキ役で知られるトム・ヒドルストンが演じています。

22,カリスマ経営者スティーブ・ジョブズの実像に迫る意欲作【2015年】

MacintoshやiPod、iPhoneなどを開発したアップル社の共同設立者スティーブ・ジョブズ。性格的にいくつも問題を抱えていた彼の人間性を、自身が生み出した3つの製品のプレス発表会の舞台裏を通して描きます。オスカー監督ダニー・ボイルならではの、伝記映画にしては大胆な構成が特徴です。

もう一つのジョブズ伝記映画『スティーブ・ジョブズ』(2013年)も必見

また、本作より前の2013年に製作されたもう一つの伝記映画『スティーブ・ジョブズ』は、ジョブズがアップル社を設立する過程から描いた、ある種伝記映画の定石パターンとなっています。ジョブズを演じたアシュトン・カッチャーのそっくり演技が見ものなので、こちらも併せて観てみてはいかがでしょうか。

23,ナチスドイツの暗号「エニグマ」解読に挑んだ天才数学者【2015年】

1939年に勃発した第2次世界大戦において、イギリス政府はナチスドイツが誇る暗号機「エニグマ」の解読に挑みます。そこで収集されたのが、天才数学者とされるアラン・チューリングら6名の精鋭。ところが協調性に欠けるチューリングは独自の行動ばかり繰り返し、仲間と衝突する一方でした……。 エニグマ解読者の立役者となるも、人には言えない悩みを抱え続けた数学者アラン・チューリングの姿を描きます。晩年は不遇のまま亡くなったチューリングですが、後年その評価を認められており、劇中でエニグマ解読の要となったチューリング製作の機械「ボンベ」は、現代のコンピューターの原点になったといわれています。

24,世界初の有人宇宙飛行を成し遂げた男の回想録【2014年】

1961年4月12日、ソ連の人工衛星ボストーク1号で、世界初となる有人宇宙飛行を果たしたユーリイ・ガガーリン。彼はその旅の途上で、貧しい農家に生まれながらも宇宙に憧れた少年時代や、空軍パイロット候補生として厳しい訓練の日々などを回想していくのでした。 「地球は青かった」との言葉を遺した、世界初の有人宇宙飛行士ガガーリンの半生を、自らが回想していくという構成で映画化。ロケット打ち上げから、地球帰還までを見事に再現した映像にも注目です。

25,「鉄の女」マーガレット・サッチャーの知られざる孤独と苦悩【2012年】

雑貨商の家に生まれたマーガレットは、市長を務めた父の影響で政治家を志します。1975年に50歳で保守党党首に選出されたのきっかけに、79年についにイギリス初の女性首相となったマーガレットは、失墜した母国再建に取り組むことに。その一方で、妻や母としての役割が疎かになってきていることへの葛藤も抱えるのでした。 「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャーの半生を、マーガレットの娘キャロルの回顧録をベースに映画化。マーガレット役のメリル・ストリープは、イギリス英語のアクセントを習得するなどの徹底した役作りで、見事3度目のアカデミー賞受賞を果たしました。

数奇な人生をたどる伝記映画ほど面白い!

以上、2000年製作の伝記映画を挙げてきましたが、全作品に共通するのは、いずれも主人公が一筋縄ではいかない境遇にある点です。 期せずしてその境遇に陥った者、望んでその境遇になったはずなのに理想と反する人生となった者など、さまざま。もっとも、平凡な人生を歩んでいる人を映画化してもつまらないわけで、そういう意味でも伝記映画は面白いのです。 人間が存在する限り作られる伝記映画に、今後も期待しましょう。