2021年12月1日更新

おすすめ戦争映画43選!極限のリアリティ編・心揺さぶるドラマ編に分けてランキングで紹介

『プライベート・ライアン』
© DREAMWORKS/PARAMOUNT PICTURES/zetaimage

人類の歴史を語るうえで、避けて通れないのが「戦争」。古代から現代まで、人々は何度も争いを繰り返してきました。しかしそんな戦争の悲惨さや、戦下で生きる人たちを描いた名作映画も多数あります。 今回は洋画・邦画問わず戦争映画の中から、ciatr編集部おすすめの40作品を厳選!サブジャンルごとにランキング形式で紹介します。さらに番外編としておすすめのドキュメンタリー映画を3本ピックアップしました。

戦争映画を選んだ基準は?

戦争映画の順位はどう決めた?

リアリティ、主要映画祭の受賞・ノミネート歴などの評価指標を加味して、映画に詳しい編集部が順位を決定しました。この記事ではヒューマンドラマ要素の強い作品とリアルな戦争描写が特徴の作品に分けて作品を紹介しています。

おすすめの戦争映画は?

上記の基準で選んだ結果、『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』がおすすめです。

【心揺さぶるヒューマンドラマ編】

まずは戦時下で生きる人々を描いたヒューマンドラマの名作を紹介します。 時代背景や戦時下の暮らしがどれだけ忠実に描かれているかを評価するリアリティ、心揺さぶられるヒューマンドラマが描かれているかを判断する感動度、そして主要映画祭でのノミネート・受賞などの評価を加味して、順位付けを行いました。

1位:『シンドラーのリスト』(1993年)

『シンドラーのリスト』リーアム・ニーソン、ベン・キングズレー
©︎ UNIVERSAL/zetaimage

ナチス政権下でユダヤ人に手を差し伸べた男の物語

ジャンルヒューマンドラマ、戦争
キャストリーアム・ニーソン、ベン・キングスレー、レイフ・ファインズ

第二次世界大戦中、工場を経営する実業家のオスカー・シンドラーは、当時迫害されていたユダヤ人たちを安い労働力として雇い、戦争を利用して事業拡大を目論んでいました。

ナチス党員でもあるシンドラーは、同じようにユダヤ人に対する迫害意識を持っていましたが、ホロコーストによるユダヤ人殺戮が行われ始めたとき、彼の心の中では大きな変化が。

シンドラーの工場の人員が収容所送りにされてしまい、経営が立ちいかなくなったことを理由に、収容所から多くのユダヤ人を救い出す計画を実行に移していきます。

ここがおすすめ!

成金のシンドラーの変化に心を打たれる作品。全編モノクロの映像のなかに浮かび上がる、赤い服を着た少女にぜひ注目してみてください。

2位:『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997年)

『ライフ・イズ・ビューティフル』
© MELAMPO CINEMATOGRAFICA/zetaimage

悲惨な戦時下で息子を守れるものはユーモアだけ?

ジャンルコメディ、ヒューマンドラマ
キャストロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ、ジョルジオ・カンタリーニ

第二次世界大戦が激化し、ユダヤ系イタリア人であるグイドの一家はナチス・ドイツによる迫害にあい、強制収容所に送られます。まだ幼い息子、ジョズエが傷つかないように「これはゲームだ」と嘘をつくグイド。

その父の言葉を信じ、ジョズエは悲惨な生活の中でも決して明日への希望を失わず生き延びることができました。グイドはジョズエを怖がらせないよう嘘をつき続けます。戦争が終わり、自宅に戻ることができたジョズエは成長し、父の想いを知るのです。

グイドを演じたロベルト・ベニーニは、コメディアンでもあり本作で脚本・監督も手がけています。カンヌ国際映画祭審査員グランプリのほか、アカデミー賞主演男優賞、作曲賞、外国語映画賞受賞を受賞しました。

ここがおすすめ!

ユダヤ人強制収容所に送られた親子の物語を描く本作は、過酷な状況でも人生の素晴らしさを信じて疑わないことがいかに大切であるかを教えてくれます。

3位:『戦場のピアニスト』(2002年)

『戦場のピアニスト』
©STUDIOCANAL/zetaimage

過酷な戦時下に鳴り響く、美しくも悲しい旋律

ジャンルヒューマンドラマ、戦争
キャストエイドリアン・ブロディ、トーマス・クレッチマン

第二次世界大戦が起こったことで、ピアニストとして活躍していたシュピルマンにもユダヤ人迫害の手が迫ります。彼の職場はドイツ空軍によって爆撃され、家族は収容所へと連行されてしまうのでした。

なんとか収容所へ送られることを逃れたシュピルマンですが、ゲットーで連日過酷な肉体労働を課せられました。わずかな知人たちの協力もあり、ゲットーを抜け出すことに成功するシュピルマン。しかし彼は周囲の目を忍び隠れ家で、ドイツ軍に怯えながら苦しい生活を強いられます。

ここがおすすめ!

実在したポーランド人ピアニストの体験記をもとにした作品。逃亡生活をつづけるシュピルマンは、見つかればいつ殺されてもおかしくないという状況です。そんな緊張感あふれるストーリーのなかでも、人の善意と美しいピアノの旋律に心を打たれます。

4位:『火垂るの墓』(1988年)

火垂るの墓
© ADV Films/Photofest/Zeta Image

神戸大空襲で戦災孤児となった兄妹が二人だけで生き抜こうとした哀話

ジャンルヒューマンドラマ、戦争
キャスト辰巳努、白石綾乃

野坂昭如の同名小説を、スタジオジブリがアニメ化。監督・脚本を『かぐや姫の物語』の高畑勲が務めました。太平洋戦争末期の神戸大空襲で戦災孤児となった14歳の清太と4歳の節子が、2人で厳しい戦時下を生き抜こうとした物語です。

連日アメリカ軍のB29による空襲に見舞われていた太平洋戦争末期の神戸。清太と節子は逃げ惑う中で母とはぐれてしまいます。清太が避難所で大火傷を負った母を見つけた時にはすでに手遅れでした。親戚の家に身を寄せた2人は肩身の狭い思いをし、ついに清太は節子を連れて川辺の横穴壕で2人だけで暮らし始めます。

ここがおすすめ!

高畑勲監督のリアリズム志向から空襲の場面や当時の生活感などがリアルに再現されています。監督自身が1945年6月の岡山大空襲を経験しており、当時の記憶が作品に強く投影されているようです。

5位:『大いなる幻影』(1937年)

『大いなる幻影』(1937年)
© World Pictures Corporation/Photo/Zeta Image

ドイツ捕虜収容所を舞台に戦場の人間模様を描いた反戦映画の傑作

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストジャン・ギャバン、ピエール・フレネー

ヨーロッパ戦線でドイツ軍の捕虜となったフランス飛行隊のマレシャル中尉とド・ボアルデュー大尉。何度も脱走を繰り返した2人は、脱出不可能な古城の捕虜収容所へ送られます。その所長はふたりを撃ち落としたドイツ貴族のラウフェンシュタイン大尉でした。

第二次世界大戦前の1937年に公開された本作は、日独伊など枢軸国では反戦的とされ上映禁止に。第二次世界大戦の最中、パリ占領後にネガフィルムが行方不明になり、ソ連崩壊後にモスクワで発見されるという苦難の道を辿った作品です。

ここがおすすめ!

ジャン・ルノワール監督が自らの戦争体験をもとに兵士たちの真実の姿を描いた戦争映画。第一次世界大戦下のドイツ捕虜収容所を舞台に、国を超えた友情を描く一方、戦場での階級主義や非人道性を鋭く批判した反戦映画の傑作です。

6位:『戦場にかける橋』(1957年)

『戦場にかける橋』(1957年)
© COLUMBIA/All Star Picture Library/Zeta Image

日本兵の捕虜となったイギリス兵が巨大な橋の建設に従事する

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストアレック・ギネス , ウィリアムズ・ホールデン

タイのジャングル奥地にある日本兵が統治するイギリス兵捕虜収容所。連れてこられたイギリス兵は川にかける巨大な橋の建設に従事させられます。

収容所所長はイギリス兵将校にも兵士同様の労務に就かせようとしますが、将校たちは反発。見せしめとして監禁されてしまい……。アカデミー賞7冠に輝いたイギリス人監督デヴィッド・リーンによる戦争映画です。

ここがおすすめ!

横暴な日本人兵が登場するため、一部では反日映画とも言われる本作ですが、全く異なります。日本人兵を一元的に悪と描いていません。自由と尊厳について考えさせられる傑作で、クライマックスには思わず唖然とさせられます。

7位:『ビルマの竪琴』(1956年)

『ビルマの竪琴』(1956年)
© Nikkatsu/Photofest/Zeta Image

市川崑監督が二度映画化した太平洋戦争「ビルマの戦い」

ジャンルヒューマンドラマ , 音楽・ライブ , 戦争
キャスト三國連太郎 , 安井昌二

1945年夏、敗走する日本軍はビルマ国境を越えてタイへ逃れようとしていました。井上小隊には竪琴の得意な水島上等兵がおり、原住民に変装して竪琴の音を合図に進路を進める斥候の役割を果たしていました。やがて小隊は国境近くで日本の敗戦を知ります。

本作の舞台はビルマ(現在のミャンマー)であり、日本軍がビルマ・インド国民軍とともに連合軍と戦った「ビルマの戦い」末期。この戦いでの日本人戦没者は18万人に達しました。本作では出家して僧となりビルマに残った水島上等兵が、その霊を鎮魂する巡礼の旅に出る様子が描かれています。

ここがおすすめ!

モノクロの映像で淡々と語られるストーリーのなか、戦争の虚しさと音楽の圧倒的な力が描かれます。1985年には中井貴一主演版も公開されました。

8位:『ジョニーは戦場へ行った』(1973年)

『ジョニーは戦場へ行った』(1971年)
© Shout! Factory/Photofest/Zeta Image

「生きる屍」となった一兵士の姿を通して強烈な反戦を謳った不屈の名作

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストティモシー・ボトムズ , キャシー・フィールズ

ダルトン・トランボの小説「ジョニーは銃をとった」を、トランボが自ら監督・脚本を手がけた反戦映画。第一次世界大戦の戦場で両手両足と耳・目・口を失いながら、その後15年も生きたイギリス将校の実話から着想を得ています。

第一次世界大戦にアメリカが参戦し、コロラド州に住む青年ジョー・ボナムもヨーロッパ戦線へ出征していきます。しかし彼は戦場で砲弾の爆発によって肢体を奪われ、「姓名不詳重症兵第407号」となって前線の手術室に横たわっていました。

ここがおすすめ!

第二次世界大戦が勃発した年に発表された原作は、衝撃的で反戦的な内容が反体制とみなされ、1945年には絶版。トランボも赤狩りでハリウッドを追われました。その後もアメリカが戦争に関わる度に絶版と復刊を繰り返し、ついにベトナム戦争の最中の1971年にトランボの手によって映画化されました。

9位:『ジョジョ・ラビット』(2020年)

『ジョジョ・ラビット』 ジョジョ ヒトラー
©2019 Twentieth Century FoxFilm Corporation &TSG Entertainment Finance LLC

10歳の少年が目にしたナチスドイツ断末魔の悲喜劇

ジャンルコメディ , ヒューマンドラマ , 戦争
キャストローマン・グリフィン・デイヴィス , タイカ・ワイティティ

第2次世界大戦末期のドイツは、東からはソ連軍、西からはアメリカ・イギリス軍に侵攻され厳しい状況にありました。いじめられっ子の少年・ジョジョは、空想上の友だち「アドルフ」に助けられながら立派な兵士を目指して奮闘中。明るい母親と2人暮らしをしていた彼でしたが、ある日母の秘密を知り、政治的な考えが変わっていきます。

痛烈な風刺を交えて描写される戦争の狂気は、平和な時代に生きる私たちにはコメディのように見えるときもあります。しかし、戦争に反対する者は広場で絞首刑、町が戦場になって少年や老人まで戦場に駆り出されるといった本作で描かれる光景は、実際にドイツで起きた出来事にもとづいているのです。

ここがおすすめ!

アカデミー賞助演女優賞にもノミネートされた、スカーレット・ヨハンソンが演じる少年の母・ロージーに注目。女手ひとつで子どもを育てながらユダヤ人の少女も家に隠し、息子には平和の素晴らしさを説くその姿に、思わずホロリとさせられます。

10位:『硫黄島からの手紙』(2006年)

『硫黄島からの手紙』(2006年)
© WARNER BROS./All Star Picture Library/Zeta Image

太平洋戦争最大の激戦地・硫黄島の戦いを日本側の視点から描く

ジャンルアクション , ヒューマンドラマ , 戦争
キャスト渡辺謙 , 二宮和也 , 伊原剛志

クリント・イーストウッド監督による戦争映画で、太平洋戦争最大の激戦地となった「硫黄島の戦い」を日本側の視点から描いた二部作の1作。アメリカ側の視点で描いた『父親たちの星条旗』と対をなす作品です。

太平洋戦争末期の1944年6月、小笠原方面の最高指揮官に任命された栗原中将(渡辺謙)は激戦地の硫黄島に着任。これまでの水際防衛作戦を否定して内地持久戦で徹底抗戦を掲げ、理不尽な体罰を戒める栗原中将に兵士たちは驚き、西郷一等兵(二宮和也)は希望を抱きます。

硫黄島に残された日本軍兵士たちの数百通もの手紙をもとに、一兵士の目を通して栗原中将率いる硫黄島守備隊の壮絶な戦いを描いています。この戦いは太平洋戦争における初めての日本本土での戦闘であり、守備隊の玉砕がその後の戦局を大きく変えていきました。

ここがおすすめ!

アメリカ映画でありながら、全編日本語で展開される本作。第79回アカデミー賞では、外国語映画賞ではなく、作品賞にノミネートされたことでも話題になりました。当時の日本軍の特殊な価値観を描きながら、人間性を失わない魅力的なキャラクターにも注目です。

11位:『縞模様のパジャマの少年』(2008年)

『縞模様のパジャマの少年』(2008年)
© HEYDAY FILMS/All Star Picture Library/Zeta Image

2人の少年の間に芽生えた友情。そして待ち受ける悲惨な結末とは?

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストエイサ・バターフィールド , ジャック・スキャンロン

引っ越したばかりのブルーノは新しい土地にもなじめず、友達もおらず毎日寂しく退屈な日々を送っています。ある日、偶然立ち寄った施設の中で縞模様のパジャマを着て地面に座っている少年を発見します。その少年は、ユダヤ人強制収容施設で暮らすシュムエルでした。

友情が芽生え、関係が深くなっていくシュムエルとブルーノですが、戦争と迫害という2つの残酷な現実が2人の少年の前に大きく立ちはだかるのです。

ここがおすすめ!

美しい映像でつづられる少年同士の友情。しかし純粋さゆえに陥ってしまう悲劇を描いています。クライマックスから結末までは、目を背けたくなるような鬱展開がくり広げられるので、精神的に安定しているときに観るのがおすすめです。

12位:『ヒトラーの忘れ物』(2015年)

『ヒトラーの忘れもの』(2015年)
© NORDISK FILM/All Star Picture Library/Zeta Image

戦争の負の遺産を背負った少年たちの運命は!?

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストローラン・モラー , ルイス・ホフマン

ドイツの降伏により終焉を迎えた第二次世界大戦。しかし、ナチス・ドイツが埋めた地雷は地中に残されたままでした。その地雷を撤去するために、ドイツ兵捕虜の若者たちが派遣され、危険な労働を強いられることになります。これは戦争捕虜の強制労働を禁じるジュネーヴ条約に違反する命令でした。

恐ろしい現場に派遣されたのは、10代の若き兵士たち。終戦後も母国の罪を背負わされた少年たちの凄惨な現実を描きます。

ここがおすすめ!

実話をベースにした本作では、海岸に埋まった地雷を棒でつついて探し、素手で掘り起こすという胃が痛くなるような作業がつづきます。少年兵たちと、彼らを指揮するデンマークのカール・レオポルド・ラスムスン軍曹との関係の変化が見どころです。

13位:『この世界の片隅に』(2016年)

この世界の片隅に
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

「普通の人々」に起こる戦争の悲劇

ジャンルヒューマンドラマ , 恋愛 , 戦争
キャストのん , 細谷佳正

こうの史代の同名漫画を片渕須直監督がアニメ映画化した作品で、太平洋戦争下の広島・呉に嫁いだ女性すずの目を通して戦時下の日常を描いています。すずの声を女優・のんが担当し好評を博しました。

昭和19年、広島市内の港町・江波から日本有数の軍港・呉に18歳で嫁いだすず。戦時下で調味料や食材など必需品も乏しくなる中、日々の暮らしに工夫を凝らして明るく乗り切っていました。しかし戦局が悪化するにつれ呉は空襲の標的となり、すずの大切なものが次々と失われていきます。

本作で描かれた呉軍港空襲は1945年3月19日と7月24日から断続的に4日間行われ、すずの舅である円太郎が勤める広海軍工廠への空襲も描かれました。また、すずの実家がある広島市が原爆投下で甚大な被害を受けた様子も、呉での描写によってその衝撃の強烈さを伝えています。

ここがおすすめ!

「普通の人々」の生活が戦争によって徐々に変わっていき、悲劇に巻き込まれていく理不尽さを強く訴えかける本作。2019年には、新たなシーンを追加した『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が公開されました。

14位:『スウィング・キッズ』(2018年)

スウィング・キッズ
©2018 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & ANNAPURNA FILMS. All Rights Reserved.

バラバラだった戦争捕虜たちがダンスでつながっていく

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストド・ギョンス(D.O.) , ジャレッド・グライムス , パク・ヘス

1951年、朝鮮戦争下の巨済捕虜収容所。新しく赴任した所長は、収容所のイメージアップのため、戦争捕虜達によるダンスチームの結成を計画します。そこで集められたのが、トラブルメーカーのロ・ギス、語学に堪能なヤン・パンネ、生き別れた妻を探すカン・ビョンサム、そしてダンスの才能がありながら、栄誉失調で1分以上踊れない中国人捕虜のシャオパンでした。

こうして年齢、国籍、思想、ダンスのレベルもバラバラのダンスチーム「スウィング・キッズ」が誕生し、デビュー公演を行うことになります。

ここがおすすめ!

終盤のタップダンスが大きな見どころ。コメディタッチの青春ものから、戦争映画として転調していく展開に息を呑みます。

15位:『麦の穂をゆらす風』(2006年)

『麦の穂をゆらす風』(2006年)
© UK FILM COUNCIL/All Star Picture Library/Zeta Image

戦争に絆を引き裂かれる兄弟

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストキリアン・マーフィ  ポードリック・ディレイニー

アイルランド独立戦争とその後のアイルランド内戦を背景に、絆を引き裂かれる兄弟を描くケン・ローチ監督作品。カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しました。

1920年のアイルランド。イギリスの圧政からの独立を求める若者たちは、義勇軍を結成し戦いに身を投じていきます。テッドとダミアンのドノヴァン兄弟は、兄テッドがIRAで頭角をあらわし、優秀な医師だった弟ダミアンも将来を捨て、兄とともにゲリラ線に参加することを決意。英国軍との激しい戦闘をくり返すうち、彼らは理想のためには身近な人間を殺すこともいとわなくなっていました。

しかし1921年、北アイルランドの分離などアイルランド側に不利な条件を含む「英愛条約」が結ばれることに。これをめぐって兄弟は対立していきます。

ここがおすすめ!

テッドとダミアンの兄弟を通して、アイルランド独立戦争の過酷さ、そして戦争の不毛さが描かれる作品。主演のキリアン・マーフィの熱演にも注目です。

16位:『戦場のメリークリスマス』(1983年)

戦場のメリークリスマス
© Universal Pictures

誰もが知る名曲が生まれた傑作

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストデヴィッド・ボウイ , 坂本龍一 , ビートたけし

日本統治下にあるジャワ島の日本軍俘虜収容所で知り合った、英国陸軍中佐のジョン・ロレンスと粗暴な日本軍軍曹ハラ。2人はある事件の調査をするうちに、奇妙な友情で結ばれていきます。

一方、ハラの上官で所長の陸軍大尉ヨノイは、新たに俘虜として収容所にやってきた陸軍少佐のジャック・セリアズの反抗的な態度に手を焼くことに。しかしヨノイは次第にセリアズに惹かれていくのでした。

ここがおすすめ!

坂本龍一、ビートたけし、デヴィッド・ボウイなど、異色のキャストが集結した大島渚作品。戦闘シーンが全くないのも特徴。日本人が撮った戦争映画としてはメッセージ性が薄いと言われていますが、当時の日本軍における捕虜の扱いをはじめ、歴史の闇も描いています。

17位:『サラエボの花』(2006年)

『サラエボの花』(2006年)
© The Match Factory/Photofest/Zeta Image

ボスニア紛争に巻き込まれた母と娘の物語

ジャンルヒューマンドラマ
キャストミリャナ・カラノヴィッチ , ルナ・ミヨヴィッチ

ボスニア紛争で父をなくしたサラは母エスマとサラエボで暮らしていました。女手ひとつで娘サラを育ててきたエスマ。懸命に働く母を誇りに思いながらも、人知れずサラは寂しさを抱えています。

胸に孤独を秘めながらもサラは学校で自分と同じく紛争で父を失った少女と親しくなりました。穏やかに流れる日々でしたが、学校の修学旅行の旅費免除のために父の戦死証明書が必要になります。サラはエスマに初めて父の死について深くたずねることに。

ここがおすすめ!

戦争が生んだ人々の愛と憎しみ、トラウマなどを描く本作。深く暗いテーマですが、母の娘に対する愛情を強く感じさせる内容になっています。明るい画面の色彩が美しく、そのぶん人の強さを感じることができるでしょう。

18位:『日本のいちばん長い日』(1967年)

ポツダム宣言受諾か否かに揺れた歴史的1日を描いた終戦秘話

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャスト宮口精二 , 戸浦六宏 , 三船敏郎

大宅壮一編のノンフィクション「日本のいちばん長い日」を、岡本喜八監督、橋本忍脚本で映画化。当時の政治家や宮内省関係者、元軍人や民間人から聞き取った実話をもとに、太平洋戦争の終戦秘話が描かれます。

1945年7月26日、連合国は日本に無条件降伏を要求する「ポツダム宣言」を発行。宣言の受諾を巡って軍部によるクーデターも起こる中、8月14日の御前会議で、昭和天皇と鈴木貫太郎内閣の閣僚たちは宣言受諾を決定します。

8月14日正午の御前会議から15日正午の玉音放送までの「終戦の日」の1日を追い、特に日本降伏を阻止しようとした軍部のクーデター未遂事件「宮城事件」が詳しく描かれました。

ここがおすすめ!

上映時間は2時間を超えるものの、テンポの良い編集と三船敏郎をはじめとする俳優陣の名演により長さを感じさせない名作です。「エヴァンゲリオン」で知られる庵野秀明も本作からの影響を公言しています。

19位:『戦火の馬』(2011年)

『戦火の馬』(2011年)
© DISNEY/All Star Picture Library/Zeta Image

戦場の中間地帯で生きていた奇跡の馬ジョーイと少年アルバートの人馬を超えた友情

ジャンルアクション , ヒューマンドラマ , 戦争
キャストジェレミー・アーヴァイン , エミリー・ワトソン

舞台化でも成功を収めたマイケル・モーパーゴの同名小説を、スティーブン・スピルバーグ監督が映画化した戦争ドラマ。農家の少年アルバートと、軍馬として戦地に送られた農耕馬ジョーイの人馬を超えた友情を描いています。

アルバートはジョーイに日々愛情を注ぎ、ジョーイもそれに応えていました。しかし第一次世界大戦が始まると、ジョーイは生活のため軍馬としてイギリス騎馬隊に売られることに。フランスに出征したジョーイを探すためアルバートは、徴兵年齢にも満たずに入隊し最前線へ向かいます。

ここがおすすめ!

第一次世界大戦ではまだ騎兵隊が存在し、軍馬も多く徴用されていました。しかしこの大戦で、機関銃での塹壕戦や戦車の登場によって騎兵隊は無用に。本作では第一次世界大戦が新たな戦争時代に突入した様子をアルバートの物語を通して描いています。

20位:『永遠の0』(2013年)

天才パイロットでありながら「海軍一の臆病者」と呼ばれた祖父

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャスト岡田准一 , 三浦春馬

大学生の佐伯健太郎と出版社に勤める姉の慶子は、あるとき祖父の賢一郎から自分は実の祖父ではないと聞かされます。祖母の松乃は第二次世界大戦後に彼らの母・清子を連れて賢一郎と再婚しており、実の祖父は終戦間際に特攻で戦死した海軍航空兵だったことがわかりました。

それから6年後、ふとしたきっかけから健太郎と慶子は祖父がどんな人物だったのかを調べることに。さまざまな記録から祖父の名が宮部久蔵だったと知った2人は、彼を知る人物を訪ね歩きます。しかし祖父のことを「航空隊員として軽蔑されていた」と言う人もいたり、「生きるということを教えてもらった」と言う人もいたりと、その人物像はなかなかつかめません。

ここがおすすめ!

百田尚樹のベストセラー小説を原作に、過去と現在を行き来しながらつづられる物語。戦闘機パイロットだった宮部久蔵を岡田准一が、現代を生きる彼の孫・健太郎を三浦春馬が熱演しました。祖父・久蔵の生き様に感動必至です。

【極限のリアリティ編】

次は、リアリティに注目して戦争映画を紹介していきます。 まるで自分も戦場にいるかのような、迫力や臨場感を感じさせる映像、時代考証の確かさなどのリアリティ、そして受賞歴の3点からランキング付けを行いました。

1位:『プライベート・ライアン』(1998年)

『プライベート・ライアン』
© DREAMWORKS/PARAMOUNT PICTURES/zetaimage

リアルな戦闘シーンは数え切れない戦争映画に影響を与えた!

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストトム・ハンクス ,トム・サイズモア ,エドワード・バーンズ

スティーブン・スピルバーグ監督が描く第二世界大戦中のノルマンディー上陸作戦を題材に用いた作品で、主人公の陸軍大尉・ジョンをトム・ハンクスが演じました。

アメリカ陸軍のジョン・ミラー大尉は、ジェームズ・ライアンを救出するよう命令を受け、自ら選んだ兵士たちと共に必死の救出を行います。しかし、ライアン1人のために多くの兵士が犠牲になることに疑問を抱きはじめ、軍の方針にもライアン自身にも反感を持つようになり……。

葛藤を抱いたままジョンはライアン救出を続けますが、その疑問と葛藤はやがて仲間たちの心にも芽生えていきます。

ここがおすすめ!

戦闘シーンの描写は恐ろしいほどのリアリティで、常時絶望感を突きつけてきます。特に冒頭のビーチでの銃撃戦は衝撃的で、のちの戦争映画に大きな影響を与えました。

2位:『地獄の黙示録』(1979年)

『地獄の黙示録』(1979年)
© UNITED ARTISTS/All Star Picture Library/Zeta Image

オールタイムベストに挙げる人も多い傑作戦争映画

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストマーロン・ブランド ,マーティン・シーン

ベトナム戦争で戦地に赴いているアメリカ軍のウィラード大尉は、カーツ大尉の暗殺を命じられます。カーツはグリーンベレーの隊長でしたが、職務を放棄し、カンボジアのジャングルのなかに独立王国を築いていました。

カーツの王国に近づくにつれ、ウィラード大尉率いる一行は、戦争の狂気を目の当たりにします。その光景に、自身も精神を蝕まれていくウィラード。そしてようやくカーツに対面した彼は、その思想や言動に動揺します。

ここがおすすめ!

ワーグナーの「ワルキューレの騎行」をかけながら、ヘリで襲撃するシーンが有名。戦争が人の心を蝕んでいく様子が大胆かつ斬新な設定と描写で描かれる、フランシス・コッポラ監督の代表作です。

3位:『突撃』(1957年)

『突撃』(1957年)
© UNITED ARTISTS/All Star Picture Library/Zeta Image

戦争と権力の関係

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストカーク・ダグラス ,ラルフ・ミーカー

フランス軍のダックス大佐は、「アリ塚」と呼ばれるドイツ軍の要所を2日で陥落させる命令を受けました。兵士たちの疲労を知る彼は反対しますが、上層部はこれを無視。作戦は決行され、失敗に終わります。ダックス大佐は責任をなすりつけられ、軍法会議にかけられることになってしまい……。

ここがおすすめ!

戦争の不条理さと、戦時下での人間の残酷さが描かれた反戦映画。前半の塹壕戦のシーンはキューブリックのこだわりが詰まった映画史に残る名シーンです。

4位:『フルメタル・ジャケット』 (1988年)

『フルメタル・ジャケット』(1988年)
© WARNER BROS./All Star Picture Library/Zeta Image

過酷な訓練シーンは映画史に残る名場面

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストマシュー・モディーン ,アダム・ボールドウィン

スタンリー・キューブリック監督が描く、ベトナム戦争。過酷な訓練の末にアメリカ海兵隊となった若者たちが、戦地ベトナムで次々に凄惨な現状に打ちのめされ、引き裂かれていきます。

ベトナム戦争時、アメリカ海兵隊に志願した青年ジョーカー。彼は同時期に入隊した仲間とともに訓練を受けはじめます。しかし彼らを担当することになったのは、鬼教官ハーマン軍曹。彼らは叱責され罵倒され、徹底的な体罰によって心身ともに打ちのめされていきます。

厳しい訓練を耐え抜き、彼らはベトナムへ送られます。ジョーカーは上官に目をつけられ、前線に取材に行くよう命じられるのでした。

ここがおすすめ!

若く希望を持ち海兵隊を目指した若者が、戦争という残酷な現実によって歪められていく様子が辛辣に描かれました。鬼教官ハーマンの叱責シーンはトラウマ級のインパクトを残しています。

5位:『1917 命をかけた伝令』(2020年)

1917
Universal Pictures/Photofest/Zeta Image

驚異のワンカット映像!第一次世界大戦の過酷な塹壕戦に没入する臨場感

ジャンルアクション , ホラー , ヒューマンドラマ , 戦争
キャストジョージ・マッケイ ,ディーン・チャールズ・チャップマン

サム・メンデス監督が第一次世界大戦を題材に、全編ワンカットに見える驚異の映像で戦地の臨場感を描いた戦争映画。若きイギリス兵2人が、最前線の仲間を救うべく伝令として戦地を駆け抜ける姿を追っています。

第一次世界大戦末期の1917年4月、フランスの西部戦線ではドイツ軍と連合国軍による塹壕戦が膠着状態となっていました。イギリス兵スコフィールドとブレイクは、戦略的に撤退したドイツ軍を追撃するマッケンジー大佐の部隊に作戦中止命令を届ける伝令の任を受けます。

本作は1917年に行われたドイツ軍の撤退作戦「アルベリヒ作戦」をモチーフにしていますが、登場人物や物語はフィクション。その中でも、サム・メンデス監督は西部戦線で伝令を務めた祖父アルフレッドの経験談も参考にしたといいます。

ここがおすすめ!

ほぼワンカットで撮影された、約2時間におよぶ本編が最大の見どころ。若き兵士が伝令を伝えるために、戦地を駆け抜けるというあらすじは簡単なものですが、極限の緊迫感と圧巻の映像により飽きさせません。

6位:『プラトーン』(1986年)

『プラトーン』ウィレム・デフォー
©︎ HEMDALE/zetaimage

戦争の悲惨さに直面した青年の姿を生々しく描いた名作

ジャンルアクション , ヒューマンドラマ , 戦争
キャストチャーリー・シーン ,トム・ベレンジャー

若さゆえの行き過ぎた正義感から、大学を中退してまで自らベトナム戦争の戦地に赴くクリス・テイラー。アメリカ陸軍となったクリスを待ち受けていたのは、戦場の過酷さと残酷さでした。

戦争の現実に直面し戸惑うクリスですが、小隊に配属されることになります。クリスの配属された小隊は、それだけで小さな社会を形成しているような閉鎖された世界。その閉ざされた世界で、クリスは身も心も戦争に染まって行くのです。

クリス・テイラーをチャーリー・シーンが、無慈悲で残酷な軍曹、ボブ・バーンズにはトム・ベレンジャーが扮しました。

ここがおすすめ!

ベトナム戦争の最前線をリアルに描いたチャーリー・シーンの代表作。小隊内の派閥の衝突や、現地の農民の扱いなど、戦争の醜さをまざまざと見せつけられます。

7位:『西部戦線異状なし』(1930年)

『西部戦線異状なし』(1930年)
© UNIVERSAL PICTURES/All Star Picture Library/Zeta Image

愛国教育に煽られた青年が戦争の悲惨な現実に直面する

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストリチャード・トーマス ,アーネスト・ボーグナイン

第一次世界大戦中のドイツで、軍人として生きる道を選んだ若者たちの青春を描いた名作。希望と野心を胸に入隊したポールですが、実際の戦場は想像を絶する過酷さでした。

同じ学校で学んだ友が1人、また1人と戦場に散っていきます。ある日負傷兵となり、帰郷を許されたポールですが、愛国心に溢れ戦争を素晴らしいものと思い込んでいる故郷の人々に落胆します。居場所を失ったポールには、再び戦地へと戻る道しか残されていませんでした。

ここがおすすめ!

愛国教育によって理想を叩き込まれた若き兵士が、前線の惨状を目の当たりにし希望を失っていく過程を描きます。戦争の無意味さと理不尽さを問う、リアルな心理描写が魅力です。

8位:『ディア・ハンター』(1978年)

『ディア・ハンター』(1978年)
© Universal City/Photofest/Zeta Image

壮絶な戦争体験をした帰還兵をデ・ニーロが熱演

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストロバート・デ・ニーロ ,クリストファー・ウォーケン

ロバート・デ・ニーロが戦争体験の傷跡に苦しむベトナム帰還兵を演じた『ディア・ハンター』。

同じ製鉄所で働くマイケルたちは仲の良い同僚ですが、彼らの平穏な毎日にもベトナム戦争の影は迫っていました。やがて戦地ベトナムに兵士として赴くことになったマイケルたち。

戦場で必死に闘う彼らですが、ベトナム軍の捕虜となってしまい、そこで恐ろしい光景に直面します。ベトナム兵たちは、捕虜に自ら引き金をひかせるロシアンルーレットを賭けとして行っていたのです。

ここがおすすめ!

クリストファー・ウォーケンの鬼気迫る演技とリアルなロシアンルーレットシーンに注目!戦争の悲惨さや愚かさと同時に、人間の絆や愛情を意識させるストーリーも秀逸です。

9位:『ハクソー・リッジ』(2017年)

『ハクソー・リッジ』アンドリュー・ガーフィールド
©Summit Entertainment/Photofest/zetaimage

武器を持たず、前線へ……。

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストアンドリュー・ガーフィールド ,サム・ワーシントン

ある青年が陸軍へ志願。きつい訓練も難なくこなす彼でしたが、ライフルの訓練でその手が止まります。彼は絶対に銃を撃たず、さらに人を殺さないという強い信念があったのです。
上官の言うことを聞かない彼は除隊を迫られてしまい……。そんな彼が衛生兵として多数の負傷兵を救うことになろうとはこの時誰も想像しなかったのです。
監督としても活躍するメル・ギブソンが手がけた戦争映画。主演は「アメイジング・スパイダーマン」シリーズなどで知られるアンドリュー・ガーフィールドです。

ここがおすすめ!

実話をもとに、強い信念を持つ兵士を描いた感動作。銃を持たない兵士がどうやって人を救ったのかに注目です。また迫力の戦場のシーンでは、まるで実際の前線にいるかのような感覚を味わえるでしょう。

10位:『ダンケルク』(2017年)

ダンケルク
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CGなしの驚異的な戦争映画

ジャンルアクション , ヒューマンドラマ , 戦争
キャストフィン・ホワイトヘッド ,ダミエン・ボナール

第二次世界大戦中に起こったフランス・ダンケルクでの戦いを題材に描かれた戦争映画です。監督は『ダークナイト』の監督でも知られるクリストファー・ノーラン。ダンケルクでの戦いを陸、海、空の三景で切り取ります。

1940年、フランスの町・ダンケルクで英仏連合軍40万の兵士たちが窮地に陥っていました。部隊の仲間が全滅し、ひとり取り残された若き兵士・トミーは必死に町から脱出をはかります。

国からの命を受けた民間船の船長・ドーソンは海上からイギリス兵の救出に。イギリス軍パイロット・ファリアは、海岸で救助を待つ仲間を援護するため空から敵地に赴くのでした。

ここがおすすめ!

CGをほとんど使わないことで有名なクリストファー・ノーラン。尋常ではない数のエキストラが出演したり、レプリカの戦闘機を本当に飛ばすなど、徹底的にこだわったリアリティに注目です。

11位:『ブラックホーク・ダウン』(2001年)

『ブラックホーク・ダウン』(2001年)
© SCOTT FREE PRODUCTIONS/All Star Picture Library/Zeta Image

手に汗握る戦闘シーンから目が離せない

ジャンルアクション , 戦争
キャストジョシュ・ハートネット ,ユアン・マクレガー

米軍を代表とする多国籍軍とゲリラとの戦いを描いた『ブラックホーク・ダウン』。ソマリアでの「モガディシュの戦闘」を題材にした戦争映画です。戦争の前線へ送り込まれたような没入感と緊張感を巨匠リドリー・スコットが生み出しています。

1993年、泥沼化する内戦を鎮圧するため、アメリカはソマリアに兵を派遣します。しかし事態はなかなか収束せず、焦ったアメリカは特殊部隊を投入し、対立するアディード政権の本拠地への奇襲作戦を結構することに。しかし敵の思わぬ反撃にあい、ヘリコプター「ブラックホーク」が墜落してしまい……。

ここがおすすめ!

全編ほぼ戦闘シーンで構成された戦争映画です。リアリティのある描写がつづき、緊張感が途切れることがありません。

12位:『スターリングラード』(2001年)

『スターリングラード』
© PARAMOUNT/zetaimage

スナイパー同士の手に汗握る対決

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストジュード・ロウ ,ジョセフ・ファインズ

1942年、ナチスドイツの猛攻を受けていたスターリングラードに、新兵のバシリ・ザイツェフが赴任します。実戦経験の浅い彼でしたが、羊飼いの家に生まれ、幼いころから祖父に射撃を仕込まれた天才スナイパーでした。

しかしやがて彼はソ連軍の士気を高めるために利用され、英雄にまつりあげられてしまいます。

ここがおすすめ!

ストーリーは、後半からスナイパー同士の対決に発展していきます。アクションとしての派手さはありませんが、手に汗握る展開に注目。

13位:『フューリー』(2014年)

『フューリー』2014
© Columbia Pictures/zetaimage

当時の本物の戦車が登場!

ジャンルアクション , ヒューマンドラマ , 戦争
キャストブラッド・ピット ,シャイア・ラブーフ

1945年、ドイツに総攻撃を仕掛ける連合軍に「ウォーダディー」と呼ばれるアメリカ人兵士がいました。カリスマ性があり経験も豊富な彼は、自ら「フューリー」と名付けたアメリカ製の中戦車シャーマンM4で3人の兵士と行動をともにしています。そんなある日、彼の部隊に新兵ノーマンが加わることになり……。

アメリカとドイツの双方で、それぞれの技術を結集した戦車による過酷な戦闘がはじまります。

ここがおすすめ!

細部への並々ならぬこだわりが感じられる1作です。ナチスドイツが開発した本物の戦車ティーガーIも、撮影に使われました。戦闘シーンはもちろん、5人の兵士の強い絆が琴線を揺さぶります。

14位:『戦争のはらわた』(1977年)

第二次世界大戦をドイツ軍側の視点で描いた名作戦争映画

ジャンルアクション , ヒューマンドラマ , 戦争
キャストジェームズ・コバーン ,マクシミリアン・シェル

第二次世界大戦中のドイツ軍の物語。ドイツ軍の実態を深く描き、ドイツ軍の視点から第二世界大戦を体感できる作品です。

1943年のロシア戦線、ドイツ軍はソ連軍の反撃を前に敗戦が濃厚でした。しかし人望の厚いシュタイナー軍曹は、小隊を率いて不屈の魂で戦闘をつづけるのでした。

そんな彼のもとに名声だけに執着する無能なシュタイナー大尉が派遣されてきます。対照的なふたりはすぐに険悪な関係に。シュトランスキーはシュタイナーを陥れるため、ある策略をたてるのでした。

ここがおすすめ!

名声に執着するシュトランスキーと隊員を第一に考えるシュタイナーの対比で、戦争と権力の関係があぶり出されていきます。

15位:『ハート・ロッカー』(2010年)

『ハート・ロッカー』(2008年)
© Summit Entertainment/Photofest/Zeta Image

この爆弾処理屋、命知らず

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストジェレミー・レナー ,アンソニー・マッキー

2010年公開、キャスリン・ビグロー監督の『ハート・ロッカー』はアカデミー作品賞を受賞した傑作戦争映画です。イラク戦争最中のバクダッドを舞台に、アメリカ軍の爆弾処理班と爆弾犯の戦いを描いています。

イラクのバグダッド郊外。爆弾処理を専門とする特殊部隊EODに、新たなリーダーとしてジェームズ二等軍曹が赴任してきます。これまでに数多くの爆弾を処理してきた彼は、安全対策も行わない「命知らず」。部下のサルボーンとエルドリッジは、そんな彼を見て徐々に不安を募らせていきます。

ここがおすすめ!

命をかけて爆弾処理にあたる部隊を通して、究極の極限状態を体験できます。手に汗握る度は最高レベルの、戦争を題材にした映画です。

16位:『サウルの息子』(2015年)

『サウルの息子』(2015年)
© SONY PICTURES CLASSICS/All Star Picture Library/Zeta Image

絶望の日々のなかに灯すほんの少しの希望

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャストルーリグ・ゲーザ

1944年、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所。ハンガリー系ユダヤ人のサウルは、同胞であるユダヤ人の死体処理に従事していました。

あるとき彼は、自分の息子と思われる少年の遺体を発見。サウルはユダヤ教の教義に則って、少年を手厚く葬ろうと奔走します。一方で、彼と同じく強制労働を強いられているユダヤ人たちは反乱を起こそうとしていました。

ここがおすすめ!

あらゆる角度から主人公に密着するカメラワークに息が詰まる作品。戦闘ではなく、強制収容所の日々がリアリティをもって描かれ、ホロコーストの恐ろしさを訴えかけます。

17位:『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012年)

『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012年)
© COLUMBIA PICTURES/All Star Picture Library/Zeta Image

21世紀の戦争をスリリングに描いた名作

ジャンルホラー , ヒューマンドラマ
キャストジェイソン・クラーク ,ジェシカ・チャステイン

パキスタン支局でCIA分析官を務めるマヤ。かつてのアメリカ同時多発テロ事件に関わりがあるとみられる人物たちと対峙します。

さまざまな情報が飛び交い、マヤやCIAの人間は翻弄されますが、事件の中核をなしていたアルカイダ、そしてその中心人物のビン・ラディンの実態に少しずつ迫っていきます。

ここがおすすめ!

アメリカ同時多発テロのその後を描いた貴重な戦争映画です。主人公マヤを演じたジェシカ・チャステインはその演技が高く評価され、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。

18位:『高地戦』(2011年)

休戦協定をめぐる地獄絵図

ジャンルアクション , ヒューマンドラマ , 戦争
キャストシン・ハギュン ,コ・ス ,イ・ジェフン

1953年、朝鮮戦争の停戦協議は難航し、南北境界線付近の高地では、領地を奪っては奪い返すという激しい攻防がつづいていました。

そんなある日、そこに韓国諜報隊員のカン中尉が派遣されてきます。彼は激戦区のエロック高地に人民軍の内通者がいるとの情報を得て、その調査に来たのでした。

ここがおすすめ!

前半は内通者を探すミステリー要素もあり。後半の絶望的な展開と戦闘シーンの凄まじさに息を呑みます。

19位:『アメリカン・スナイパー』(2014年)

『アメリカン・スナイパー』(2014年)
© WARNER BROS./All Star Picture Library/Zeta Image

伝説の狙撃手が狂気に蝕まれる

ジャンルアクション , 戦争
キャストブラッドリー・クーパー ,シエナ・ミラー

30歳という年齢にして厳しい訓練を突破し、特殊部隊シールズに配属されたクリス・カイル。彼は恋人とともに幸せな生活を送っていましたが、結婚式の場でイラクへの派遣命令が下ってしまいます。

狙撃手として頭角を現した彼は、「伝説」として知られるように。しかし惨たらしい戦闘に傷つき前線を離れる仲間たちを目にし、次第に心を蝕まれていき……。

ここがおすすめ!

クリント・イーストウッド監督、ブラッドリー・クーパー主演の戦争映画。本作がきっかけとなり保守派とリベラル派との間で論争が巻き起こりました。戦争という強大な暴力によって傷ついた人々をリアルに描き出しています。

20位:『野火』(2015年)

じわじわ死んでいく恐怖

ジャンルヒューマンドラマ , 戦争
キャスト塚本晋也 ,リリー・フランキー

日本敗戦が濃厚となってきた第二次世界大戦後末期のフィリピン。結核を発症した田村一等兵は部隊を追放され、野戦病院へと送られてしまいます。しかし病院は負傷兵であふれ食糧も不足。田村は入院を拒否されてしまいました。

どこにも行けず、島をさまよう田村。空腹と孤独で彼は次第に衰弱していきます。

ここがおすすめ!

塚本晋也が監督と主演を務めた意欲作。死が間近に迫る極限状態で蝕まれていく人間の精神と肉体を、リアルに描写しています。

【ドキュメンタリー編】

戦争を追ったドキュメンタリー映画には、フィクションとはまた違った魅力があります。 実際に起こったことをそのまま映し出す映像、実在した人間の言動を見ると、ときにその生々しさを感じてしまうでしょう。しかし目を背けたくなる事実には、後世を生きる私たちへの教訓も含まれているはずです。 ここでは、戦争に関するドキュメンタリー映画を3作品紹介しましょう。

『ハーツ・アンド・マインズ ベトナム戦争の真実』(2010年)

フィクションでは描かれない戦争の現実を収めた名作ドキュメンタリー映画

ジャンルドキュメンタリー

ベトナム戦争のドキュメンタリー映画『ハーツ・アンド・マインズ ベトナム戦争の真実』。これまで、多くの作品で題材として取り上げられてきたベトナム戦争ですが、この作品はベトナム戦争終焉間近の1974年に製作されました。

米軍兵に吹き込まれていた大義名分、地元住民の反発、そしてベトナム戦争から我々はなにを学んだのかを問いかけます。日本での公開は2010年。40年以上の時を経て、ベトナム戦争の真実に触れることができる作品です。

ここがおすすめ!

フィクションの映画では描かれることのなかったベトナム戦争の真実は、平和な現在を生きる私たちにとって痛々しくも貴重な体験となるでしょう。

『彼らは生きていた』(2020年)

第一次世界大戦当時の記録映像が現代にカラーで蘇る

ジャンルドキュメンタリー

「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで著名なピーター・ジャクソン監督が、第一次世界大戦の記録映像を再構築して1本のドキュメンタリーとして製作した作品。 第一次世界大戦終結から100年となる2018年に、イギリス帝国戦争博物館の未公開アーカイブ映像をカラーで蘇らせました。

人類史上初の世界大戦となった第一次世界大戦が開戦した1914年。8月にはイギリス各地で宣戦布告の知らせと募兵ポスターも掲出されます。志願資格は19歳から35歳にも関わらず、19歳に満たない若者たちがよくわからないまま志願して入隊。そして彼らは西部戦線へと送られていきました。

経年劣化の激しい無音のモノクロ映像に修復や着色を施し、退役軍人たちのインタビュー音源や新たなキャストを用いた会話や効果音などを追加しています。

ここがおすすめ!

過酷な戦場ばかりではなく、食事や休息で笑顔を見せる兵士たちの日常も記録されています。遠い過去に彼らは確かに「生きていた」と実感できる傑作ドキュメンタリーです。

『東京裁判』(1983年)

戦後日本の進路を決定づけた裁判の記録

ジャンルドキュメンタリー

「人間の條件」3部作などの小林正樹監督による、4時間37分にもおよぶ歴史ドキュメンタリー。アメリカ国防総省で密かに保管されていた「極東国際軍事裁判」、通称「東京裁判」の記録映像。そのなかには、法定の様子だけでなく、ヨーロッパ日中戦争、太平洋戦争の記録も収められていました。

終戦から25年後に解禁されたその模様を、5年の歳月をかけて編集・製作したものです。

ここがおすすめ!

戦前のニュース映像やさまざまな国のフィルムも交え、戦後世界の原点を紐解いていきます。

悲惨さを後世に伝えていく戦争映画の大切さ

戦争映画はいつの時代でもその悲惨さを描き、反戦の精神を伝え、後世に残る名作も生まれてきました。しかし戦時下では逆に戦意高揚のためのプロパガンダとして使われた戦争映画も多々あります。 どの国でもそんな負の歴史があり、そこから戦争の正体を学んできたともいえます。どんな歴史でも決して忘れないことが重要。これから先も戦争映画から多くのことを知って自ら学び、戦争に対する知識と意識を高めていければ戦争のない世界に一歩近づくことができるかもしれません。