ドラマ『ロングバケーション』最終回までの各話あらすじ・ネタバレ【キャストも紹介】
第1話:2人の出会い。白無垢姿の南がやってきた
舞台は1996年の東京。ピアノ教室を営む瀬名の住むマンションに、白無垢姿の女性がやってきました。彼女は葉山南。瀬名のルームメイトである朝倉と結婚式を挙げる予定でしたが、朝倉がなかなか来ないのです。部屋には朝倉からの手紙が残っており、南は彼に逃げられたことがわかりました。
その後、ひと悶着ありながらも文無しの南は瀬名の部屋で暮らすことに。2人は悪態をつきながらも距離を縮めていきます。そして南の誕生日、朝倉からの電話を待ち続けますが……。
第2話:すれ違い、そして南の失恋
瀬名と南のもとにかかってきた電話は、南の実の弟である真二からのものでした。お金に困っているという真二は、恋人のルミ子とともに2人の部屋にやってきたのです。
一方、瀬名は片想いの相手である涼子とデートすることに。デートを楽しむ2人でしたが、偶然南とその親友の桃子と出くわしてしまいます。良かれと思って2人をからかう南でしたが、かえって2人は気まずくなってしまい、瀬名は南にいら立ちをぶつけるのでした。 そして、瀬名のもとに朝倉からの手紙が。内容は南とは別の女性と結婚した、というものでした。隠そうとする瀬名でしたが南に見られてしまいます。涙を流す南のことを、瀬名はただ見ているのでした。
第3話:仕事も恋愛も雲行き怪しく……。
モデルの仕事がなくなり、新人モデル・いづみのマネージャーの仕事をやらざるを得なくなった南。朝倉のことで荒れていた南は、自分に反発してきたいづみとケンカになってしまいます。それが原因で、南はモデル事務所をクビになってしまいました。
瀬名と涼子を真二の経営するクラブへと誘った南。涼子と真二は初対面ではないようで、ジャムセッションで盛り上がります。その後、涼子を送ると一緒にタクシーに乗り込んだ真二。その深夜、真二の恋人であるルミ子が「真二が涼子を送ったまま帰って来ない」と瀬名と南のもとにやってきたのでした。
第4話:瀬名の恋を応援する南。でもその気持ちは……。
結局真二は帰って来ず、翌朝帰ってきた涼子は南と桃子を訪ねました。彼女は真二のことが気になる様子です。一方の瀬名は涼子の気持ちを知ってしまい、一人落ち込みます。めげずに再び彼女をデートに誘うも、何も進展できずにいました。
その後、瀬名に恋を進展させるアドバイスをする南。しかし、その途中で南も瀬名のことが気になり始めているようです。瀬名は南のアドバイス通り涼子にアタックしますが、彼女の心には届いていない様子。2人の心はすれ違っていくのでしょうか。
第5話:南に新しい出会い?
今までの様子とは一転、瀬名に対して好意的に振る舞う涼子。またデートすることになった2人を見て、南は複雑な思いを胸に抱えます。そんな南が出会ったのがカメラマンの杉崎です。撮影で関わったときから南のファンだという杉崎は彼女をライブに誘います。
一方、映画を観る涼子と瀬名。その後、映画について話す2人でしたが、会話がまるでかみ合いません。別れ際、瀬名は次のデートの約束をしようとしましたが、忙しいとごまかされてしまいました。 やはり真二への想いを止めることのできない涼子。彼女は瀬名を呼び出し、「他に好きな人がいる」と告げるのでした。
第6話:傷心の瀬名。南との関係は
振られた瀬名を励ます南。それでも立ち直れない瀬名は、音楽大学の佐々木教授のもとを訪れます。一方の南は杉崎と映画を見に行きました。それは瀬名と涼子が観たのと同じ作品で、別れ際に杉崎は南にアシスタントにならないかと誘います。
真二はルミ子に結婚をせがまれ、戸惑っている様子。そんな時に涼子が桃子に背中を押され、想いを伝えようと真二の店にやってきます。瀬名は涼子のために、真二と彼女がうまくいくよう仕向けるのでした。 そんなことがあり、放心状態に語り合いながら帰る瀬名と南。ここで瀬名が「キスしようか」と言い、2人はキスをするのでした。
第7話:揺れる南の心と待ち続けた瀬名
瀬名とのキスがきっかけでぼーっとしていた南は、納品するはずの杉崎のフィルムをなくしてしまいました。彼女は桃子にも手伝わせて、必死でフィルムを探し回ります。
一方、ルミ子に隠れて涼子に電話をかける真二。しかしそれに気付いたルミ子と大ゲンカになり、2人は本格的に別れ話を始めました。そして瀬名の後押しもあり、涼子は真二と結ばれたのでした。 ミスのせいでアシスタントを辞める覚悟でいた南。しかしフィルムが見つかり、南と杉崎は急いで仕事を再開します。南が必死でフィルムを探していたことを知り、杉崎は彼女に想いを伝えました。その優しさに心を打たれ、南は杉崎とキスを交わすのでした。 翌朝帰ってきた南。瀬名と杉崎の間で揺れている様子の彼女ですが、徹夜で彼女の帰りを待っていた瀬名と会い、お互い気まずそうに見つめ合うのでした。
第8話:瀬名の決意、そして2人の別れ
朝帰りをした南に対し、皮肉を言う瀬名。2人は険悪な雰囲気になってしまいます。杉崎のことがあり、南は新しい家を探し始めるのでした。
一方、瀬名は佐々木に勧められた大きなコンクールへの出場を決意します。ルミ子は桃子の紹介で新しい恋人を見つけ、真二と涼子は上手くいっている様子でした。 そんな中、南は杉崎から実はバツイチで前妻との間に子どもがいることを打ち明けられます。複雑な気持ちになった南は、瀬名との最後の夜にそれを話しました。すると瀬名は嫉妬からか、杉崎のことを悪く言い、南は騙されている、と忠告するのでした。 翌朝、部屋を出た南はマンションの下から瀬名を呼び、「寂しいね」と呼びかけます。見送る瀬名の目にも涙が浮かんでいました。
第9話:瀬名の夢を支える南。でも2人はすれ違って……。
南が出ていってしまい、意気消沈の瀬名。コンクールのために一流ピアニストの小田島の指導を受けますが、思うように演奏できない瀬名は突き放されてしまいます。更に、一緒に帰っていた涼子がトラックに轢かれそうになったのを助けたことで、右手を負傷してしまいました。
心が折れてしまい、ピアノを諦めると決めた瀬名。ピアノを下取りに出そうとしていることを、彼と同居することになった真二から聞いた南は納得がいかない様子です。南は、瀬名の才能を信じていたのでした。 杉崎という申し分のない恋人がいながら、瀬名のことを気にかける南。彼女は瀬名のためにピアノを練習し、下取りに出す直前に彼の前で演奏してみせます。「諦めなければ奇跡を起こすことができる」と告げ、ピアノを辞めようとする彼を説得するのでした。 その後、自分の部屋へと帰る南。しかし瀬名と会ったことで心が揺れ、1人涙を流していました。一方の瀬名も南への想いを止めることができず、彼女のもとへと急ぎます。そこに杉崎がやってきて、南と瀬名の想いは入り混じるのでした。
第10話:自分の気持ちに気付いた南
お互いのことを想いながらも素直になれず、すれ違う南と瀬名。一方、涼子と真二の関係も雲行きが怪しくなっていました。涼子を気遣うのに疲れた真二は、ルミ子との居心地の良さに気付き始めていたのです。
瀬名はピアノの腕を上げ、小田島からも「誰かのために弾いている感じがする」と褒められます。コンクールの予選での瀬名の演奏は素晴らしいもので、聴きに来ていた南も感動するほどでした。その後2人はホールの外で会話を交わしますが、まだすれ違ったままでした。 その後、杉崎からプロポーズされた南。杉崎とその子どもとの関係は上手くいきつつも、瀬名のことを忘れられずにいました。深夜に桃子を呼び出した南は、彼女に「先輩が本当に会いたい相手は他にいますから」と核心を突かれるのでした。 瀬名の元に向かった南。「何しに来たの」と聞かれ「瀬名とキスしに来た」と答えると、2人はキスを交わし想いを確かめるのでした。
最終回:瀬名の夢と、2人の未来
お互いの想いを確かめた瀬名と南。後日、そのことを報告された桃子は、以前から南の想いに気付いていたと祝福します。しかし、南にとっては良いことばかりではないようで、彼女は瀬名を想うゆえの苦しさも感じていました。
瀬名は難関と言われるコンクールの本選への出場を決意し、瀬名への想いに嘘はつけないと、南は杉崎に別れを告げます。その反面、世界に出ていこうとする瀬名に自分は釣り合わないのではないかと葛藤もしていました。 ついに迎えた本選の日。瀬名はギリギリで会場に入ってきた南に気付き、彼女のことを想いながら演奏しました。結果、彼の演奏は絶賛され、ボストンでのピアニストデビューが決まりました。 瀬名の成功を見届け、気後れする南。しかし瀬名は表彰式でのあいさつもそこそこに会場を出て、南を探し回ります。瀬名のマンションの前で南を見つけ、一緒にボストンに行こうと告げるのでした。 そして、その1年後。結婚式の衣装のまま、結婚式に遅刻してしまうとボストンの街を笑いながら走る2人の姿で、物語は終わるのでした。
ドラマ「ロンバケ」に出演していたメインキャスト一覧
平均視聴率29.6%という大ヒットを記録した『ロングバケーション』。そんなヒット作に登場した個性豊かなキャラクターと、彼らを演じた俳優陣を紹介します。
瀬名秀俊役/木村拓哉(元SMAP)
主人公は音楽教室講師のピアニスト・瀬名秀俊。シャイな性格ゆえに、片想いの相手である涼子と距離を詰められずにいたり、ピアノのコンクールになかなか挑戦できずにいました。そこに現れた南の影響で、徐々に変わっていきます。 瀬名を演じたのは木村拓哉。当時アイドルグループ「SMAP」として活動しながら、役者としても数多くの作品に出演し、国民的人気俳優となりました。他にも『HERO』などの人気ドラマに出演しました。
葉山南役/山口智子
結婚相手に逃げられ、瀬名のマンションに転がり込んだ落ち目のモデル・葉山南。瀬名とは反対にポジティブな性格で、明るくサバサバしています。余計な一言を言ってしまうことも多く、そのせいで瀬名とケンカになったこともありました。 そんな南は山口智子が演じました。モデル業を経て、女優へと転向した山口の出演する作品は軒並み高視聴率をマークし、「高視聴率の女王」と呼ばれました。現在も女優・タレントとして活躍しています。
葉山真二役/竹野内豊
南の弟・葉山真二。かなりのプレイボーイですが、根は繊細で友達思いな優しい性格です。姉の南と仲が良く、フレンドリーな性格からか瀬名ともすぐに仲良くなることができました。 真二を演じたのは竹野内豊。本作など人気ドラマの出演で一躍人気俳優となりました。その後も、ドラマや映画、テレビコマーシャル等で活躍し、2018年も映画『孤狼の血』やドラマ『義母と娘のブルース』などに出演しています。
小石川桃子役/稲森いずみ
南の後輩モデル・小石川桃子。南とは大変仲が良く、マイペースな性格の不思議ちゃんです。南や涼子の恋愛に首を突っ込むトラブルメーカーですが、一方で彼女の言葉が核心を突く場面もあります。 桃子を演じたのは稲森いずみです。モデルから女優へ転身した稲森は1998年のドラマ『ハッピーマニア』での初主演をきっかけにドラマや映画など、人気作に多く出演しました。近年においては大人の魅力あふれる働く女性を演じることが多いようです。
奥沢涼子役/松たか子
瀬名の後輩・奥沢涼子。瀬名が片想いしていた相手でもあり、デートを重ねるものの奥手な性格と恋愛経験の少なさから進展はしませんでした。大変シャイで純粋な性格で、リードしてくれる真二に惹かれるようになります。 涼子を演じたのは松たか子。木村拓哉とは『ラブジェネレーション』や『HERO』でも共演し、いずれも高視聴率の人気ドラマとなりました。現在も女優・歌手として多方面で活躍しています。
氷室ルミ子役/りょう
インテリアデザイナーで真二の恋人・氷室ルミ子。マイペースな性格で、真二が涼子との関係を続けていても彼を想い続ける一途な面もあります。 そんなルミ子はりょうが演じました。モデルとして活動していましたが、本作で女優デビューを果たし、活躍の幅を広げました。その後も「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」シリーズなどのドラマに出演し、歌手活動も行っています。
佐々木教授役/森本レオ
瀬名の恩師である日本芸術大学の佐々木教授。瀬名のことを気にかけ、彼のピアノにアドバイスをしたり実力が伸び悩む彼に励ましの言葉をかけたりする心優しい人物です。 そんな佐々木は、森本レオ(写真右下)が演じました。数多くのドラマや映画に出演し、CGアニメ『きかんしゃトーマス』やドラマ『王様のレストラン』などでの穏やかな語り口のナレーションも人気となりました。
斉藤哲也役/小林すすむ
南や桃子を担当するマネージャー、斉藤哲也。真二との別れで意気消沈していたルミ子と付き合ったこともあります。 斉藤を演じたのはお笑い芸人の小林すすむです。1979年、お笑いトリオ「ヒップアップ」の一員となった小林は、お笑い芸人としてだけでなく俳優としても活躍し、重要な脇役を演じました。しかし2012年、病気のため58歳で亡くなりました。
椎名いづみ役/建みさと
南や桃子の後輩モデルの椎名いづみ。かわいらしい見た目とは裏腹に気が強い性格で、南を「おばさん」呼ばわりしてケンカになりました。 いづみを演じたのは建みさと。女優としてテレビドラマに出演するほか、リポーターとしても活動しています。ドラマやテレビCMの他、舞台女優としても活躍しています。
斉藤貴子役/広末涼子
瀬名の音楽教室の生徒・斉藤貴子。不愛想でプライドが高く、瀬名に対して「もっといい講師が見つかるまでのつなぎ」と言い放ちました。その後瀬名と関わる中で心を開くも、ジュリアードへの留学が決まり旅立ちました。 そんな貴子は、広末涼子が演じました。日本アカデミー賞優秀主演女優賞をはじめ、多くの賞を獲得した実力派女優です。現在も数多くの映画、ドラマで活躍し、その飾らない魅力で素敵な大人の女性を演じています。
杉崎哲也役/豊原功補
プロカメラマンの杉崎哲也。南のファンだったことから彼女をアシスタントとして雇い、交際に発展しました。婚約までこぎつけますが、瀬名のことを忘れられない南に別れを切り出されます。 杉崎役は豊原功補が務めました。豊原は、映画やテレビドラマ、舞台などで幅広く活躍しています。2007年には、『受験のシンデレラ』でカリスマ受験講師を演じ、第5回モナコ国際映画祭の最優秀主演男優賞を受賞しました。
名作ドラマ『ロングバケーション』あらすじネタバレをチェック
若者たちの憧れを描いた他のドラマとは違い、等身大の若者たちの姿を描いて大ヒットとなった『ロングバケーション』。当時は一般的ではなかった年下の男性との恋愛を、南と瀬名を通じて描いた点や、木村拓哉の出世作となり今では当たり前となった「キムタク」の愛称を生むなど、大きな影響を与えた作品です。 今回はそのあらすじと、登場人物や豪華キャスト陣を振り返りました。振り返りながら懐かしい気持ちになった人も多いはずです。 今観ても心に残る名作ドラマ『ロングバケーション』。これを機会に見返してみてはいかがでしょうか。