『猟奇的な彼女』あらすじ
最悪な出会い
物語の冒頭、大学生のキョヌが母親から言われます、自分の子供を亡くしたキョヌの叔母が、キョヌに会いたがっているので慰めるためにも一度行ってきなさい、と。そんな叔母の気持ちを少し重く感じるキョヌは、なんとか叔母に会いに行くのを回避しようとします。
キョヌはその日の夜、地下鉄の中で泥酔した女性“彼女”と出会います。乗客の男性に迷惑をかけてしまった“彼女”を介抱する羽目になってしまったキョヌでしたが、翌日我に戻った“彼女”からあらぬ疑いをかけられ、呼び出されるところから二人の関係は始まります。
外見は大好きなタイプですが性格は最悪の印象だった“彼女”の理不尽にも思える数々の要求に、嫌々でも必死で答えるキョヌでしたが、どこかしら心の痛みを抱える“彼女”に次第に好意を持っていきます。一方、キョヌに惹かれていく自分を制するかのように“彼女”の態度はいつまでも曖昧です。実は彼女は過去に大切な恋人を亡くしていたのです。
そんな中、“彼女”を送った時に“彼女”の両親に会うことになってしまったキョヌは、両親が自分の娘を相応なそれなりの人物と結婚させたいと願っていることを知ります。親に逆らいきれなくなった“彼女”は、男性との見合いの席にキョヌを呼びだします。“彼女”から「友達」と紹介されたキョヌは、彼女が席を外した隙にその男性に“彼女”の取扱い方を教え立ち去ります。その自分に対する優しさのあふれる話を男性から聞いた“彼女”は、夢中でキョヌを追いかけます。
未来のための別れ
キョヌのことを思いながらも、死んだ恋人に対する気持ちにケリがつけられないでいる“彼女”は、気持ちの整理をつけるために2年間の時間が欲しいと言います。お互いに今の気持ちを手紙に書いてタイムカプセルにしまい木の下に埋めて、2年後その木の下で再会し一緒に手紙を読むことを約束して2人は別れました。
2年ぐらいは待てると思ったキョヌは同意し別れます。その間インターネットで、“彼女”と過ごした日々について書いたところ、評判になり映画化されることが決まったのです。シナリオライターを目指していた“彼女”に報告したくなり、再会が待ち遠しく思えました。
やがて2年の月日が流れ約束の日がきましたが、“彼女”は現れませんでした。ひとり恋人との悲しい別れをつづった“彼女”の手紙を読むキョヌでした。
それからしばらく時は経ち、“彼女”はやっと木の下に行くことができました。もちろんそこにキョヌはいません。木の下に座っていた老人が“彼女”の顔をじっと見ます。そして“彼女”に「この木が、昔のままだと思うか」とたずねました。この木は雷にうたれ倒れてしまったが、ある青年がどこからかそっくりな木を見つけてきて植えながら「この木がないと困る人がいるのです」と言ったと話しました。
キョヌの気持ちと自分の気持ちがはっきりわかった“彼女”は、泣きながらキョヌの携帯電話に連絡しますが、すでに番号が変わった後でした。
遠回りした再会
時は流れ、“彼女”は久しぶりに亡くなった恋人の母親に会いに行きます。そこに自分の叔母から呼び出されたキョヌがやってきます。そして叔母はキョヌに言います。「ずっと前からあなたに紹介したい女性がいたけれど、あなたがちっとも会いに来ないから・・・、あなたたちは合うと思うの、これからお互いに理解しあって、付き合ってみて」と。キョヌはテーブルの下でそっと“彼女”の手を握ったのでした。
“彼女”/チョン・ジヒョン
美人だけど「ぶっ殺されたい?」が口癖です。乱暴で突拍子もない要求をしてキョヌを振り回す“彼女”ですが、その行動には悲しい理由がありました。キョヌの優しさでどんどん心が癒されていきます
1981年10月30日生まれ。映画『猟奇的な彼女』(2001年)で韓国の演劇賞『大鐘賞』の女優主演賞を受賞しました。映画『暗殺』(2015年)で、2度目となる『大鐘賞』の女優主演賞を受賞しました。また日本では花王『アジエンス』(2007年)のCMに出演していました。
2016年7月にはメインキャストで出演した『暗殺』が日本公開されます。
キョヌ/チャ・テヒョン
キョヌは小さい頃から女の子のように育てられたやさしい男性です。わがまま放題で曲がった事は正さずにいられない“彼女”に戸惑いながらも、“彼女”の心の中の悲しみに気づき次第に惹かれていきます。後に“彼女”の一連の行動には、恋人との思い出が詰まっていた事を知ります。
1976年3月25日生まれ。映画『僕の彼女を紹介します』(2004年)でチョン・ジヒョンと再び共演しています。映画『ハロー!?ゴースト』(2012年)サンマン役や映画『サッド・ムービー』(2005年)ハソク役など多数の映画、ドラマなどで活躍しています。
2016年公開予定の『猟奇的な彼女2(仮題)』にも出演することが決定しています。
キョヌの父親/キム・インムン
1939年4月13日生まれで、ドラマ『おいしいプロポーズ』(2001年)ワン・ナンファ役など多数出演しています。
キョヌの母親/ソン・オクスク
のんびりしたキョヌに怒ってばかりで、いつもその時に近くにある物でキョヌをポコッとたたきます。
1960年8月14日生まれで、ドラマ『冬のソナタ』(2002年)のカン・ミヒ役で日本でもおなじみです。
キョヌの叔母/ヤン・グムソク
キョヌのいとこでもある、大切な一人息子を亡くします。二人のキューピットになります。
1961年01月22日生まれで、ドラマ『恋人』(2006年)チョン・ヤングム役など多数出演しています。
“彼女”の父親/ハン・ジンヒ
娘に似て酒癖が悪いのか、キョヌを前に言いたいことを言ってはバタッと倒れます。
1949年3月14日生まれで、ドラマ『会いたい(ポゴシッタ)』(2012年)ハン・テジュン役などたくさんの映画、ドラマに出演しています。