2018年1月19日更新

クローネンバーグ監督映画おすすめ12選

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『ザ・フライ』
© 1986 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

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鬼才!クローネンバーグ

デヴィッド・クローネンバーグは1943年3月15日生まれ、カナダ・トロント出身の映画監督。トロント大学では生化学を学び、卒業後に執筆した脚本が映画会社の目に留まり、1975年に『シーバース』で長編デビューを果たしました。 以降、異色ホラー映画を次々と発表し、1986年の『ザ・フライ』で世界的な成功を収め、国際的にその名を知られる監督となりました。

『ザ・ブルード/怒りのメタファー』感情を肉体化させるホラームービー【1979年】

精神科医の実験によって、主人公エッガーの憎悪が肉体化。体内に腫瘍が発生し、そこから奇怪な子ども型の存在が現れます。これはまさに怒りが具現化した姿であり、感情と肉体の関係を極限まで描いた作品です。 一見地味ながらも、観る者に深い嫌悪感と後味の悪さを残す衝撃作です。

『スキャナーズ』超能力者 VS 超能力者 グロテスクな描写のSFホラー【1981年】

『スキャナーズ』
© 1980 Filmplan International Inc. All rights reserved

警備会社によって超能力を増幅された男・ベイルが、同じく強大な力を持つレボックを追うという物語。頭部が破裂するショッキングな名場面を含め、グロテスクながらスタイリッシュなSFホラーです。 "スキャナー"という呼称も含め、80年代ならではのセンスが光る一本です。

『ヴィデオドローム』クローネンバーグの代表作品【1983年】

『ビデオドローム』
© 1983 Guardian Trust Company. All Rights Reserved

小さなテレビ局の社長が、過激な映像テープ「ヴィデオドローム」に取り憑かれていく過程を描く。暴力・官能・メディア洗脳をテーマに、人間の感覚がどのように歪められるかを描いた一作。 テレビが柔らかく変形するなど、視覚的インパクトも凄まじく、映像と身体の融合を象徴する代表作です。

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『デッドゾーン』スティーブン・キング原作のSF映画【1983年】

昏睡状態から目覚めた男が予知能力を得て、未来の破滅を阻止しようとする物語。主人公の哀愁と葛藤、バッドエンドとも取れるラストが印象深い作品。 クローネンバーグらしさとキングの世界観が絶妙に融合したサスペンス・SF映画です。

『ザ・フライ』『蝿男の恐怖』のリメイク【1986年】

『ザ・フライ』
© 1986 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

物質転送装置の実験中に蝿と融合してしまった科学者の変貌を描く。SFXの革新と悲劇性を兼ね備えた作品で、ホラーでありながら感動作としても高い評価を受けています。 変貌する身体に宿る恐怖と悲しさは、クローネンバーグの真骨頂。

『戦慄の絆』第1級のサイコ・スリラー【1988年】

一卵性双生児の産婦人科医、エリオットとビヴァリー兄弟の絆が、美しい女性の登場により崩壊していく。精神と身体の分離、双子という存在の曖昧さを繊細かつ衝撃的に描き出しています。 ジェレミー・アイアンズの一人二役が圧巻。

『裸のランチ』W・バロウズの小説を映画化【1991年】

幻覚と現実が混在する奇妙な世界で、作家ウィリアムが自らの妄想に溺れていく物語。バロウズの難解な小説を映像化した異色作で、クローネンバーグの映像センスが炸裂。 薬物、害虫、粘膜的な描写が満載のグロテスクな美学が展開されます。

『イグジステンズ』バーチャルリアリティーゲームが題材のSFサスペンス【1999年】

ゲームと現実の境界が曖昧になる世界で、ゲームデザイナーとそのボディガードがゲーム内世界を彷徨う物語。生体的なコントローラーやポートなど、不快感すら覚える独自の世界観が展開。 脚本も緻密で、クローネンバーグの変態性が凝縮された一作。

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『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』主人公の回想が観る者を混乱させるサイコ・スリラー【2002年】

心療施設から出た男が過去の記憶を回想するうち、混乱に陥っていく。何が真実で何が妄想なのか分からないまま進むストーリー。 静謐でありながら強烈な印象を残す、クローネンバーグ流の心理スリラー。

『ヒストリー・オブ・バイオレンス』DCコミックスのグラフィック・ノベルを映画化【2005年】

平凡な男がある事件をきっかけに過去を暴かれていくサスペンス。説明過多にならず淡々と展開する中に、緊張感と暴力が巧みに織り込まれています。 ヴィゴ・モーテンセンの演技が際立つ、クローネンバーグ作品の中でも見やすい傑作。

『イースタン・プロミス』ロシアン・マフィアと人身売買を描いたバイオレンス【2007年】

イースタン・プロミス
© 2007 Focus Features, LLC. All Rights Reserved.

ロンドンで助産師として働く女性が、ロシアン・マフィアの闇に巻き込まれていく。運転手ニコライとの奇妙な関係とマフィア内部の陰謀が重厚に描かれます。 ヴィゴ・モーテンセンが再び主演を務め、サウナでの肉弾戦など迫力あるシーンも必見。

『マップ・トゥ・ザ・スターズ』ハリウッドセレブの悲喜劇を描いた人間ドラマ【2014年】

ハリウッドを舞台に、セレブ一家の崩壊を描く風刺ドラマ。ジュリアン・ムーアが演じる落ち目の女優を中心に、家庭の歪みと過去の罪が浮き彫りに。 クローネンバーグらしい皮肉と毒に満ちた作品で、ハリウッドの裏側を覗き見させてくれる一本です。