小津安二郎監督映画おすすめランキングトップ8

2017年7月6日更新

「小津調」と称される独特の演出技法で、優れた作品を多数生み出し、世界的に高い評価を得ている小津安二郎。1963年12月12日、60歳の誕生日に亡くなった後も評価は高まる一方で、日本のみならず、世界の名だたる映画監督達にも影響を与え続けています。小津安二郎 全54作品の中から、観ておきたい8作品を紹介します。

邦画史を代表する映画監督小津安二郎

小津安二郎

小津安二郎は1903年12月12日、東京深川生まれの映画監督・脚本家です。小学生の時に父親の故郷、三重県松阪市に移りました。小学校を卒業後、伊勢市の宇治山田中学校へ進学し、この頃に映画と出会います。

特に1917年公開のハリウッド映画『シヴィリゼーション』(監督:トーマス・H・インス)に影響を受け、映画の道を志しました。中学校を卒業後は、尋常小学校の代用教員を1年間務めた後に、先に東京へ戻っていた家族の元に帰郷。1923年に撮影助手として松竹キネマ蒲田撮影所に入社、1927年に時代劇『懺悔の刃』で監督デビューを果たしました。

戦時中、1943年に軍報道部映画班として、南方へ従軍、この地でハリウッド映画を多数鑑賞し、終戦の翌年に帰国しました。戦後は脚本家野田高梧と組み、茅ケ崎市にある旅館 茅ケ崎館で脚本を執筆、『晩春』『東京物語』などの名作を次々に発表しました。

8位: 小津安二郎初のカラー作品【1958年】

kotito07 娘を嫁に出す時の父親のやきもきした気持ちを描いた映画です。小津監督独特のパーンやズームを一切しない、ずっと下から狙ったカメラワークで、他人の家の事情をひっそりと覗いているような気になります。後で知ったのですが、監督初めてのカラー作品で、フォルムの色の出方にものすごくこだわったそうですね。確かにやたらと赤が目につきました。彼岸花という名前もその色からきているとか。それと同じくらい目につくのが有馬稲子や山本富士子などの当時の人気女優達の輝きです。とってもお綺麗。作られたものではないそのままの美しさが画面から滲み出ていました。

長女・節子の縁談に思いを巡らせていた平山のもとに、節子との結婚を認めて欲しいと突然現れた谷口。自分に相談をせずに結婚相手を決めた娘の行動に動揺する平山を、妻や次女が間に入り、取りなそうとしますが、平山はますます頑なになっていきます。

有馬稲子、久我美子、山本富士子という人気女優に加え、佐田啓二も出演するなど、華やいだ初カラー作品となりました。小津安二郎が好きな赤がよく映えるという理由で、発色の良いドイツのアグファカラーフィルムを採用。作品の中で、テーブル、座布団、ラジオなどの赤い調度品が見つけられ、独特な色彩感覚が楽しめるのも魅力です。

7位: 旅回り一座と一膳飯屋の母子らとの人間模様【1959年】

chloe_033 2015.10.11 京マチ子映画祭@早稲田大学小野記念講堂。 脇役の俳優さんまで、みんな上手い。 若い時の川口浩が個人的に超タイプ(^^)

志摩半島の小さな漁村、旅回り一座の乗った船が港に着きます。座長の駒十郎は一膳飯屋のお芳を訪ね、その昔、2人の間に生まれた清が、今は郵便局に勤めていると知ります。お芳は清には駒十郎は伯父だと話しており、駒十郎は清と釣りに出かけたり、将棋を指したりとふれあっていきます。

その様子を見た一座の看板女優すみ子が、嫉妬から妹分の役者加代に清を誘惑するように頼み、すみ子の思惑通り、清と加代は恋仲になります。一座は客の不入りや、座員が金を持ち逃げしたりと、もはや解散以外に手がなく、駒十郎は一座と別れ、お芳の店へ行きます。役者を辞め、お芳と清と暮らそうと考えていましたが、清と加代の仲は離せるものではなくなっていて・・・。

6位: 初老の父親と婚期を迎えた娘の心情を繊細に描いた小津安二郎の遺作【1962年】

bluegirl_beer 初めての小津監督作品。 小気味良いセリフとか、酔っ払ったお年寄りの姿とか印象的だった。 観てるときよりも、観終わった後に色々考えて楽しんだ作品。
polo1026 小津安二郎作品、初めて観た。聞いていた通り、カメラのアングルがものすごい独特(すごい低い)。淡々とした会話の中にくすりと笑えるユーモアが織り交ぜられていて、まるで小説を読んでいるかのような気分に。作品タイトルの由来はこの作品を最後まで観ればわかります。他の作品も気になる~

妻に先立たれ、男手一つで娘・路子を育てた平山。路子は婚期を迎えていましたが、平山はまだ手放す気がありませんでした。ところが、あることがきっかけで、路子に結婚話を切り出しますが、突然のことに路子は戸惑います。

長年、小津作品で父親を演じてきた笠置衆の熟練した演技と、娘役に抜擢された岩下志麻の新鮮さも味わいを感じさせる作品です。

5位: 生まれ育ちの違う夫婦が分かり合えるまでを描く【1952年】

Yuji_Ozaki 他人を思いやる心

田舎出身の茂吉と上流階級で育った妙子は、結婚当初から互いにギャップを感じながら暮らしていました。妙子は一等車での旅行など遊び回り、茂吉は妙子の嫌いな煙草を吸い、三等車で出かけ、酔って帰ってはお茶漬けを食べていました。

妙子が神戸の友人のところへ遊びに行って留守の時に、茂吉は急に海外出張が決まり、妙子に連絡がつかないまま発ってしまいます。家に帰った妙子は茂吉のいない虚しさを初めて感じ・・・。

4位: 母と娘の愛情を繊細に描いた作品【1960年】

Chinatsu_Fukuda くせになる映画

亡き友人三輪の7回忌で、未亡人秋子と娘アヤ子に再会した間宮、田口、平山の3人は、婚期を迎えたアヤ子の縁談の世話をやこうとしますが、アヤ子にはまだその気がないと言われます。ある日、アヤ子は間宮の部下、後藤と出会い、恋愛感情が芽生えます。

母への思いやりから結婚に踏み切れないのでは、と考えた3人は、秋子の再婚話を勝手に持ち出し、混乱を招くことに。

3位: 戦後の東京郊外を舞台に元気な子供達に振り回される大人達【1959年】

0ken0ruk 大昔に観たものの再鑑賞。

子どもたち、特に弟が可愛くて可愛くて。 アナ雪が姉妹必見ならば、兄弟姉弟の人はこのお早ようの弟は必見なのでは。 自分より小さな弟を可愛いと思ったり、舎弟だとも思っていた昔の自分の気持ちなんてとうに忘れていた。 そして、もっと優しくしてあげれば良かった…と反省。

それから、佐田啓二が中井貴一にやっぱり似てる! って、順番が逆だけど、髪の感じとか佇まいとかそっくりだ。さすが。 奥様たちの毒々しいやり取りもさすが。素敵なコメディでした。

体調が悪く眠れなかったので何の映画を観て過ごそうかと考えた時に、このほんわか感安心感は有難かった。良い映画。

若い時の感想も記録していたら、どう感じていたんだろう。

東京郊外の住宅地。様々な家族が住んでいますが、界隈で唯一テレビを持っている若夫婦は、万事派手好みで、近所のひんしゅくをかっています。子供達は相撲が始まると、若夫婦の家のテレビにかじりついて勉強をしないので、母親達が頭をかかえていました。

過程で問題提起をすると、子供達が「じゃあ、テレビを買って」と反撃し、親子で正面衝突に。要求が通るまで口を利かない、学校でも答えないと徹底的な沈黙戦術に出ます。果たしてその結果は・・・。

作品中で、子供達の間で登場する「オナラ遊び」。このオナラを使ったギャグは、小津安二郎がサイレント時代から温めていたアイデアだそうです。

2位: 結婚をめぐる父と娘を描いた感動作【1949年】

IWA224488 あの時代だからこその、雰囲気とか会話の間、情緒みたいなものがとてもよかった!あたたかい映画でした!
coli321 見ているときは退屈だったけど、思い出すといい感情が残っている。原節子さんの美貌が衝撃的だった。

妻を早くに亡くした大学教授・曽宮は鎌倉で一人娘の紀子を暮らしていました。27歳になる紀子は父を気遣い嫁ごうとせず、そんな2人を見守る曽宮の妹・まさが何かと世話をやいていました。曽宮は再婚すると嘘をつき、紀子に結婚を決意させようとしますが、すんなりとはいかず・・・。

原節子が小津作品に初出演。杉村春子のコミカルな演技が評判になった作品です。

1位: 2012年 358人の映画監督が選ぶ「世界で最も優れた映画50選」で第1位【1953年】

hima_take 上京した老夫婦は実の子供達にはそれぞれ理由があるにせよかまってもらえず。だが、戦死した息子のお嫁さんは何かとお世話をしてくれる…

昔の話と言うより、むしろ現代にありそうな話。今見ても十分に良い映画だと思います。 おススメ!

amemiyas2 めも。

念願かなってようやく鑑賞。 次女役の香川京子さんも可愛らしいけど、とにかくお若い原節子さんが光っている。 そして杉本春子さんはこういう役が似合う。

前半からも優しい雰囲気が漂う老夫婦なので、後半の展開は泣ける。 「もう終わりかぁ」と繰り返し呟く周吉の表情が、これまたなんとも言えなく哀愁漂っていて切ない。 幸一もしげも、もうすこし優しくしてあげたっていいじゃない!と思いつつも、 私自身の家族への振る舞いを思い返すと、、、笑

広島・尾道に暮らす夫婦、周吉、とみが、子供達を訪ねるために、久しぶりに上京します。しかし、長男も長女も歓待してくれるものの、仕事が忙しく、両親をかまうことができません。そんな中、老夫婦を慰めたのは戦死した次男の妻、紀子。紀子は仕事を休んで、2人を東京の名所へ案内します。

尾道へ帰郷して間もなく、とみが危篤であると電報が届き、子供達が実家へ着いた翌日に、とみは亡くなります。紀子以外の子供達は、葬儀が終わると慌ただしく帰ってきいき、周吉はとみの形見の時計を紀子に贈ります。映画史上に残る名ラストシーンは必見です。