北野武監督のおすすめ映画ランキングトップ10!【ヤクザ映画「アウトレイジ」含む】
北野武監督のおすすめ映画をランキング形式で紹介!
北野武映画の3タイプ
- 文学系『3-4X10月』、『あの夏、いちばん静かな海。』、『ソナチネ』、『キッズ・リターン』、『HANA-BI』、『菊次郎の夏』、『Dolls』
- エンタメ系『その男、凶暴につき』、『みんな〜やってるか!』、『BROTHER』、『座頭市』、『アウトレイジ』、『アウトレイジ ビヨンド』、『龍三と七人の子分たち』
- 芸術3部作『TAKESHIS'』、『監督・ばんざい!』、『アキレスと亀』
北野武の監督作品は大きく上の3つのタイプに分けられるでしょう。
もし、あなたが北野武映画を観たことがないなら、間違っても芸術3部作から観てはいけません。芸術3部作はファンのための映画です。ゆえに、今回のランキングに芸術3部作は含めていません。
また、北野武はヤクザ映画を撮ることに定評がありますが、『ソナチネ』と『アウトレイジ』は同じヤクザ映画でもまったく別物です。『アウトレイジ』から入って興味を持った方は同じエンタメヤクザ映画『BROTHER』をまず観た方がいいだろうと思います。逆に、『アウトレイジ』があまり合わなかったという方は『ソナチネ』を試しに観てみるのもいいと思います。
10位『アウトレイジ』(2010年)
北野武によるエンターテインメントヤクザ映画
裏社会を支配する大きな組織とその下にいる小さな組織の権力そして生き残りをかけた壮絶な抗争を描いた作品です。 野望を叶えるために力で動く巨大組織、それに利用される格下の組織。組織同士が繰り広げる駆け引き、裏切り、激しい男同士のぶつかり合いがみどころです。
jnkze
ただ単にキャストが好きな俳優だらけだということとヤクザ映画ということで満点です
かっこいい人にはかっこよい死に際を、殺し方を。
____RiN____
なんかすげーバカバカしい理由でがんがん人殴ったり殺したりする、ヤクザ映画らしいヤクザ映画です。キャラクター全員、お金のためなら手段を選ばない馬鹿野郎です。そしてそんなバカバカしさを、鼻で笑って皮肉ってるかのようなたけし監督の演出が魅力的。
色々な意味で痛快・爽快です。
でっかい声で「全員まとめて死んじまえ!!!」って言ったらすっきりするでしょう、ああいう類のすっきり感。おすすめ。
9位『Dolls ドールズ』(2002年)
北野武曰く、暴力的ラブストーリー
裏切られた恋。ときに傷つけられた恋心は人を誤った方向に導いてしまいます。 片想い。密かに思いを寄せる人へ少しでも勇気、関心、希望を与えるために必死に頑張った経験のある方は少なくないでしょう。 運命。たまたま出くわした、ある場所で全くの他人だったのにあることをきっかけに引かれ会う二人。 そんな三つのキーワードが当てはまる全く違った三組の恋の話です。恋の難しさ切なさそして希望をもつ大切を教えてくれる作品です。
chiho
たけしの作品で一番好きです。
菅ちゃんの演技良いです。
そして、四季折々の美しい映像と、ヨウジの美しい衣裳が素晴らしいです。
8位『座頭巾』(2003年)
北野武監督最大のヒット作ー盲目の剣客を描いた時代劇
居合いの達人であり目が見えないという主人公「市」。そして両親を殺され復讐すべくたびする芸者姉妹。 この二人の出会いによって真実への長い旅が始まるのです。両親を殺した真犯人とは。北野武の迫力ある太刀さばきそして時代劇に近代文化を融合させたオリジィナリティーがみどころの新しい時代劇です。
Tomoaki_Tanaka
初めての座頭市でしたので比較はできませんが、 楽しめました。
演出面などリアルかどうかは問題ではなく、作品全体として楽しめたことが良かったです。
sampeitanabe
DVD.27.5.9
・あらすじ
盲目の尼さん(ビートたけし・主人公)がこの街の盗賊を倒す物語。税を取立てられる奥さんと過去に盗賊の被害にあった家族の生き残りの兄弟、盗賊が経営する賭博でよくない仕打ちを受けた男(ガダルカナル)とビートたけしが仲間という形になっており、それぞれの想いを胸に盗賊(扇屋)に復讐する。
・みどころ
ストーリーてしての見所と天才ビートたけしが随所に散りばめた「はっ」と驚くシーンと2つに分けて説明する。
[ストーリー]
・盗賊の最終的な親玉が実は居酒屋のおじいちゃん
・盗賊のやとった剛剣がとても優秀でたけしとの戦いのシーンはみどころ
・剛剣が看病していた女性の切腹(剛剣の死を悟って)
[たけしならでは]
・農作業のシーンのリズム、祭りのタップダンス等、随所随所に散りばめられたミュージカル要素は欧米の舞台を思わせる。
・奥さんの家の周りを回る武士くずれの男、ガダルカナルに剣術を教わる男達等、随所にクスッと笑えるシーンがある。
・話の進め方、テンポ、血の流れ方等の細かい演出、申し分ない。
・たけしの最後の台詞「どんなに目ん玉かっぴらいても見えないもんは見えないんだけどな」は目を開いても実際は見えていない主人公の状態と目が見えていても人の気持ち等見えないものが多いことの2つの意味を含ませており、最後にたけしが伝えたいことをしっかりと表現している。
7位『BROTHER』(2001年)
ヤクザVSマフィア。北野武inアメリカ
国内だけではなく海外をも巻き込んだ壮絶なマフィア同士の抗争を描いた作品です。 日本での抗争で海外へ逃げた主人公、そこで再会する弟と仲間達で力、権力、かけひきで組織を拡大します。しかし待っていたのはとても悲惨なラストでした。兄貴が弟に残した愛が印象的です。
southpumpkin
TAKESHI映画の中でも相当好きな映画に入ります。相変わらずなヤクザ映画ですが、舞台はアメリカ。日本を追い出されたタケシ演じるヤクザがアメリカでブイブイ言わせる話。映画の色はかなり違いますが『ブラック・レイン』の輸出版という感じです。カルチャーショックをそっと描きつつ、映画全体として「やっぱ日本のヤクザはすげえ」という働きかけがあると思います。素直にかっこいい〜〜ってなれれな良いんじゃないでしょうか。
映像はもうバッキバキでキレッキレです。好きなシーンはいくつかありますが、後部座席目線で、男が車をでて、人を殺し、帰ってくるシーンなどよかったですし、ラストシーンもよかったです。
6位『HANA-BI』(1998年)
同僚の生と死、そして妻との逃亡を敢行する一人の孤独な刑事の人生ドラマ
死を目前にしている妻とある一人の刑事の波瀾万丈の愛を描いた作品。主人公の西はある捜査をきっかけに刑事を辞めてしまいます。 お金に困った彼は妻を養うため次第に人の道を外れてしまいます。愛するが故の男のした行動、愛とはいったい何かを考えさせてくれる作品です。
____RiN____
たけしの映画の特徴のひとつに、「あまりBGMを多用しない」というものがあると思う。
この映画はとにかく静か。だからこそ銃声と、少ないセリフと、自然描写が際立つ。
不器用と、狂気と、純粋な愛。たけし映画らしい作品です。
theskinheads
ほんのちょっと前。テレビで一部だけ観て、用事があったから途中で出なきゃいけなかったんだけど、その10〜20分だけで独特の世界観にやられて、ちゃんと観ようと思ってレンタルしてきた。
始まりから終わりまでずっと静かな雰囲気、キタノブルーと言われる独特な青い色調、バイオレンス、ただ面白い映画じゃなくもはやアートの領域に近い作品だったと思うね。合間にちょくちょく北野武の描いた絵が登場するんだけど、絵画とか全然好きじゃないけど、生き物の顔が花になってるあれらの絵はすごく良いと思った。それと感じの雪ってたくさん書かれてて真ん中にでっかく自決って書かれてるやつ。北野武圧巻である
本当に独特な映画だし、それでも好き嫌いが分かれないストーリーだと思う。これが世界の北野か!一本取られた!
暴力的な西の、身体が動かなくなった同僚、死期が近い妻、お寺に来る子供に対する優しさ。後半の夫婦の旅は西が、目に箸を刺した人とは思えない可愛い旦那さんだった。
5位『その男、凶暴につき』(1989年)
© Film Movement/Photofest/Zeta Image
北野武初監督作品。題の通り凶暴な刑事が麻薬売買グループの謎に迫る
精神病を患う妹をもつ刑事、我妻。彼は暴力などを使い力ずくで捜査する刑事でした。 ある日、麻薬組織に関与していた親友が口封じで殺されてしまいます。しかし、我妻は真実を求めて麻薬組織と戦うのです。 そして彼を待っていたのはあまりにも残酷な真実。北野武自ら演じる我妻の冷徹そしてどこかせつなさを感じさせる演技に注目です。
____RiN____
北野武、初監督主演作品。
少々凶暴に過ぎる刑事が、麻薬売買を追いかけるストーリーですが、武作品においてストーリーを語ることはそれほど重要ではない気がします。
この後の数々の名作に比べると、暴力表現が普通というか、面白みに欠けます。ですが、初監督作品でここまで徹底していたというのは本当に驚き。とくにクライマックスのシーン、倉庫の照明を利用したあのシーンは、あまりのかっこよさに思わず巻き戻しました。
それにしても、北野武というひとの「無表情」は本当に特別だなと。観るひとが、彼の表情を(感情を)読み取ろうと躍起になるあたりに、武作品の大きな強みがあるのでしょう。
southpumpkin
シネマブルースタジオにて観賞
北野武初監督作品である今作は自身を主演に置いた暴力の過ぎる警察官のお話。彼の映画の象徴とも言える暴力描写はこの映画においてやや出し渋っている感じがします。ただもう初監督作品で、しかもお笑い芸人がこんな映画を一発目に出してくるとそりゃあ伝説になるわ。無骨でドキドキするような映画的小技や陰影など、コレ本当に北野武が考えたのかなあ。救いのないこの話に、一切笑いのなく、ほとんどその表情を変えないビートたけしが本当に良い俳優に見える。北野映画はまだ全然観ていませんが、やっぱり制作年順に、この作品から見ると良いのではないでしょうか。
ところで一つ疑問なのですが、今までほとんど現れなかった美人秘書のカットで固定されエンドクレジットが流れました。あれはどういう意味だったのか。単に綺麗な女の人を長く画面に出したかった、ビートたけしの部分が出てきたような演出で最後に少し笑いました。
4位『菊次郎の夏』(1999年)
母を探す少年と中年男との旅を描いたあたたかなロードムービー
祖母と暮らす一人の少年がいます。彼は小さい頃に父は亡くなり、母は遠くへ出稼ぎに出ていると言われていました。そんな彼がある日母に会うために一人家を出るのです。 しかし、途中不良にからまれてしまう少年に知り合いのおばさんが助けの手を差し伸べます。そしてある一人の男を紹介したのです。それが少年と菊次郎の出会いでした。 こうして彼らの一生心に刻まれる夏が始まります。厳しい現実に打たれながらも一緒に悲しみを支えようとする姿は観客の胸を熱くしてくれるでしょう。
southpumpkin
少年は母を捜しに「ろくでもない」男と一緒に放浪の旅に出ます。
人生ってのはスカラー量じゃなくてベクトル量なんだなあ、って理系っぽい感想を思いました。ビートたけしと少年がただふらふらと歩き回っている映画です。話が始まってから終わるまで、もしかしたら彼らの内面における変化は全くないかもしれません。しかし、もしかしたらただぼんやりと生きてることも間違っちゃいないのかな、なんてぼんやりと、まるで夏の蜃気楼のように語りかける映画でした。アウトレイジもなかなか好きですが、こちらの方が見やすいかもしれません。実家で夏休みをのんびりと過ごしたくなりました。この映画の「ああー、終わらないでー!!」って感じは夏休みもカウントダウンが始まった感じと似てます。
余談ですが、井手らっきょはなんであんなにやたらと脱いだんでしょうか。遠目で見ると、見えます。見えますよw
____RiN____
たけし作品の中では一番好き。
とくにタクシー転ばせるシーンが(わかるひとにはわかる)。
ほっこりノスタルジーだけど、それだけではないたけし監督の「クセ」みたいなところが良い塩梅で、かといって他の作品ほどアクが強くないので、万人にお勧めできる。日本人好みなんじゃないかしら。
夏ももう少しで終わってしまいますし、この時期に、ぜひ。
3位『あの夏、一番静かな海。』(1991年)
北野武が描く静謐なラブストーリーの傑作
ごみ回収で働く一人の男。ごみの中から古びたサーフボードを見つけ、その出会いから彼はサーフィンにのめり込んでいくのです。 他の作品とは違い静かに観客へ語りかけてくる今作品。あまりにも悲しいラストシーンは観ている私たちに悟らせて考えさせてくれます。
____RiN____
あの有名な淀川長治をして、「モダン、粋、上手い」と言わしめた北野作品において、この作品は一番の異色作ではないかと思います。黒澤明にも絶賛された今作、美しい映像と久石譲によるノスタルジックな音楽に綴られ、彼のもっとも得意とする暴力表現を封印し、聾唖の恋人たちを主人公に据え、純粋に恋愛をのみ表現する映画です。
ソナチネ以降、「キタノブルー」とファンの間で評された青の表現は、この映画でこそ強く感じました。海のブルーは言うまでもなく、全編を通して寒色のフィルターを通したような、哀し気な静謐さが満ちます。
会話を交わさない恋人たちは、つかず離れず、すべてを共有しているかのように沈黙を交わします。村上春樹が「完璧な恋人」と評した、まるで二人で一つであるかのような恋人たちを映像にするとこうなるのでは、と思いました。
それは理想的で完璧で美しいものであるとともに、どこか破滅的に見え、それが意図したものかはわかりませんが、恐ろしくすらありました。
ひたむきな茂の姿勢とか、それを見守る貴子の眼差しとか、そんな二人に心動かされる周りとか、夜、手をつないで歩くふたりとか、言い出したらきりがないくらい好きなシーン、登場人物があるのですが、まとめると、好きだなあ…としみじみ思います。北野作品に対しての思いはもう、恋です。
2位『ソナチネ』(1993年)
© Rolling Thunder Pictures/Photofest/Zeta Image
二組の間で繰り広げられている抗争の助っ人として沖縄に来たヤクザ幹部の結末を描くバイオレンス映画
美しい海の沖縄が舞台です。 二つの大きなヤクザ組織の壮絶な抗争が起きます。そこへ自らの組織に加勢すべく主人公は沖縄へと上陸。 しかし、このあと抗争はさらにヒートアップ。抗争が起きた真実に迫ります。迫力あるアクションと静かな沖縄をうまくマッチさせた北野武の世界観にも注目です。
____RiN____
残酷だけど笑える、悪人だけど憎めない、くだらなくて不条理で報われない、なのに愛おしい、北野武監督による魅力的なヤクザ映画です。
彼はヤクザを徹底的にバカにしているとしか思えない映画を沢山作っていますが、今回もそんな感じ。それでいて、構図や色合いが美しくて、キャラクターは愛らしい。
好きです。
tora
たけし作品で個人的にはブッチギリNo.1
当時死を意識していたというたけしのただならぬ色気。
これをみて、北野作品みるようになりました。
カッコイイ。
1位『Kids Return キッズ・リターン』(1996年)
北野武の最高傑作!大人に変わる青年2人の現実に対する葛藤を描く青春映画
友達である二人の少年がそれぞれの道を歩き大人になっても夢のために挑戦して走り続ける青春の作品です。 片やボクシングそしてもう一方ではヤクザの世界へと進む二人。そこでそれぞれは現実の厳しさ、挫折を味わいます。 しかし、自分を信じて大きな目標にむかって彼らは再びチャレンジするのです。彼が壁にぶつかったあとの再びチャレンジする姿が一番のみどころです。
k1ller_aka_tKo
ずっと観たかった映画の一つであり、大好きな映画の一つ。
落ちこぼれ高校生のマサルとシンジのそれぞれが歩む道と挫折。二人の関係性が何とも切ない。特にマサルをマーちゃんと慕うシンジが本当に切ない。もしかすると、シンジはただマサルと一緒に居たかっただけかも知れない。
青春時代の葛藤や苦悩、淡い夢や希望を巡って、時間は止まる事なく動き続ける。 ラストシーンの台詞は本当に秀逸。思春期の足掻いても無力な様、大人になりきれないもどかしさ、頑張っても報われない事、挫折、 そんなすべてが詰まった映画です。
久石 譲による「Kids Return」が最高に良い。