2017年7月6日更新

神様の娘が巻き起こす大騒動!ベルギー発のミラクルコメディーが日本上陸!

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神様メール

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ジャコ・ヴァン・ドルマル監督最新作『神様メール』

神様と人間達の騒動を描いたミラクル・コメディ『神様メール』。2016年ゴールデングローブ賞をはじめとする11の映画賞にノミネートされ、さらに11の映画賞を獲得した今作は、本国ベルギーで『マッドマックス 怒りのデスロード』を超える大ヒットを記録しました。あなたなら自分の余命を知った時、どう生きますか?

みんな神様のせいだった

例えばスーパーのレジに並んでいる時、自分の列だけ進むのがやたら遅かったりしませんか?もしくは、目覚ましが鳴ってからの「あと10分…」がどうしても止められない、嫌な出来事が連続して起こる、お風呂に入った瞬間電話が鳴る…などなど。実は全部、神様のいたずらだったんです。

パソコン一つで世界を支配

これがその神様。天界ではなくブリュッセルのボロアパートに住んでいます。今作で描かれる神様は酒癖が悪く暴力的で、パソコンを使って人間界にいたずらをしては楽しんでいます。 そんな父親に怒った娘のエアは、ある日父親のパソコンから全人類に余命を知らせるメールを送信してしまい、世界を大パニックに陥れてしまいます。これだけでもくすりと笑えるユニークな設定ですね。

キャラクター設定だけでも面白い!

『神様メール』はキャラクターも個性豊かで魅力的。設定だけでも笑えてきます。

神様

先ほどから紹介している通り、今作で描かれる神様はとんでもないダメ親父。くたくたの服を着て、酒に煙草に暴力に、極めつけは人間界へのいたずら。演じるブノワ・ポールブールドはフランス、ベルギー映画を中心に毎年何本も出演している人気俳優です。

女神

神様の妻は…そう、女神です。それはそうかも知れないですが、なんだか響きだけで笑えてきます。主人の行動に耐えながら、野球カードや刺繍で時間をつぶしている、どこかに居そうな主婦の姿を体現しています。

エア

ちょっぴりヘンテコな奇跡を起こせる、神様の娘がエア。演じるピリ・グロワーヌは本当に愛らしく、見ているだけで幸せになれそうです。映画出演3作目にしてシッチェス・カタロニア国際映画祭最優秀女優賞を獲得しました。

兄JC(イエス・キリスト)

神様と女神の息子であり、エアの兄である人物はイエス・キリスト。エアより前に使徒を探しに人間界へ降りたのですが、今はなぜか家で置物になっています。18人の使徒を探しに出た理由も9対9で野球が出来るから。なんともはちゃめちゃなお兄ちゃんですね。

ゴリラと恋に落ちる女

自分の余命を知ってから夫との関係を見つめ直し、ゴリラと恋に落ちてしまうという衝撃的なキャラクター、マルティーヌ。それだけでもツボに入るのですが、アカデミー賞ノミネート経験もある大女優カトリーヌ・ドヌーブがそれを演じることで面白さが倍増です。

元保険屋のスナイパー

余命の宣告を受け、保険屋からスナイパーに転職する男を演じるのは、ベルギー出身の俳優フランソワ・ダミアン。命に保険をかける立場から狙う立場への転職、笑えます。

飛び降り男

余命が62年あると知ってから絶対に死なないと確信し、飛び降りを繰り返す男も現れます。確かに自分の余命を知ったら試してみたくなるかも知れませんが…。

『神様メール』が描く新しい聖書?

放題は『神様メール』とキャッチーになっていますが、原題は『The Brand New Testament 』。訳すと『最新約聖書』になります。宗教にあまり馴染みのない日本人でも、あれ?と思いませんか?

旧約聖書と新約聖書って?

旧約聖書の内容を改めたのが新約聖書…という訳ではありません。旧約聖書で描かれるのはイエス・キリストが生まれる前の、神とユダヤの民との歴史です。そして、新約聖書ではイエス・キリストの誕生と、その生涯や教えが主題になっています。 イエス・キリストを救い主として認めないユダヤ教徒からすると、旧約聖書と呼ばれる箇所こそが「聖書」なので、新約聖書は認めていません。つまり、新約聖書も旧約聖書も、キリスト教の立場からの呼び名になります。これだけでも複雑なことが分かる通り、作品で宗教を扱うというのは本当に難しいのです。

最新約聖書?

では、『最新約聖書』をタイトルにしたこの映画で描かれる神と人間の歴史は、一体どうなるのでしょうか。コメディーとして構成したのが上手いところですが、とても考えさせる映画であることは間違い無さそうです。ベルギーでは批判どころか教会が後押ししたそうで、さらに内容が気になりますね。

意味深なポスター

余談ですが、かわいらしい日本版ポスターとは裏腹に、コメディー映画とは思えないほど元のポスターは意味深です。こちらの方がより「宗教」や「聖書」と言ったイメージがはっきり伝わってきますが、これも笑いの一環なのかどうかは劇場でチェックです。

監督はジャコ・ヴァン・ドルマル

監督を務めるのは、1957年ベルギー出身のジャコ・ヴァン・ドルマル。長編1作目の『トト・ザ・ヒーロー』でヨーロッパ映画賞主演男優賞・新人監督賞・脚本賞・撮影賞を受賞して以来、世界中の映画ファンから新作を待たれているベルギーの奇才です。 ジャコ・ヴァン・ドルマル監督は長いキャリアを持ちながら長編は4作しか発表していませんが、発想が非常に面白く、どの作品も興味深いテーマを扱っています。 たとえば1991年の映画『トト・ザ・ヒーロー』は、自分が生きるはずだった人生を別の男に奪われたと思っている老人が振り返る自分の人生の物語です。 そして2009年の作品『ミスター・ノーバディ』は、人間が科学の力で永遠に生きる力を手に入れた2092年を舞台に、ある男が生きた幾つもの人生を描いています。 続く『神様メール』はろくでなしの神様と、余命を宣告された人間達の物語。並べてみると監督が作品を作る上でのキーワードが見えてきますね。

『神様メール』公開は2016年5月27日!

ここまでご紹介してきました『神様メール』の公開は2016年5月27日になります。たくさん笑えて、考えさせられる素敵な映画になっていることと思います。ラストがまた秀逸だそうなので、是非劇場で楽しんで来てください!