タップできる目次
- ブラック・コメディ映画を楽しもう!
- 1.人の不幸ほど面白いものはない?!
- 2.突き抜けた倫理観のブラックすぎる映画
- 3.ドタバタホラーコメディ
- 4.一歩間違えばサイコホラー!?
- 5.かわいいキャラでもR15指定のアニメ
- 6.スリラー映画の巨匠が描くブラック・コメディ
- 7.鬼才が放つ性の旅路
- 8. アメリカのショウビズ界を嘲笑する『プロデューサーズ(1968)』
- 9.破天荒で不条理なブラック・コメディ
- 10.どんどんこじれていく誘拐事件
- 11.シュールな作業をする変態を見るブラック・コメディ
- 12.人形たちによる政治風刺
- 13.悪友3人の下品で愉快なホーリーナイト
- 14.狂気に満ちた婚活のスタート
- 15.奇妙奇天烈な設定のブラック・コメディ
ブラック・コメディ映画を楽しもう!
差別や風刺、政治をおちょくる危ないギリギリのジョークに思わず笑ってしまうブラック・コメディ。笑うだけじゃなく自分の道徳観も試されているのかも。そんな危険な笑いが詰まった面白いブラック・コメディ映画15作品をご紹介します。
1.人の不幸ほど面白いものはない?!
怒りがテーマのオムニバス・コメディ。ツカミの第1話からブラックなオチで笑わせる。ネガティヴで激しい感情ばかり続くと観てて疲れそうな気もしたけど、意外と巧みなバランス感覚とメリハリで飽きさせず、最後には思わず泣かされてしまったという…。並びも編集も絶妙で、小咄としてなかなか洗練された演出力に感心。各話クライマックスを台詞に頼らず、サイレント的アクションで見せるのが良いんだ。あくまで当事者同士でやり合ってるので厭な気分にならなくて、怒りを直接発散するのはむしろ健康的じゃないかとすら思えてしまうのも計算のうちなんだろう。お気に入りはカオスな結婚式。この花嫁と、第2話のおばちゃん最強。
2014年のアルゼンチン映画。6話構成のオムニバスになっています。車を停めただけで人生を失う男、結婚式に新郎の浮気相手が出席して泥沼化。などなど人生には間違えてはいけないスイッチをONにしてしまう人々がいるみたいです。 次々起こる止まらない不運の連鎖には、意外な結末が待っています。
2.突き抜けた倫理観のブラックすぎる映画
ルールを守らない輩は容赦無く制裁!! おいおい、それはやりすぎだろ!!って突っ込みたくなるけど、やりすぎだから気持ち良い!! 特に捕まる前のライブハウスでの騒動が面白い。
1994年のアメリカ映画。平凡な主婦をしていたヴァリー。彼女は息子の悪口を言った担任教師を車でひき殺し、レンタルビデオを巻き戻して返却しない老夫婦をなぐり殺すなど、過剰な道徳観念により殺人を繰り返します。 しかし、逮捕され、裁判がはじまると彼女はヒーローに祭り上げられていきます。
3.ドタバタホラーコメディ
「スパイダーマン」シリーズのサム・ライミ監督による1985年の映画です。殺人犯にさせられた気弱なヴィク。不死身の殺人鬼の話は誰も信用しません。果たして彼の無実は晴れるのか?ホラー要素もありますが、ストーリーの展開が早く典型的なコメディ作品です。
4.一歩間違えばサイコホラー!?
ご存知マーティン・スコセッシ、ロバート・デ・ニーロコンビによる作品。デ・ニーロが演じるのはコメディアンを目指す青年。初めは彼が無名から成り上がるストーリーかと思っていたのですが、話が進むにつれ彼の行動はエスカレートしていき、最後はとんでもないことになります(笑) タクシー・ドライバーの翌年公開と聞くと、なるほどなと思います。この時代の映画ってホント色々とカオスですよね。 見どころはやはり、ギャング映画では絶対観ることのできないデ・ニーロの演技でしょう。そして10分近い長セリフもすごいです。いやあ、この人すごいなあ。
マーティン・スコセッシ監督が俳優ロバート・デ・ニーロと組んだ『タクシードライバー』のコメディ版ともいえる作品です。出待ちファンから大人気スタンダップコメディアンのルイスを救ったデ・ニーロが舞台に立つチャンスを夢見て脅迫、ついにはルイスを誘拐します。 現実なのか彼の妄想なのか、見ている人に判断が委ねられる作品です。
5.かわいいキャラでもR15指定のアニメ
今更ながら観ました。なぜか吹替が関西弁!昔WOWOWでアニメを一生懸命見てたのが懐かしい。バカバカしくて笑える。
アメリカの人気アニメシリーズの劇場版です。小学生たちの過激で下品、差別的な表現まで飛び出すなんでもありの社会風刺ギャグアニメです。 今回の映画版ではカナダのコメディアンの真似をして死んでしまった子供(お決まりのパターン)のためにPTAが「カナダが悪い!」と抗議して、アメリカvsカナダの全面戦争に発展していきます。
6.スリラー映画の巨匠が描くブラック・コメディ
あ〜またやられてしまった… ヒッチコックの一流の皮肉というかうらまどもそうだけど見えている物が全てじゃないよっていうすごいオチでラストでそうきたか〜ってなった 傷だったり扉だったり囁きだったり伏線を見ながらあれこれ想像したのにそこを見落としていた!! 少し冗長というか中弛みがあるけど全体的にはコメディタッチでホントハリーの災難が終わって良かったと思える作品 若き日のシャーリー・マクレーンが出ている
1955年公開されたヒッチコック監督作品。田舎町の森の中で男の子がハリーという男の死体を見つけます。これにより、自分が殺したのではないか?と町中の人々が疑心暗鬼になっていきます。 隠蔽するためにハリーの死体を埋めたり、掘り起こしたり、死体となったハリーの災難がはじまります。
7.鬼才が放つ性の旅路
『ニンフォマニアックvol.1』鑑賞。ここ一年で観た映画の中で一番。音楽、アーティスティックな映像表現、描写が絶妙に調和してる。醜いのに美しい。緊張感があるのに心地よい。相反する感情が生まれてくる。vol2で中だるみしませんように。
2014年のデンマーク映画でR18指定です。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』で知られるラース・フォン・トリアー監督の『アンチクライスト』『メランコリア』に続く鬱三部作の最終作です。映画は1巻4章、2巻3章に分けられています。 ニンフォマニアック(色情狂)を自覚する女性ジョーがセックスに溺れていく半生が過去と現在を往復しながら描かれています。
8. アメリカのショウビズ界を嘲笑する『プロデューサーズ(1968)』
1969年にアカデミー脚本賞など数々の賞を受賞している作品です。2001年にブロードウェイの舞台でミュージカル、2005年には再びミュージカル映画として公開されました。 落ちぶれた舞台プロデューサーと小心者の会計士が大コケ間違いなしの最低最悪なミュージカルを作り、詐欺を企て一攫千金を目論みます。
9.破天荒で不条理なブラック・コメディ
タルコフスキーやヒッチコックには全く明るくないのですが、レビュアーの多くの方が触れていた通り、やはりあの長回しは鮮烈で作品の中で繰り広げられているストーリーの臨場感が否が応にでも伝わってきます。こういう効果があるのかと大変勉強になりました。音響のドラム音も。出来れば劇場で観たかった…配役もかつてバードマンで一世を風靡した落ち目のハリウッド俳優をマイケル・キートン!バットマン!まんまじゃないかと!あとナオミ・ワッツ。マルホランド・ドライブのオマージュみたいなシーンもありおおっ!となりました。かつては名声をほしいがままにしていたであろう主人公のリーガンが薬物リハビリセンターに通う程精神的に追いつめられた娘からの信任を勝ち取る為に、そして俳優としての自身の再起をかけて挑んだ道は自ら手掛けるブロードウェイの世界。でもそこでも七顛八倒で全てが空回り。自分が招聘したキャストにいいところを持っていかれるわ、娘との不和、批評家による手厳しい批判。そんな中自分自身の存在に疑心暗鬼なリーガンの心の一側面として出現するバードマン。愛に飢え、自己肯定の気持ちと否定の狭間で虚ろうリーガンに悪魔の囁きのような言葉を投げかけるんですが、二面性というか肯定的な気持ちの時に反面表出してくる否定的感情の映像表現が妄想という形で上手く処理されているなあと。リーガンは自身の中の欠落したもの失ったものに苛まれていて、言い換えれば愛や自信なさなのかなと思いました。そして物語が進行するごとにまさしくブロードウェイの舞台で繰り広げられているカーヴァーの作品が己の心理にぴたりと重なっていくという。そして舞台上でのあの演出とラスト。ネタバレになるので書きませんが僕個人的にはポジティブな気持ちになる作品でした。今の時代の映画、演劇業界におけるソーシャルメディアと批評家、制作側の相関関係について言及している部分も非常に興味深い作品でした。
『バードマン』というスーパーヒーロー役でブレイクしたことがある人気の落ちた俳優が、ブロードウェイの舞台で再起をかけます。ところが、降板した代役としてやって来た俳優の才能に追い込まれて精神が崩壊していきます。 長回しのようなワンカット風の凝った撮影手法と過去に『バットマン』を演じたマイケル・キートンが主演ということで、見ている側も映画の中に引き込まれていく作品です。
10.どんどんこじれていく誘拐事件
コーエン兄弟にハマり始めた時に観たので、最高に面白かったです。今観るとまた違う印象かもしれませんが。 トラウマになりそうなジョンタトゥーロのシーン、ダメ親父たちの会話・皮肉。もう大笑いでした。 コーエン兄弟の映画の中で一番笑ったのがコレですかね、私。
コーエン兄弟による1998年の作品です。失業中で独身男デュードは同姓同名の大富豪と間違えられチンピラに襲われます。その後、大富豪のリボウスキに妻が誘拐されてしまい協力してほしいと頼まれますが、首を突っ込んで欲を出した結果、事件に巻き込まれていきます。
11.シュールな作業をする変態を見るブラック・コメディ
商業ベースに乗らないような作品を作り続けていながら熱烈な支持者の多い人に惹かれます、この作品なんて誰が観るんだ!?って内容なのに世界中に愛好者が居て 皆さん好き者ね~って感じ、徹夜でニワトリの着ぐるみ作ってるオッサンなんて理解出来ないが誰にも言えない趣味趣向って皆さん持ってるのかな?自分は、え~っと、、って言えるかっ!!
1996年のチェコ映画です。性的な快楽を求め自慰マシーン作りをする6人。エロ本で鶏の頭を作る男、耳と鼻の穴に死ぬほど物を詰めてエクスタシーを感じる郵便配達員など、自慰行為に没頭する個性がありすぎる面々が登場します。 実写とアニメをハイブリットさせている作品で台詞がありません。
12.人形たちによる政治風刺
国際警察チーム・アメリカが"北の指導者"のテロを防止します(人形劇) これほどマット・デイモンで笑わせる映画はないと断言する 絶対にない
『サウスパーク』製作者が送る人形劇によるエンターテインメント作品です。テロから平和を守るため選抜された『チームアメリカ』。世界の中のアメリカの立場をリアルに風刺して皮肉り、北朝鮮の金正日なども登場します。 声優陣もが豪華でジョージ・クルーニー、マット・デイモン、ショーン・ペンなど名立たるスターが軒を連ねます。
13.悪友3人の下品で愉快なホーリーナイト
10年ほど前、両親を亡くしたイーサンが寂しい思いをしないようにと友人のアイザックとクリスはクリスマスイブを彼と一緒に過ごすことに。それから毎年イブは必ず3人で過ごしてきた彼らも年を取り、家庭を持ったり有名人になったり。いつまでもこのままではいられないと3人でのイブは今年で最後にしようと決意。そんな彼らのはちゃめちゃなラストクリスマスイブのお話。 これ単館上映でしかも期間限定はもったいないのではと思ったくらい面白かった!確かに下品だしドラッグ絡むしなかなかファンタジーだし好き嫌い分かれそうですが。(あと確かに今の時期の映画ではないかと) 大人のクリスマスコメディ。終始笑ったし周りの人もかなり笑っていました。クリスマス映画ネタも多数で楽しかった。面白いだけではなくて少しほっこりもしたのが私の中ではよりクリスマス映画っぽくて良かったです。 ハングオーバーがあまり好きではなかったのでそれを意識したであろう邦題で不安があったもののこちらの作品は楽しめました。 またクリスマスの時期に観たい。 ただジョセフゴードンの長髪はイマイチ笑
十数年前に家族を亡くし、孤独だったイーサン。幼馴染のアイザックとクリスはクリスマスに毎年一緒に集まって過ごしていました。ですが、それぞれに生じた大人の事情により、今年を3人で集まる最後のホーリーナイトにしようと決意します。 お馬鹿な悪友3人の乱痴気クリスマスパーティがスタートします。
14.狂気に満ちた婚活のスタート
もうすばらしく魅力的な世界観がサブカル心をくすぐる素敵な映画でした。シュールながらテンポ良いので疲れずに見れます。 独身者は強制的に婚活施設(?)に入れられ、45日間(脱走独身者を捕まえれば延長)パートナーが見つからなければ動物にされる、という社会。主人公はその施設でとあることから脱走、脱走した野良独身者たちが暮らす森で独身を崇拝するコミュニティに身を寄せるのだが..という話。まぁわりと典型的なディストピアものかなと思っていたのですが、その逃げ出した先のコミュニティも、徹底的な恋愛禁止という正反対のディストピア的。面白い。 あとやたら中学性への性教育みたいなノリの施設なのですが、男女に共通点がある=カップルという考えも面白いですね。「わたしとあなたは社会学を専攻していたから、ぴったりなカップルね!」みたいな。それを独身者たちが本当に好きなのか!みたいに襲うシーンも最高です。
2015年にカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した映画です。妻に逃げられたデヴィッド。近未来では独身になるとホテルに拘束されてしまい、45日以内に婚活に成功しなければ動物に変えられて森に放たれるルールが存在していました。 シニカルな笑いを挟んだSF恋愛映画です。
15.奇妙奇天烈な設定のブラック・コメディ
父なる神は創生から4人家族でベルギー在住。アル中から気まぐれに苦しみを与え続ける。救世主たる兄JCが果たせなかった、父のDVから世界を開放すべく妹エアは遍く人々にメールで寿命を宣告の上、家出。新たな6人の使徒の元へ降臨する「神様メール」西宮5。観劇後は少しだけやさしく笑えるかも。2016年6月14日 神が身近に降臨するという「ドグマ」っぽいアプローチがわかりやすい。12人の使徒の福音書で構成された新約聖書に6人加えて新・新約聖書を作ろうとする。あくまでユダヤ・キリスト教世界観でのお話しなので聖書に少し理解があると興味深いかも。エアを捕らえにきた神が現代社会で受ける仕打ち(ざまあみろ)の数々に爆笑できる。悪魔は登場しない代りに神の言動がものすごく悪魔的。初めて外気と雨に触れたふたりの反応が対比的ですごく好きなシーン。鳥に導かれた男の旅路も。神娘エアの奇蹟である幻想的な夢シーンも不思議な脳内リアリティがあって楽しかった。現代映画なのに世界観は終始、良い意味で60年代のサイケデリアな雰囲気がプンプンする。好きな映画だ。
『トト・ザ・ヒーロー』『八日目』などで知られるベルギーのジャコ・バン・ドルマル監督作品です。 パソコンで事故や災害を面白半分に引き起こす神様がいました。一緒に住んでいた10歳の娘イアはそのパソコンを勝手に使って世界中の人々に死期を知らせるメールを送信します。街は混乱し、人々を救済するためにイアは家出をすることに。そして、最後に起こる奇跡とは?!