ダークファンタジー『終わりのセラフ』
2015年に放送されたアニメ『終わりのセラフ』は、人間と吸血鬼の壮絶な戦いを描いた物語です。
突然発生したウイルスにより大人の人口が激減。生き残った子供たちは吸血鬼に捕まり、血液を提供しながら囚われの生活を送っていました。
人間側は人の世の再興のため「日本帝鬼軍」を組織し、強大な力を持つ吸血鬼に立ち向かうべく「吸血鬼殲滅部隊」を結成します。吸血鬼に対抗できる特殊な武器「鬼呪装備」を使用し勇敢に戦う「吸血鬼殲滅部隊」。ここでは、その中の「シノア隊」に注目し、5人のメンバーをご紹介していきましょう。
柊シノア
本作のヒロイン・15歳の柊シノア(ひいらぎ・シノア)は、日本帝鬼軍・吸血鬼殲滅部隊「月鬼ノ組」のシノア隊を率いる隊長です。度重なる昇格辞令を拒否し、未だに階級は軍曹のままとなっています。
日本帝鬼軍を統轄する柊家の直系で、生まれながらにして体内に“鬼”を宿し、帝鬼軍の中でもずば抜けた能力の持ち主です。武具である「鬼呪装備」は、「四鎌童子(しかまどうじ)」。大鎌に似た形をしていて、攻撃範囲に入った敵を感知します。
冗談交じりに周りの人をからかいますが、常に敬語で話し、どこか冷めたところがあり、本心を見せません。しかし、シノア隊のメンバー・百夜優一郎から仲間として必要とされると、その思いに応えようとし、メンバーを守るために必死に隊長としての責務も果たします。
吸血鬼殲滅部隊「月鬼ノ組」総隊長・一瀬グレン(いちのせ・グレン)の命令により、百夜優一郎の監視役も務めています。
百夜優一郎
本作の主人公・百夜優一郎(ひゃくや・ゆういちろう)は、第二渋谷高校に通う16歳。軍での階級は、特別二等兵です。
子どもの頃、親に迫害された優一郎は、8歳で孤児院に引き取られます。その後ウイルスが発生し、人間社会が崩壊。孤児院の“家族”たちと吸血鬼に捕えられ、地下都市で暮らしていました。どうにか地下都市から優一郎ひとりだけ脱出できましたが、その際に一番の親友であるミカエラほか、多くの“家族”を失っています。
そうした経緯があり、吸血鬼への強い復讐心を抱き帝鬼軍へ入隊。協調性に欠け短気で無鉄砲な性格ですが、仲間や家族を想う気持ちは非常に厚く、勇敢さも人一倍あります。
「鬼呪装備」は、日本刀の形状の「阿朱羅丸(あしゅらまる)」。実は、吸血鬼も恐れをなす未知なる能力を秘めた少年のようです。
早乙女与一
早乙女与一(さおとめ・よいち)は、16歳で百夜優一郎と同じ高校のクラスメイトです。学校に吸血鬼が現れた際に、優一郎と共に立ち向かい友人となりました。
幼い頃に吸血鬼に襲われ、自分を庇ってくれた姉を失った辛い過去があり、復讐のため帝鬼軍に志願。一度は試験に落ちたものの、優一郎と出会ったことをきっかけに入隊が許可されます。気が弱く心優しい性格ですが、いざとなると勇気を持って臨む強い意志の持ち主です。
弓矢のデザインの「月光韻(げっこういん)」を「鬼呪装備」とし、相手を狙撃します。
君月士方
君月士方(きみづき・しほう)も第二渋谷高校に通う16歳、優一郎のクラスメイトです。
成績優秀で戦闘能力にも優れていますが、人を見下すような態度を取り性格にトゲがあるため、優一郎とは初対面から喧嘩が絶えません。しかし、優一郎に危機が訪れるとすかさずフォローにまわるなど、面倒見はよいようです。また、車の修理や運転が得意なほか、料理好きという意外な一面もあります。
ウイルスに侵された病床の妹がいて、軍で専門的な治療を受けさせたいと思い帝鬼軍に入隊しました。妹のために軍での出世を望んでいます。
「鬼呪装備」は、双剣の形をした「鬼箱王(きせきおう)」です。
三宮三葉
三宮三葉(さんぐう・みつば)は、柊家の分家・三宮家の令嬢です。16歳で、階級は特務少尉。13歳から吸血鬼殲滅部隊に属しているエリート隊員です。
柊シノアとは旧知の仲であり、ライバル的存在。三宮家としてのプライドが高く、当初はシノア隊に配属されたことを不満に感じていたようです。過去の戦いにおいて、自分が陣形を崩したことが原因で仲間を死なせてしまったと思い込み、戦闘では何よりもチームワークを重視するようになりました。
そのため、時に独断で行動する優一郎に反感を抱いていましたが、度々優一郎に助けられ、その優しさに触れるうちに心を開き、シノア隊にも馴染んでいきます。
「鬼呪装備」は、巨大な斧のような形の「天字竜(てんじりゅう)」です。