2017年7月6日更新

トム・ハーディが1人2役!実在した双子を狂演した全英No. 1ヒット作がついに公開!

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レジェンド 狂気の美学

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『レジェンド 狂気の美学』あらすじ

1960年代、活気に満ちたロンドンにも裏社会は存在したー。 頭脳と暴力を駆使して伸し上がり、一大犯罪帝国を築いた双子のクレイ兄弟。しかし、兄のレジーは部下の妹フランシスと恋に落ち、悪事から手を引くことを約束。それを快く思わない弟のロンは、過激な手段に出始めて…。 組織に生まれる不協和音、警察の執拗な捜査、そして壊れ始める兄弟の絆。ロンドンのダークサイドを駆け抜けた伝説の双子を、トム・ハーディが1人2役で魅せます!

トム・ハーディ×トム・ハーディ

今作で注目すべきは、なんと言ってもトム・ハーディ1人2役による圧倒的なクオリティー。ハーディはスケジュールの関係で、35日以内に2役とも撮り終えなければなりませんでした。

兄:レジー

兄のレジーはスマートで、ビジネスの才能にも長けていますが、実は凶暴性を秘めているという役柄。今作で物語をリードするのはこの兄になっています。

弟:ロン

弟のロンは精神的に不安定で、レジーよりも暴力的。彼が居なければレジーは成功していたという見方もあるほど、病的な暴走を繰り返します。

レジー×ロン

2人が並んだ画は不気味と言えるほど。この威圧感こそ、当時の人々がクレイ兄弟に対して抱いたものかも知れませんね。そっくりでも異なる性格を持つ双子の演じ分けについて、トム・ハーディはこう語りました。
「2人を演じ分けるのはとても簡単だったよ。難しかったのは、1人の人間が双子を演じていることを観客に忘れさせることだった。」
引用:ew.com
ハーディが難なく役柄を切り替えるので監督はとても驚き、同時に撮影が楽しくなったと言います。今作で英国インディペンデント映画賞主演男優賞をはじめとする各賞を受賞した、トム・ハーディの怪演から目が目が離せません!

『レジェンド 狂気の美学』がキャスティングに至るまで

監督と脚本を担当したのは『L.A.コンフィデンシャル』や『ミスティック・リバー』の脚本で知られるブライアン・ヘルゲランド。長年ギャング映画を撮りたかった監督は、クレイ兄弟映画化の話を持ちかけられてすぐに興味を持ちますが、キャスティングで頭を悩ませることに。 1人の役者が双子を演じるのが映画の常ですが、ただのトリックとして見せる事はしたくない。とは言え、双子を探すとキャスティングに制約がかかってしまう…。監督が思いついたのは、まず物語をリードする兄のレジーを見つける事でした。 そして辿り着いたのがトム・ハーディ。2011年の出演作『ウォーリア』を観てレジーに通じるものを感じたヘルゲランド監督は、ハーディに声をかけます。しかし、会ってみると彼が演じたかったのはロンの方。監督が脚本について話し合うために誘ったディナーの最後、ハーディは監督にこう言いました。
「もし俺にロンをくれるなら、あなたにレジーをあげるよ。」
引用:ew.com
"ロンを演じさせてくれるのならレジーもやるよ"の意味ですが、役者らしいなんとも粋な表現ですね。

『レジェンド 狂気の美学』の撮影方法

双子を1人2役となると、撮影方法が気になるところ。ほどんどの場合、核となるレジーの撮影を先に終え、衣装とメイクをチェンジしてロンのショットを撮影しました。双子が同時に登場するシーンでは、録音しておいたレジーの声を流しながらロンを演じたそうです。

ハーディそっくりのスタントマン

また、今回の撮影を助けたの『マッドマックス 怒りのデスロード』、『レヴェナント:蘇えりし者』でもトム・ハーディのスタントを務めたジェイコブ・トムリ。 ハーディが兄を演じている時は弟を、弟を演じている時は兄をジェイコブが演じることで、撮影が進められました。ジェイコブは見事に仕事をこなしたそうで、自分の演技より兄弟どちらも上手かったとハーディは笑っています。

シーンの分割

撮影を務めたのは2014年『ターナー、光に愛を求めて』でアカデミー撮影賞にノミネートされたディック・ポープ。1人2役映画の撮影方法は昔からそこまで変わりませんが、今でこそ使えるモーションテクノロジーを用いながらも、シーンを分割して自然な画面作りを心掛けました。
「全編テクノロジーを駆使して"僕らってすごいだろう!"と見せびらかす様にはしたくなかった。だから、双子が話すときは切り返しを多く使ったんだ。片方が話している時はそちらに向き、もう片方が話し始めたらそちらを向く…という様にね。」
引用:ew.com

『レジェンド 狂気の美学』だけじゃない!1人2役の映画

1人2役の映画は名前をあげると意外に多く、最近だと映画『嗤う分身』は今作と似た撮影進行で撮られています。こちらは切り返しよりロトスコープという技法が中心になっているので、また違った雰囲気がありますね。(撮影技法は動画2:57辺りから) 映画『ソーシャル・ネットワーク』に登場する双子の兄弟もスタントを使うところまでは同じですが、テクノロジーを駆使して役者の頭をスタントの身体に合成しています。 1人2役の映画が気になったらCiatrにまとめがありますので是非チェックしてみてください!

モデルになった伝説の双子

そもそも、クレイ兄弟とはどんな人物だったのでしょうか。 ビートルズが世界的アイドルになった1960年代のイギリス。華やかな世界の裏側で、名を馳せた双子のギャングスターが居ました。彼らの名前はレジナルド・クレイ(通称:レジー)とロナルド・クレイ(通称:ロン)。今作のモデルとなった彼らは、イギリス犯罪史上において切り裂きジャックと並ぶほどの有名人です。

クレイ兄弟の生い立ち

1933年、クレイ兄弟はイーストエンドの貧民層に生まれました。その窮屈な世界から抜け出す道は、ボクサーになるか、ギャングになるか、の2つに1つ。 双子はボクシングを始めますが、その飛び抜けた凶暴さは次第にダークサイドへと向かいます。特に、弟のロンは10代の頃から事件記事をスクラップするほどマフィアに憧れていました。 彼らが普通のギャングと違うのは、隠れて動くのではなく"見せびらかす"ことを好んだ点です。悪行に手を染めながら、華やかなショービジネスにも手腕を発揮し、ついには殺人にまで至った力の誇示。それこそがクレイ兄弟の象徴であり、彼らを"伝説"たらしめているのです。 映画、テレビ、ドキュメンタリーでの映像化も数知れず。イギリスではカルチャーアイコンのような存在で、今でも彼らの顔をプリントしたグッズが売られています。現地ではクレイ兄弟ゆかりの地を巡るツアーが実施されているそうなので、映画を見たら参加したくなってしまうかも知れませんね。

描いたのはクレイ兄弟の人間性

今作ではクレイ兄弟の歴史をなぞると言うよりも、二人の心理を分析し、ありのままの人間として表現する事に重きを置いています。2人の人間性を浮き上がらせるキーとなるのが、兄弟それぞれの支えとなった人物。

レジーの恋人/フランシス

兄のレジーが恋に落ちる女性フランシスを演じるのは、オーストラリア出身の女優エミリー・ブラウニング。2004年『レモニー・スケットの世にも不幸せな物語』で注目を集め、その後もインディペンデント映画からハリウッド大作までこなしている才能豊かな若手です。 クレイ兄弟破滅の原因は彼女にあったと言われるほど、フランシスは重要な人物。レジーが活躍するダークサイドに舞い降りた天使のような姿に注目です。

ロンの愛人/テディー

ゲイである事をカミングアウトしている弟ロンの愛人テディーを演じるのは、『キングスマン』で一躍人気者になった期待の若手俳優タロン・エガートン。実在の人物ながら資料が少なく、エガートンは想像で役作りを行ったそうです。

『レジェンド 狂気の美学』公開は2016年6月18日

ここまでご紹介してきました映画『レジェンド 狂気の美学』、公開は2016年6月18日。『マッドマックス』の次回作や、クリストファー・ノーラン監督の新作への出演も決定しているトム・ハーディの怪演を、是非スクリーンでご覧ください!