2019年3月22日更新

名作から最新作まで!おすすめ中国映画ランキングTOP15

アジア映画にはそれぞれハリウッド映画や邦画にはない独特の世界観やスケールを持つ魅力的な映画が数多く存在します。今回はその中でも、中国映画に絞っておすすめ傑作映画をランキング形式で紹介します。

中国映画は今や世界的なスケールに!おすすめ作品をランキングで紹介

高度経済成長によって、世界的に注目されることが増えてきた中国。それは映画界でも同じで、中国の企業が出資する大型ハリウッド作品が増えてきています。中でも、カリフォルニアの映画制作会社「レジェンダリー」は中国に2016年に買収されました。 そんな中国で製作され、これまでに高く評価をされてきている中国映画。台湾・香港映画との違いを解説しつつ、ランキング形式でおすすめ映画を15作品紹介したいと思います。

中国映画の歴史と台湾・香港映画との違い

中国 フリー画像

1896年に中国に持ち込まれた映画は、上海を中心に発達していきました。しかし、そもそも中国の映画と一口に言っても、中には言語によって様々な地域の映画として分別されています。主に、中国映画、台湾映画、香港映画と大きく分けられますが、これは台湾と香港が中国から「独立している」という言い分のもと、別ものとして分けられているのです。 また、作風もその地域によって大きな特色が生まれています。中国映画は、主に武侠ものがメイン。中国の歴史を描いた作品が多く、資本もあるためハリウッド進出をするなど、映画自体のスケールが大きいです。 対して、香港映画はカンフーやノアール、犯罪映画などがメイン。ジャッキー・チェンやブルース・リーによるカンフーものも、香港映画です。また、『恋する惑星』などで知られるウォン・カーウァイの作品もこちらに分類されます。 そして台湾映画はミニシアター、アート映画が多い傾向があり日本では2000年代に流行った印象があります。『恋恋風塵(れんれんふうじん)』のホウ・シャオシェンや、『恐怖分子』、『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』のエドワード・ヤン監督などが代表的に挙げられます。 この記事では台湾・香港映画を除き、中国映画のみにフォーカスしておすすめ作品を紹介していきます。

15位『サイバー・ミッション』(2018年)

オタクのプログラマー主人公・ハオミンとのハッキング対決に負けたゼブラ。彼は裏世界の仕事をするハッカーとなり、ハオミンをとある大仕事に巻き込もうとします。ゼブラのパートナーであるスー・インがハオミンに接触したことをきっかけに、ハオミンはゼブラのターゲットを探るため覆面捜査官として裏世界に潜入することになります。 韓国のアイドル「SUPER JUNIOR」元メンバー、ハンギョンが主人公をハオミンを演じ、日本のジャニーズに所属する山下智久が裏世界のテロリストボスを演じたことで話題となりました。

14位『グランド・マスター』(2013年)

ウォン・カーウァイ監督作『グランド・マスター』(2013)は、中国と香港の合作であり、カンフーの達人イップ・マンを描いた伝記映画です。時は30年代。中国南部の武術家イップ・マンの元に、中国北部から武術家引退を考えている宮宝森がやってきます。彼は自分が北の技を南に伝えたため、今度は南の技を北にもらおうとしていました。そして、南部を代表する武術家を、自分との戦いに勝った者にすると言い……。 カンフー最強の座を巡る熾烈なバトルが、ユエン・ウーピン指導による、バレエのように美しく洗練されたアクションで繰り広げられます。

13位『南京!南京!』(2009年)

ルー・チャン監督作『南京!南京!』(2009)は、1937年に起きた南京事件を扱った中国映画です。南京に侵略し、南京城を墜落させた日本軍。多くの中国兵が逃げる中で、その場に残り戦い抜く者たちもいました。そんな中国兵を残酷に、徹底的に抹殺する日本兵。そのうちの一人の日本兵士が自らの行動に疑問を抱きます。 監督はスケールの大きなテーマを扱いながらも、個人に焦点を当てることに重きを置いていました。それによって本作は、残忍な行動をとった兵士の動機や混乱、精神状態、ヒロイズムにより深く迫っています。 戦争に参加した人々の感情を描いたという作品。特に慰安婦のシーンが劇中多く存在する本作は、日本で収集した2000冊以上の写真集をはじめ、多くの歴史的資料を元に作られました。しかし、日本では紆余曲折し映画祭でたった1日のみの公開という結果になりました。

12位『カイジ 動物世界』(2018年)

日本でも実写映画された人気漫画『賭博黙示録カイジ』の中国版実写作品。友人に騙されて、多額の借金を背負ってしまったカイジ。彼は借金を一括返済するチャンスが与えられるギャンブル船「デスティニー」に乗り込みます。しかし、そこで行われていたのは、勝てば借金帳消し、負ければ死という最恐のギャンブルだったのです。 主人公カイジをはじめ、メインキャラクターは日本版に近い描かれ方をしています。中でも、利根川にあたるアンダーソンというキャラクターを、ハリウッド俳優のマイケル・ダグラスが演じているのも見所の一つです。

11位『レッド・クリフ』(2008年)

Miyu_Kawasuji 中国の文化を壮大なスケールでビジュアル的に観れるのが楽しい 豪華!

ジョン・ウー監督作『レッド・クリフ』は、三国志の赤壁の戦いを描いた超大作の一作目。三国時代の中国を舞台に、漢の曹操は南部制圧に向けて動いていました。彼の目的は天下統一。その邪魔者となる劉備、孫権を抹殺していようとしていました。 金城武やトニー・レオンといった日本でもお馴染みの俳優が出演していたこともあり、本作は日本だけで50億円の興行収入を突破する大ヒットを記録。魅力は何といっても圧倒的スケールで描かれたバトル。両軍入れ乱れるシークエンスは圧巻です。

10位『さらば復讐の狼たちよ』(2010年)

changpian 中国では2010年末に公開され、空前の大ヒットとなった姜文の監督主演によるこの映画。日本では昨年夏に上映されたが見逃しており、恥ずかしながらようやく中国製DVDで鑑賞した。  舞台は民国初頭の中国・四川。姜文演じる土匪が、馬に牽引される列車を襲撃、葛優演じる馬邦徳らを襲撃する。馬邦徳は金で県長の座を手に入れ、着任する道中だったのだ。馬邦徳は自分は顧問(師爺)だと嘘をつき、土匪はそれならば、と自分が県長になりすまして、鵝県に乗り込む。そこに待ち受けていたのが地元を影で操る黄四郎(チョウ・ユンファ)。やがてこの三人の間で緊張感に富んだ駆け引きが展開される…。  展開がなかなか読めないし、姜文演じる土匪が、圧倒的に強い黄四郎と張り合っていく様子は見応えがある。セリフも面白い。この映画は、政治的な風刺に満ちていると言われる。冒頭の馬が牽引する列車は、「馬列」=マルクス・レーニンを表している、という解釈は広く流布している。その他にも一見しただけでは何を表しているのかよく分からない(隠喩なのかどうかを含め)描写も少なくない。繰り返し見て確認したくなること請け合いで、ヒットした理由がわかる気がする。もちろん現実の風刺と解釈しなくても楽しめる映画ではあるのだが。大陸の映画もエンターテイメントとして成熟してきたと感じる(いまさらの感想かも知れないが)。  香港勢は、ユンファの他にカリーナ・ラウ劉嘉玲も出演しているが意外とあっさり死んでしまう。その他もカメオ出演を含め豪華キャストだ。

チアン・ウェン監督作『さらば復讐の狼たちよ』(2010)は、1920年代の中国を舞台としたバイオレントなダークコメディです。詐欺師の主人公が7人のギャング集団に襲われた際、県知事の書記になりすましたことがきっかけで起こる物語。 詐欺師にそそのかされたギャングが、ごく少人で巨大勢力を持つ冷酷な支配者に立ち向かいます。本作は過激なバイオレンスと、スラップスティックコメディのバランスが上手く取られていたことが特に高く評価されました。

9位『妻への家路』(2014年)

妻のフォン・ワンイーと共にバレエを習う娘、タンタンを持つルー・イエンシー。娘は「革命模範バレエ 紅色娘子軍」の主役に抜擢されそうになっていましたが、父であるルー・イエンシーは追放中の身でした。彼は駅で二人に会おうと連絡をとりますが、娘は母から行くことを止められます。そして、代わりに駅に行ったフォン・ワンイーの目の前で、ルー・イエンシーは取り押さえられてしまったのです。 タンタンは逃亡者の娘として主役からも外されてしまい、ルー・イエンシーが彼女たちの元に帰るのはそれから20年後のことだったのですが……。『紅いコーリャン』でデビューした監督チャン・イーモウが原点回帰したと言われている作品です。

8位『山河ノスタルジア』 (2015年)

ジャ・ジャンクー監督作『山河ノスタルジア』は、3つの時間軸で描かれる壮大な親子のドラマです。小学生教師タオの結婚から、息子のダオラー出産までが描かれる1999年、離婚して離れ離れになっていた2人の久々の再会が描かれる2014年、成長してオーストラリアで暮らすダオラーが母の面影を追う2025年、と展開されていきます。 本作はトロント国際映画祭で高い評価を獲得した中国、日本、フランス合作作品となっています。

7位『長江哀歌』(2006年)

ジャ・ジャンクー監督作『長江哀歌』(2006)は、ダム建設によって立ち退きを余儀なくされた人々を描いた中国映画です。16年前に生き別れた妻子を探しに、長江にやってきた炭鉱夫のサンミン。しかし、妻が住んでいた場所は三峡ダムが建設された影響で、水の底に沈んでいたのです。サンミンは、妻子を探す決意をします。 ジャンクーは、ワイドショットやじっくりと時間をかけてカメラを固定したまま、フレーミングを水平方向に移動させるショットを多用しました。一歩引いた視点から、変わりゆく環境を捉えようとした本作。第63回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門でプレミア上映され、最高賞である金獅子賞を受賞しました。

6位『天安門、恋人たち』(2006年)

tmmyon ロウ・イエが映画制作禁止をくらった作品。 今でも中国国内では見れないみたい。 なんというか文学的な作品かな〜。渡辺淳一的な?(読んだことなし)。 ある少女の成長と心境を周囲との関係と当時の政治状況を織り込んで進む感じ。 劇場で見ていたらかなり気に入っていたかもしれない!如何せんノーカット版が長くて、青春期だけでよかったと思ってしまった。

ロウ・イエ監督作『天安門、恋人たち』(2006)は、1980年代後半、国境付近の街から大学に通うため北京にやってきた少女ユー・ホンを中心とした物語です。故郷にいた恋人と別れ、大学生活を始めたユー・ホンは友達のリー・ティを通じて、チョウ・ウェイと出会い恋に落ちるのですが……。 前半はユー・ホンの恋物語が中心ですが、後半、天安門事件が起きた後はこの悲劇の余波にフォーカスした物語が語られます。中国にとってセンシティブなテーマを扱っている本作は、中国で上映禁止になった作品です。

5位『ラストエンペラー』(1987年)

第二次世界大戦が終結、および満州国が崩壊し内戦が終わったことで、ハルビン駅は中華人民共和国の一部となります。その駅の構内で、中国に送還されてきた戦犯の一人が自殺を試みます。しかし、監視員によって一命をとりとめた彼。実は、彼こそ清朝最後の満州国の皇帝、ラストエンペラーである愛新覚羅溥儀(あいしんかくら ふぎ)だったのです。 本作は、そんな皇帝が一人の市民として死を迎えるまでの生涯を1908年から1967年にかけて描いた作品。イタリア、中国、イギリスによる合作となっており、音楽を坂本龍一が手がけています。

4位『活きる』(1994年)

40年代の中国が舞台。資産家の息子であったフークイは、賭け事に負けたことで全財産を失ってしまうことに。子供を身ごもっていた彼の妻チアチェンは、愛想をつかして実家に帰ってしまいます。しかし、息子が誕生したことをきっかけに、再びフークイの元に戻って献身的に支えようとする彼女。そんな矢先に、フークイは国民党と共産党間における内戦に巻き込まれてしまうのでした。 1993年に余華によって執筆された同名小説を映画化したもの。監督のチャン・イーモウは、本作で世界的な評価を得ましたが、政治的な理由によって本国では上映が禁止されました。

3位『芳華-Youth-』(2017年)

1976年の中国。17歳のシャオビンは夢と希望を持って、歌劇団・文工団に入団します。劇団は、歌や踊りによって兵士を慰労することを目的としていましたが、農村出身のシャオビンは周りと打ち解けられません。しかし、そんな彼女の支えになったのが模範兵のリウ・フォンでした。 中越戦争が起きた激動の70年代の中国を舞台に繰り広げられる、若者の切なく美しいラブストーリー。『唐山大地震』を監督した中国の名匠フォン・シャオガンが手がけています。

2位『變臉(へんめん)/この櫂に手をそえて』(1996年)

「変面王」という異名を持つ大道芸人の王。変面の名人である彼は、子供がいませんでした。自分の後継者を探すために、違法な幼児売買で男の子を買った王。その子をまるで我が子のように溺愛した彼でしたが、のちに子供が性別を偽って売られた、女の子であることに気づきます。 芸を女の子に教えることができない、と憤慨した王は彼女を追い出そうとします。しかし、行く宛てのない彼女は、彼に召使いとして残してもらおうとするのでした。そんな二人の、奇しくも美しい愛情の物語。東京国際映画祭をはじめ、各国の映画祭で受賞するなど高く評価された作品です。

1位『鬼が来た!』(2000年)

southpumpkin 観ようによっては反日映画というか、戦時中支配する側だった日本兵が登場するので意見の言いにくい映画です。しかしあくまで映画的クオリティだけ言えば非常に面白く、もっと広く観られても良い作品なのではないでしょうか。有名な反日映画に比べてそれほど際だったものはないですね。歴史的言及に対して沸点の高い人であれば観賞に堪えうると思います。 胸くそ映画としてなかなかの破壊力を持っています。白黒の映画なので観づらさはあるものの、後半のカタルシスはそれを一掃します。香川照之が相変わらず香川照之なのでそこも注目です。

チアン・ウェン監督作『鬼が来た!』(2000)は、1945年中国の僻地の村を舞台に日本兵と村人の交流を描き、カンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞した傑作中国映画です。 本作で日本兵”花屋小三郎”を日本の名優・香川照之が体当たりで演じています。 本作は戦争という悲劇を村人目線で描いたことで、戦争には恐ろしい側面だけでなく滑稽で不合理な側面もあることを巧みに示しています。 この映画も公開当初は中国で上映禁止になった作品です。上映禁止になった理由は、カンヌ映画祭に無断出品したことや、中国人のメインキャラクターがバカらしく描かれていたこと、愛国心や日本に対する憎悪の描き方が足りなかったためだと言われています。

これを機会に中国映画に触れてみて。

中国映画は、その作品に描かれる事件や史実の背景によって政治的理由で本国上映禁止となっているものも少なくありません。しかし、だからこそ観ておきたい、知っておきたい物語はそこにあるはず。 アジア圏の映画に馴染みがなかった人も、これを機に中国映画に触れてみてはいかがでしょうか。