2017年7月6日更新

『北斗の拳』最も悲しく孤独な男はサウザーではないか?

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北斗の拳

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サウザーのプロフィール

サウザーは南斗聖拳、南斗六星の「将星」を司る南斗鳳凰拳の伝承者。彼はもともと孤児でしたが、先代の南斗鳳凰拳伝承者・オウガイによって拾われ、鳳凰拳の伝承者となるべく過酷な修行の日々を送ります。 「聖帝」を名乗り「拳王」ことラオウに対抗するように広大な領土を支配。サウザーはその権力を誇示するかのように、反抗力の少ない子供たちを使って巨大なピラミッドのような建築物「聖帝十字陵」を建設します。その暴虐を許せないケンシロウとの激しい戦いになっていくわけです。

南斗鳳凰拳の継承者

サウザーは南斗六聖拳の一つで「将星」を宿星に持っており、南斗108派の内の約29派を支配下に置いています。 南斗聖拳の中でも最強とされる拳法で、他の南斗聖拳では勝つ事は不可能と言われています。 鳳凰拳は通常構えをとらず、ただ相手を制圧し、前進するのみだとサウザーは語ります。しかし、己と同等の相手が現れた場合のみ鳳凰拳唯一の構えであり、奥義でもある「天翔十字鳳」を使用し全ての力で戦います。

「愛などいらぬ」

鳳凰拳には、伝承者となる者は師である先代伝承者との死闘に勝利しなければならないという恐るべき戒律が存在します。しかし、先代伝承者オウガイは修行中は厳しい人でありましたが、孤児であったサウザーに実の子同様の愛を注ぎました。 彼もまた、厳しいながらも深い愛情を注ぎ続けたオウガイを実の父のように慕っていたのです。 15歳になったサウザーは鳳凰拳伝承者の「継承の儀」を受ける事になります。それは「目隠ししてこれから襲い掛かる敵を倒せ」と言うものでした。 見事敵を倒し目隠しを取ると、そこには倒れたオウガイの姿が。一子相伝の拳故に先代は命を断たれねばならない、それこそが「継承の儀」なのでした。 サウザーはオウガイを自ら手に掛けてしまった事に慟哭し、「こんなに苦しいのなら悲しいのなら……愛などいらぬ!」と叫ぶのでした。彼の純粋過ぎる心は、愛する師を自らが手にかけて事を受け入れる事ができなかったのです。 悲しみからくる苦痛で心を歪めたサウザーは愛や情けを捨て去り、野心に燃えて弱者を蹂躙するまさに「暴帝」へと変貌していくのでした。 実は権力の象徴である聖帝十字陵にはオウガイの遺骸が安置されており、それは彼の愛情と野心の結晶といえるでしょう。

聖帝にのみ与えられたからだ

サウザーは心臓の位置と秘孔の位置が通常と左右表裏逆という特異体質であり、それを見破らない限り正確な秘孔を突く事ができず北斗神拳の真髄である秘孔での攻撃も通じません。その体の謎と「南斗聖拳最強」と言わしめる強さこそが「聖帝」たる所以でした。 唯一、医学に精通している北斗神拳の次兄のトキだけがサウザーの体の謎を解いていたのです。

シュウとのエピソード

シュウは南斗六聖拳のひとつ「仁星」の男で、足技を主体とした南斗白鷺拳の伝承者です。サウザーが「自分と対等に戦うことができる男」と認めるほどの実力者であり、暴虐を繰り返すこの男に対しレジスタンスを組織して対抗します。 サウザーとの初戦で瀕死の重傷を負ったケンシロウに代わり、シュウは反帝部隊を率いて戦いを挑みます。しかし、サウザーは女子供を人質に取り、シュウに聖帝十字陵の頂上で人柱となる事を強要するのでした。そんなシュウを救わんと十字陵を駆け上がるケンシロウの目の前で彼は投槍の一撃でシュウに止めを刺すのでした。まさに暴虐である。

ケンシロウとの二度にわたる闘い

「ほう、でかくなったな小僧」ケンシロウと出会ったサウザーは、思い出深く言います。少年時代のケンシロウが、北斗と南斗の他流試合である南斗十人組手で戦っている際の立会人をしていたのがサウザーだったのでした。 初戦では致命の秘孔であるはずの「人中極」を突かれながらもその効果を受けずに、ケンシロウを南斗鳳凰拳で切り刻み圧勝します。前述の通りサウザーの体の謎が解けなければ勝つ事はできません。 最終戦では聖帝十字陵の人柱にされたシュウの為に怒りに燃えるケンシロウは、ついに体の秘密を見抜いてしまいます。自らの体の秘密を見抜いたケンシロウに対し、虚心を捨て初めて「構え」をとったサウザー。 奥義「天翔十字鳳」はケンシロウの拳では捕らえきれず戦いを優勢に進めるも、闘気で秘孔を突く北斗神拳の奥義「天破活殺」を受け形勢逆転を許してしまいます。 「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」と自らを鼓舞して立ち上がり、逆立ちの体勢から跳躍し最後の技を放とうとするも、ケンシロウの「北斗有情猛翔破」で致命傷を負ってしまいます。 死の間際、愛から「苦しみ」や「悲しみ」だけでなく、「ぬくもり」も与えられていた事を思い出したサウザーの顔からは険しさがなくなり、涙を流しながらオウガイの亡骸に寄り添い、崩壊する十字陵と運命を共にするのでした。宿敵ケンシロウはからは「哀しい男よ、愛深きゆえに」と評されます。

ラオウはサウザーを恐れていた!?

原作を読んでも恐れいたかは定かではありませんが、ラオウはサウザーの体に謎があり北斗神拳が利かない事を知っていました。ラオウの得意とする剛の拳が南斗聖拳最強といわれる南斗鳳凰拳に絶対勝てるという保証が無い事が、直接対決を避けさせていたのではないでしょうか。

サウザーの声優は誰?

サウザーの声を主に担当しているのは銀河万丈です。銀河といえば1948年11月生まれ、青二プロダクション所属の大ベテランです。 余りに数多くの作品に出演しているので代表作を挙げるのが難しいですが、アニメで言えばサウザーよりも有名なのは『機動戦士ガンダム』のギレン・ザビでしょうか。イベントでの生演説は話題を呼びました。 その他に数多くの映画の吹き替え、ナレーションを担当しています。恐らく、テレビを良く見る方ならはあの特徴的な声を一度は耳にしているのではないでしょうか。