1:アイドルに憧れた幼少期
ファンから絶大なる支持を受けている田村ゆかりは、福岡県で生まれ育ちました。幼い頃からアイドルになりたいという思いがあり、松田聖子や『魔法の天使クリィミーマミ』などに憧れを抱いていたそうです。
小学生の頃は自分の高い声があまり好きではなく、わざと低い声で喋っていたこともあると明かしています。しかし4年生の時に国語の授業で朗読を褒められたことをきっかけに、声優の道を目指すこととなりました。
高校時代は演劇部と漫画研究部を掛け持ちし、アイドルの養成所にも通っていたそうです。
2:OLとして働きながら声優の道へ
高校を卒業した田村ゆかりは、地元福岡の一般企業でOLをしながら声優の養成所に通い始めます。同時に、KBCラジオで放送されていた『中島浩二アワー THE3P』のアシスタントを務めていた時期もありました。
しかし養成所を卒業しても声優としてデビューすることはできなかったため、会社を退職して上京することを決意。東京で新たな声優養成所に数年間通い、その後事務所に所属することとなりました。
とあるPCゲームに登場する端役のウェイトレスを演じたことで、声優デビューを果たします。養成所の先生が音響監督を務めたことがきっかけとなったようです。
3:苦しい下積み時代
社会人として働き始め、上京して養成所に通う頃になっても高い声は相変わらずコンプレックスだったとのこと。自分の声が原因で人間関係がうまくいかず、養成所でいじめられたこともあったそうです。
また事務所に所属してからもなかなか仕事が回って来ず、アニメで主要人物を演じられるようになるまでかなり長い間下積み生活を送りました。デビュー当初は声優よりも歌手としてのオファーの方が多かったらしく、自分の仕事のあり方にかなり悩んだそうです。
4:『ひぐらしのなく頃に』、『極上生徒会』でみせた才能
長く厳しい下積み生活を経た田村ゆかりは、次第に培った実力をアニメで発揮するようになります。アニメファンを驚かせた才能をいくつかご紹介しましょう。
『ひぐらしのなく頃に』
2006年にアニメ化された『ひぐらしのなく頃に』は、ゲームを原作とした大人気作品。架空の村落である「雛見沢村」に伝わる古い因習を巡って、連続失踪事件が起きるというミステリーです。
田村ゆかりは、暇潰し編のヒロインであり皆殺し編の主人公でもある重要キャラクター、古手梨花を演じました。
笑顔がかわいい表の性格と、俯瞰でものを見る冷めた裏の性格を持つ古手梨花。決して口数の多くないこの役の二面性を見事に演じ切り、ファンからは賞賛の声が上がりました。
幼い子供から落ち着いた大人の女性まで幅広い役を演じていますが、幼女と言えば田村ゆかり、というイメージが定着したきっかけにもなった作品です。
『極上生徒会』
宮神学園に設けられた「宮神学園極大権限保有最上級生徒会」、通称極上生徒会のメンバーを取り巻く様々な出来事にスポットを当てたアニメ。のちにゲーム化がなされたこの作品で、田村ゆかりはメインヒロインの蘭堂りのを演じています。
常に腕に身につけている腹話術の人形・プッチャンは、蘭堂りのの意志を離れて一人でに会話をしたり食事をしたりします。一人二役を演じたことで、田村ゆかりはさらに人気と知名度を上げて行きました。
他にも『魔法少女リリカルなのは』の高町なのはや『インフィニット・ストラトス』の篠ノ之束など、ファンの記憶に残る役を数多く演じています。
5:歌手としての田村ゆかり
デビュー当時から歌手としても精力的に活動している田村ゆかり。声優としてはもちろん、歌が好きだというファンも多くいるようです。数々のヒット曲の中から、代表的な曲をご紹介します。
『勇気をください』
1997年に発売されたシングルで、田村ゆかりのCDデビュー曲でもあります。『マクロス・ジェネレーション』の挿入歌であり、キャラクターソングとして発売されました。
『Spiritual Garden』
2005年発売の本人名義のシングルです。オリコン・週間シングルチャートでは10位を記録し、はじめてトップ10入りを果たした記念すべきCDとなっています。
『シトロンの雨』
田村ゆかりの8枚目となるアルバムで、2010年に発売されました。オリコンランキングでトップ10入りを果たした『You & Me』や『My wish My love』が収録されており、自己最高である6位を記録したアルバムです。
6:声優史上3人目の武道館コンサートを実現
2008年3月、田村ゆかりは声優で史上3人目となる日本武道館でのコンサートを開催し、大きな話題を呼びました。声優で初めて武道館ライブを行った椎名へきる、歌手としても活躍する水樹奈々に次いで3人目です。ライブは大成功を収め、『田村ゆかり Love♡Live *Chelsea Girl*』としてパッケージ化もなされています。
また2015年のバレンタインデーには再び日本武道館で『田村ゆかり LOVE♡LIVE 2015 Winter *Lantana in the Moonlight*』を開催し、可愛く見応えたっぷりなライブを展開しました。
7:ライブの一体感が凄すぎる!?
田村ゆかりのファンは、「ゆかり姫」を支持する忠実な王国民であるとして知られています。2008年に開催された武道館コンサートで限定発売された『mon chéri』などをきっかけに、ライブでのコールが定着していったようです。
息のあった掛け声ときれいなピンクのサイリウムで一体感がすごいですね! ライブ会場では曲ごとのコールをまとめた本も配布されるようです。ファンに愛されているのが伝わってきますね。
8:神楽坂ゆかって?
神楽坂ゆかとはライブ中の映像に登場する架空のアイドルで、田村ゆかりが演じています。しかしあくまでも本人とは別人という設定で、2014年には神楽坂ゆか名義のコンサート『神楽坂ゆか ファーストコンサート 〜初めてだから…ね?お熱にサマーキッス♡〜』が開催されました。
架空のドラマ『ツインテールはふり向かない』に出演して知名度を上げ鳳プロダクションに所属するものの、経営難で苦労を経験するという設定を持っています。
9:「永遠の17歳」、本当の年齢は?
田村ゆかりは自己紹介をする時に「永遠の17歳」であると発言することで知られています。しかし実際には1976年生まれであることが広く知られており、ファンも冗談であると理解した上でネタにしているようです。
また毎年の誕生日の際には「17歳+日数」で年齢が表され、多くのファンが祝福の言葉を贈っています。
10:田村ゆかりの趣味・特技
商業高校に通っていたため、田村ゆかりはさまざまな資格を持っています。県商珠算検定2級や全商簿記実務検定2級にはじまり、全商商業経済検定3級に全商情報処理検定2級、さらには日本損害保険普通資格まで。高校卒業後OLとして働いていた際に大いに役立った特技であるようです。
光GENJIの佐藤寛之が好きで、2009年に開催した自分のコンサートにゲストとして登場してもらったこともあります。また宝塚歌劇団にも興味があり、蘭寿とむや柚希礼音に関心を寄せています。
サッカーも家族ぐるみで好きなようで、出身福岡のチームである「アビスパ福岡」をしばしば応援している姿がみられます。2016年にスカパー!アビスパ福岡公認サポーターにも任命され、変わらず応援を続けているようです。
11:長寿ラジオ番組『田村ゆかりのいたずら黒うさぎ』に終止符
『田村ゆかりのいたずら黒うさぎ』とは、2003年4月に始まった文化放送の人気ラジオ番組です。田村が展開するかわいくて時にダークなフリートークが面白いと絶大な支持を受けていましたが、2016年3月いっぱいで番組終了という運びとなりました。
突然の報告にファンは騒然となり、体調不良などさまざまな憶測が飛び交いました。しかし田村ゆかりの所属するアイムエンタープライズは番組終了の理由として「本人の意向によるキングレコードとの契約終了」と述べています。
12:引退説って?
キングレコードとの契約が2016年3月いっぱいで切れることにより、田村ゆかりはラジオ以外においても活動を縮小することとなりました。2016年の冬に行う予定だったライブは中止となり、オフィシャルファンクラブの運営会社を移管するという対応を取っています。
また自身のブログでは「私にとっての2015年は別れの年」「終わりのはじまり。そろそろカウントダウン」という意味深な言葉を綴ったため、ファンの間で引退してしまうのではないかという話題が一気に広まりました。
13:田村ゆかりの今後の活動は?
体調不良や声優引退などさまざまな憶測が飛び交いましたが、2016年2月に自身のオフィシャルサイトで「私が自分らしくあるために、たくさん悩んで、考えて出した答え」とコメントしています。
また歌うことをやめるという訳ではなく、これからも歌を通して人間的に成長したい、成長して恩返しをしたいと心の内を明かしました。これからも幅広い活動を行う田村ゆかりから目が離せませんね。