2017年7月6日更新

野田秀樹、日本を誇る名演出家の歩んできた経歴が凄い

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野田秀樹

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独創的な舞台作りを行う野田秀樹

野田秀樹とは、1955年生まれの劇作家、演出家です。大学在学中に「劇団 夢の遊眠社」を結社し、一躍演劇ブームの火付け役に。その後、演劇企画制作会社”野田地図”(NODA•MAP)を設立し、社会性が強い巧妙なストーリで惹きつける名作を次々に生み出しました。 演劇の世界だけにとどまらず、2004年放送のNHK大河ドラマ『新撰組!』では勝海舟役として俳優として出演。2008年には東京多摩美術大学の造形表現学部映像演劇学科教授に就任するなど、演劇界に留まらず幅広く活躍しています。野田が手がけた作品の特徴には、スピード感や言葉遊びの巧みさが挙げられます。

高校は都内No.1の偏差値を誇る筑駒

野田秀樹は、入試レベルが中高一貫校の中では首都圏トップを誇るという筑波大学附属駒場高等学校の卒業生です。文化祭では演劇が盛んなようで、野田は学生だった当時、学校が独自に設けた賞で見事、主演男優賞を受賞したそうです。 当時から、演劇の才能を開花させ始めていたのですね。この頃から、野田の中で演劇の存在は自身のコアの部分となっていったのでしょう。

東大在学中に夢の遊眠社を旗揚げ

高校での演劇の活躍から東京大学に入学し、演劇研究会に所属します。その後、1976年に野田秀樹を中心とする劇団"夢の遊眠社"を立ち上げました。当初は、東大構内を拠点として活動する演劇グループでしたが、後にプロに転向し演劇ブームの先駆けとして躍進します。 1990年には文化庁芸術祭賞を受賞するなど、その人気は目を見張るほどでしたが、1992年の舞台「ゼンダ城の虜-苔むす僕らが嬰児の夜」を最後に解散します。

学生時代から異彩を放っていた野田秀樹

高校時代サッカー部に所属しながら演劇部にも所属していた野田は、当時から演劇に魅了されていました。 高校2年の時に書いた処女戯曲「アイと死をみつめて」という作品では予想以上の評価を得、現代国語の教師までもが彼の才能を認めました。その後野田は放送作家の清水邦夫や、劇作家の矢代静一に自身の戯曲を送ったり、舞台に足をよく運んだりと、自身の演劇の世界を広げていきます。 そして、演劇が盛んな文化祭では主演男優賞を獲得するなど、演技力共に評価を得ていくのです。当時から演劇への才能を開花させ、異彩を放っていました。

野田地図(NODA MAP)を旗揚げ

1992年、「ゼンダ城の虜-苔むす僕らが嬰児の夜」の公演を最後に"夢の遊眠社"が解散し、その後野田は演劇プロデュースユニット"野田地図(NODAMAP)"を立ち上げます。 設立後、第一公演「キル」を上演。「キル」はジンギスカンとの戦い、ファッション業界の競争を合わせ、"kill""着る""生きる"といった野田得意の言葉遊びがちりばめられた作品で、妻夫木聡、広末涼子主演のスター揃いの配役となりました。 その他「Right Eye」、「THE BEE」を手掛けました。美輪明宏の半生をモチーフとして描かれた「MIWA」では、宮沢りえ、瑛太や井上真央などの演技派俳優が名を連ね、その後も様々なヒット作品を世に送り出してきました。

大竹しのぶと5年間同棲していた

そんな野田は、あの大竹しのぶと5年間同棲していたそうです。1986年に、「夢の遊眠社」所属の竹下明子と結婚しますが、その翌年に離婚。そして1994年舞台「真夏の夜の悪夢」で知り合った大竹しのぶと5年間にも及ぶ同棲の後、破局しています。 しかし野田は2005年藤田陽子となんと25歳差で再婚し、2009年には第一子も授かっています。

大河ドラマ『新選組!』に勝海舟役で出演

普段は演劇の世界で日々奮闘している野田ですが、俳優業でも活躍しています。 2004年に放送『新撰組!』にて、江戸時代末期の京都にて反幕府勢力を取り締まっていた当時の警察"新撰組"を題材として描かれた、三谷幸喜脚本の『新撰組!』に出演しています。 野田を尊敬する人物の一人としてあげている脚本の三谷幸喜たっての希望で、幕末から明治初期の政治家であった"勝海舟"役に起用したいということで実現したそうです。

『ゴーストバスターズ』の吹替も担当

劇作家・俳優業にとどまらず、1984年公開の映画『ゴーストバスターズ』では声優業もこなしています。 フジテレビ版ピーター・ヴェンクマン博士(ビル・マーレイ)の吹き替えを担当し、その気の抜けた声とコントのような間合いに野田版の吹き替えが一番だという声が多数上がっています。 これまで、野田版の吹き替えでの『ゴーストバスターズ』のDVD発売はありませんでしたが、『ゴーストバスターズ』30周年記念BOXでは、テレビ朝日・フジテレビそれぞれの吹き替えが収録されたDVDが発売となりました。

演出を手がけた演劇は大人気に

『エッグ』

2012年秋、NODA・MAP第17回公演の『エッグ』は、妻夫木聡、深津絵里、仲村トオルといった豪華キャストが揃いました。もちろ野田自身も出演しています。 "エッグ"とは、卵を使った架空のスポーツ。オリンピックで栄光をつかみ取る為に奮闘する二人のアスリートと、歌い心揺れる女性シンガーソングライターを取り巻くスポーツ、音楽、情熱、嫉妬、時代などの要素全てが絡み合いながら、まさに卵の殻を破るようにそれぞれの"本当の姿"が現れていくというあらすじ。 『エッグ』で使用されている曲は全て椎名林檎プロデュースとなっており、楽曲にも注目が集まりました。 そして本作は海外からも高く評価され、2015年には、日本での再演に加えパリでの公演も決定しました。日本だけにとどまらず海外にもその魅力を伝えていく野田の挑戦はとどまるところを知りません。

『MIWA』

2010年、NODA・MAP第18回公演の『MIWA』は、あの美輪明宏がモチーフとして描かれています。 美輪明宏役に宮沢りえ、その他出演者に、瑛太、井上真央といった実力派キャストが揃い、誰も知らない美輪明宏の物語が繰り広げられていきます。野田得意の言葉遊びもふんだんに盛り込まれ、ポップな作品となっています。

『逆鱗』

2016年、NODA・MAP第20回公演の『逆鱗』は、松たか子、瑛太、井上真央、阿部サダヲといった役者が出演しています。 この作品は「赤い蝋燭(ろうそく)と人魚」という童話がベースとなり描かれています。人間のエゴによって翻弄されてしまう人魚の悲劇を描いた童話で、『逆鱗』ではそんな人間と人魚のストーリー。 そのむかし、人魚が人間と交わした約束を果たす為に人魚は人間になりすまし地上にあらわれます。しかしそこで出会ったのは、海中水族館で人魚になりすました人間でした。深夜の海中水族館でに運び込まれてきたものによって、物語はどんどんと進んでいきます。 演出では、水中の"水"の表現に目をみはるものが。まるで本当に魚が泳いでいるかのような表現方法、水中にいるかのような幻想的な空間に一度は演劇を観に行きたくなること間違いなしでしょう。