2023年4月9日更新

ゆる〜くほのぼの。癒やしのおすすめ映画12選【脱力系女子映画も】

このページにはプロモーションが含まれています
『ゴースト・ワールド』
©UNITED ARTISTS/zetaimage

AD

ほっこりする日常を描いた「癒され映画」を紹介

目まぐるしく変わる日々に疲れてはいませんか?多忙すぎる人にお勧めしたいのが、観ていてほのぼのする「癒され映画」。淡々と過ぎる日常の中に、思わずほっこりするような発見もあるものです。 ここでは、そんな何気ない日常を描いた映画やハートウォーミングな作品などを、洋画と邦画を合わせて紹介。後半では脱力系女子が主人公となっているゆるふわ映画もお勧めしていきます。

おすすめ日常・ほのぼの映画を紹介

まずは、ほのぼのとした日常を描いたおすすめの映画を紹介しましょう。実話ベースのものや人気マンガが原作のものまで、洋画・邦画問わず幅広く選んでみました。 特に大きな事件はなにも起こらない、しかし、だからこそちょっとした出来事や人間のおかしみ・愛しさを感じられる、そんな作品ばかりです。

『南極料理人』(2009年)

南極観測隊で日々の食事を作り続けた調理隊員の奮闘記

第38次南極地域観測隊の極寒地での生活を、毎日の食事にスポットを当てて描いた作品。南極基地で調理を担当した西村淳によるエッセイ「面白南極料理人」が原作となっており、主人公の「西村くん」を堺雅人が演じました。 海上保安庁から南極観測隊に出向した西村淳は、南極大陸のドームふじ基地に派遣され調理担当になります。彼の任務は南極という極寒地で、冷凍野菜や缶詰などの保存食材を駆使して、隊員たちに毎日三食を作ることでした。 総勢8名の隊員たちの食事を約一年半作ったという西村淳。「陸の孤島」であるドームふじ基地は標高が高く、平均気温もマイナス54度以下という厳しい環境です。そんな不便でストレスフルな場所で日々任務をこなす隊員たちに、食事でほっこりしてもらおうと奮闘する姿が微笑ましい作品です。

AD

『天然コケッコー』(2007年)

島根の分校の少女と東京からの転校生との初恋物語

くらもちふさこの同名漫画をもとに、夏帆と岡田将生の主演で山下敦弘監督が実写映画化した青春映画。島根の分校にやって来た東京の転校生・大沢広海とその同級生・右田そよの初恋を描いています。 中学2年生になるそよが通っているのは、小学生と中学生を合わせて総勢6人の村の分校。そこに東京から転校生の広海がやって来ます。都会的でクールな広海に初めは取っ付きにくさを感じていたそよですが、さりげない思いやりを見せる裏表のない性格の広海に次第に惹かれていきます。 舞台となったのは島根県浜田市の農村。村の人々が話すのは広島弁によく似た石見弁です。山を抜けると日本海が見え、どこを見てものどかな風景が広がっています。東京の喧騒と島根の自然を対比し、自然豊かな暮らしが育むそよの心の成長を描きました。

『セトウツミ』(2016年)

関西弁男子高校生のまったり日常系青春映画

此元和津也の同名漫画「セトウツミ」を、大森立嗣監督が池松壮亮と菅田将暉のW主演で実写映画化。関西弁の男子高校生二人が放課後の川辺で暇つぶしにただしゃべるだけという、まったり日常系の青春映画です。 塾に行くまでの暇つぶしに来る内海想(池松壮亮)と、サッカー部を辞めて暇な瀬戸小吉(菅田将暉)は、放課後に川辺でしゃべるのが日課。天然な瀬戸がボケて、クールな内海がツッコミのような役割で互いの日常を語り合い、彼らなりの青春を謳歌していました。 瀬戸と内海、つまり「セトウツミ」が繰り広げる漫才のごとくしゃべり倒す会話劇。ウィットに富んだセリフ、絶妙な間とシニカルな笑いは本物のお笑いにも負けない魅力が!二人の出会いも途中で描かれ、徐々に縮まっていく距離感にもほのぼのします。

AD

『キツツキと雨』(2012年)

のどかな山村でゾンビ映画撮影!気弱な映画監督と無骨な木こりの交流

『キツツキと雨』(2011年) 小栗旬 , 役所広司

『南極料理人』の沖田修一が監督を務め、第24回東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞したコメディ作品。無骨な木こり・岸克彦を役所広司、気弱な新人映画監督・田辺幸一を小栗旬が演じています。 のどかな山村にゾンビ映画の撮影隊を引き連れてやって来た新人監督の幸一は、気弱な性格でスタッフをなかなかまとめられずにいました。そこへ木こりの克彦がひょんなことからゾンビ役で撮影隊に加わり、二人の交流が始まります。 立場も年齢もまったく違う二人が互いに影響を与え合い、徐々に村と撮影隊にある変化をもたらしていく様子をユーモラスに描いています。主題歌は星野源の「フィルム」で、作品にゆったりとした印象を加えました。

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1986年)

ジム・ジャームッシュ監督のオフ・ビート感あふれるモノクロ・コメディ

ジム・ジャームッシュ監督の長編2作目で、カンヌ国際映画祭で新人監督賞「カメラ・ドール」を受賞した作品。全編モノクロで「The New World」「One Year Later」「Paradise」の3エピソード構成になっています。 ニューヨークでエディを相棒にギャンブルで生計を立てているハンガリー出身のウィリー。ある日ハンガリーから渡米する従妹のエヴァを預かることになり、初めは気まずい日々を過ごしますが、エディと3人で過ごすうちに次第に打ち解けていきます。 ジム・ジャームッシュ監督独特のオフ・ビートな感覚が癖になる、不思議な魅力を持った作品。主人公ウィリー役のジョン・ルーリーとエディ役のリチャード・エドソンはミュージシャンで、二人の自然な存在感が光っています。

AD

『パターソン』(2017年)

詩人の町パターソンに住むバス運転手パターソンの何気ない日常

ジム・ジャームッシュ監督・脚本によるヒューマンドラマで、アダム・ドライバー演じるバス運転手パターソンのごく普通の一週間を切り取った作品。同監督作『ミステリー・トレイン』にも出演した永瀬正敏がパターソンと出会う詩人役を演じています。 ニュージャージー州のパターソン市に住むバス運転手パターソンの日課は、朝起きて妻のローラにキスをしてから仕事に出かけ、仕事が終わると愛犬マービンの散歩帰りにバーでビール1杯飲むこと。このごく普通な日々が、詩を書く彼の目にはすべて美しく見え、大切な人々と過ごす時間はかけがえのないものでした。 アメリカの詩人ウィリアム・カーロス・ウィリアムズの詩集『パターソン』や、アレン・ギンズバーグの出身地として知られるパターソン市。ありふれた日常は実は詩的で美しく尊いもの、そんなことに気付かせてくれる優しい作品です。

『ヘイフラワーとキルトシュー』(2007年)

キュートな姉妹ヘイフラワーとキルトシューの日常を描くハートウォーミング・コメディ

フィンランド出身のカイサ・ラスティモが監督・脚本・編集を務めたハートフル・コメディ。シニッカ&ティーナのノポラ姉妹の同名児童文学が原作となっています。オーディションで選ばれたカトリーナ・タヴィが姉ヘイフラワー、ティルダ・キアンレトが妹キルトシューを演じました。 ヘイフラワーはまだ7歳で家事をこなすしっかり者。父親はじゃがいもの研究しか頭になく、母親は家事がまったくできず、妹のキルトシューはわがままでヘイフラワーに頼りっきりです。来週から小学生になるヘイフラワーは、家事が回らなくなることが心配でたまりません。 フィンランドが舞台の本作には、北欧のおしゃれで可愛いインテリアや雑貨もたくさん登場し、見ているだけで癒されます。仲良し姉妹のキュートさが心に潤いを与えてくれること間違いなしです。

AD

ciatr厳選!脱力系女子が登場する映画

ここからは、ciatr編集部が厳選した「脱力系女子」が主人公の映画を紹介していきます。ゆるふわ系イメージのある蒼井優や上野樹里、麻生久美子などが主演を務める邦画から、シュールでシニカルなこじらせ女子を主人公にした洋画まで幅広くチョイスしています。

『百万円と苦虫女』(2008年)

百万円が溜まったら引越し!不思議系女子のロード・ムービー

蒼井優が主演し、『さくらん』の脚本を手がけたタナダユキが監督を務めた青春ロード・ムービー。バイト先の同僚役で森山未來が共演し、独特の雰囲気を持つ個性派女優の平岩紙や江口のりこも出演しています。 短大を卒業した後、就職できずにフリーター生活を送っていた鈴子。ある事件から前科持ちになってしまい、実家から離れて百万円溜まるごとに引越しを繰り返すように。行く先々で出会った人々との交流を通して、鈴子は少しずつ成長していきます。 ある時は海辺の町の海の家、ある時は山間の村の桃農家、またある時はとある地方都市のホームセンターと引越し先でフリーター生活を送る鈴子。クラムボンの原田郁子が提供した主題歌「やわらかくて きもちいい風」が、鈴子が触れ合う人々のふんわりとした温かさを表現しています。

『亀は意外と速く泳ぐ』(2005年)

上野樹里と蒼井優が共演!主婦が平凡な日々を過ごすことが任務のスパイに?

『イン・ザ・プール』の三木聡監督、上野樹里主演の脱力系コメディ。上野樹里が主人公の平凡な主婦・片倉スズメ、蒼井優がその幼なじみの扇谷クジャクを演じています。 夫は海外に単身赴任中で、ごく普通の主婦であるスズメの日々の話し相手はペットの亀だけ。そんな退屈な毎日に飽きてきた頃、商店街の外れで「スパイ募集」という奇妙な貼り紙を目にします。 平凡な日常を過ごしていたスズメが「普通の小市民であること」が評価されてスパイになったのに、なぜか逆に目立ち始めてしまうという可笑しみ。ゆるふわ系女子の上野樹里と蒼井優がコメディエンヌとしての才能を発揮している作品です。

AD

『インスタント沼』(2009年)

三木聡監督×麻生久美子主演!ヘンテコな人々が繰り広げるシュール・コメディ

「時効警察」シリーズの三木聡監督と麻生久美子が再びタッグを組んだシュール・コメディ。主人公の沈丁花ハナメを麻生久美子、怪しい骨董店を営むノブロウを風間杜夫、その店に出入りするパンク青年を加瀬亮が演じています。 担当の雑誌が廃刊となり、会社を辞めた編集者・沈丁花ハナメ。そんな中、母親が沼に落ちて昏睡状態になったり、自分の父親が「ノブロウ」という見知らぬ男だという母の手紙を発見したりとさらなる泥沼にハマってしまいます。手紙の住所にこの事実を確かめに行くと、“電球”と呼ばれる店主が営む怪しい骨董店がありました。 『転々』や『俺俺』などに代表される三木聡監督の独特なシュールな脱力系の作風が、本作でも炸裂!ハナメをはじめヘンテコな人ばかり登場し、『時効警察』でもお馴染みのふせえりや江口のりこといった個性的な女優たちも参加しています。

『ゴーストワールド』(2001年)

大人の入口に立つ少女イーニドとレベッカの知的でシニカルな日常

『ゴーストワールド』(2001年) ソーラ・バーチ , ‎スカーレット・ヨハンソン
© United Artists/Photofest/Zeta Image

テリー・ツワイゴフ監督、ジョン・マルコヴィッチ製作で、ダニエル・クロウズによる同名グラフィックノベルを映画化。1990年代のアメリカを舞台に、二人の少女イーニドとレベッカのシニカルな日常を描いています。 高校を卒業した親友同士のイーニドとレベッカは、二人で共同生活をする計画を立てつつも、進学も就職もせずに町をぶらぶらしていました。やがてイーニドは中年男のシーモアと親しくなり、コーヒー店で働き始めたレベッカとの仲はすれ違っていきます。 『アメリカン・ビューティー』のソーラ・バーチがイーニド役、スカーレット・ヨハンソンがレベッカ役で出演。大人の入口に立った10代の少女たちの日常を現実味たっぷりに描いて高い評価を受け、テリー・ツワイゴフとダニエル・クロウズがアカデミー脚色賞にノミネートされています。

AD

『スウィート17モンスター』(2017年)

17歳のこじらせ女子ネイディーンのイケてない青春

ケリー・フレモン・クレイグの初監督作で、『トゥルー・グリッド』のヘイリー・スタインフェルドが主演を務めた青春コメディ。キスも未経験という妄想こじらせ女子のネイディーンを主人公に、思春期のイタい青春を描いています。 高校二年生のネイディーンは妄想多めで自己嫌悪しがちな「こじらせ女子」。勝ち組の母モナや兄ダリアンを疎ましく思う中、唯一の親友だったクリスタがダリアンと付き合い始めて、さらに孤独感を増していきます。 思春期特有のやり場のない怒りを抱えたネイディーンを、自己中なのになぜか憎めないキャラクターに仕上げたヘイリー・スタインフェルド。共感必至のネイディーンが空回りすればするほど、なんだか愛おしくなってしまいます。

日常を描いたほのぼの映画で何気ない日々の大切さに気づく

『天然コケッコー』や『パターソン』など、この記事で紹介してきた作品はどれも、何気ないごくありふれた日常こそが宝物だと気付かせてくれるものばかり。『南極料理人』のように極地での生活の中で、日常の有難さを知ることもあります。 ストレスフルな現代社会だからこそ、普通の生活を守り続けることの大切さを身に染みてわかる今日この頃。そんな平凡な日々の有り難みに感謝しつつ、癒しを与えてくれる作品でほっこりしたいものですね。