2017年11月11日更新

映画『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』あらすじ・キャスト【感想評価/原作ネタバレあり】

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『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』
(C)2017 映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」製作委員会 (C)2014 田中経一/幻冬舎

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映画『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』が豪華キャストで映画化!

「料理の鉄人」の演出家・田中径一の小説デビュー作『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』を、ジャニーズきっての演技派俳優・二宮和也を主演に迎え映画化。11月3日に公開されました。 監督を務めるのは『おくりびと』でアカデミー賞外国語映画賞を獲得した経歴を持つ滝田洋二郎。二宮と滝田は本作が初タッグとなります。 また原作小説の著者・田中径一は、1993年から1999年に放送された伝説的料理番組「料理の鉄人」で演出を務めていた人物。これまで料理に携わってきた田中だから描けた世界を、実力派製作陣で映像化していきます。 記事後半では原作小説のネタバレを紹介していますので、映画を楽しみたい方は注意してお読みください。

「ラストレシピ」が初日満足度1位!口コミでヒットなるか?

11月3日に公開された本作ですが、ぴあ映画生活による初日満足度ランキングでは92.1点で1位を記録しました。同日にはマーベル映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』や、注目のホラー『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』などが公開されていましたが、それらを抑え堂々の第1位を獲得。 一方、動員数ランキングでは「マイティ・ソー」と「IT」の後に続き第3位となった「ラストレシピ」。二宮主演の映画『母と暮せば』の最終興収が19.8億円だったことと比較し、大コケという見方もありますが、観客の満足度は高いようです。高評価が口コミで広がりヒットとなるのでしょうか? 記事後半では映画を鑑賞した観客の声をまとめています。

映画『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』のあらすじ

『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』
(C)2017 映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」製作委員会 (C)2014 田中経一/幻冬舎
物語が繰り広げられるのは1930年代と2000年代はじめの2つの時代です。2000年代はじめに料理人として、人生最後に食べたい料理の依頼を受けていた佐々木充。彼は麒麟の舌の持ち主と言われ、一度食べた味を再現することができる天才的人物でした。 あるとき、中国の料理人・楊清明から「大日本帝国食菜全席」を再現してほしいと依頼されます。「大日本帝国食菜全席」とは1930年代に宮廷料理人であった山形直太朗が完成させた伝説のレシピ。山形もまた、麒麟の舌の持ち主でした。 しかし戦争を経て「大日本帝国食菜全席」の存在は闇に葬られてしまいます。レシピ再現のため立ち上がった佐々木は、思いがけない事実と山形直太朗というひとりの料理人の人生を知ることになるのでした。

映画「ラストレシピ」の主演キャストには二宮和也

佐々木充/二宮和也

現代で絶対味覚・麒麟の舌を持つ男・佐々木充を演じるのは、ジャニーズきっての演技派俳優・二宮和也です。ドラマ・映画と演技での活躍の勢いは止まることを知りません。 2006年に『硫黄島からの手紙』で、ジャニーズで初めてハリウッド映画デビューを飾り、2016年に公開された映画『母と暮せば』ではアカデミー賞主演男優賞を獲得。今後の活躍から目が離せない俳優のひとりです。

1930年代、料理に情熱を捧げた山形直太朗を演じるのは西島秀俊

山形直太朗/西島秀俊

西島秀俊『ラストレシピ』
(C)2017 映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」製作委員会 (C)2014 田中経一/幻冬舎
太平洋戦争直前の1930年代を生きた料理人・山形直太朗に挑戦するのは、ドラマ・映画・CMと多くの作品に出演している西島秀俊。 『MOZU』をはじめドラマ『流星ワゴン』や『無痛〜診える眼〜』では主演を務め、映画にも数多く出演する西島は日本を代表する俳優と言っても過言ではないでしょう。そんな西島は滝田洋二郎監督作品に出演することがかねてからの夢だったようです。

豪快俳優キャストが「ラストレシピ」の脇を固める!

主人公・佐々木の唯一の理解者・柳沢健に綾野剛

綾野剛『ラストレシピ』
(C)2017 映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」製作委員会 (C)2014 田中経一/幻冬舎
どことなくミステリアスな雰囲気が魅力の綾野剛が扮するのは、主人公・佐々木充の唯一の理解者・柳沢健。 「演技をしているときが生きているとき」と語る綾野剛の演技力は高い評価を受けており、映画『横道世之介』と『夏の終り』ではアカデミー賞新人俳優賞を受賞しました。 2016年は『怒り』をはじめとする7本の映画に出演。2017年も『新宿スワンII』や『武曲 MUKOKU』で主演を飾るなど、活躍の勢いは衰えません。

ベテラン俳優・笈田ヨシ演じるのは料理界の重鎮・楊晴明

笈田ヨシ『ラストレシピ』
(C)2017 映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」製作委員会 (C)2014 田中経一/幻冬舎
物語のきっかけを作ることになる中国の料理界の重鎮・楊晴明を演じるのはベテラン俳優の笈田ヨシ。 2017年で84歳になりますが、現役の俳優として国内外の舞台や映画に出演。また俳優業の他にも1982年からは、演出家としても活躍しています。

山形直太朗を支える妻を演じる宮崎あおい

宮崎あおい『ラストレシピ』
(C)2017 映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」製作委員会 (C)2014 田中経一/幻冬舎
西島秀俊扮する山形直太朗を支える妻を演じるのは、宮崎あおい。 2005年に公開された映画『NANA-ナナ-』でブレイクしてから、常に第一線を走り続けている女優です。大河ドラマ『篤姫』では22歳にして主人公・篤姫を堂々と演じ高い評価を得ました。

陸軍大佐・三宅太蔵に扮するのは竹野内豊

竹野内豊『ラストレシピ』
(C)2017 映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」製作委員会 (C)2014 田中経一/幻冬舎
1930年代山形直太朗に「大日本帝国食菜全席」のレシピの作成を命じた陸軍大佐・三宅太蔵を演じるのは俳優の竹野内豊です。 “世界で最もハンサムな顔100人”に選ばれたこともある竹野内豊。そのカッコよさを武器にコミカルな役から硬派な役まで演じ、2017年の日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した『シン・ゴジラ』にも出演しています。

「ラストレシピ」が狙うはミシュラン!劇中に登場する料理に自信

9月25日に行われた映画の完成報告会見で、主演の二宮和也、滝田監督をはじめとし共演を果たした西島秀俊、綾野剛、宮崎あおいらが登壇しました。 絶対味覚を持つ佐々木充と、天皇の料理番を務める山形直太朗が活躍する本作。裏の主役ともいえる料理にも注目してほしいという二宮は、「アカデミー賞ではなくミシュランを狙いたい」とコメント。共演した綾野剛もそれに共感していました。 さらに普段から仲のいい二宮と綾野は、「撮影の合間の休憩のよう」だったと共演シーンを振り返りました。プライベートでの仲の良さを役にそのまま投影させたという綾野は、芝居をしていない感覚だったと言います。

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二宮和也は真の「麒麟の舌」の持ち主?帝国ホテルで再現料理に舌鼓

10月23日に行われたイベントでは、帝国ホテルの初代総料理長・吉川兼吉による伝説の料理を映画出演キャストが食す一幕がありました。 このイベントで登場したのは吉川兼吉が息子と考案したという伝説のレシピを、現在の料理長・田中健一郎が再現したというもの。 洋梨のデザートを食べた二宮は「もう少しボリュームがあると思っていたけど、意外と軽く感じてさわやか」とコメント。すると田中は「その通り。当時のレシピで作ると重くなってしまうので、少し軽めに作っている」と、二宮の「麒麟の舌」を目の当たりに驚いている様子でした。 その他にもこのイベントでは再現料理が参加者にも振舞われ、二宮自身がコック姿になり料理の仕上げを行うといった演出にファンは大満足のようでした。

「ラストレシピ」監督は『おくりびと』で知られる滝田洋二郎

『おくりびと』、『天地明察』で知られる監督・滝田洋二郎

おくりびと
『天地明察』依頼、5年ぶりの監督作品となる「ラストレシピ」。主演に二宮を抜擢したのは滝田本人だそうで、二宮はこの熱烈オファーを快諾。滝田洋二郎と二宮和也の初タッグ作品となります。 滝田洋二郎は監督デビュー当初、成人映画を中心に作品を世に送り出してきました。1986年から一般作品にも携わるようになり、2008年に公開された『おくりびと』ではアカデミー賞の外国語映画賞や、日本アカデミー賞の最優秀作品賞を受賞しました。

映画「ラストレシピ」初日舞台挨拶を全国で同時中継!

11月3日に公開された本作ですが、公開に伴い初日舞台挨拶がTOHOシネマズ上野にて開催されました。この舞台挨拶は全国の劇場で生中継されたため、主演の二宮がカメラに向かって「全国のみなさん!二宮ですよ」とコメントする場面も。 映画の見どころについて聞かれた二宮は、作中の料理を監修してくれた服部幸應がエキストラとして出演していることを暴露。ロシア美女とデートをしていると観客にヒントを与え、会場は盛り上がりました。 さらに西島は関西ジャニーズJr.として活躍する西畑大吾の演技を見どころに挙げ、真面目で丁寧に芝居をしていたと言い、映画鑑賞後はもう一度彼を見たくなるはず、とコメントしました。

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映画の評判は上々!ファンの感想を紹介

2017年イチ泣ける邦画……?

映画を鑑賞した人のツイートを見てみると、「途中から涙が止まらなかった」「号泣した」など、映画を観て感動したという感想が多く呟かれていました。 1シーン1シーン、セリフ1つ1つを丁寧に描き出した、滝田洋二郎監督らしい作品に仕上がっているのではないでしょうか。

ストーリーも素晴らしい!脚本力に感心

本作の脚本を担当したのは2017年公開の映画「チアダン」の脚本を務めた林民夫です。2013年の高評価を獲得した映画『永遠の0』でも山崎貴とともに脚本を務めており、その手腕が本作でも存分に発揮されたようです。 林は2018年に、長瀬智也主演の映画『空飛ぶタイヤ』の脚本を務めることも決定しています。

原作ファンも納得の仕上がり!

原作物の映画はどうしても原作ファンの声が気になってしまうもの。しかし本作は原作ファンも納得できる映画作品に仕上がったようです。

【ネタバレ注意】原作「ラストレシピ」のあらすじ

陸軍による謀略に巻き込まれた2人の料理人

佐々木は「大日本帝国食菜全席」が満州で天皇陛下に献上する料理であり、陸軍大佐・三宅太蔵から依頼を受け、山形直太朗と楊清明の2人でつくりあげたレシピであることを知ります。しかし、その料理には「毒を盛る」という命令も下されていました。責任を楊清明になすりつけ、日本と中国の戦争を惹き起こす計画だったのです。 計画を知った山形は楊を守るため、楊にあらぬ嫌疑をかけて追い出します。その後、世界大戦の勃発により、結局料理は作られませんでした。そして終戦の直前の満州で、山形はソ連軍進撃の騒動の中で何者かに殺され、レシピも一部奪われてしまいます。

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バラバラになったレシピの行方

山形の妻である千鶴は、日本で料理を完成させようと試みますが、またもレシピの一部を奪われ、責任を感じて自殺します。山形と千鶴の一人娘・幸に会いに行った佐々木。レシピの一部を見せてもらい、手がかりを掴むと山形の友人だったデービッド・グーデンバークと出会います。そして、彼から山形の残した手紙を受け取ることになるのです。手紙は楊宛のものでした。 手紙の内容から、自分が追い出された真相を知った楊。彼の告白により、レシピを盗んだのが楊だということが判明します。そして、山形を殺したのが三宅太蔵の部下であったことも確認されます。楊はレシピを盗んだことを謝罪します。

楊清明の本当の目的とは?

ではなぜそんな料理の再現を楊は佐々木に依頼したのでしょうか? 山形の実娘である幸には1人息子がいたのです。息子は幸の離婚の際に夫に引き取られましたが、その後夫は他界、息子は幸の知らない間に孤児院に預けられていたのです。 佐々木充が幸の息子であったことを楊は知っていたのです。佐々木に全てのレシピを渡す楊。佐々木は母親である幸のために料理を作ります。幸にはそれが最期の料理となりました。

映画『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』は11月3日公開!

『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』
(C)2017 映画「ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~」製作委員会 (C)2014 田中経一/幻冬舎

ジャニーズきっての演技派俳優・二宮和也が主演を務め、豪華俳優陣が脇を固める話題作「ラストレシピ」は2017年11月3日公開です。 是非劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか?