ロシア映画、深遠なり。【入門のための10作品】

2017年7月6日更新

一般人には少し敷居が高いと思われているロシア映画。実は世界中の映画に強い影響を与え、新作も常に高い評価を受けています。ここでは知名度の高い作品を中心にご紹介します。

ロシア、ソビエト映画の傑作を味わおう!

「ロシア映画」と聞くと、どのようなイメージを浮かべますか?欧米の映画というと、やはり真っ先に頭に浮かぶのはアメリカのハリウッド映画、ヨーロッパでしたらフランス映画などを思い浮かべる方が多いかもしれません。

ロシア映画の歴史は古く、1896年にフランスのリュミエール兄弟が、モスクワやサンクトペテルブルグで上映会をしたことが始まりと言われています。1908年にストーリー性を持った映画を制作し、1910年にはストップモーションを多用した初のアニメ映画を発表します。

ディズニー初の長編アニメ映画『白雪姫』が1937年に制作された事を考えると、ロシア映画界も先見の明があると言えるでしょう。数々の世界的巨匠や映像革命を起こしてきたロシア映画。今回はその中から知名度の高い作品を中心にご紹介します。

1:『2001年宇宙の旅』と並ぶSF映画の名作【1972年】

Futosi__Saito かつて大井武蔵野館でタルコフスキーのオールナイトで見た。 伊丹十三がロシア女性を乗せて、バイクで颯爽と現れ、去って行った。 イメージが具現化してしまう世界と、その怖くて美しいさまを映像化した傑作!
Qua_moon 難解だが面白い。ただ一度観ただけでは消化不良。間、退屈な時間が長いことが難点だが、映像の美しさで目が引きとめられる。さすがにタルコフスキーで海の表現が素晴らしく美しい。

アンドレイ・タルコフスキー監督の名を一躍世界に知らしめたSF映画。この映画が制作された当時、ロシアはまだ「ソビエト連邦」という国であり、アメリカとは冷戦が続いている状態でしたが、本作はカンヌ国際映画祭でも高く評価されました。

惑星ソラリスを探索中の宇宙ステーション「プロメテウス」。しかし、地球との交信が途切れてしまったため、クリス(ドナタス・バニオニス)は調査のためにソラリスへ向かいます。そこで彼が見たものは……

ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの小説『ソラリス』に大胆なアレンジを加え、圧倒的な映像美を作り出しました。日本の首都高で車を走らせているシーンもあるので要チェックです。

2:ソビエト崩壊後にスターリン政権時代を描いた問題作【1998年】

ソビエト崩壊後の1998年にフランスとの合作として制作された作品です。監督を務めたアレクセイ・ゲルマンは、2013年には大作『神々のたそがれ』を発表するロシアの巨匠です。

1935年のソ連。指導者の毒殺を計画していたと言われる「医師団陰謀事件」に巻き込まれた脳外科医のユーリー(ユーリー・アレクセーヴィチ・ツリロ)は、強制収容所で拷問される羽目になりますが、彼はなぜか解放されたばかりでなく、スターリンの側近からある人物を診察するようにと命じられ……

物語のはっきりしないストーリー、モノクロの映像は好き嫌いが分かれる、という意見もありますが、見終わった観客を引き付ける魅力があります。

3:セルゲイ・パラジャーノフ監督の描くある宮廷詩人の半生【1971年】

Keimiyazato 1968年のアルメニア映画、ストーリーの無いイメージの連鎖で 作者が何を表現したいかは正直僕には分かりませんでしたが一つ一つのイメージに引き込まれて最後まで観ました、フレディー・マーキュリーを美しくしたような男がクジャクのクチバシをくわえてるシーンがお気に入り、お酒を飲みながら楽しみたい。
ohayou_nihon 意味を全く理解しようと思わないで鑑賞。多分意味は作者にしか分からないのであろう。これからのアイデアソースに。

アンドレイ・タルコフスキーの盟友であり、自身もロシアを代表する監督セルゲイ・パラジャーノフ。彼が18世紀に活躍したアルメニアの宮廷詩人サヤト・ノヴァを描いた作品です。

サヤト・ノヴァの幼少期から死までを8つの章に分け、不思議な映像美で描いています。物語性はありませんが、サヤト・ノヴァの出身地アルメニアやグルジアなどの伝統舞踊や演劇の手法を取りいれた内容は、今もなお鮮やかなカラーと共に見る者を引き付けます。

4:失踪から帰還した父と息子たちの葛藤【2003年】

Nagisa_Moriyama 映像がとても綺麗が 終始暗い雰囲気の映画 謎は何も解決されないけど 父親が息子たちに与えたものは しっかりと感じ取れた
Keimiyazato 何もかも説明してくれないと嫌って感じる人や ハッピーエンドを希望の人には向かない作品、父親不在ながらも仲良くやっている母親、お婆ちゃん、兄と弟、そこへ12年振りに突然帰ってくる父、兄弟を釣りへ誘い父と3人で島へ向かいます、、ってな話しだけど何とも説明出来ない切なさが胸に残ります、景色の美しさも特出していて 素晴らしいです。

ロシアの監督兼俳優のアンドレイ・ズビャギンツェフが2003年に公開した作品です。彼にとっては初の長編作品だった本作は国際的に高く評価され、第60回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞とルイジ・デ・ラウレンティス賞を受賞しました。

12年前に父親が失踪し、母や祖母と一緒に暮らしてきたアンドレイ(ウラジーミル・ガーリン)とイワン(イワン・ドブロヌラヴォフ)の兄弟。なんと、これまで失踪していた父が家族のもとに帰ってきます。これまでのいきさつを全く語らない父は、突然二人を旅に連れていくと言いだし、その通りに三人で旅に出ることになりましたが……

5:大粛清で混沌とするソ連を舞台にした人間ドラマ【1994年】

1936年、スターリンによる大粛清で混乱するソ連を舞台に、巨匠ニキータ・ミハルコフが制作した名作です。 本作は実は三部作で、ミハルコフ監督は、2010年に『戦火のナージャ』、2011年の『遥かなる勝利へ』を制作しました。ちなみに、作中に出演しているコトフ大佐は監督が、その娘ナージャは監督の愛娘が演じています。

10年ぶりに元恋人マルーシャ(インゲボルガ・ダクネイト)の家を訪ねたドミトリ(オレグ・メンシコフ)。マルーシャはすでにコトフ大佐と結婚し、二人の間には一人娘のナージャ(ナージャ・ミハルコフ)がいました。ドミトリは、そんな彼らに自分の正体を隠して接近しますが……

6:世界中でカルト的な人気を誇るSFコメディ映画【1986年】

Yoshie_Ito 近所のどこのレンタルショップに行っても見つからなかった作品。 逆に置いてあるほうが珍しいんですかね

でもやっと観れました!!!

クー!

キンザザ旋風巻き起こしたい!!! これは流行る。 ぜーったい観るべし

_shikana 見終わったときにはまっていることに気付く。 くー!

ゲオルギー・ダネリヤ監督のブラック風味のSFコメディ映画で、日本の初公開は1991年でした。1986年の公開当時、ソ連全土では観客動員数が1570万人という驚異的な数字を記録し、今も熱狂的なファンのいるカルト作品です。

モスクワに住むウラジミールとゲデバンは、冬のモスクワにも関わらず。裸足で奇妙なことを口走る男に出会います。彼は、自分が空間転移装置の事故によって異星から地球に飛ばされてきたと主張するのですが、突飛な話し過ぎて誰もそれを信じません。

しかし、二人は男の持っていた転移装置により、キン・ザ・ザ星雲にある惑星ブリュクまで飛ばされてしまいます。何とか地球に戻ろうと奮闘する二人は……

7:ロシア映画のみならず、世界中の映画に大きな影響を与えた名作【1925年】

polo1026 1925年、第1次ロシア革命を記念してソ連で製作された『戦艦ポチョムキン』。

かの有名なオデッサ階段の虐殺のシーン、怖すぎる!!! 軍列が突然現れて、階段にいた人々を次々と撃ち殺していく。 かなり異様な光景です。 あの乳母車の赤ちゃんは無事だったのかなあ・・・

licaco_g 映画革命と言われているのでみました。

「第1次ロシア革命20周年」を記念し、セルゲイ・エイゼンシュテイン監督が制作した作品。「オデッサの階段」をはじめとする名シーンは、その斬新な構図から世界中の映画に多大な影響を与え、1987年のアメリカ映画『アンタッチャブル』(ケヴィン・コスナ―主演)などにも引用されました。

時代は帝政ロシアの「ポチョムキン号」と呼ばれる軍艦。食事のスープに腐った肉を使用しウジがわいていたため、数名の兵士が食事を拒否します。艦長はその拒否を許さないどころか、彼らを銃殺するよう命じました。

しかし兵士全体が反乱をおこし、ポチョムキン号を占領してしまいます。乗っ取られた船は、そのままオデッサへと入港するのですが……

8:史上初! 90分ワンカットで撮影した美しい映画【2002年】

nao3122 90分超ワンカットで撮影された映画。しかも史上初のエルミタージュ美術館内で撮られた映画です。やはりセットとは格段に違う、臨場感を感じることが出来ました。
KK_mfp 長回しすごすぎる。なんだか一度見たら忘れられない映画。エルミタージュ美術館行ってみたいな〜。

ロシアを代表するエルミタージュ美術館。アレクサンドル・ソクーロフ監督がSONYのビデオカメラCineAltaHDW-F900を使用してエルミタージュ美術館内部を90分ワンカットで美しく撮影し、世界から絶賛されました。

物語は19世紀ロシアと現代を行き来して進みます。ソクーロフ自身と思われるある映画監督がエルミタージュ美術館に迷い込み、激動の時代に翻弄されながらも華やかな帝政ロシアと現代を行き来する、という幻想的な物語です。

9:『惑星ソラリス』のアンドレイ・タルコフスキー監督によるもう一つのSF映画【1979年】

Yuzukappa さっすがになっがい笑 信じるということ。 信じなくても生きていける強さ。 ただどうやったらこんなに日常風景を非日常にできるんだ、
Hiroyuki_Kawano 長くて焦れったい…

予備知識なしでSF として観たのでなおさら 結局何も理解することができずじまいでした

吹き替えで見れたらまた違ったのかな

アンドレイ・タルコフスキー監督が『惑星ソラリス』について発表したSF映画です。この映画の「ストーカー」は歪んだ執着心から人につきまとって危害を加えるものではなく、「案内人」という意味で使用されています。

解明不能な出来事が発生したため、住民が犠牲になってしまい、閉鎖されてしまったある地区。政府が「ゾーン」と呼び立ち入り禁止にしているこの場所は、いつしか「願いが叶う部屋が存在する」と噂がたち、希望者は「ストーカー」と呼ばれるものによって案内されていました。

ある日、「ストーカー」の基へ二人の男性が訪ね、「ゾーン」へ連れて行って欲しいと言うのですが……

10:177分に及ぶアレクセイ・ゲルマン監督の超大作【2013年】

nagahima5050 2015.4.1.ユーロスペース モノクロの映像なのに3Dどころではなく、混沌と喧騒の世界が高発酵した臭いさえ伴って襲ってくるような淒い体験だった

体験として生涯忘れる事ができない作品

13年の年月を注ぎこの作品を残してくれた天才監督に合掌

Yusuke_Yamamoto 凄いもんみた

2015/03/21 ユーロスペース

1968年に脚本の第一稿が書かれていましたが、チェコ事件が勃発したため制作が頓挫し、それから長い長い年月をかけて完成した作品です。2013年にはローマ国際映画祭で上映され、ゲルマン監督は生涯功労賞を受賞しましたが、同年に74歳で逝去しました。日本国内で初上映されたのは2015年。

地球ではなく、ここから遠く離れた惑星での出来事。惑星の王国アルカナルでは書物が焼かれて知識人が処刑される日々が続いていました。ドン・ルマータ(レオニード・ヤルモルニク)は知識人たちを迫害から守ろうとしますが……