『ムード・インディゴ うたかたの日々』とはどんな作品?
『ムード・インディゴ』は、フランスの作家ボリス・ヴィアン著書の「日々の泡」を、BjörkのPVを担当し人気を博したミシェル・ゴンドリーが監督・脚本を担当し映画化した2013年公開のフランス映画です。
あらすじ
働かなくても食べていけるほどの資産を持つ主人公コランは、ある日 料理人ニコルの恋人 イジス主催のパーティーで"クロエ"という女性に出会い、2人は恋に落ち、結婚します。
幸せな結婚生活を送る二人でしたが、突然クロエの肺に睡蓮の蕾が出来、花が咲く奇病にかかってから2人の人生は大きく変わってしまいます。莫大な治療費に金が尽き 職に就いたコランの人生は狂い出し、奇病に侵されたクロエは日に日に衰弱していく。そんな2人を待つラストは・・・
主人公コランの大発明!”カクテルピアノ”
カクテルピアノは、鍵盤の音、テンポ、ペダルなど演者の演奏によってピアノがお酒や香料を調合してカクテルを作ってくれるというもの。
音の長さで分量が決まり、単調だと懐かしい味に、長調だと陽気な味になるんだとか。また強音ペダルを踏むと泡立てた卵が出てきてしまう仕掛けも!
画面の奥にシェフが!しかしそれだけではない会話ができるテレビ
料理人のニコルはこのテレビに映るシェフにレシピを教えてもらいながら調理をするのですが、このテレビただ会話ができるだけではないのです。
テレビの中の世界が現実の世界と繋がっており画面の端の穴からシェフが手を出すことができます。いい調味料がない時はシェフが画面から渡してくれます。
ウナギも出てくる蛇口
名前の通り数本の蛇口からモグラ叩きのようにウナギが飛び出してきます。コランもニコルも捕まえるのに一苦労!捕まえられたウナギはニコルに美味しく調理されました。
料理人ニコラの作るからくり満載の料理
テレビを使い作り上げられるニコルの料理は皿の上でくるくると回ったり、広がったり、時には中から瓶や予言のメモが隠されていたり!見る人を楽しませてくれるようなからくりが隠されています。
主人コランの友人シックも、料理を見て「こんなすごい料理始めてみた!!」と驚くほどの腕前です。
ロマンチック!?”恋人を運ぶ雲のゴンドラ”
コインをコイン投入口に入れるとロマンチックな音楽が流れ、レバーを上げると機体がだんだんと上昇していく”雲のゴンドラ”。しかし作りは意外とアナログで操作員がレコードをかけ、クレーンを操りワイヤーで機体を徐々に上に持ち上げています。
2人がいい雰囲気になった時には内蔵のインスタントカメラで写真を撮ってくれたり、映画をロマンチックに演出してくれる映画の中で欠かせない”からくり”です。
タイプライターでの遠隔手術
写真のチューブの先に繋げられているオペ用ハサミの反対側には複数のタイプライターが繋がれており、複数の医師がタイプライターを打ちながら手術をしています。奥に見える手術台でも同じ手術をしており、オペ室にはたくさんの大小のモニターがあるのも印象的です。
また、映画内で体の内部を表す時はどのような時も血管や心臓は毛糸でできていたりと本物とは違う物質で描写されています。
大きな音を鳴らしながら入り回るドアベルの虫
玄関のベルを来訪者が押すと大きな音を立てながら虫を潰すまで走りながら鳴り続ける虫のようなベル。
全く同じ実物を見たことのある人は少ないかもしれませんが、玄関口に出るまで虫のようにしつこくチャイムを鳴らされた経験は誰しもあるのでは・・・?
虹のオプションつき!?透明のリムジン
新婚旅行で使うために用意された前面が透明の素材で作られたリムジン。なんとこれにはボタンを押すとリムジンの天井がまるでシャボン玉が膨らむように盛り上がり、それが虹色になるというからくりが!
球体の中で幸せそうにはしゃぐ二人がとても可愛らしいです。
未来のお花屋さんの形かも??くるくる回るフラワーマシーン
クロエの患った病の治療法の1つが綺麗な花を枯れるまで胸にあてるというものでした。そのためにコランはたくさんの花を花屋さんから買ってきます。
レバーを引くとくるくると機械が周り綺麗な花が出てきます。近い未来のお花屋さんにもこのようなシステムが導入されるかもしれません。
24時間人の体温で温めて作る銃身
クロエの治療費で資産が底をついたコランが就いた仕事は、軍事工場で銃弾を体温で温め銃身を育てる仕事でした。仕組みは土の中に銃の弾を植物の種のように植え、その上に人が覆いかぶさり24時間体温で温めるとその弾が成長し銃身になるというもの。
しかし、コランが作った銃身はくねくねと曲がってしまい弾があちらこちらに飛んでしまう不良品でした。
映画全体に仕掛けられたからくり
映画は最初はカラーで進んでいきますが、クロエの病状が重たくなっていきコランの心もだんだんと暗くなっていくにつれて映画もだんだんと色を失っていきます。どこから大きく色が変わってくるのか。そしてそれはなぜなのか。この映画を鑑賞するにあたって注目するべき点の一つかもしれません。
『ムード・インディゴ うたかたの日々』には驚きのからくりがたくさん!
『ムード・インディゴ』にはここでは取り上げきれない量の、そして言葉では表す事の難しいようなシュールなたくさんのからくりが作中にはたくさん出てきます。
それだけではない美しい映像描写は見るものをうっとりと、そして驚かせてくれる事間違いありません。是非、不思議な『ムード・インディゴ うたかたの日々』をご覧になってたくさんのからくりを発見してみて下さい!