タップできる目次
- 1.『タンタンの冒険』はおまけだった!?
- 2. タンタンの顔がシンプルな理由とは!?
- 3.差別的だと非難されていた!?
- 4.日本が抗議した作品!?
- 5.作者はタンタンの奴隷だった!?
- 6.『タンタンの冒険』は実写化されていた!
- 7.ピクサー作品以外で初の快挙を達成!?
- 8.スピルバーグと作者は相思相愛だった!?
- 9.ゴラムがハドック船長を演じていた!?
- 10.ピーター・ジャクソンがスピルバーグを説得していた!?
- 11.オープニングクレジットで原作オマージュ!?
- 12.『シャーロック・ホームズ』シリーズとの意外な接点!?
- 13.死んだ作者がカメオ出演!?
- 14.元ネタは宇宙だった!?
- 15.完成させる前に作者が亡くなっていた!?
1.『タンタンの冒険』はおまけだった!?
ベルギーの作家エルジが生み出した『タンタンの冒険』シリーズは1929年1月10日『20世紀新聞』(ベルギーの新聞)の子供用付録としてデビューを果たしました。
その時のエピソードはタンタンと愛犬のスノーウィーがクレムリンの街を歩き周るというシンプルなものだったようです。
2. タンタンの顔がシンプルな理由とは!?
タンタンの顔は目、鼻、口など最小限のパーツで構成されていています。タンタンの顔をシンプルにして、読者それぞれの感情をタンタンへと反映しやくすることをエルジは意図していたそうです。
3.差別的だと非難されていた!?
『タンタンの冒険』の作者エルジは差別主義者だと非難されていた時期があります。そのきっかけとなったのは1931年に発表された『タンタンのコンゴ探検』でした。
この作品の黒人の描き方が差別的だとしてエルジは非難されることになります。また、この作品が“キリスト教のプロパガンダ”だと批判する人もいたようです。
4.日本が抗議した作品!?
『タンタンの冒険』シリーズでもう1つ物議を醸したのが1943年発表の『青い蓮』という作品です。
この作品はエルジの中国人の友人チャン・チェンから多大な影響を受けていたと言われ、中には日本に対する強い政治的メッセージが含まれていました。
ベルギーの日本領事館が抗議したことで“日本製品を買うな!”、“帝国主義を倒せ”など過激なセリフが取り除かれることになったそうです。
5.作者はタンタンの奴隷だった!?
『タンタンの冒険』シリーズは世界中でベストセラーとなった作品ですが、作者エルジはこの成功によって苦しむこととなってしまいます。
精神的、肉体的に極限状態になったエルジは自らを”成功の奴隷”と表現していたそうです。1947年、必死で絵を描く作者を鞭を持ったタンタンが睨みつける絵が発表されています。
6.『タンタンの冒険』は実写化されていた!
『タンタンの冒険』シリーズといえばテレビアニメシリーズが有名ですが、実は実写映画が製作されていました。
1961年公開の『タンタンとトワゾンドール号の神秘』ではハドック船長をジョルジュ・ウィルソン、タンタンをジャン・ピエール・タルボが演じています。
7.ピクサー作品以外で初の快挙を達成!?
2011年スティーブン・スピルバーグは『タンタンの冒険』を基にしたアニメーション映画『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』を発表しました。
本作は『トイ・ストーリー』などで知られるピクサー作品以外で初めてゴールデングローブ最優秀アニメーション映画賞を受賞した作品です。
8.スピルバーグと作者は相思相愛だった!?
スティーブン・スピルバーグは『タンタンの冒険』シリーズの大ファンとして知られています。
ファンになったきっかけは秘書から本作のフランス語バージョンを見せられたことで、セリフは理解できなかったもののすぐさま絵に惚れ込んでしまったそうです。
また、タンタンのクリエイター“エルジ”もスティーブン・スピルバーグのファンだったと言われています。
9.ゴラムがハドック船長を演じていた!?
『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』はモーションキャプチャーでキャラクターの動きが再現されていました。
本作でハドック船長を演じていたのは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ“ゴラム”役として知られるアンディ・サーキスです。
本作にはプロデューサーとして『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ監督のピーター・ジャクソンが参加。アンディ・サーキスは自分が犬のスノーウィ役にキャスティングされるのではないかと心配していたそうです。
10.ピーター・ジャクソンがスピルバーグを説得していた!?
元々、スティーブン・スピルバーグは『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』をアニメーション映画ではなく、実写映画として製作するつもりだったと言われています。
プロデューサーとして参加したピーター・ジャクソンもまた本シリーズの大ファンで、実写映画化ではオリジナルに敬意を示せないとスピルバーグを説得。その後スピルバーグはアニメーション映画の製作を決断することになりました。
11.オープニングクレジットで原作オマージュ!?
『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』のオープニングクレジットに駅の回転掲示版が登場する場面があります。
そこに書かれていた目的地がコンゴ、ジャカルタ、チベット、月など全てオリジナルでタンタンが冒険で訪れた場所となっていました。
12.『シャーロック・ホームズ』シリーズとの意外な接点!?
『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』でハドック船長が初めてタンタンとスノーウィから起こされた時、ハドック船長は“巨大なスマトラネズミ”と叫んでいます。
これはコナン・ドイルの『シャーロック・ホームズの冒険』の中でワトソンが言っていたセリフと同じです。
13.死んだ作者がカメオ出演!?
『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』制作時タンタンを生み出したエルジはすでに亡くなっていましたが、映画冒頭にタンタンの似顔絵を描く絵描きのアニメキャラクターとしてカメオ出演していました。
ちなみにキャラクターに声を吹き込んだのは俳優のネイサン・マイスターです。
14.元ネタは宇宙だった!?
『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』の中に、ハドック船長とスノーウィが空中に浮かんだ酒を飲む場面があります。
これはコミック『月世界探検』の1場面を元ネタとして制作されていました。
15.完成させる前に作者が亡くなっていた!?
1983年5月3日『タンタンの冒険』シリーズを生み出したエルジは76歳でこの世を去りました。
エルジの仕事場には150ページに及ぶ未完成作品が残されていたと言います。
1986年『タンタンの冒険』制作チームはエルジの遺したスケッチやノートを基にシリーズ最終章となる第24作『タンタンとアルファアート』を完成させました。