コミックが原作の映画『キックアス』!
アーロン・テイラー=ジョンソンが主演し、過激なアクションで話題となった2010年公開の映画『キック・アス』は、スコットランド出身のコミックの脚本家マーク・ミラーと作画アーティスト、ジョン・ロミータ・Jrによる漫画が原作です。
ミラーはDCコミックやマーベル・コミックなどで活躍した後に独立し、アンジェリーナ・ジョリー主演で2008年に映画化された『ウォンテッド』、そして本作や、2015年公開のコリン・ファース主演による人気スパイ映画『キングスマン』などの原作を手がけています。
『キック・アス』は当時13歳だったクロエ・グレース・モレッツによる過激な殺人シーンや放送禁止用語の多用が議論を呼びましたが、映画は高い評価を受け全世界の興行収入は96億円を突破しました。
『キックアス』のあらすじは?
デイヴ・リゼウスキは、コミックブックのスーパーヒーローが大好きな地味な高校生。冴えない毎日を送っていましたが、ある日超能力もなくトレーニングもしていないのにスーパーヒーローになることを思い立ちます。
ボディスーツと棍棒で武装するもあっという間に暴漢に倒され、車にも轢かれたリゼウスキ。怪我を治した後に痛みに耐える能力を身につけ、「キック・アス」と名乗ってスーパーヒーローとしての活動を続けます。
学校一の美少女ケイテイから依頼を受けたリズースキは彼女に嫌がらせをしているという麻薬販売人のもとに乗り込みます。悪党たちに倒されそうになったところに現れてリゼウスキを救ったのが紫の髪をしたヒット・ガールとその父親ビッグ・ダディでした。
『キック・アス』の個性溢れるキャストを紹介!
キック・アスことデイヴ・リゼウスキ役:アーロン・テイラー=ジョンソン
スーパーヒーローに憧れる地味な高校生デイヴ・リゼウスキを演じたのは、イギリス出身の俳優アーロン・テイラー=ジョンソン。6歳の時に演技をはじめたジョンソンは、2010年公開の映画『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』でザ・ビートルズの伝説的メンバー、ジョン・レノンの若き日を演じ評価を受けました。
『キック・アス』シリーズや2014年公開のアメリカ版ゴジラ『GODZILLA ゴジラ』などで主演を飾りました。
またマーベルコミックを実写化した人気映画で2014年公開の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』、そしてマーベルのスーパーヒーローが集結した2015年公開の人気映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』でクイックシルバーを演じるなど、数々の話題作に出演しています。
ヒット・ガールことミンディ・マクレイディ役:クロエ・グレース・モレッツ
ヒット・ガールことミンディ・マクレイディを演じたのは、アメリカの女優クロエ・グレース・モレッツ。1997年に生まれ、7歳の時に女優としてデビューしました。
2010年には本作『キック・アス』の他にも人気ラブコメディ『(500)日のサマー』でジョゼフ・ゴードン=レヴィットの妹役を演じたほか、ホラー映画『モールス』の主演で高い評価を得るなど大きくブレイクしました。
実写映画『リトルマーメイド』の主演を務めることも決まっていましたが、2016年9月に女優業を休業することを宣言。今後演じる予定だった作品はすべて降板という形になりました。
ビッグ・ダディことデイモン・マクレイディ役:ニコラス・ケイジ
ビッグ・ダディことデイモン・マクレイディを演じたのは、ハリウッドのベテラン俳優ニコラス・ケイジ。1996年公開の映画『リービング・ラスベガス』でアカデミー主演男優賞を受賞したほか、2003年のスパイク・ジョーンズ監督によるコメディ映画『アダプテーション』でも主演男優賞にノミネートされています。
ケイジはビッグ・ダディを演じる際に1960年代にアメリカで放映されたテレビシリーズ『バットマン』にコスチュームのインスパイアを受けたほか、セリフ回しも当時バットマンを演じたアダム・ウェスト風にしたとのことで『キック・アス』の中で言及もしています。
フランク・ダミーコ役:マーク・ストロング
ミンディの母親を自殺に追い込んだマフィアのボス、フランク・ダミーコを演じたのは、イギリスの俳優マーク・ストロング。
2012年に公開されたゲイリー・オールドマン主演のスパイ映画『裏切りのサーカス』や、2014年に公開されたベネディクト・カンバーバッチ主演の『イミテーション・ゲーム』、同年公開の『キングスマン』や、その続編で2017年に公開予定の『キングスマン2(原題)』など話題作に続々出演している実力派です。
ストロングは、ダミーコという悪役を演じるに当たって、このキャラクターが何を目指しているのかを理解し、説得力のある人間像を作り上げることを心がけたそう。
レッド・ミストことクリス・ダミーコ役:クリストファー・ミンツ=プラッセ
フランク・ダミーコの息子レッド・ミストことクリス・ダミーコ役を演じたのは、アメリカの俳優クリストファー・ミンツ=プラッセ。日本では劇場未公開ながらアメリカで高く評価されヒットした映画『スーパーバッド 童貞ウォーズ』、2015年公開のミュージカルコメディ映画『ピッチ・パーフェクト』などに出演しています。
もともとプラッセは主役であるキック・アスのオーディションを受けていました。しかし制作陣は彼の演技が主役を演じるには主張が強すぎ、また不穏すぎるものだったためにレッド・ミストの役を代わりに与えました。
レッド・ミストはもっとマイナーな役になるはずでしたが、プラッセの怪演に可能性を見いだした制作陣は、より印象的なキャラクターを作り上げました。
『キックアス』はR指定!!
残酷で暴力的な表現や放送禁止用語の多用などからアメリカ映画協会にR指定を受けた『キック・アス』。当時13歳でヒット・ガールを演じたクロエ・モレッツは次のように語っています。
もし私が『キック・アス』で使った悪い言葉を一言でも口にしたら、何年も外出禁止になると思うわ!20歳になるまで部屋から出してもらえないと思う!私は(現実では)絶対にそんな言葉は使わない。私はごく普通の女の子なの。引用:www.imdb.com
一方で、台本は仕事を受ける前に母親がすべて目を通しており、ヒット・ガールもやりがいのあるクロエを伸ばす役だと考えてゴーサインを出したそう。クロエ自身も、こう語っています。
物議をかもす役だけど、私が演じたいと思った役なの。
激しいアクションシーンが見どころ!
『キック・アス』での熱狂的なアクションシーンを演じるために、何ヶ月もトレーニングをしたクロエ。銃や刀、バタフライナイフの扱い方も練習し、ほぼすべてのアクションシーンを自分でこなしました。
撮影中には音楽も、スローモーションもないのよ。あるのはただ、5秒分の小さなショットで、それを10回くらい繰り返すの。それから次のシーンへ移る。・・・本当にきつかったわ。ヒット・ガールで居続けなければならないし、顔もタフな表情を保たなくてはならないの。
原作のビッグ・ダディの設定
映画では、ビッグ・ダディは元警察官で、妻を自殺に追い込んだマフィアを倒すためミンディをヒット・ガールに鍛え上げたという設定になっています。
しかし原作のコミックでは、この設定はビッグ・ダディの作り話。人生に飽き飽きした会計士だった彼が娘を誘拐し、殺し屋に仕立て上げたのでした。多くのファンは映画の設定の方が好きなようです。
続編『キックアス』の評価はまずまず?
2014年に続編『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』が公開されましたが、全世界での興行収入は約60億円にとどまり、一作目ほどの勢いはなかったようです。三作目に関して、クロエは次のようにコメントしています。
残念だけど、もうこのキャラクターを演じることはないと思う。ヒット・ガールはすごくクールなキャラクターだけど、これ以上続編が作られることはないと思うわ。