名作『タイタニック』の続編?
タイタニック号沈没からちょうど100年後、「タイタニック2号」と命名された豪華客船が北大西洋を航行していました。しかし津波によって巨大な氷山が押し寄せ再び悲劇が起きようとしていたのです。
映画『タイタニック 2012』はアサイラム社制作のビデオ映画で内容は完全にオリジナル。客船の名前が偶然一致しているだけで1997年公開の『タイタニック』の続編ではありません。
映画『タイタニック 2012』のあらすじ
2012年4月10日、「タイタニック2号」と名付けられた豪華客船が処女航海に乗り出しました。ダイニング・サロンに集まった乗客たちが歓声をあげる最中、津波によって運ばれた巨大な氷山が船の右側面に激突。人々は慌てふためき左舵側の救命ボートに駆け寄りますが、ついにはタービンが爆発し船は炎に包まれたのです。
しだいに傾きを増し始めた右舵側に津波が押し寄せ乗客を浚っていきます。火災、津波によって多くの乗客が命を落とし、何とか救命ボートに乗り込み脱出を試みた人々までも氷山が行く手を阻み次々と死んでいったのです。
脱出せず船に残ることを選択した客船のオーナー・ヘイデンと看護師のエイミー。どんどん船は傾き沈没は避けられそうにありません。1組だけ確保できた酸素ボンベとスキューバスーツをエイミーに与え、ヘイデンは海に消えていきました。
『タイタニック 2012』出演のキャストが気になる!
主人公のヘイデン・ウォルシュ役のシェーン・ヴァン・ダイク
船のオーナーであるヘイデンを演じたシェーン・ヴァン・ダイクはロサンゼルス出身。1979年8月28日生まれの俳優、監督、脚本家です。
本作でも主演、監督、脚本の三つを兼務しています。祖父ディック、父バリー、叔父ジェリーが俳優という芸能一家に生まれ、高校卒業後テレビ俳優としてキャリアをスタートさせました。
シナリオライターとしての顔ももつダイクは『トランスフォーマー』のパロディ版『トランスモーファー2』や『パラノーマル・アクティビティ』のパロディ版『パラノーマル・エンティティ』のシナリオライターを務めています。
看護師でヘイデンの元恋人エイミー・メイン役を務めたマリー・ウェストブルック
エイミー・メインを演じたマリー・ウェストブルックはアイダホ州出身の女優です。
6歳の時にダンスと体操を習い始めダンスで有名なユタ州立大学に進学しました。ビール会社のラベルに起用され、ユタ、アイダホ、コロラド州のビール愛好家からはプロボ・ガール・ピルスナーのラベルの女の子として親しまれています。
地元で舞台女優として経験を積んだ後、2005年役者の仕事を本格化させるためロサンゼルスに居を移しました。2009年公開のホラー映画『エビル・エンジェル』のジェニー役、最近では2011年ゲーム「スター・ウォーズ:オールド・リパブリック」の声優を演じています。
エイミーの父、ジェームズ・メイン大佐役のブルース・デイヴィソン
エイミーの父親で沿岸警備隊のメイン大佐役を演じたブルース・デイヴィソンはフィラデルフィア出身、1946年6月28日生まれの俳優・監督です。1968年ブロードウェイでキャリアをスタートし、1970年『いちご白書』のサイモン役で世に知られるようになります。
1990年の『ロングタイム・コンパニオン』で演じたゲイの男性役が評価されゴールデングローブ助演男優賞を受賞。2000年の『X‐メン』、2003年の『X‐MEN2』ではケリー上院議員役を演じています。
ウィル船長役のD.C.ダグラス
D.C.ダグラスはロサンゼルス出身、1966年2月2日生まれの俳優・声優です。1970年代後半からサンフランシスコ・ベイ・エリアのステージに上がり、1985年エステイト・ヒューマン・アクターズ・ワークショップに入学し演劇について学びました。
俳優より声優としての仕事が多く、ゲーム「バイオハザード」の欧米版である「レジデンス・エビル」のアルバート・ウェスカーや「マス・エフェクト2」のレギオン、アメリカで放送中のアニメ「トランスフォーマーズ:レスキューボッツ」でチェースの声を担当しています。
女医キム・パターソン役を演じたブルック・バーンズ
パターソン医師を演じたブルック・バーンズはテキサス州ダラス出身、1978年3月16日生まれの女優・テレビ司会者です。1998年から2001年にかけてアメリカの人気ドラマ『ベイマッチ』に出演したことをきっかけにブレイク。
2002年からはゲーム番組『ドッグ・イート・ドッグ』の司会を担当しティーン・チョイス・アワードにノミネートされています。脚本家・監督として知られるフェレリィ兄弟は“最もおバカでかわいい女の子”に選ばれたバーンズのために、自身が制作するラブコメ『シャロウ・ハル』の中にとっておきの役を用意しました。
「タイタニック2号」計画は現実に存在した?
オーストラリアの大物クライブ・パーマーはタイタニックデビュー100周年に当たる2012年4月、タイタニック号と同じ航路を航行するレプリカを造る計画を発表しました。
当初2016年の予定で進められていたデビューは2018年まで延期され、2016年に入っても着工したという話が出ないどころかプロジェクトが中止になったという噂が流れています。
『タイタニック2012』の他にもこんな映画が!
『タイタニック2012』を制作したのはアメリカのアサイラム社。有名作品をパクったB級作品を得意とし、映画館では公開せずに専らビデオで販売するため低予算でも何とかやりくりできています。
1997年に創業しホラーやインディーズのアート作品を手掛けていましたが、2005年スピルバーグの『宇宙戦争』のパクり作品を制作しそこそこ売上げたのをきっかけに方向転換をしました。ちなみにスピルバーグ映画の製作費1億3,200万ドルに対してアサイラムの制作費は100万ドルです。
過去の作品には『トランスフォーマー』のパクり『トランスモーファー』や、『ダ・ヴィンチ・コード』をパクった『ダ・ヴィンチトレジャー』などがあります。