『ジョーズ』や『タクシードライバー』も!実はアドリブだった!名作映画のセリフ10選

2017年7月6日更新

名作や傑作と呼ばれる映画の中には必ず印象的な名セリフが存在しているものです。中には脚本に書かれておらず、その場で生まれたアドリブが歴史に残るセリフとなることがあるようです。今回は、実はアドリブだった名作映画のセリフ10選を紹介します。

1."You talkin' to me?"(俺に話かけてるのか?)

マーティン・スコセッシ監督『タクシー・ドライバー』(1976)は映画史に残る傑作として知られ、名場面や名台詞が数えきれないほどあります。

中でもロバート・デ・ニーロ演じるトラヴィスが鏡の中の自分に向かって投げかける"You talkin' to me?"(俺に話かけてるのか?)というセリフはとても有名です。

本作の脚本を務めたのはポール・シュレイダーでしたが、“You talkin' to me?”はロバート・デ・ニーロのアドリブでした。

シュレイダーのオリジナル脚本には薄汚れたアパートの中で”ビックル(トラヴィス)が鏡の中の自分に話しかける”としか書かれていなかったそうです。

ロバート・デ・ニーロに絶大な信頼をおいていたマーティン・スコセッシは撮影中なるべくデ・ニーロのクリエイティビティを引き出そうとしていたと言われています。

あの場面はデ・ニーロにトラヴィス・ビックルが憑依した瞬間だったのかもしれません。

2. "Heeeeeere's Johnny!"(お客様だよ)

スティーブン・キングの同名小説をスタンリー・キューブリックが映画化した『シャイニング』(1980)は20世紀に生まれた傑作ホラー映画です。

完璧主義者として知られていたキューブリックは撮影現場を徹底的にコントロールし、時にキャストは狂気を感じていたと言われています。

中でもウェンディを演じたシェリー・デュヴァルに対しては怒鳴り散らすなど精神的に追いこむ演出をしていたことで知られています。

ジャック・ニコルソン演じるジャックがドアを斧で壊し、ドアの隙間から覗きこむ場面は本作で一番アイコニックな場面です。そこでジャックは"Heeeeeere's Johnny!"(お客様だよ)というセリフを言っていましたが、これはジャック・ニコルソンのアドリブです。

当時アメリカで大人気だったテレビ番組“The Johnny Carson Show ”でエド・マクマホンがジョニー・カーソンを紹介する時に使っていたキャッチフレーズ”Here’s Johnny”の引用だったそうです。

3.Funny how?(どうおかしいっていうんだ?)

マーティン・スコセッシ監督『グッドフェローズ』(1990)はロバート・デニーロ、ジョー・ペシ、レイ・リオッタなど豪華俳優陣共演のギャング映画のクラシックとして知られています。

中でもジョー・ペシ演じるトミーはキレるポイントが分かりづらい恐ろしくやっかいなマフィアでした。トミーとヘンリー(レイ・リオッタ)が酒を酌み交わすシーンはトミーの狂暴性と予測不可能な性格が表現された名場面です。

トミーがたわいのない笑い話をした後、ヘンリーが“"You're a funny guy,”(お前は愉快なやつだ)というセリフを言います。すると、トミーの顔が一変"What do you mean I'm a funny guy. Funny how?(俺がおかしいってどう意味だ!どうおかしいって言いやがるんだ)人が変わったように激怒するトミー、空気がぴんと張り詰めます。

名場面のトミーのセリフはジョー・ペシのアドリブだったと言われています。

この後トミーが吐く“ジョークだよ”はこの世で一番笑えないジョークかもしれません。

4.”シュー、シュー”

ジョナサン・デミ監督『羊たちの沈黙』(1992)アンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レクター博士は映画史上最もアイコニックなヴィランのひとりです。

レクター博士がジョディ・フォスター演じるクラリスに国勢調査員の肝臓を食べたエピソードを話す場面がありますが、その間レクター博士は“シュー、シュー”とヘビのような音を立てていました。

この演技はアンソニー・ホプキンスのアドリブだったそうです。この時アンソニー・ホプキンスには恐怖を生み出そうとする意図はなく、ジョークのつもりだったとも言われています。

わずか25分間という限られた登場時間だったにもかかわらず、本作でアンソニー・ホプキンスはアカデミー主演男優賞を受賞しました。

5."Here's looking at you, kid."(君の瞳に乾杯)

マイケル・カーティス監督『カサブランカ』(1942)はアカデミー作品賞を獲得した名作として知られています。

本作のクライマックス、イルザ(イングリット・バーグマン)が泣きながらリック(ハンフリー・ボガート)に自分を引きとめるように説得、リックは彼女を慰めるようにこんなセリフを吐きます。"Here's looking at you, kid."。

このセリフは映画史上最も有名なセリフのひとつとして語り継がれていますが、元々脚本に書かれていた訳ではありません。

セリフはハンフリー・ボガードのアドリブで、撮影の合間バーグマンにポーカーを教えていた時に言っていた言葉だったそうです。

日本では“君の瞳に乾杯”と訳されていることでお馴染みです。

6.”Everybody wants to be us."(誰もが私たちのようになりたいの!)

『プラダを着た悪魔』

デヴィッド・フランケル監督『プラダを着た悪魔』(2006)は華やかなファッション業界を舞台にした大人気コメディです。

アン・ハサウェイ演じる新米アシスタント、アンドレアとメリル・ストリープ演じる悪魔のような編集長ミランダのかけあいが本作最大の魅力のひとつでした。

作中、ミランダがアンドレアに対してこんなセリフを言う場面があります。"Oh, don't be ridiculous, Andrea, everybody wants this. Everybody wants to be us."(バカ言わないで。誰もが望んでいるわ。誰もが私たちのようになりたいの!)

この場面はミランダのきつい性格をうまく表した名台詞ですが、メリル・ストリープのアドリブだったそうです。

7."Leave the gun, take the cannoli."(銃は置いておけ、カノーリは持っていけ)

フランシス・フォード・コッポラ監督『ゴッドファーザー』(1972)は映画史に残る傑作と知られています。

リチャード・カステラーノ演じるピーター・クレメンザの仲間がポーリーを撃ち殺して、クレメンザが仲間にこんな指示を出します。"Leave the gun, take the cannoli."(銃は置いておけ、カノーリは持っていけ)。

これは超有名なセリフですが、元々脚本に書かれていた訳ではありませんでした。この場面の撮影直前、コッポラはその場で“カノーリは忘れるな”という描写を追加、ブロンクス生まれのリチャード・カステラーノ自らが"Leave the gun, take the cannoli."というセリフを考えたそうです。

8."You're gonna need a bigger boat."(もっと大きな船が必要だ!)

パニック映画の傑作として知られる、スティーブン・スピルバーグ監督『ジョーズ』(1975)でもアドリブから名台詞が生まれていました。

ロイ・シャイダー演じるマーティン・ブロディが"You're gonna need a bigger boat."(もっと大きな船が必要だ!)というセリフを言う場面があります。

ロイ・シャイダーが体験した巨大ホホジロザメの恐怖をそのまま表現したセリフが採用されたそうです。

9."Son of a bitch, he stole my line."(あのやろう、俺のセリフ盗みやがって)

ガス・ヴァン・サント監督『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)はマット・デイモンとベン・アフレックが共同脚本を務めたことで知られる傑作です。

マット・デイモンによると、心理学者ショーン・マグワイアを演じたロビン・ウィリアムズはいつもアドリブをかまして、脚本通りにセリフを言ってくれなかったそうです。

ウィル(マット・デイモン)の手紙をショーンが読む感動の場面、"Son of a bitch, he stole my line."(あのやろう、俺のセリフ盗みやがって)というセリフもロビン・ウィリアムズのアドリブだったと言われています。

10."You can't handle the truth!"(おまえに真実はわからん)

ロブ・ライナー監督トム・クルーズ主演『ア・フュー・グッドメン』は軍事裁判をテーマにした傑作サスペンス映画です。

本作の中に、ジャック・ニコルソン演じるネイサン・ジョセップ大佐がダニエル(トム・クルーズ)に対して"You can't handle the truth!"(おまえに真実はわからん)と言う場面があります。

この場面はジャック・ニコルソンのアドリブで、元々脚本には"You already have the truth."(おまえはすでに真実を手にしている)と書かれていたそうです。