2026年2月25日更新

映画『最強のふたり』ネタバレあらすじ解説!実話のその後やリメイク版との結末の違いを解説

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映画『最強のふたり』あらすじ【ネタバレなし】

事故によって下半身不随となった大富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、気難しい性格もあり介護人が逃げ出しがち。秘書のマガリー(オドレイ・フルーロ)は新しい介護人の面接を行いますが、そこに現れたのは、少し場違いな青年ドリス(オマール・シー)でした。 ドリスはスラム街に住む貧しい青年で、失業保険給付のため「不採用」を証明するサインだけが欲しいだけ。しかしなぜかフィリップは介護経験がないドリスを雇うことにし、まずは1カ月の試用期間で働くことになりますが……。*

映画『最強のふたり』全編ネタバレ解説!感動の実話の結末は

大富豪のフィリップとスラム街で暮らすドリス

パリに住む大富豪のフィリップは、事故による頸椎損傷で首から下を動かすことができず、常時住み込みの介護人が必要でした。しかし気難しい性格で介護人が定着せず、また新たに雇うため面接を行っていました。そこに、ドリスという青年が面接を受けに現れます。 ドリスは介護人をする気はなく、ただ失業保険の給付を受けるために面接で不採用になったという証明書にサインが欲しいだけでした。しかしなぜか、フィリップは介護経験や資格もないドリスを雇うことにします。 まずは試用期間として1カ月、フィリップの介護人として勤めることになったドリス。雑な仕事ぶりながら、誰に対してもフラットな態度で接するドリスを気に入り、2人は次第に親しくなっていきます。

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互いに心を開いていく

しかし周りは服役していた前科のあるドリスに不信感を抱いており、フィリップに忠告します。それでも腫れ物に触るような周りの対応に辟易していたフィリップは、彼の“容赦のない”ところを評価していました。 ある晩、呼吸困難に陥ったフィリップを介抱し、気分転換に外に連れ出したドリス。外食をしている間、ドリスはフィリップがパラグライダーで事故に遭ったことを知り、亡くなった妻アリスの話も聞くことに。そこで1カ月の試用期間が終わったことをフィリップから告げられ、信頼して良いなら「ファベルジェの卵」を返してくれと言われます。 それはドリスが初めてフィリップの家に入った時に盗み出したものであり、アリスが25年間フィリップに送り続けた大切なものでした。

フィリップとエレノアの文通

秘書のマガリーに文通相手のエレノアへの手紙を書き取りしてもらっていたフィリップ。そこに居合わせたドリスは半年も文通しているのに相手の顔も知らないと聞き、手紙に彼女の電話番号があることに気付きその場で電話してしまいます。 ダンケルクに住むエレノアがパリに来るというので会う約束をしますが、フィリップは自分の障害を知られることを恐れて直前で待ち合わせ場所から逃げ出してしまいました。そのまま飛行機に乗って向かったのは、パラグライダー場。ドリスも一緒に空を舞い、2人にとってかけがえのない体験になりました。 家に戻った2人でしたが、弟が訪ねて来ており、問題を抱えていることがわかります。ドリスは自分が叔母と叔父の養子となったことなど自分の身の上を話しました。それを聞いたフィリップは、「これは君の一生の仕事ではない」とドリスが家に戻れるよう図らいます。

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固い絆と友情で結ばれた最強のふたり

叔母の家に戻り、弟の問題を解決したドリス。しかしドリスがいなくなったことですっかり意気消沈してしまったフィリップは、新しい介護人とも合わず体調を崩してしまいます。一方でドリスは運送会社への再就職も決まっていました。 フィリップの様子を心配した助手のイヴォンヌから連絡を受けたドリスは彼の家へ向かい、車で彼を外へ連れ出します。景色の素晴らしい海辺の屋敷に着いた2人は、まずフィリップの無精ヒゲを剃り、さっぱりした顔でレストランへ。 2人で食事をするのかと思っていたフィリップですが、ドリスは「彼女によろしく」と言ってその場を去ってしまいます。そこに現れたのはエレノアでした。ドリスはエレノアを見つけ出し、フィリップに会えるよう手配していたのでした。

映画『最強のふたり』は実話の物語?その後を解説

フィリップとドリスには実在のモデルがあり、フィリップが書いた著書が本作の原作となっています。フィリップはそのまま名前が使われていますが、ドリスのモデルとなった人物はアブデルといい、アルジェリア出身の青年です。 フィリップはこの物語の後モロッコへ移住し、再婚して2人の娘をもうけています。アブデルは会社社長となっており、結婚して3人の子どもをもうけました。映画の最後には、2人は深い絆で結ばれており、友情は今も続いていると締めくくられています。

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オリジナル版とリメイク版で再現度が近いのは?

オマール・シー演じるドリスはアフリカ系移民でしたが、実際はアブデルというアルジェリア人の青年でした。これは監督・脚本のエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュが、どうしてもこの役をオマール・シーにしたかったためだとか。オマール・シーは、ドリス同様、パリのスラムに住んでいた経験もありました。 そして、リメイク版のデルもアフリカ系アメリカ人という設定なので実話とは異なります。舞台がニューヨークに変わっているため、フィリップの国籍もフランスからアメリカに変わっています。 また、フィリップの妻・ベアトリスは劇中ではすでに他界したことになっていますが、実際にはアブデルがやってきた4年後に亡くなっています。さらに、劇中で雇用関係は解消されたのは出会ってから約1年後のように描かれているのですが、実際には10年間雇用関係は続いていました。そして、二人が移住したモロッコでアブデルが現地の女性と恋に落ちたため、雇用関係が解消されたそう。

【解説①】ドリスは介護をなぜ辞めた?フィリップの思いとは

ドリスが介護人を辞めて家を去ったのは、フィリップがドリスの複雑な身の上を知ったから。弟と思っていたのは叔母の子どもであり、ドリスは叔母の養子であるため、実際の弟ではありません。ドリスは口には出していませんでしたが、これまで世話になってきた叔母の家の問題を解決したいと考えていたようです。 その気持ちを察したフィリップは、あえて「これは君の一生の仕事ではない」と遠回しに言い、彼が家に戻りやすいよう仕向けました。

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【解説②】卵が重要なモチーフに?

ドリスがフィリップの家から盗んで叔母に渡していた「ファベルジェの卵」は、フィリップの妻アリスが彼に25年間に渡ってプレゼントしてきた大切な品物。インペリアル・イースターエッグといい、宝石が施された美しい逸品です。 フィリップは信頼の証にこれを返してほしいとドリスに言っており、2人の信頼関係が築かれる象徴的なものとして描かれています。リメイク版ではこれが、フィリップが幼少時に親しんだ本の初版本を妻が送ってくれていたという設定に変わっています。

映画『最強のふたり』の主演キャストを解説!

【オリジナル版】フィリップ役:フランソワ・クリュゼ/ドリス役:オマール・シー

オリジナル版フィリップを演じたのはフランソワ・クリュゼ。セザール賞へのノミネートも多く、『唇を閉ざせ』(2006年)で主演男優賞を受賞。『フレンチ・キス』(1995年)などのアメリカ映画にも出演しています。 フィリップはパラグライダーの事故が原因で全身麻痺となり、自身の障がいを知られる事を恐れて文通相手の女性との約束をドタキャンした事も。また、気難しい性格でしたがドリスと出会ってからはよく笑顔を見せるようになります。 また、ドリスを演じたオマール・シーはコメディアンでもあり、俳優としても活躍。本作が初主演でしたが、これをきっかけに『ジュラシック・ワールド』(2015年) など海外作品に出演するようになります。 ドリスはスラム地区に住む青年で、叔母家族の養子となり多くの子供達と住んでいます。フィリップの元へは失業手当をもらうためのサインを貰いにきただけでしたが、彼に気に入られ介護をする事に。

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【リメイク版】フィリップ役:ブライアン・クランストン/ドリス役:デル・スコット

『THE UPSIDE/最強のふたり』ポスター
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フィリップを演じたのはブライアン・クランストン。ドラマ『ブレイキング・バッド』などに出演したベテラン俳優です。一方のドリスはリメイク版ではデル・スコットという名前に変わり、演じたのはコメディアンのケヴィン・ハート。彼は『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』にも出演していました。

フランス(オリジナル)版とリメイク版の違いを一挙に解説!

あらすじやストーリーははほぼ同じ?

まず、オリジナル版もリメイク版も四肢麻痺の億万長者の白人男性と、彼の介護者となる下層階級の黒人男性、という思想も立場も異なる二人の友情を描いた作品というのは変わりません。また、障がい者であるフィリップを周囲が腫れもののように扱うのに対し、ドリス(リメイクではデル)は彼に “普通”に接することで気難しいフィリップの心を溶かしていくという展開も同じ。 つまり、物語の大まかなプロットはほぼ同じと言ってもよく、『最強のふたり』にアメリカらしいジョークや少しのエピソードを盛り込んだのが『THE UPSIDE 最強のふたり』といって良いでしょう。

キャラクター設定の違いは?

フィリップの設定は変わりませんが、デルは結婚と離婚を経験し、息子もいるお父さんと言う設定に。これによって、オリジナル版では弟という家族の一部の問題を解決しただけでしたが、リメイク版では家族全体の問題を解決することに成功しました。 リメイク版フィリップの秘書・イヴォンヌ役として人気女優のニコール・キッドマンが出演しているのですが、彼女のキャラ設定が大きく変わっています。というのも、オリジナル版フィリップの秘書・マガリーはドリスに気に入られ、言い寄られていましたが物語の最後の方でレズビアンだと明かされます。 するとドリスの態度は一変し、あっさり彼女のことを諦めます。ここから、マガリーはドリスが言いよるためだけに存在していたのか?と不満を感じる人もいたようです。 リメイク版ではこれを問題視したのか、秘書・イヴォンヌのキャラクターを聡明で賢い女性に変更。デルが彼女に言いよるシーンも無くしました。(ただし、デルは他の女性に言いよっていますが……。)

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評価はどちらの方が高い?

では、実際の観客の評価はどちらの方が高いのでしょうか?アメリカの大手映画評価サイト「ロッテントマト」の評価を紹介します。

オリジナル版は批評家:75%、一般ユーザー:93%

批評家からの肯定評価の割合は75%、一般ユーザーからは93%もの肯定評価を獲得しています。オリジナル版が評価された理由は「革新的ではないが、ユーモラスに富んでいるから」「一見重くなりがちなテーマだが、障がいや身分を取っ払って登場人物そのものの人柄や友情を描いているから」というものだと思います。 実際、ドリスがフィリップに投げかける言葉にヒヤヒヤさせられることもあります。しかし、それに対してフィリップは怒ることもなく普通に返答。ドリスはフィリップを障がい者だということを認識しながらも特別扱いすることをしなかった唯一の人だったのでしょう。ここに、オリジナル版が多くの人の心を動かした理由があると思われます。

リメイク版は批評家:40%、一般ユーザー:86%

批評家からは40%、一般ユーザーからは86%の肯定評価を獲得。批評家からは「ブライアン・クランストンとケビン・ハートの化学反応を上手く起こせていない」などとかなり辛口な評価が与えられました。また、これはオリジナル版にも共通して挙がっていたのですが「展開が見えてしまう」と言う意見も。 しかし、その一方で一般ユーザーからはオリジナル版と同じような肯定評価を得ており、さらにアメリカらしいジョークをオリジナルよりも多く盛り込んだ点も評価されています。

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それぞれの魅力とは?

オリジナル版の魅力はキャスト以外にも

心打つストーリー展開、フランソワ・クリュゼとオマール・シーによる素晴らしい演技はもちろんですが、それ以外にもオリジナル版は楽しむポイントがたくさんあります。 まずはフィリッブの家を始めとする装飾品の数々。劇中には2枚のサルバドール・ダリの作品「記憶の固執」と「階段、3本の柱の脊椎、空、建築物に変容する自分自身の肉体を見ている裸の私の妻」という名画が登場します。 また、ドリスがフィリップのために運転する車はマセラティ・クアトロポルテ。1500万円は下らない、自動車ファン垂涎の高級車です。 そして音楽は『ブラック・スワン』(2010年)の予告編や『J・エドガー』(2012年)を始め数々の映画・テレビ番組に楽曲提供を行うイタリアの有名ピアニスト、ルドヴィコ・エイナウディが担当。フィリップとドリスの日常に溶け込むBGMにも注目です。

リメイク版の魅力は何よりもキャスト

リメイク版の魅力は何と言ってもキャストたちにあります。まず、フィリップ役のブライアン・クランストンはカルト的人気を博したドラマ『ブレイキング・バッド』で温厚な父親と冷酷な犯罪者と言う二つの顔を演じたカメレオン俳優。本作でも障がい者という難しい役柄を見事に演じ切りました。また、フィリップの服装が素敵という意見も。 また、デル役のケヴィン・ハートはさすが人気コメディアンと言ったところ。彼がいれば作品におけるユーモアの部分は完全に担保されたと言って良いでしょう。実際、全米で公開された際には多くの観客の笑いを誘っていたそう。

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『最強のふたり』オリジナル版・リメイク版どちらにも魅力あり!

数字だけの評価はオリジナル版の方が高くなっていますが、米リメイク版にはアメリカンジョークやアレサ・フランクリンの使い方などアメリカならではの良さがあります。リメイク版はオリジナル版を忠実に再現しているため、比較しながら観られる面白さも。この機会にぜひ両作とも楽しんでみてください!