『ライフ・イズ・ビューティフル』あらすじ・ネタバレ・感想【親子愛とは】

1999年に公開されアカデミー賞7部門にノミネート、3部門を受賞した『ライフ・イズ・ビューティフル』。第二次大戦中に強制収容所に送られたユダヤ人の父親がユーモアを使い息子を守ろうと奮闘する感動的な映画です。この名作のあらすじやキャスト、みどころなどをお届けします。
『ライフ・イズ・ビューティフル』心に残る名作!!
1999年公開のイタリア映画『ライフ・イズ・ビューティフル』は、第二次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人への迫害を描いた物語です。
過酷な状況をユーモアを使って生き抜いた家族を描き、アカデミー賞で7部門にノミネート、主演男優賞ほか3部門を受賞しました。見る人の心に残るこの名作のあらすじやキャストをご紹介します。
映画『ライフ・イズ・ビューティフル』あらすじ
1930年代のイタリアで、陽気なユダヤ人の青年グイドは近くの町に住む愛らしい女性に猛アタックの末結婚し、かわいい息子も生まれて幸せな生活を築いていました。ところが第二次大戦が始まるとナチス・ドイツによるユダヤ人の迫害がイタリアでも行われるようになり、家族は強制収容所に送られてしまいます。
家族を生き残らせるため、そして息子を収容所の恐怖から守るため、グイドは過酷な収容所での生活はポイントをためて勝ち抜くと戦車がもらえるゲームだと息子に説明するのでした。
『ライフ・イズ・ビューティフル』キャスト
グイド/ロベルト・ベニーニ
ユーモアを使って息子を強制収容所の恐怖から守る主人公グイドを演じたのは、イタリアで俳優やコメディアン、脚本家、そして監督としても活躍するロベルト・ベニーニです。『ライフ・イズ・ビューティフル』では監督・脚本そして主演をつとめ、アカデミー賞では主演男優賞を受賞しました。
2013年ウディ・アレン監督のコメディ映画『ローマでアモーレ』にレオポルド役で出演しています。
ドーラ/ニコレッタ・ブラスキ
ユダヤ人ではないけれど、連れ去られた夫と息子とともに収容所に入る決断をしたグイドの妻ドーラを演じたのは、現実でもロベルト・ベニーニの妻であるイタリアの女優ニコレッタ・ブラスキです。
1980年にベニーニと出会い結婚した彼女は、1983年公開の映画『トゥ・ミ・タービ(原題)』以降、彼の監督するほとんどの映画に出演しています。
ジョズエ/ジョルジョ・カンタリーニ
グイドとドーラの4歳の息子ジョズエを演じるのは、イタリア生まれの子役ジョルジョ・カンタリーニです。この役で映画デビューし、全米映画俳優組合賞キャスト賞にノミネートされたほか、ヤングアーティストアワードを受賞しています。
リドリー・スコット監督による2000年公開の映画『グラディエーター』ではラッセル・クロウの息子役を演じました。
ドーラの母/マリサ・パレデス
ドーラの母親を演じたのは、スペインの人気女優マリサ・パレデスです。10代の頃からアイドルとして活躍している彼女は、近年ではアカデミー外国語映画賞を受賞した2000年公開の映画『オール・アバウト・マイ・マザー』で大女優のウマ・ロッホ役や2012年公開の映画『私が、生きる肌』にマリリヤ役で出演しています。
レッシング医師/ホルスト・ブッフホルツ
グイドがホテルの給仕として働いているときに出会い、後に強制収容所で再会するなぞなぞがすきなドイツ人の医師レッシングを演じたのは、ドイツの俳優ホルスト・ブッフホルツです。
黒澤明監督による『七人の侍』をリメイクした1961年公開の西部劇『荒野の七人』にチコ役で出演しているほか、フランス・イタリア・ユーゴスラヴィア・アフガニスタン合作の1966年公開の映画『マルコ・ポーロ 大冒険』で主演するなど、国際的に活躍しています。
『ライフ・イズ・ビューティフル』関連情報
ロベルト・ベニーニは収容所の生存者や、父親の経験をもとに映画を制作
ロベルト・ベニーニは、ヴィンチェンツォ・チェラーミと共に『ライフ・イズ・ビューティフル』の脚本を書きました。
イタリア系ユダヤ人で、第二次大戦中に多くのユダヤ人が殺害されたアウシュビッツ強制収容所に送られながらも生き残ったルビオ・ロメオ・サルモニによる、皮肉やブラックコメディをこめた回想録を参考にしたほか、ベニーニの父親がナチの労働収容所で2年間過ごした際、子供たちを怖がらせないために経験をユーモアを交えて語り、この事により父親自身も救われたというエピソードも基になっているそう。
国際的に高く評価された一方、あまりにも悲惨なホロコーストの実情を正確に描いたものではないという批判もありました。ベニーニは自身の方針についてこう語っています。
笑いも涙も、魂の同じ場所から来るのではありませんか。私は物語作家であり、大事なことは美しさや、詩情を作り出すことなのです。コメディか、悲劇かという区別は関係ありません。美しさに到達するならば、同じ事なのです。
『ライフ・イズ・ビューティフル』はアカデミー賞で3部門受賞!!
『ライフ・イズ・ビューティフル』は、アカデミー賞では作品賞を含め7部門にノミネートされ、外国語映画賞、主演男優賞、作曲賞を受賞しています。
外国語映画賞の受賞が発表された際、ベニーニは椅子の背に飛び乗って喜びを表しました。主演男優賞で再びステージに上がったときには、次のように語っています。
大きな失敗をしてしまいました。(外国語映画賞の受賞のスピーチで)使える英語を全て使ってしまいました。
ロベルト・ベニーニは外国語映画でアカデミー主演男優賞を受賞した最初の俳優となり、1949年公開の映画『ハムレット』で監督と主演をつとめたローレンス・オリヴィエに次いで、自身の監督した映画で主演男優賞を受賞した2人目の俳優となりました。
『ライフ・イズ・ビューティフル』のCiatrユーザーの感想・評価を紹介!【ネタバレ注意】
ユーモアと残酷さのコントラスト


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辛すぎて見ていられない

戦争の哀しみと家族愛の感動
