映画『ティファニーで朝食を』あらすじ・キャスト【オードリー・ヘプバーンの魅力満載】
オードリー・ヘプバーンといえば『ティファニーで朝食を』!
映画『ティファニーで朝食を』のあらすじ
マンハッタンに暮らすホリー・ゴライトリーは華やかな世界に生きるパーティーガール。ちょっと天然でいつでも自由気まま。富と贅沢が大好きで、お金持ちの男性との結婚を夢見ています。そんな彼女は心が沈むと、5番街にある高級ジュエリー店「ティファニー」のウインドーを眺めつつ朝食を取って気分を和らげるのでした。 ある日、ホリーが暮らすアパートに作家を自称するポール・バージャクが引っ越してきます。ポールの姿に何年も会っていない弟フレッドの姿を重ねたホリーは、すぐに彼と仲良くなります。そして二人は、お互いの性格に戸惑いながらも、無意識のうちに惹かれあっていきます……。
『ティファニーで朝食を』のキャストは?
ホリー・ゴライトリー:オードリー・ヘプバーン
オードリー・ヘプバーンの名を聞いたことのない人はいないでしょう。それもそのはず、ヘプバーンはアメリカ映画協会の「最も偉大な女優」リストでは3位にランクインしており、またアカデミー賞、グラミー賞、エミー賞、トニー賞、ゴールデングローブ賞といった演劇界の最も有名な賞を全て受賞したことのある、数少ない女優の一人でもあります。 彼女は1929年にオランダ人の母とイギリス人の父の元にベルギーで生まれました。バレリーナとして活動しますが、高い身長と大戦中の栄養失調によりバレエの道を諦め、女優を目指します。1945年頃からオランダを中心にヨーロッパで多くの舞台・映画に出演するようになりました。 大きな転機となったのは1953年のアメリカ映画『ローマの休日』の主演の座を射止めたこと。ワイラー監督はヘプバーンに一目惚れし、また彼女の演技は大絶賛されました。ヘプバーンは『ローマの休日』でアカデミー主演女優賞を受賞し、一躍世界にその名を馳せます。 1960年に『ティファニーで朝食を』の主役に抜擢された時、原作のホリーのイメージに合わないということで、原作者のトルーマン・カポーティは不満があったと言います。 しかし、ヘプバーンに合わせて大きく書き直された脚本で、彼女は自分ならではの魅力をたっぷりにホリー役を演じます。今ではこのホリーこそがオードリー・ヘプバーンの代表的な役であるとも言われています。
ポール・バージャク:ジョージ・ペパード
デトロイト出身のジョージ・ペパードは、本作のポール・バージャク役が生涯通じて彼の代表作になります。端正な顔立ちとエレガントな立ち振る舞いは、まさにこの役にぴったりなものだったのです。 この作品をきっかけにペパードはハリウッドの超大作に多く出演するようになります。『西部開拓史』や『大いなる野望』がその後の代表作となります。1980年代の人気テレビドラマ「特攻野郎Aチーム」のジョン・スミス陸軍大佐(通称ハンニバル)でも知られていますね。 トルーマン・カポーティ原作の小説を映画化するにあたって、なんとカポーティは本気でこのポール役を自ら演じたいと思っていたそうです。しかし、カポーティの容姿と演技力ではハリウッド大作に見合わないと判断した製作者は、遠回りにこの提案を拒絶し、ペパードを起用しました。
ユニオシ:ミッキー・ルーニー
特に日本人にとって『ティファニーで朝食を』で印象に残る脇役として、ホリーと同じアパートに住むミスター・ユニオシが挙げられます。ユニオシは日系アメリカ人という設定ですが、映画では白人のミッキー・ルーニーが演じました。 1920年生まれの小柄なルーニーは4歳で映画デビューを果たした子役出身。1950年代には一癖ある性格俳優として名を馳せ、本作のユニオシのように特徴的な俳優を多く演じました。晩年まで精力的に活動を続けており『ベイブ/都会に行く』や『ナイト・ミュージアム』にも出演しています。 ユニオシの役は小柄でメガネ、出っ歯、英語の発音が良くないといった、当時の日本人に対するステレオタイプが満載の描き方をされており、当時から人種差別的であるとの批判が寄せられました。人種差別主義者ではないルーニーにも、一生負のイメージが付きまとうようになります。
名作『ティファニーで朝食を』の監督は誰?
この名作を監督したのはブレイク・エドワーズです。もともと脚本家として活動していたエドワーズですが、『ティファニーで朝食を』が監督としてのメジャーデビューを決定付けました。 エドワーズがおそらく最も有名なのは「ピンク・パンサー」シリーズの生みの親としてでしょう。1964年に脚本・プロデュース・監督を担当した映画『ピンクの豹』は、以後50年以上も愛されることとなる人気キャラクターを生み出しました。 また私生活では女優のジュリー・アンドリュースと結婚しており、おしどり夫婦として有名でした。
原作小説との違いは?
『ティファニーで朝食を』がトルーマン・カポーティ原作の小説を映画化したものであることは有名ですが、映画は原作から大きく変更されています。 その大きな理由は主演にオードリー・ヘプバーンを起用したことともいわれています。小説におけるホリーは18歳という若い少女の設定。複雑な幼少期を過ごしたホリーはニューヨークに生きる娼婦として描かれています。またポールも20代前半という若い設定で、映画よりもずっと未熟さのある青春の物語なのです。 また時代設定も原作では第二次世界大戦中の1943年とされていますが、映画では公開時と同じ1960年に設定されています。
名曲「ムーン・リバー」に注目
劇中でオードリー・ヘプバーンが窓際に腰掛け「ムーン・リバー」を歌うシーンは、映画の中で最も印象的な場面ともいえるでしょう。 柔らかな歌声とロマンチックな歌詞は、自由奔放なホリーのイメージに深みを与えています。 この名曲を作曲したのは、映画音楽界の巨匠ヘンリー・マンシーニです。マンシーニは他にも「ピンク・パンサー」のテーマや『ひまわり』の作曲でも知られています。 「ムーン・リバー」は特別にオードリー・ヘプバーンのために作られ、その年のアカデミー歌曲賞を受賞しました。