緒形拳は昭和を代表する名俳優
緒形拳(おがたけん)は1937年7月20日、東京生まれの俳優です。戦時中、空襲により家が焼かれ中学まで千葉県で過ごし、その後東京に戻りました。
1958年新国劇に入団し、1960年『遠い一つの道』で主人公に抜擢され同時に映画デビューも果たします。1965年に大河ドラマ『太閤記』の主役を演じ、大河ドラマの常連俳優として出演しました。1978年には『鬼畜』にて数々の賞を受賞し、1999年に『あつもの』で「フランス・ベノデ映画祭グランプリ」を受賞しました。
また2000年には、山崎努と一緒に紫綬褒章を受章しています。2008年肝癌により、家族と友人で俳優の津川雅彦に看取られながら死去しました。
映画『鬼畜』で主演男優賞を受賞
1978年、松本清張の短編小説『鬼畜』が映画になり公開されました。岩下志麻と夫婦役での出演となります。
この映画は、愛人に3人の子供を産ませた夫に激怒した妻(岩下志麻)が子供処分していく映画です。緒形拳は、妻に言われるがままに、子供を処分する夫を演じました。この映画で、緒形拳は日本アカデミー賞の主演男優賞のほか数々の賞を受賞しました。
遺作のなったドラマ『風のガーデン』
2008年に放送された脚本倉本聰、主演中井貴一による北海道・富良野を舞台としたドラマ『風のガーデン』が緒形拳の最後の作品となりました。このドラマで、緒形拳は中井貴一の父親役を演じています。
ドラマ放送開始が2008年10月9日で、緒形拳は惜しくも4日前の2008年10月5日に死去。ドラマ放送直後には「この作品を故・緒形拳さんに捧げます」最終回には「緒形拳さんありがとうございました。心よりご冥福をお祈り致します」というテロップが放送されました。
緒形拳とGACKTの関係性とは
緒形拳とGACKTは2007年のNHK大河『風林火山』で共演しています。
共演中に緒形拳からいろいろとアドバイスをもらっていたGACKTは父親のような存在と語っています。緒方拳と出会わなければGACKTは役者を続けていくことはなかったそうです。
緒方拳はドラえもんが好き
緒形拳はドラえもん好きで有名な俳優です。
ドラえもんを好きになったきっかけは昔、UFOキャッチャーでドラえもんのぬいぐるみをたくさん取ったからなんだとか。ドラえもん好きに関しては、テレビや雑誌などのメディアを通じて公表しています。ちなみにドラえもん以外の登場人物は知らないそうです。
このドラえもんエピソードからは、大御所俳優の可愛らしい一面を垣間見ることができますね。
父親と同じく俳優として活躍する息子2人
緒方拳には2人の息子いて、いずれも俳優として活躍中です。長男の緒形幹太(おがたかんた)は1966年11月21日生まれで1989年のドラマ『淋しい女は太る』でデビューしています。
次男の緒形直人(おがたなおと)は1967年9月22日生まれで1988年の映画『優駿』でデビュー。1993年には女優の仙道敦子(せんどうあつこ)と結婚しました。
緒形拳の二人の息子は10か月違いの兄弟。珍しいですね。緒方拳が亡くなった際には兄弟二人で会見を開いていました。
病気を隠し最後まで命がけで俳優を続けた
緒形拳は2000年頃から病気に侵され8年間の闘病生活にて死去しました。その間、仕事関係者には病気のことを口にせず俳優業を続けたそうです。
遺作となったドラマの撮影時も体調は万全ではなかったそうですが、最後まで演じ切りました。
まさに命がけで俳優業を全うしたと言えますね。