世界的ベストセラーを映画化した『ダ・ヴィンチ・コード』
アメリカの小説家、ダン・ブラウンの世界的ベストセラー『ダ・ヴィンチ・コード』を、『ビューティフル・マインド』のロン・ハワード監督が映画化しました。
ルーブル美術館の館長が死体で発見される事件が発生し、ハーバード大学の宗教象徴学者、ロバート・ラングドンは調査を依頼されました。暗号解読官ソフィーと共に、死体に遺された不可解な暗号を解読していく中で、やがてキリスト教史上最大の秘密に辿り着きます。
主演にはトム・ハンクスを迎え、オドレイ・トトゥやジャン・レノらが共演。大きな話題になった一方で、「イエス・キリストを冒涜した」との声も上がり、宗教的な理由から物議を醸しました。
シラスという気味の悪い修道僧
オプス・デイの一員シラスは、”色素欠乏症(アルビノ)”による異様に白い肌をしており、気味の悪い雰囲気を漂わせる修道僧です。
何度か刑務所に入った経験があり、脱獄して死の危機に瀕していた時、後に父と慕うことになるアリンガローサ司教と出会うことに。容姿が原因で迫害され犯罪者でもある自身に対し、司教が与えてくれた施しと言葉によって、現在のような敬虔な信者になりました。
”天使”と称される殺し屋で、ルーヴル美術館館長にしてシオン修道会総長、ソニエール殺害の実行犯。それを命じた黒幕の指示で、物語の重要な鍵となる”聖杯”を探していました。
シラスの宗教であるオプス・デイとは?
作中におけるオプス・デイとは、シラスが慕うアリンガローサ司教を代表とする、キリスト教カトリックの秘密結社のことです。強引な勧誘、危険な肉体的苦行の慣習化が問題視されており、彼の体にもシリス(棘付きのチェーン)による傷や痣が刻まれていました。
バチカンを支配する「影の議会」の一員で、”イエス・キリストは神である”とするキリスト教最大のタブー、「キリストには妻と子孫が存在した」という事実の抹消を目論んでいます。
そのため、オプス・デイは”妻の死体と子孫(聖杯)”を探し、現代の末裔を殺していたのです。聖杯を守る”シオン修道会”とは相反する目的なので、2つの組織は敵対関係にありました。
このように、小説・映画内で過激なカルト団体のように扱われていますが、実在の”オプス・デイ”はカトリック教会の組織の一つとのこと。ローマ教皇の認可を受けていますが、今作の影響で多くの誤解を招く結果となり、「全てフィクションである」との声明も出したそうです。
シラスを演じた俳優はポール・ベタニー
気味悪い修道僧ことシラスを演じたのは、イギリス・ロンドン出身の俳優ポール・ベタニーです。
19歳から3年間、ロンドンのドラマ・センターで学んだ後に舞台デビュー。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの舞台を経験した後、『ベント/堕ちた饗宴』で映画デビューしました。近年では、「アイアンマン」シリーズ(声優として)、「アベンジャーズ」シリーズなどへの出演で知られています。
今作のオファーを受けた際、当初はスケジュールが合わず断念したものの、ロン・ハワード監督の強い拘りと要望で出演が実現したのだとか。ベダーニーはシラスを演じるにあたり、色素欠乏症の特殊メイクを施すため、全身の体毛を剃って撮影に臨んでいたそうです。