豪華キャスト満載の『イングリッシュ・ペイシェント』
第二次世界大戦期に記憶のない状態で発見された男が、少しずつ過去を思い出す恋愛映画『イングリッシュ・ペイシェント』は、その一風変わった魅力と切なさで世界中を釘付けにし、1996年のアカデミー作品賞を受賞しました。
実はこの映画、今考えると驚くほど豪華なキャスト陣が揃っていたのです。公開から20年経った現在本作の出演者たちはどうなっているのでしょうか?
主人公(ラズロ・アルマシー)/レイフ・ファインズ
『イングリッシュ・ペイシェント』出演以前から若いながら演技派俳優として名を馳せていたレイフ・ファインズは、さらに作品の幅を広げ、今ではすっかりハリウッドの大御所に。
『ナイロビの蜂』や『愛を読むひと』といった芸術映画にも、『アベンジャーズ』や『タイタンの戦い』などのブロックバスター映画にも引っ張りだこ。中でも有名なのは『ハリーポッター』シリーズのウォルデモート役でしょう。しかし特殊メイクを施しているため、彼だと気づかない人も多そうですね。
近年は『007シリーズ』の新Mにも就任しており、ますます目にする機会が増えそうです!ティルダ・スウィントンとの共演作『胸騒ぎのシチリア』の日本公開も控えています。
看護婦ハナ/ジュリエット・ビノシュ
フランス出身の女優ジュリエット・ビノシュは、ハリウッドに進出して10年目に出演した本作でアカデミー賞助演女優賞を受賞。力量を証明し、以後ますます大作への出演が増加し2000年公開の『ショコラ』ではオスカーの主演女優賞候補にもなりました。
フランス、アメリカ問わず世界で活躍を続けるビノシュ。近年は『アクトレス 女たちの舞台』でクロエ=グレース・モレッツやクリステン・スチュワートと共演し、またチリの鉱山落盤事故を題材とした『チリ33人 希望の軌跡』にも出演しています。
2016年現在52歳ですが、今年のカンヌ映画祭ではシックな黒のガウンに身を包み、衰えない美しさで世界を魅了しました。
キャサリン・クリフトン/クリスティン・スコット・トーマス
ジュリエット・ビノシュと本作共演以後も深い親交を保っているクリスティン・スコット・トーマスは、ジャンルを問わず多様な作品に出演。『ブーリン家の姉妹』では姉妹の母親を、『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』ではジョン・レノンを育てる叔母を好演しています。
しかし2014年に、以後映画に出演することはもうないと発表。年齢が上がるにつれ役の幅が狭まってきたことが原因のようです。
これまでいろんな言語でとてもたくさんの役を演じてきた…。でもある日突然、もうこれ以上はできないって思ったの。演技に飽きてしまったのかも。「悲しみにくれる中年女性」の役ばっかりやるのはもうこりごりよ。
と言いつつも、2017年公開予定のゲイリー・オールドマン主演のチャーチル伝記映画にチャーチルの妻役として出演しており、撮影が進んでいる模様です。
ジェフリー・クリフトン/コリン・ファース
『イングリッシュ・ペイシェント』出演時はまだ無名に近かったコリン・ファースが、今やイギリスを代表する名役者に成長したのは誰もが知るところ。2010年の映画『英国王のスピーチ』では吃音に悩む英国王を好演し、アカデミー賞主演男優賞に輝きました。
『真珠の耳飾りの少女』など歴史映画への出演が多いイメージがありますが、世界で最も有名なラブコメシリーズ『ブリジット・ジョーンズの日記』のマーク・ダーシー役としても有名です!2016年には待望の第3作『ブリジッド・ジョーンズの日記 ダメな私の最期のモテ期』が公開されました。
デヴィッド・カラヴァッジョ/ウィレム・デフォー
『イングリッシュ・ペイシェント』出演時にはすでに性格俳優として有名になっていたウィレム・デフォーは、まだまだ現役。その独特の風貌を生かして『スパイダーマン』シリーズの悪役ゴブリンとしてさらに人気の幅を広めました。
以前からラース・フォン・トリアー監督やウェス・アンダーソン監督作品の常連で、近年公開された『ニンフォマニアック』や『グランド・ブダペスト・ホテル』にももちろん出演しています。
なんと日本の人気シリーズ『デスノート』のハリウッド版において、死神リュークの声を担当するのではないかとの噂が上がっています。ぴったりのチョイスですね!
キップ/ナヴィーン・アンドリュース
インドをルーツに持つイケメン俳優ナヴィーン・アンドリュースは、本作出演後残念ながら大きな映画作品には恵まれていませんが、テレビシリーズにおいては大活躍を遂げていました!海外ドラマ『LOST』のサイード役で彼を知る人が多いと思います。
2004年から2010年にかけて放送された『LOST』の主要メンバーとして全シーズンにわたって出演。これで知名度を上げたアンドリュースは米国でもっとも美しい人ベスト10にも選出されています。
『LOST』以後は飲酒運転で逮捕されるなど問題もありましたが、現在はテレビシリーズ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ワンダーランド(原題)』に出演中です。
ミューラー/ユルゲン・プロホノフ
一時はアーノルド・シュワルツネッガーが演じた『ターミネーター』役の候補にも挙がっていたユルゲン・プロホノフは、本作出演以後、静かながらも順調なキャリアを築いています。『ダヴィンチ・コード』のアンドレ・ヴェルネ役がよく知られているかもしれません。
現在これから製作される予定の映画7本に出演が決定。2016年現在75歳とは思えないほどの活躍ぶりですね!