2018年6月8日更新

『イミテーション・ゲーム』の映画で描かれなかった、深い真相とは?

このページにはプロモーションが含まれています

AD

ベネディクト・カンバーバッチ主演映画『イミテーション・ゲーム』

『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』 の監督モルテン・ティルドゥムはこのプロジェクトに関わる前に自身がどれだけアラン・チューリングについて無知だったか、いまだに驚いていると言います。いくつかの歴史的な事実が描かれていないと批判されることもある本作ですが、監督は「アラン・チューリングの感情を正確に描くことこそが大切だった」と語っています。

実際の人物を映画にする際の責任とは!?

また、インタビュアーに「伝記映画を製作する際に、歴史の正確性の重要性をどう考えているか?」と問われた監督は、「正確さに対して多大な責任を伴う」と発言しています。その上で、事実を(映画という)2時間に納めなければいけない中で、全てを正確に描くことは不可能としてします。 監督は同時に、「感情は正確に描かれなければいけない」と語っており、あくまで事実を忠実に再現するのではなく、主人公の感情を観客に訴えることに注力したという旨の発言をしています。これは事実に基づく作品を作る上での監督のこだわりが伺える発言ではないでしょうか?

クリストファーのデザインについて!

コンピューターを製作する上で監督がデザイン面でこだわったのは、「赤いケーブル」とのこと。これは、コンピューターが単なるマシン以上の意味を持ったものだったということを強調したいという意図から、「血管」のような生き物のイメージを持って製作したとのこと。 また、マシンの名前である「クリストファー」は、主人公の友人であるクリストファーから名付けられており、これは主人公がクリストファーの魂を再生させることへの執着を表現する上での意図によるものと語っています。

AD

当時を知る人物が送った感動的なメール!?

本作を鑑賞した92歳の男性から、監督のもとにある感動的なメールが届いたと監督は語っています。その男性はアラン・チューリング同様に、ゲイであることを理由に起訴された過去をもつ人物で、彼と同じような境遇の人は5万人以上も存命中とのこと。そんな背景を持つその男性は、本作を鑑賞し、不当に起訴された過去に光が当たった事で、泣きながら映画を鑑賞したとのことです。

エンディングの真相とは!?

インタビュアーにアラン・チューリングの自殺を描かなかった理由を尋ねられた監督は、「(主演の)カンバーバッチ共に、様々な死ぬシーンを撮影したものの、メロドラマティックで必要ないと感じた」とコメント。 また、監督はチューリングが自殺方法に青酸カリを塗ったリンゴをかじることを選んだ理由などについて様々な考察やアイディアを述べつつも、それらのアイディアを映画内で表現するには(作品の)時間的な制約から難しかったと語っています。その上で、「現在のエンディングで良かったと思っている」ともコメントしています。