【10位】笑える?泣ける?カッコいい?音楽ドキュメンタリー
yuki12241
フィンランドの“ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト”というパンクバンドを追ったドキュメンタリー映画です。知的障碍者の方のパンクバンドという事が主に押し出されている映画ですが、単純に、個性的なメンバーが集まったカッコいいおじさまバンドとして楽しめます。また、宣伝で見かけた「抱腹絶倒の音楽ドキュメンタリー」というのは的外れだと思いました。決して馬鹿笑いするような映画では無く、むしろ観終わったら少しホロリとしてしまうような心温まるドキュメンタリーです。彼らの現在を追うと共に、過去や人生観を掘り下げていくために、段々と親近感を覚えていきます。狙っているかのように事件やイベントが次々に起こるのが面白い。
伝えたいことや文句は沢山あって、それをパンクロックとして世の中に伝えたい!という気持ちは障害を持つ方でも大きいのだな、と潜在的な差別意識に近い感想を抱いてしまい恥ずかしく思いつつも、それがこの映画の面白さの一つでもあるはずです。自らや仲間の障害や差別意識、それに関する社会に対しての不満を音楽で表現できるのは、まさに彼らのような立場の人しかいません。どう生きても自由のハズなのに、何かと縛られてしまう彼らの想いが、音楽に乗って届いて欲しいと願うばかりです。パンクに詳しくない自分でも問題なく楽しめました。
「ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト」という知的障がい者だけで構成されたパンクバンドを追った、ドキュメンタリー作品です。バンド名は「ペルッティの名前の日」という意味。2015年の音楽映画で最高にパンクでカッコいいです!
【9位】ザ・ビーチ・ボーイズファンは必見
Aya_Osugi
やばい。はぁ。これは、まじでやばい。
震えが止まらず焦って映画館から出て、昔に私にブライアンウィルソンのスマイルを教えてくれた人に何年かぶりにメールを送ってしまった。
このアルバムは私のなかで、大好きなビートルズのどのアルバムよりも、死んだときには流して欲しいとずっといろんなところで書いていたくらい
とても素晴らしいメロディと音で初めて聴いたときに震えたものだった
あのアルバムがこんなに素晴らしいのはこんなエピソードがあったからだったのか。
途中にもなんどもビーチボーイズの有名な曲が流れてどれも素敵だし、映画の中で音の工夫がおもしろかった
そしてなによりこのアルバムを初めて聴いたときに感じたあの衝撃の理由がわかったこと。
早くかえって聴かなくては。と思ってならなかった。
ビーチボーイズの夏の音もハーモニーも当然素晴らしいが、ビートルズがラバーソウルを出したように、彼はペットサウンズを作り、
そしてスマイルを完成させた。
どんなに音楽史にとって大きいことか。
今私が馬鹿みたいに苦しんでいることも、時間をすり減らし無駄にしていることも、きっと取り返せそうな気がした。
なにしろ私はこの素晴らしさを知っているという財産があるから。身体中に染み渡るように感じられるから。カラフルな色彩が目に見えるようだよ。
わからない人にはわからなくてもどうでもいいけども、これがわかるだけで、この世界に生きてて間違ってなかったような気さえしてくる。
わたしの感覚だけは、どんなにひとりで、何を言われてつまらない毎日を送っていたとしても、いつまでも自由だから。
当分死ぬつもりもないけど、もし死んだらbrain wilsonのsmileを聞かせてください。
ザ・ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンの半生を映画化した作品です。正直なところ、ザ・ビーチ・ボーイズに関する知識がまったくないという方にはおすすめできない映画ですが、ザ・ビーチ・ボーイズのファン、あるいはブライアン・ウィルソンのファン、またあるいは『ペット・サウンズ』は擦り切れるほど聴いたという方であれば観る価値ありです。
ふたつの時代のブライアン・ウィルソンをそれぞれ演じたジョン・キューザックとポール・ダノ、そしてヒロインのメリンダを演じたエリザベス・バンクスといったメインキャストも素晴らしかったです。
【8位】ベル・アンド・セバスチャン好きは必見
____RiN____
ボスター見たらわかる通り、メインキャスト3名めちゃくちゃ美形。しかもレトロでおしゃれな衣装の数々で、ベルセバらしいキュートな音楽で、歌って踊っちゃう。ストーリーはちっとも重苦しくなく、終始よくできたミュージックビデオを観てるみたいにルンルンできます。
考えなくて良いし、おしゃれだし、尺も短いし、音楽めちゃくちゃ良いので、これは褒め言葉なのですが、上質で素敵なBGM映画だと思います。
めっちゃデートムービーだよ!
スコットランドのギターポップバンド、ベル・アンド・セバスチャンのスチュアート・マードックが、2009年に自身が発表したアルバム『God Help the Girl』をモチーフに撮った映画。とある少年少女が出会い、共に音楽を作っていく、というストーリーです。
映画全体にひろがるふわっとした雰囲気とほのぼのした気分は、日々の鬱憤を忘れさせてくれます。
【7位】やっぱり音楽は言葉を超える!?
HMworldtraveller
終盤のオーディションでの主人公の歌に、つーっと涙が頬を伝った。自分で自分の涙に驚いた。悲しいわけじゃない。寂しいわけじゃない。苦しさを乗り越えて何かを成し遂げた時の涙とも違う。素敵な話だけど親子愛にそこまで揺さぶられたわけでもない。
そのメロディに、彼女の歌声に、伴奏のピアノの音に、彼女の心情をそのまま表したかのような歌詞に、そしてどこか懐かしく感じたその音楽が自分の想い出に勝手にリンクして、頭で考えるより先に感覚が反応したのだと思う。
主人公ポーラ以外は全員が聴覚障害者という家族。家族の事情と置かれた環境のために自分の歩みたい道を選べないポーラに感情移入し、やむを得ないとはいえ子供の選択肢を狭めている家族への苛立ちを感じたり、その一方で、最後は収まるところに収まりそうな先の読める展開にちょっと冷めた目の自分がいたり、本筋にあまり関係ないコメディ要素に苦笑いしたりしていたのが、オーディションの歌ですべて吹っ飛んでしまった。
これよりも素晴らしい歌や優れた楽曲はごまんとあるけれど、多分、この歌が自分の心の中の何かとシンクロしたのだろう。
聴こえない家族の立場を観る側に疑似体験させるかのような学校での発表会の描写も良かった。
本作を観ながら思い出した映画がある。リバーフェニックスの『旅立ちの時』だ。従わざるを得ない『親の事情』は全く異なるけれど、あの映画も特殊な事情のある家庭とその家庭事情故に進学を諦めかけるティーンズの葛藤が描かれていた。強さと脆さ、挫折と希望が奏でる物語。そう、本作もまた、旅立ちの物語だ。
長女以外は耳が聞こえない家族。その長女の歌声を聴いた教師が音楽の専門学校を勧めることから始まり、ハートウォーミングでユーモアたっぷりのドラマで魅せていきます。泣けるというだけでなく、笑えるというところもおすすめポイントです。
【6位】10代、20代の女子に人気の音楽映画
ririri511
アナ・ケンドリック最高!レベル・ウィルソンはバチェロレッテやブライズメイズ、恋愛だけじゃダメかしら?を観てて気になる女優さんではあったけど今作を観て完全に好きになってしまいました(笑)
そしてgleeや天使にラブソングを・・・が好きな自分はまんまとハマってしまった!
まずフリースタイルバトルでのBlack streetのNo diggtyでオー!ってテンション上がりましてマドンナのLike a varginやBruno marsのjust the way you are、締めソングがまさかのpitbullのgive me everything!(笑)
真面目な時は真面目、下品な時はとことん下品なアメリカらしいエンターテインメント満載の作品です、好きです最高です(笑)
「アカペラ」に魅せられた女子大生が、全国大会を目指して仲間達と奮闘する青春ストーリーです。アメリカでは2012年に公開され、日本では3年遅れて2015年5月に公開されました。
エリザベス・バンクスが監督をつとめた続編
whentheycry
色々な事が前作よりパワーアップ。
前回に引き続きベラーズの魅力は申し分なし。
周りのアカペラグループがハイレベルなのがとても良かった。
世界大会にカナダ代表としてペンタトニックスが出場してるくらいハイレベルなんだけどベラーズよく勝てたなw
ストーリーにはそんなに期待していなかったんだけど今回のベラーズのサウンドを探すというテーマが良かった。
迷走しながらも最終的には2作しか付き合ってないのにベラーズのサウンドだと感じる事ができる演出には感動しました。
何と言ってもカメオ出演者が最初っから最後まで豪華。全員からギャラとったらアベンジャーズのギャラを悠々と超えそうなくらい笑
選曲もjorneyやRun the worldとgleeに馴染み深い曲や、ドイツ代表が世界大会で歌った曲は僕の好きなFall Out Boyの曲だし、BGMとしてだけどニッキーらのBang BangやDetentionの曲も使われててエンドロールの曲まで思い入れがあるという個人的にテンションが上がるセトリでした。
2015年10月公開の続編です。アカペラの世界大会に出場する事になった前作主人公たちを、様々な困難が待ち受けます。『はじまりのうた』のヘイリー・スタインフェルドも加入してパワーアップ!
【5位】新垣結衣の新境地の感動青春ストーリー
toshibakuon
中田永一の原作を映画化。原作がとても好きだが映像も何の遜色もなく良かった。長崎五島列島の景色がキレイでそこに住む中学生たちがそれぞれに苦悩を抱えているが合唱を通して一つになっていく姿に感動した。ガッキーのツンとした感じと最後に見せる笑顔のメリハリが印象的。
田舎町の中学校に赴任してきた臨時教員が、合唱の全国コンクールを目指すため、元々女子だけだった合唱部に男子を入れてしまうところから始まる混乱と戸惑い、そして青春を描いています。
原作とはストーリーがだいぶ違うものの、原作で物足りなかった点をを補っていて映画のほうが楽しめるという感想も聞かれました。今年の邦画音楽映画の中ではイチオシです。
【4位】素晴らしい楽曲とどんでん返し
YU66
冒頭にしか出てこない息子の表情から、この映画の肝となるストーリー展開になるのでもう少し注意深く観ていれば良かったと後悔。
父親の酒浸りのやさぐれ方は憎めなさがあり、最初からどこかしら感じる共感は中盤の真実から確信に変わります。
鑑賞後も『自分ならどうするだろうか?』と自問してしまいます。
劇中の曲は歌詞が物悲しくと思えばキャッチーだったりパンキッシュだったり息子の心情がよく表されていて、それを全て演奏し歌う父親はめちゃくちゃ格好良い。
またグリーンのレスポールが渋い!
ギターを弾きたくなりました。
音楽がめいいっぱい絡む映画には滅法弱い方には充分お勧めです。
またサントラを買ってしまいそう!
とある事件で息子を亡くした父親が、その息子の遺品である楽曲とギターに触れてみると……。
もう一度観たくなること請け合いの傑作音楽映画です。
【3位】伝説の音楽グループの誕生を見よ!
yuki12241
You are now about to witness the strength of street knowledge...
LAの南に位置するコンプトンから誕生したHIP-HOPの大スターであるN.W.A.の伝記映画です。ギャングがうろつく治安の悪い地区であるコンプトン発のグループであることから偏見を受けがちな彼らのリアルを描いた作品として、実話に準えてしっかりと要点を押さえた傑作だと思います。映画ファン的にはアイス・キューブに注目しますが、全ての始まり、そして終わりがEAZY-Eによって遂げられるのが面白い。流石アイス・キューブ自身のプロデュース作品、見せ方によって観客の感じ方を歪ませることのない実話モノとして優れた映画と言えます。
序盤、疾走感・緊張感のあるオープニングによってコンプトン地区とEASY-E、Dr.ドレー、アイス・キューブの立ち位置を分かり易く表現した上で「ルースレス」まで入れ込んでくる。まず、アバンタイトルからして最高なわけです!Foo!!!楽曲の「Straight Outta Compton」を聴いたことのある者であれば更に興奮間違いなし!!!他にも十数曲のN.W.A.やアイス・キューブの楽曲がここぞというタイミングで使用される(しかも全てソース!)ので、予習していくと楽しさが倍になるでしょう。スゲェDOPEだ。
本作では予想通りと言うべきか、N.W.A.の「Fuck tha Police」が大きなテーマとして扱われており、警官による黒人に対する差別偏見・不当な扱いを随所に入れ込んでくるのが上手く、感情移入を誘います。かの有名な(?)ライブでの騒動までの導き方がスマートですね。生き方を変えたいと共に世の中に実態を伝えたい、という若者たちのアメリカン・ドリームとしての側面も強く感じました。酒・女・銃など好き放題でぶっ飛んでいるのもあくまで事実をそのまま映し出し、嫌悪感を抱くような描かれ方では無かった気がします。ただ、売れていく中でもう少し高揚感を煽る描写があると嬉しかったです。
また、黒人に対する不当な扱いという大きなテーマが次第に薄れて行ってしまう事は気になったので、事実を準えながらもラストにちょっと仄めかして欲しかったかな。「おかしいよ 真実を伝えると皆が怒る」という台詞にあるように、表現を阻む者との戦いにもっと焦点を当てて欲しかったかも(無い物ねだり)。マネージャーのジェリー・ヘラーとの関係性やグループ内での確執といい、期待通りに仕上がっていて概ね満足でした。演出もかなり好みで、特に後半のある長回しが最高でしたよ!
今だったらミドルネームにMotherfuckingを入れても良い気分です。Yuki Wit Attitudesとしての活動を始めたいです。
N.W.A.というヒップホップグループの自伝的映画です。この映画を見ると、つい20年前まで白人のラップを黒人が認めなかったという、その理由がよくわかります。
エンターテインメント性に優れた音楽映画、これを観ればあなたもラッパーになりたくなるかも!?
【2位】音楽を愛するすべての方必見の傑作音楽映画
Miyu_Kawasuji
「陳腐でつまらない景色が美しく光り輝く真珠になる。音楽でね。」
夜のNYの公園、一つの音楽を2人で分け合いながらダンは言う。そしてこれはこの映画のすべてを表した一言だと思う。
ある日主人公の身に大事件が起きて…!みたいな派手なストーリーではない。NYに住む音楽に魅せられたある2人を軸に展開する物語。人々が皆経験するように、2人はそれぞれ人生の苦さに直面している。人生って幸せなときだけじゃないよね。苦しいときもあるよね。でもそんな時音楽を愛す2人はそれをエネルギーに変えて立ち向かう。生み出した曲は誰かの日常の欠片を彩りキラキラきらめかせる。家に帰る電車の中、誰かにフラれた帰り道、イヤホンを耳に挿し込んだ瞬間世界の色が優しくなる経験を一度でもしたことのある人はきっとこの感覚を共有できると思う。
そしてこの作品はそんな、灰色だった誰かの日常が音楽で暖かく色付けされてく様子を描いた、「音楽そのもの」の美しさを賛美した完成度の高すぎるMVだと言ってしまおう。音楽のすばらしさよ!
それにしても作中使われている歌は名曲ばかり!良い作品の条件には名曲が必須だと常々思っているけど、それが自分の中で再確認できた作品だった
正直1位と2位はほぼ同率でした。両方とも全力でおすすめできます。
監督は『ONCE ダブリンの街角で』のジョン・カーニー。『ONCE ダブリンの街角で』と『はじまりのうた』のどちらが好きかは好みの問題になりますが、手作り感を重視する方は『ONCE ダブリンの街角で』、ウェルメイド感を重視する方は『はじまりのうた』となるように思います。
作中曲は全曲名曲で、観終わったらサントラを買いたくなること必至。ラストのアダム・レヴィーンのライブでは鳥肌が立つことでしょう。2015年12月現在DVDがすでに発売されていますが、映画館で観れる機会があるなら是非とも映画館で観ていただきたい一本です。
【1位】音楽への狂気が結実した傑作。天才はこのように覚醒する
Hiromi_Harada
すっごく面白かった!!
終始緊張感が張り詰めていて、最後の演奏シーンは最高潮の盛り上がり。プロを極めるには並大抵をはるかに超えた努力が必要だと改めて思い知らされる…。フレッチャー先生の怖さは尋常じゃない。才能があるのは勿論なんだろうけど、そもそも性格がねじ曲がってるよ。意地が悪いよ〜あれは。そして主人公のニーマンも大概性格が悪い。一流の人間は性格がどこかいかれてないとなれないと思う(褒め言葉)。
そんな2人だからこそ実現した最後の演奏シーン。圧巻です!!ちゃんと息してたか謎なくらい魅了された。
ほぼ全員の評価が5段階で3.5~4.5になるであろう『はじまりのうた』に比べると、本作『セッション』は5をつける人もいれば1をつける人もいる好みが分かれる作品です。万人におすすめできる作品ではありませんが、今年最も圧倒された音楽映画である『セッション』を1位に選出させていただきました。
手から血が流れるまえ練習をし、実際にドラムの演奏をしたマイルズ・テラー。鬼教官テレンス・フレッチャーを演じ、アカデミー賞助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズ。20代でこの傑作を作り上げた天才監督デミアン・チャゼル。3人の才能がぶつかり合い生まれた奇跡の音楽映画『セッション』をCiatr編集部は全力でおすすめいたします。