2021年3月5日更新

『LOOPER/ルーパー』のあらすじを解説!時系列や因果関係はどうなっている?【ネタバレあり】

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© TriStar Pictures/zetaimage

未来から来た自分を殺したい過去の自分と、愛する人を殺された復讐心で過去へと戻ってきた自分。2人の自分を待ち受ける未来とは……。タイムパラドックスを活用した複雑難解な時系列が見所の映画、『LOOPER/ルーパー』について解説します。

目次

映画『LOOPER/ルーパー』を徹底解説!レインメイカーの正体についても考察

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© TriStar Pictures Photographer: Alan Markfield/zetaimage

『BRICK ブリック』(2005)でタッグを組んだライアン・ジョンソン監督とジョセフ・ゴードン=レヴィットが再びタッグを組んだ作品、『LOOPER/ルーパー』。タイムマシンが開発されたものの、法律によって禁止された近未来が舞台です。 斬新な仕掛けの数々が光り、多くの人気を呼んでいる『LOOPER/ルーパー』。今回は、複雑難解な時系列や因果関係について解説していきます。

映画『LOOPER/ルーパー』あらすじを解説【ネタバレ注意】

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「ルーパー」としての運命【もうひとりの自分との出会い】

舞台となるのは、タイムトラベルが現実となったものの法的に禁止されている近未来。悪の組織たちはこっそりとタイムトラベルを活用しており、殺してほしい人間を過去へと送り、過去の人に殺してもらうという手段を取っていました。 未来人と契約した殺し屋たちの名は「ルーパー」。主人公・ジョーもその1人であり、未来から転送されてくる人を殺すことで生計を立てています。しかしある日、契約解除となってしまいました。 契約を解除する時には、未来の自分を殺さなければなりません。これを「ループを閉じる」といいます。しかし、契約を解除されたのに未来人のジョーがいつまでたっても現れません。ようやく未来人のオールド・ジョーと出くわすも、逆に過去のジョーが気絶してしまいます。

家族を奪われた……レインメーカーに復讐を誓うオールド・ジョー

契約解除後、収入源を失い強盗や暗殺を繰り返していたものの、25年の時が経ち、とある女性と劇的な恋に落ち結ばれるジョー。しかし、突如レインメーカーと呼ばれる者が家に訪れ、妻を殺してしまいます。 以前出くわしたオールド・ジョーは、レインメーカーへの復讐を遂げるために過去にやってきていたのです。オールド・ジョーから協力を頼まれるも、未来の自分を殺さなければ自分が危ない目に遭ってしまうためジョーは断ることに。 その後、オールド・ジョーが持っていた地図の場所へと訪れるジョー。そこにはサラという女性とその子供・シドが暮らす家があり、ジョーがさまざまな事情を話すと、シドを暗殺者から守ってほしいと頼まれます。

そして迎える衝撃のラスト!

その時、未来からやってきた追っ手たちが現れます。しかしその瞬間シドが特殊能力を発揮し、小爆発を起こしました。その念動力を察知し、オールド・ジョーらも彼らの居場所を突き止めます。 戦いながらもサラとシドを守り続けるジョー。しかし、追いついたオールド・ジョーがサラに銃口を向けます。このままでは、母親を目の前で殺されたジョーが悪の道に進んでしまうとジョーは気付きました。 オールド・ジョーを止めるために、ジョーは自らの心臓を撃ち抜きます。過去の自分を殺すことによって未来のジョーを殺し、サラとシドの未来を守ったのでした。

作中の時間軸はどうなっている?時代ごとにサクッとまとめてみた

2044年 ルーパーたちはこの時代の人間で、映画中の主要舞台となる。
ジョーと子供時代のレインメーカーが生きる時代。
オールド・ジョーも復讐のためにやってきた。
2069年 契約解除から25年経過している。
ジョーは運命の女性と出会い、結婚。
2074年 レインメーカーやオールド・ジョーの生きる時代。
未来から送られてくる人はこの時代からやってきている。
ジョーの妻がレインメーカーに殺害されてしまう。

『LOOPER/ルーパー』のストーリーは主に2044年を舞台に進行していきます。オールド・ジョーとレインメーカーは30年後の世界の人物で、未来から送られてくるルーパーのターゲットも2074年からやってきているということになります。

作中のタイムパラドックスで生まれたもうひとつの世界線

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オールド・ジョーがレインメーカーに復讐するために過去へと戻ってくることによって、そして殺さなければならなかったオールド・ジョーを殺せなかったことによって、過去のジョーの人生は大きく変わります。 通常通りオールド・ジョーを殺害できていたら、過去のジョーがサラとシドの家へと訪れることはありません。オールド・ジョーの殺害に失敗することにより、最終的にサラとシドの未来を守ることができているというわけです。

ジョーが自殺したのは「復讐のループ」を閉じるためだった?

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映画のラストで、ジョーはこのままだとシドがレインメーカーとなってしまうと気付きます。目の前で母親を殺されることにより、その復讐心から悪へと身を委ねてしまい、新たな復讐のループが生まれていくと察知するのです。 ジョーがその事実に気づいたことにより、サラは殺害されずシドの未来も守られます。もしもジョーが気付かぬまま、サラがオールド・ジョーに殺されていたならば、シドはのちにレインメーカーとなってしまっていたでしょう。 オールド・ジョーを殺すために自らの心臓を撃ち抜いたジョーは、その後も続く予定だったループを終わらせたのかもしれません。

なぜレインメーカーはループを閉じようとしたのか考察!

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作中では、レインメーカーという悪の存在が次々とループを閉じていくことが描かれています。しかし、なぜレインメーカーが次々とルーパーたちを仕留めていくのかは明かされていません。 ジョーが気付いた通り未来のシド=レインメーカーだとすると、自らの母親がルーパーに殺されているという事実が影響し、その復讐心からルーパーたちを手にかけていると予想できるかもしれません。

疑問や考察が尽きない!難解映画『LOOPER/ルーパー』をもう一度観よう

『LOOPER/ルーパー』は複雑に時間が入り組んでいるため、さまざまな矛盾や疑問を孕んだ作品です。 ラストでジョーが自らを殺してしまえば、これまでのジョーがいた日々はどうなるのか。オールド・ジョーであれば過去の自分の行動は分かるはずなのに、サラを殺せずに自らが殺されてしまう事実は知らなかったのかという疑問など、まだまだ考察の余地はあるでしょう。 見るたびに見方が変わるような映画『LOOPER/ルーパー』。考察しがいのある映画を探している方にはぴったりではないでしょうか。