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『シンゴジラ』は海外で受けたのか?海外の感想評価まとめ【ネタバレ注意】

2017年5月19日更新 16599view

日本で大ヒットを記録している庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』が北米でも公開されました。今回はそんな本作の気になる海外での評価や感想をまとめてご紹介します。

大ヒット『シンゴジラ』が北米で公開!気になる海外の評価は?

『シン・ゴジラ』

2016年7月に公開されて以来大ヒットを記録した庵野秀明監督・脚本による『シンゴジラ』が、10月に北米でも限定公開されました。

異なる感覚を持った海外の映画ファンたちは本作に対してどのような感想を抱いたのでしょうか?

今回は気になる海外の感想や評価をまとめてご紹介します。

海外のゴジラファンも大満足の『シンゴジラ』

『シン・ゴジラ』 DVD

ゴジラの物語にあまり興味がない欧米の観客は、おそらく少し見ているのがつらいかもしれない。『シン・ゴジラ』の本当の物語は日本で起った二つの災害:人間のコントロールを超えた津波と原発事故だ。この問題に『シン・ゴジラ』は切り込んでいく。

新しいゴジラは、このジャンルで見たことのない新しい能力を持った、今までとは全然違う怪物だ。本当に気に入ったよ。字幕版のほうがアメリカでは成功しそうだけど、わからない。でもいい映画だ。ゴジラ史に素晴らしい作品が加わった。

引用:www.imdb.com
ゴジラ自身については、今回のゴジラにはがっかりはしなかったよ。これまでスクリーンで見た中でも最も巨大なだけでなく、最も力強いゴジラだったと言ってもいいと思う。

ゴジラの見た目はよく知っているし、オンライン上でのファンのサークルでも大きな議論の種になっている。今回は中に人が入っているんじゃなくて、完全にCGIで表現されているけれど、この映画でゴジラが動くところを見るのはとても楽しかった。

引用:www.imdb.com

ついにスクリーンに姿を見せた『シン・ゴジラ』。従来の着ぐるみスタイルに馴染んだファンからはフルCG化を不安視する声も上がっていたようですが・・・。

いざ蓋を開けてみれば、CGとは思えないリアルな質感、躍動感にコアなゴジラファンも大満足の様子。史上最長となる118.5mもの巨体で東京の街を練り歩く様はまさに圧巻の一言に尽きます。

マグマを内在するかのような赤と黒の不気味なビジュアルもさながら、魚類、両生類、爬虫類と劇中三度も変性する斬新さに驚かされた海外ファンも多かったようです。

『シンゴジラ』は会話が多く、海外のファンは字幕を読むのが大変!!

『シン・ゴジラ』

本当に楽しめる怪獣映画だし、ときどき会話が多すぎてやっかいではあるけど、巧みな作品だと思うよ。会話が多すぎることは面白ければ悪いことじゃないし、この作品では会話はだいたい面白いと思う。
引用:www.imdb.com
たくさんのキャラクターが登場する。そして上映時間の大部分が打ち合わせや会議に費やされているにもかかわらず、話の流れは速い。何行にも重なった字幕を読むのは時々大変だけど、DVDやブルーレイを買うのに十分な言い訳になるよね。だって『シン・ゴジラ』は何回も見たくなる作品だから。
引用:www.imdb.com
いい映画。唯一の欠点は字幕を読まなくてはいけないこと。それもかなりの速度で。ゴジラはこの映画で一番いい部分だね。冒頭の場面を見ただけで、日本語を聞いていたら頭が痛くなるような気がするけど慣れるよ。全体的に、本当にすごくよかった。

たくさんのキャラクターが登場し、誰もが競うように早口でまくし立てる本作。大量のセリフを上映時間内に収めようとした結果、スピードを上げるという方法をとるしかなかったのです。膨大なセリフは膨大な文章となり、字幕を読む海外ファンはもう大変!

未曾有の危機に瀕した時、日本政府はどう対処するのでしょうか?国の中枢を担う専門家たちが難解な専門用語を用いてのべつ幕なく喋る、そうした非日常性が恐怖を煽り現実味を与えるのかもしれません。

一刻も早い決断を必要としているのに、いつ終わるとも知れない政府首脳会議。理解しがたい会話、緩慢に思える政府の対応、焦りや不安もまた恐怖へと誘うのでしょうね。

『シン・ゴジラ』の特殊効果やサウンドトラックが素晴らしい!

シン ゴジラ

特殊効果はとても素晴らしくて、東宝がこれまで制作したゴジラ映画の中でも最高だ。サウンドトラックは美しくメランコリックで心に残る。深刻なトーンだけどコミカルな場面もある。自衛隊がゴジラに立ち向かう場面は壮大だ。
引用:www.imdb.com
往年のゴジラ映画の音楽や、同じテーマを扱ったアニメ『エヴァンゲリオン』のリミックス音楽を使ったサウンドトラックもとてもいい。たくさんの観客がおなじみの音楽を聴いて笑顔になっていたよ。
引用:www.imdb.com
『シン・ゴジラ』は観客の心をつかむ映画だ。冒頭のシーンは、音楽もサウンドエフェクトも1954年のオリジナル版『ゴジラ』へのダイレクトなオマージュとなっている。これは12年もゴジラの帰還を待ち望んでいたファンたちへの最大のごほうびだ。
引用:www.imdb.com

音楽を担当したのは庵野秀明監督の盟友として知られる鷺巣詩郎(さぎすしろう)。『エヴァンゲリオン』を始め四半世紀にわたりタッグを組み、秀作を世に送り出してきました。オリジナルサウンドトラック「シン・ゴジラ音楽集」がまた素晴らしい!

書き下ろしの新作に加え、ゴジラシリーズの作曲家として名高い伊福部昭によるオリジナル音源を収録。初代『ゴジラ』、『キングコング対ゴジラ』、『メカゴジラの逆襲』等が、シーンに応じて効果的に使われているのです。往年のゴジラファンをも唸らせる憎い演出!

更には鷺巣詩郎の切り札とも言えるあの曲が・・・。エヴァファンならずとも一度は耳にしたことがある「DECISIVE BATTLE」、ヤシマ作戦のBGMと言った方が分かりやすいかもしれません。リミックス違いでたくさん聴けますよ。

ゴジラとの戦いに奔走する舞台裏が面白かった!

『シン・ゴジラ』

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カイジュウ映画にはだいたいいつも政府職員の場面が大量にあって、ものすごく退屈だ。数え切れないほどの登場人物がなす術もなく立ち尽くしているのを見るのを強いられて、怪獣の攻撃があまり見られなくなってしまう。

この映画は、政府の会議がどれだけ馬鹿げているかをよくわかっていて、それを面白おかしく描いている。最後のゴジラとの戦いでは東京の街自体が一つのキャラクターのように感じられて、それは今までのカイジュウ映画では見たことのないものだった。

面白い政治スリラーだ。ゴジラ映画についてこんなコメントをすることになるとは思っていなかったけど。でも、これはそういう映画だ。
ゴジラファンではない人にはすすめられない。ゴジラの暴れ回る姿じゃなくて、都市を攻撃するゴジラに対応する政府の舞台裏の場面が驚くほど飽きさせなくて、期待していたより面白かった。

東京の街を破壊し放射能をまき散らす初代ゴジラ。「悪」の象徴であるゴジラを中心に逃げまどい恐怖する民衆を描き、反戦、反核を訴えかけるメッセージ色の強い作品となりました。

一方、ゴジラを未曾有の災害と捉え、危機に瀕した「日本」がどういったリアクションをするのか、突き詰めた本作。いったん事が起きれば対応を迫られるであろう政府、防衛庁に庵野監督自ら何度も足を運び、細部にまで徹底的に調べ上げました。

憲法、縦割りの官僚制度、即決が求められる場面であっても簡単にはいかないのです。即攻撃とはならない命令系統の複雑さ、良くも悪くも日本の今がリアルに描かれています。

震災後の日本の問題を映し出した『シンゴジラ』

『シン・ゴジラ』

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映画全体を通して繊細に描かれるテーマについて、日本人についてあまり知識がない人も、ゴジラと核兵器、原子力発電所、そして環境問題のつながりを理解できるはずだ。

日本がゴジラの上に座ってこのモンスターと共存していこうとするラストシーンはとても印象的だった。ちょうど日本が原子力発電所と共存せねばならず、地震もあまり避けられずに、これらの時限爆弾の上に座って生き残っていく必要があるのと同じだ。

ハリウッドのリメイクみたいなばかげたCGのバトルよりも、ゴジラの由来を示すとてもよい映画で、今年見た中でもベストの映画の一つ。もし大量の会話やたくさんの字幕を読むのが我慢できないのなら、傑作を見逃すことになるね。

引用:www.imdb.com

東日本大震災を通して浮き彫りになった課題の数々。大規模災害に対するシュミレーションの甘さ、迅速とは言い難い政府の対応、何よりも原発の安全神話の崩壊は国民に衝撃を与えました。地震と津波は家族を奪い家を奪うに留まらず、被災者に被爆の不安をも強いているのです。

遡ること60年、被爆事故を契機にスタートしたゴジラシリーズでしたが、時を経て反核とは程遠い娯楽色豊かな作品へと傾いていきました。しかし、本作における原子炉をエネルギー源とし冷却すれば活動停止するというシン・ゴジラのコンセプトは原発そのものなのです。

いったん凍結したものの、いつ動き出すか分からないゴジラに覚悟を決めるシーンは、「すっかり生活に根付き、そう簡単には切り離せなくなった原発とこれからいかに向き合っていくべきか」と、日本が直面している課題を投げかけられたかのようです。

海外のファンも庵野秀明と樋口真嗣の両監督を高く評価!

『シン・ゴジラ』

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庵野秀明と樋口真嗣は日本のゴジラ映画シリーズのほぼ完璧なリブートを作り上げた。1954年のオリジナル版といくつかのゴジラ映画を作った本多猪四郎監督は、きっと庵野氏と樋口氏の成し遂げたことを誇りに思うだろう。
引用:ww.imdb.com

12年のインターバルを経て製作された『シン・ゴジラ』。総監督を務める庵野秀明は、自らを映像世界に導いてくれた「特撮」と、「特撮作品を支えてきた先達」への敬意と感謝を込めて引き受けることに決めたといいます。

一方、1984年『ゴジラ』のスタッフとして映画界に飛び込んだ樋口真嗣。日本アカデミー賞特別賞受賞作『ガメラ 大怪獣空中決戦』を始め数多くの怪獣映画を手掛け、特撮の第一人者として広く知られる監督です。

「特撮」をこよなく愛す庵野監督と、「ゴジラ」復活を夢見て映画界に足を踏み入れた樋口監督が妥協なしに挑んだという本作。海外ファンから高く評価されるのも当然と言えますね。

政府の対応よりもゴジラが暴れ回るところをもっと見たかったという感想も

『シン・ゴジラ』

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もしゴジラが東京を破壊するところを見たいんじゃなくて、日本政府がゴジラについて話し合ってるところを見たくてこの映画を見たのなら、好きになると思う。
ゴジラはすごく見応えがある。けど、政治はいらない!

巨大ゴジラが暴れ建物を破壊するシーンをもっと見たかったという海外ファンからの意見も数多く寄せられました。怪獣映画の醍醐味ですよね!

口から吐く放射線流で総理大臣の乗るヘリを墜落させたり、尻尾や背びれからレーザー光線を発射したりインパクトの強いシーンも見られましたが、ゴジラではなくゴジラに対抗する人類側にスポットを当てた本作では・・・。

とは言え、せっかく史上最大のスペックを有したのですから、景気よく破壊するシーンをじっくり見せてほしいですよね。

今までとは違うゴジラの姿にがっかりする声も?

『シン・ゴジラ』

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これはゴジラ映画じゃないよ。このモンスターが何者か知らないけど、ゴジラは背中からレーザーを放ったり、しっぽから火を吐いたりもしない。スクリーンで見てがっかりした。
一番驚いたこと、そしてこの映画の最大の欠点は、ゴジラの人格が描かれていないことだ。共感できないし、カリスマ的でもない。現代の日本の政府が大惨事を前にして機能しなくなる様子をうまく描いている一方で、その描写に力を入れすぎているために、ゴジラが何者なのかというコアの部分が失われてしまっている。
引用:www.imdb.com

戦争、核の脅威を具現化した初代ゴジラ。口から火を吹き街を破壊する憎むべき怪獣でありながら、カリスマ性のあるヴィランとして長年愛されてきたものです。

装いも新たに登場したシン・ゴジラ。マグマを抱えた活火山のような黒と赤の不気味なビジュアルもさながら、「完全生物」となった本作では口から炎を吐くばかりか、尻尾や背びれからもレーザー光線を発射し無敵に近い状態。

水爆実験によって変異し安住の地を追われ、いわば已む無く人間に牙を剝くようになったかつてのゴジラとはスペックが違いすぎます。悲哀を感じさせないないシン・ゴジラには賛否両論あるようです。