ミスタービーンの魅力に迫る!
ミスタービーンは、イギリスで1990年から放送が開始されたコメディシリーズの主人公です。コミカルな動きが特徴で、観るだけで笑いを誘うような魅力の持ち主です。
でもそんなところがちょっと不思議で、いったいどのような人なのだろうと思いますよね。ここではそんな彼の人物像に迫りたいと思います。
衝撃の第1話『ミスタービーン』
ビーンを主人公とするコメディは、1990年『ミスタービーン』を第1話としてイギリスで放送されました。
当初は14話しか制作されていなかったようですが、視覚的なコメディ要素がある本作は放送以来、世界190ヶ国にて観られるまでの人気作品となります。ミスタービーンの名は世界中に知られることになったのです。
ミスタービーンのプロフィール
本名は、ローワン・ジュリアン・ビーン。この名前は、イギリス出身のギタリストであるジュリアン・ブリームに由来するそうです。4人兄弟の末っ子で、ロンドン北部のハイベリーで一人暮らしをしているという設定です。職業については言及されていません。
ツイードのジャケットに赤いネクタイを締めるというファッションがトレードマーク。得意なこととして、第1話では数学の三角法の知識が豊富であることを強調しています。
女王にうっかり頭突きをする、ホテルの設備を壊し廊下を裸で歩くといった犯罪歴があることも知られています。しかし、注意されたり、逮捕されることはありません。基本的に、ミスタービーンはこのような行動をしても許されているのです。
また、エピソード中ではめったに話しをせず、時々ぼやく程度です。
ミスタービーンの性格
ミスタービーンの性格は一言では言い表せません。飲み込みが悪いですが、時々頭の良さをうかがい知ることができます。お調子者でもあり、やっかいなことを持ちこむことも好きです。時々優しい面を見せることもありますが、基本的にはちょっと悪意のある行動に出てしまいます。
ガールフレンドがいることがエピソード中で見て取れるのですが、彼女のことを気にかけることはめったにありません。また、相棒としてくまのぬいぐるみ「テディ」を連れており、テディを本物のクマと思っているようですが、扱いが雑。
自分が嫌いなものを見ると、激しく動揺する傾向にあります。自分が持っているものを他人が持っていることも許せません。かなり自己中心的なところがあるようですね。
あの特徴的な動きにはモデルがいた!
ミスタービーンの代名詞と言えば、あの特徴的でコミカルな動きですよね。そのモデルとなったのが、フランス人コメディアンのジャック・タチと言われています。
映画『ぼくの伯父さんの休暇』で主人公ユロをジャック・タチが演じており、音響効果がなく、人間のコミカルな動きのみで笑いを誘っており、ビーン演じるローワン・アトキンソンは衝撃を受けたそうです。ローワン・アトキンソンはこのユロのキャラクターを反映させました。
エピソード中でのミスタービーンの行動は、自身が問題を起こしたり、あるいは問題を見つけたときの解決法を生み出すことにつながっています。
ちょっと馬鹿げていて、時折悪意があり、あまり現実的でない解決法を思いつきますが、その動きが笑いのポイントになっているのです。
いろんな作品でのミスタービーン
記念すべき第1話『Mr.ビーン』
第1話は、ミスタービーンの名前がそのままタイトルになっており、前篇は数学の試験を受験する話です。
得意と自負している三角法を選択し受験しようとしたのですが、試験開始後、三角法ではなく計算問題が出されていることに気づきます。答えが全くわからないビーンはそこで、隣に座っていた男性の回答を、あの手この手を使ってカンニングしようとするという話です。
どうにかして相手の答えを見ようとする動きが面白いですね。
高視聴率を得た第5話『Mr.ビーンの災難』
第5話『Mr.ビーンの災難』は、全13話の中で最も高視聴率を獲得した作品です。
9時に歯医者での治療を予約していたのですが、寝坊してしまいます。車を運転しながら身支度をする様子、病院の待合室で隣に座っていた少年とのやり取りが面白おかしく描写されています。
さらに歯の治療も自分で行ってしまうという流れになります。しかし、どこを治したらよいか分からないので、結局全ての歯を治療してしまいましたが、ビーンは自分の行った治療には満足気です。
ちょっとハチャメチャな展開の第5話ですが、そんな非現実的なところをコミカルに描いているところがポイントです。
シリーズ最終第14話『Mr.ビーンの床屋』
テレビ放送されたシリーズの中で最終話となったのが、『Mr.ビーンの床屋』です。
髪を切りに床屋に行くのですが、ビーンを担当する理容師が途中で電話対応をします。その理容師を待っている間に来たお客さんたちの髪を切り、変な髪形にしてしまいます。
お客さんからクレームが来てしまい、ミスタービーンは彼を担当した理容師に丸投げして逃げてしまいます。この話ではお調子者のビーンを見ることができます。
ミスタービーン演じるローワン・アトキンソンはパロディ作品にも出演
ビーンを演じているは、イギリスのコメディアンであり俳優ローワン・アトキンソンです。1955年1月にイギリスの北東部ダラムのコンセットで生まれました。
ニューカッスル大学とオックスフォード大学に通い、電子工学の学位を取得しています。しかし、在学中に、後に『ミスタービーン』の脚本家となるリチャード・カーチスと出会い、コメディの世界に足を踏み出すことになります。『ミスタービーン』放送前にも、『9時のニュースではありません』というコント番組に出演しており、脚本も務めていました。
コメディ俳優のイメージが強いローワン・アトキンソンですが、映画への出演実績もあります。出演した映画の中でも、2003年に公開された『ジョニー・イングリッシュ』は、あの『007』のパロディ映画とされており、『ミスタービーン』の影響により、コメディやパロディ要素の強い作品に多く関わるようになります。
『ミスタービーン』が世界的に人気となり、ローワン・アトキンソンはコメディ俳優として最も成功した一人と言えるでしょう。