映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』あらすじ・キャストまとめ【池松壮亮主演】

2017年7月6日更新

若者から絶大な支持を受ける作家、最果てタヒの詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』が映画化され、2017年5月に公開されます。主演は池松壮亮と石橋静河。生きづらさを抱える若者の恋愛を描く本作についてご紹介します。

映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』2017年5月公開の新作

若者から絶大な支持を受ける最果タヒによる同名詩集を監督・石井裕也が映像化しました。

詩集は40篇以上の作品から出来ており、最果タヒの世界観を生きづらさを抱える若い男女に置き換え、都会で暮らす2人の恋物語を描いています。

2017年の5月13日に東京の一部映画館で先行上映された後、5月27日から全国で公開予定となっています。

映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』のあらすじは?

2017年の東京で、昼間は看護師として死と向き合い、夜はガールズバーで働いている美香(石橋静河)。美香が抱えているのは、漠然とした不安。それは言葉には出来ないものでした。しかし、誰かに頼ったり甘えたりすることが出来ず、その思いを抱えたまま日常を送っています。

一方、慎二(池松壮亮)は日雇いの肉体労働の仕事をしながら、日々の暮らしを立てている青年。左目がよく見えない彼は苦しい日々の中で生きづらさを覚えながらも、一緒に働く智之(松田龍平)らとなんとか前向きに希望を持って生きようとしています。

ある日、慎二は智之らと入ったガールズバーで美香と出会います。美香からなんとか連絡先を聞き出そうとする智之と、意味のない言葉ばかりを話す慎二、それに愛想笑いを浮かべる美香の3人。勤務を終えた美香は渋谷の雑踏の中、慎二を見つけます。不必要な偶然はこれだけでなく、当然工事現場で倒れ亡くなった智之の葬儀や、工事現場で怪我をし訪れた病院でも2人は顔を合わせることに。

ついに美香に連絡先を聞く慎二、美香は「電話番号くらいならいいけど」と2人は引き寄せあったり、離れたりと曖昧でなんとなく一緒にいることになります。

物語は正反対の気質を持ちながら、「生きづらさ」という共通点を持って生きる2人の恋を描きます。

予告動画では青白い月の下で同じ思いを抱く石橋、池松の若い男女2人がお互いの考えていることが通ずる瞬間も描かれており、鮮やかな色彩や、どこか不安定で儚い若者特有の雰囲気が見ているとドキドキするようなそんな映像に仕上がっています。

映画『夜空はいつでも最高密度の青空だ』主演には演技力の高さと儚げな表情に定評のある池松壮亮

慎二/池松壮亮

もう一人の主人公・慎二は日雇い労働で、その日暮らしをしている青年です。美香とは違った形での生きづらさを抱えながらも、前を向いてひたむきに生きています。

慎二を演じるのは、若手実力派俳優の池松壮亮。1990年7月9日生まれで福岡県出身。10歳でミュージカル『ライオンキング』にて子役デビューを果たします。2003年にはハリウッド映画『ラストサムライ』にも出演し、少年・飛源役を演じました。

大学卒業後は本格的に俳優の道へと進み、2014年の映画『紙の月』では日刊スポーツ映画大賞やブルーリボン賞などで助演男優賞を受賞。今や映画やドラマに引っ張りだこの実力派人気俳優の一人です。

ヒロインを務めるのはCMで知名度が急上昇中の石橋静河

美香/石橋静河

いつもどこか漠然とした不安や孤独を抱えている主人公の美香。しかし、それを誰かに伝えたり頼ったりすることをせず、孤独な毎日を送っているという女性です。

美香を演じるのは石橋静河です。1994年7月8日生まれ、東京都出身。父が俳優の石橋凌、母が女優の原田美枝子という芸能一家に生まれました。幼少の頃よりバレエを習い、中学校3年生からはアメリカとカナダに留学しています。帰国後は、コンテンポラリーダンサーとして活動していました。

2015年に入ってから芸能事務所のSUPER TRAMPに所属し、舞台『銀河鉄道の夜』の主演で女優デビューを果たしています。夜空はいつでも最高密度の青色だは、映画での初主演作品となります。

『夜空はいつでも最高密度の青色だ』の主人公たちを取り巻くキャストは?

智之/松田龍平

慎二の勤務先の年上の同僚・智之を演じるのは松田龍平です。美香に連絡先を聞くなど気さくな性格が伺えます。

松田龍平は1983年5月9日生まれ、東京都出身。俳優・松田優作と女優・松田美由紀の長男です。中学時代に映画監督・大島渚の目に止まり、俳優の道へと入りました。その映画『御法度』は1999年に公開され、アカデミー賞やブルーリボン賞など多くの賞を受賞しています。

はまり役だと言われた2011年の映画『まほろ駅前多田便利軒』の行天役は、松田の代表作の1つとなっています。2013年には、本作と同じ石井監督がメガホンをとった映画『舟を編む』で主人公の馬締光也を演じ、こちらも高い評価を受けています。

美香の母/市川実和子

どこか心に闇を抱える美香の母親を演じるのは『シン・ゴジラ』での演技が高い評価を得た市川実和子です。

1978年6月13日生まれの東京都出身の彼女は、萩上直子監督作品の『めがね』や『レンタネコ』に出演し、独特の雰囲気を醸しつつも、その演技力は観客の目を引く強さがあります、また、2016年公開の『シン・ゴジラ』では市川の演じた尾頭ヒロミが人気を博し、イラスト投稿サイトで彼女のイラストが多く投稿されるなど”尾頭ブーム”を引き起こしました。

今後大注目の女優の一人です。

岩下/田中哲司

慎二と智之と同じ職場で働く中年男性・岩下を演じるのは田中哲司です。

映画や舞台、TVドラマと多くの作品で活躍する名バイブレイヤーの田中哲司は1966年2月18日に三重県で生まれた俳優です。『SPEC』シリーズや『ATARU』シリーズなど堤幸彦作品に多く出演し、癖の強い役柄も見事に演じきっています。

その他にも、『そして父になる』、『愛の渦』などの話題の映画作品にも数多く出演し、日本では彼を知らない人は少ないと言っても過言ではありません。

その他にも期待のキャストが!

慎二の職場で働くフィリピン人のアンドレスには、タガログ語、英語、日本語の3ヶ国語を操りグローバルに活躍する俳優のポール・マグサリンが。その他にも、映画『少女』や『沈黙』に出演している今注目の若手女優・佐藤玲や、『怒り』や『ブルーハーツが聴こえる』など鬼才・李相日監督作品に多く出演する実力派俳優の三浦貴大の出演が決定。大西力や野嵜好美らも名を連ねています。

主題歌はThe Mirrazが担当

映画のエンディング曲にはThe Mirraz(ザ・ミイラズ)が2013年6月に発表した「NEW WORLD」が器用されることが決定しました。

2006年、畠山承平、佐藤真彦、中島ケイゾーの3人により結成されたThe Mirraz。今回の楽曲は、彼らは一番”攻めている”時期に作った楽曲なのだそう。メッセージ性が強いあまり、シングル候補からも外れてしまったものの、今回映画の主題歌になれたことに本人たちも喜びを隠せない様子です。

そんなThe Mirrazの曲に注目です!!

監督は映画『舟を編む』で知られる石井裕也

舟を編む

今作品で脚本と監督を務める石井裕也は、1983年6月21日生まれで埼玉県の出身です。大阪芸術大学に在学中、卒業制作として監督をつとめた『剥き出しにっぽん』がそつせい祭でグランプリを受賞し注目を集めます。

2009年の『川の底からこんにちは』では、史上最年少でブルーリボン賞監督賞を受賞しました。2015年に監督を務めた『舟を編む』では、出版社の辞書編集部を描き、日本アカデミー賞最優秀作品賞や最優秀監督賞に輝いています。

今作品は、原作者の最果タヒや主演の石橋静河の才能に感化され、その時に感じた刺激や感情を大切にしながら脚本を書いたのだそう。石井裕也が作る”新しく、挑戦的な映画”に今から期待で胸が膨らみます。

詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』の作者・最果タヒについて

夜空はいつでも最高密度の青色だ

今作品は詩集からの映画化という異色なケース。『夜空はいつでも最高密度の青色だ』原作者の最果タヒは1986年生まれの女性で、名前は「さいはてたひ」と読みます。2005年、月刊雑誌『現代詩手帖』に初めて投稿した作品が入選を果たし注目を浴びます。

その後も優れた作品を発表し、2006年には現代詩手帖賞を受賞、2008年には中原中也賞を受賞しました。詩以外に小説も執筆しており、2009年には小説『スパークした』を発表。こちらは『年刊日本SF傑作選』に収録されています。

現代社会に蔓延する「生きづらさ」を観点に、透明感とホっとするような優しさを持つ彼女の作品は、特に若者から熱い支持を得ています。

今回の映画化について、最果はこのようにコメントしています。

愛おしい不器用さに溢れた、この映画が私の詩集をもとに作られたという、そのことが光栄でなりません。願わくは、多くの人に観てほしい。自分自身の「今」を不器用な手つきで抱きしめようとするすべての人に。
引用:natalie.mu

映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』の原作ネタバレ

『夜空はいつでも最高密度の青色だ』は小説ではなく、詩集ということで収録されている詩の世界観を汲み取って物語を構築していくと考えられます。今回は原作者・最果タヒのツイッターで抜粋されて紹介されている収録詩からどのような世界観の中話が進んでいくのか、そして主人公が持っている心情をネタバレします。

恋から少し離れている様子が伺える詩です。そして物語は暑い夏の日から始まるようです。 今の生きている世界をどこか諦めているような、渇いた目で世界を眺めているような印象を受けます。必死に生きても報われない、昼は看護師として、夜は風俗店で働いている美香の人間の現実を眺めている様子が見受けられます。

フライヤーに使われている撮影場所も渋谷センター街ということと、こちらの詩から渋谷が舞台として登場していることは間違いなさそうです。キラキラとして流行の発信地として常におしゃれに敏感な若者やかわいい女の子たちが集まるスポット渋谷。

しかし、この街で生活する主人公の二人には渋谷のキラキラした光に隠された闇や死の匂いを感じているのでしょう。

渋谷という都会で生きて行く彼ら、それを受け入れるなんて自分を殺したも同然。そんなメッセージを感じることができます。そして「恋愛」なんて言葉では括られない関係で繋がっている様子もうかがえますね。

突き放しているようにも見えて相手のことをそっと支えているような、包み込んでいるような感覚を覚えることから、映画の中でも慎二と美香は恋人という枠に囚われずお互いの支えになるような存在として展開されるのではないでしょうか。

『夜空はいつでも最高密度の青色だ』第67回ベルリン国際映画祭・フォーラム部門においてワールドプレミア決定

日本での公開に先駆け、『夜空はいつでも最高密度の青色だ』が2017年2月9日から19日までドイツのベルリンで開催される第67回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門においてワールドプレミア上映されることが決定しました。

どうやら主演の二人と監督は舞台挨拶に登壇するようで、世界規模で注目されるかもしれませんね。