映画『LION/ライオン 25年目のただいま』が2017年アカデミー賞にノミネート
『LION/ライオン 25年目のただいま』は、オーストラリアで養子となった5歳のインド少年が、25年後にGoogle Earthで実の家族を見つけ出したというノンフィクションを映画化したドラマです。
2017年(第89回)のアカデミー賞において、作品賞、助演男優賞、助演女優賞、撮影賞、脚色賞、作曲賞の計6部門でノミネートされています。
『LION/ライオン 25年目のただいま』あらすじ
1986年、インドのスラム街に住む5歳の少年サルーは、生活費を稼ぐために兄と職探しに出かけます。ところが乗っていた電車で眠りこけてしまったことで、およそ1500キロ離れた都市コルカタ(カルカッタ)まで乗り過ごしてしまいます。
警察に保護されたサルーは孤児として養子に出され、オーストラリアに住むジョンとスー夫妻のもとで成長します。それから25年もの間、満ち足りた生活を送っていたサルーでしたが、生き別れたインドの家族への思いを募らせるあまり、わずかな記憶とGoogle Earthを頼りに、自身のふるさと探しを決意するのでした…。
『LION/ライオン 25年目のただいま』キャスト
青年期のサルー/デヴ・パテル
25年前に生き別れた実の家族の消息を掴みに、単身インドへと渡るサルー。かすかな記憶とGoogle Earthというツールを頼りとした旅の行方は、はたしてどうなるのでしょうか?
サルー役のデヴ・パテルは、2008年のアカデミー作品賞作『スラムドッグ$ミリオネア』で一躍注目を浴び、以降は『チャッピー』、『奇蹟がくれた数式』と多ジャンルの作品に出演。本作『LION/ライオン 25年目のただいま』ではアカデミー助演男優賞にノミネートされています。
スー/ニコール・キッドマン
サルーのオーストラリアでの養母となるスー。実の息子のように愛情深くサルーを育てます。
演じるニコール・キッドマンは、2001年のミュージカル映画『ムーラン・ルージュ』でアカデミー主演女優賞に初ノミネートされ、翌02年の『めぐりあう時間たち』でついに同賞に輝きました。本作『LION ライオン 25年目のただいま』でも助演女優賞にノミネートされています。
ルーシー/ルーニー・マーラ
成長したサルーが心惹かれる女性で、後に恋人となるルーシー。自身のルーツを探そうとするサルーの心の支えとなります。
ルーシー役のルーニー・マーラは、デヴィッド・フィンチャー監督の『ソーシャル・ネットワーク』と『ドラゴン・タトゥーの女』に連続出演し、後者でアカデミー主演女優賞にノミネートされました。2015年の『キャロル』でも助演女優賞にノミネートされるなど、すでに実力派女優としての地位を確立しています。
原作は驚異の実体験を綴ったノンフィクション
この映画の原作は、2012年に出版された「25年目の『ただいま』 5歳で迷子になった僕と家族の物語」。実業家として成功を収めていたサルー・ブライアリー氏が、2011年に実の家族を探した過程を綴ったノンフィクションです。
この手記の映画化権を、映画会社のワインスタイン・カンパニーが1200万ドル(約14億2000万円)で取得しました。
ニコール・キッドマン自身も養母だった
サルーの育ての母を演じたニコール・キッドマン自身も、1990年に結婚したトム・クルーズとの間に2人の養子を迎えています。その後夫妻は2001年に離婚し、子どもたちはトムの下で育てられましたが、彼らとニコールとの関係は今なお良好のようです。
5歳のサルーを演じた少年はシンデレラボーイ
作品冒頭で一人路頭に迷ってしまう5歳のサルーを演じたのは、これが映画初出演となったサニー・パワールです。
彼はインド国内の主要都市で行ったオーディションにおいて、何千人もの候補者の中から選ばれた、文字通りのシンデレラボーイとなりました。
映画『LION/ライオン 25年目のただいま』の気になる日本公開は?
製作国オーストラリアでは2016年9月10日に公開された『LION/ライオン 25年目のただいま』。日本ではギャガ配給により4月7日から全国公開予定です。