映画『プーと大人になった僕』ネタバレあらすじと感想考察 なぜ響く?“大人になった”すべての人に観てほしい!
大人になったクリストファー・ロビンと、プーたちとの交流を描いた映画『プーと大人になった僕』(2018年)。 この記事ではネタバレこみのあらすじや感想にふれながら、本作の魅力を紹介!プーはなぜ、仕事に追われ家族との関係に悩むクリストファー・ロビンの前に現れたのか。現代社会に対するメッセージともとれる、本作のテーマを考察していきます。
映画『プーと大人になった僕』のあらすじ
ディズニーアニメでお馴染みの『くまのプーさん』(1966年)を初めて実写化した作品。 大人になってから日々仕事に追われ、家族とのコミュニケーションもおそろかになっていたクリストファー・ロビン。自身の在り方について思い悩んでいたところに、なんと幼少時代の親友であるプーが現れ突然の再会。 ロビンが大人になって忘れていった大切なものを、少しずつ取り戻していく物語が始まります。
映画『プーと大人になった僕』結末までのネタバレあらすじ
【起】親友との再会
少年クリストファー・ロビンは100エーカーの森の仲間たちに別れを告げ、大人になる準備を始めます。寄宿学校に通い、さらには軍人として戦場への派遣も経験し、その途中で妻となる女性・イヴリンと出会い、マデリンという娘をもうけます。 戦場から無事帰還した後、旅行鞄の製造メーカーに勤務するも、上司から重圧を掛けられ、部下にはリストラ宣告をしなければならないという、苦しい日々の連続。仕事に追われ、家族との関係も悪化し窮地に陥っていたそのとき、プーは突然クリストファー・ロビンの前に現れました。
【承】プーの大切さを噛み締めるロビン
プーと再会し、彼を家に連れて来たクリストファー・ロビン。ですが、彼ののんびりとした自由な行動に次第にイライラを募らせていきます。翌日、プーを100エーカーの森へ帰すため電車に乗り込みますが、そこでもロビンはプーの行動を注意。 そして森に着いてしばらくしたころ、ロビンの怒りはついに爆発!するとプーは目の前からいなくなり、ロビンは1人になってしまいます。そこで改めて、プーのやさしさや大切さを噛み締めることに。 彼はプーを探すなかで、ピグレットやイーヨーとも再会。そしてやっと見つけたプーと仲直りをし、ロビンは改めて仕事のためにロンドンへ戻るのでした。
【転】ロビンの窮地を救うのは……?
ロンドンへ戻ったロビンですが、なんと鞄の中身がすべて木の実や枝にすりかわっています。大事な資料が残された100エーカーの森。プーたちはロビンを助けるために立ち上がり、大切な書類を手にロンドンへ向かいます。 その道中、ロビンの娘であるマデリンと出会ったプー。ロビンを助けるためにマデリンとプーたちはロビンのいる会社へと向かいます。 一方その頃、会社に到着したロビンは「マデリンがいなくなった」と知らせを受け、会議を離席。妻のイヴリンとともに娘を探し始めると、会社の近くまで来ていたマデリンとプーを発見。ですが彼らが届けようとした書類は風に飛ばされ、手元には数枚しか残されていなかったのです。
【結末】クリストファー・ロビンがたどり着いた感動のラスト
書類を失くしてしまい落ち込むマデリン。ロビンは彼女を責めたりせず、無事だったことに安堵し、改めて家族を大切に生きていこうと決意します。 仕事は諦めるしかないと思われたとき、残された書類からロビンは画期的なアイディアを発案。これまでになかった柔軟な発想で窮地を切り抜けます。 新たな案を会議で通し、会社のピンチを救ったロビン。その後、彼は100エーカーの森に家族を招待し、改めてプーたちを紹介します。物語の最後には思い出の木のそばで、彼はプーとかつてのように寄り添い合い、親友との再会に改めて身を委ねるのでした。
【ネタバレ感想】仕事を辞めたくなる?
クリストファー・ロビンに自分を重ね、私ももう少しのんびりと生きていいのではないかと考えさせられました。可愛らしい映画でしたが、そのメッセージは思った以上に社会的。忙殺される日々を送っている、すべての大人に見てほしい作品です。
仕事に思い悩み、これからどうしようかと考えていたときに見た映画でした。まっすぐなプーの言葉が心に染みわたり、もっと柔軟に自由に生きてもいいと励まされた気がします。凝り固まった頭で答えが出ないとき、ふと見返したくなる映画です。
【ネタバレ考察】ストレス社会に生きる人に響いたのはなぜ?
本作に登場するクリストファー・ロビンの境遇を見て、自身と重ねてしまう人は多いのではないでしょうか。 会社員として多忙に働く日々。上司からの圧力でやりたくもない仕事をし、身を粉にして働いた結果、家族との折り合いまで悪くなってしまう。ロンドンを舞台にした映画でありながら、これはまるで現代日本で生きる大人たちを描いているようです。 そしてそんなロビンの前に現れたプーの言葉は、まるで自分にかけられている言葉のように感じられるはず。「『何もしない』をする」「君は壊れてないよ」「僕は僕でいちゃいけないの?」、彼のまっすぐな言葉は心に深く突き刺さります。 本作はストレス社会に生きる人々へのエールであると同時に、新たな生き方を提示してくれる作品。子どもではなく、大人たちに向けて作られた「プーさん」という名のヒューマンドラマとして、ストレス社会に生きる多くのひとに突き刺さるのも納得の内容になっています。
映画『プーと大人になった僕』をネタバレあらすじでおさらい
大人になるにつれて多くを知る反面、見えなくなるものも増えていきます。時には気持ちをすり減らし、そして大切なものを失ってしまうのです。 映画『プーと大人になった僕』は、そんな乾いた心に一筋の光を与えてくれます。そしてかけがえのない日々を思い起こし、本当の自分自身との再会の場となってくれることでしょう。 これを機にプーとクリストファー・ロビンの温かい友情と愛の物語を堪能してみてはいかがでしょうか。