2019年6月8日更新

実写映画『アラジン』の感想をアニメ版と比較しつつ紹介 ウィル・スミスのジーニーやキャストの再現度は?

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ディズニーの名作アニメーション映画『アラジン』の実写化作品が、いよいよ2019年6月に公開されました。今回は実写版のキャストから吹替声優をチェックし、アニメからの再現度を見ていきましょう。

実写映画『アラジン』(2019)はアニメ版と比較してどれだけ再現されている?

近年、クラシック・ディズニーアニメーション作品を続々と実写化しているディズニー・スタジオ。今度はアラビアを舞台にした名作『アラジン』が実写映画として登場しました。 アニメーション版の良さをどのように実写に落とし込むのか、あの名曲はどんなアレンジになっているのか、はたまた新曲は?気になることは尽きませんね。 この記事では、実写版『アラジン』の魅力的なキャラクターたちと彼らを演じるキャストを紹介するとともに、その再現度を検証。また、ガイ・リッチー監督の演出や名曲「ホール・ニュー・ワールド」の出来栄えにも触れていきます。 ※本記事には『アラジン』に関するをネタバレ情報を含んでいます。未鑑賞の方はご注意ください。

実写版とアニメ版のあらすじを比較【ネタバレ注意】

アラジンは砂漠の国アグラバーに住む貧しい青年。“どぶネズミ”と呼ばれる底辺の暮らしをしながらも明るくたくましく生き、いつか自分の力で身を立てる夢を持っていました。 ある日アラジンは街で、お腹を空かせた子どもたちにお金も払わずに店のパンをあげている女性と出会います。アラジンの機転でその女性のブレスレットを店主に渡してその場を切り抜けた二人でしたが、実は渡したフリをしただけ。なんとか追っ手から逃げおおせたアラジンたちは、自分の家に女性を案内します。アラジンは彼女を王宮に住む侍女だと思い、女性は自分の名はのダリアだと答えました。

しかし実はその女性こそ、アグラバー王国の王女ジャスミン。ブレスレットは王妃の形見でした。アラジンにブレスレットを返すように言いますが、ペットの猿ラブーが隠していてその場では返せず、彼女は怒って帰ってしまいます。 アラジンはブレスレットを返すために王宮に忍び込み、彼女がジャスミンとは知らないまま再会して、お互いに惹かれ始めます。しかし、その帰りに侵入者として捕らえられてしまうのです。 そしてそのまま、国務大臣のジャファーに砂漠にある魔法の洞窟に連れて行かれ、彼女がジャスミン王女であることを知らされます。王女と釣り合うような金持ちにしてやる代わりに、魔法の洞窟にある“ランプ”を取ってくるように言われたアラジンは、危険を冒してランプを取りに行くのですが……。

アニメ『アラジン』あらすじをおさらい 実写版との違いは?

砂漠の国アグラバーに暮らす貧しい青年アラジン。彼はいつか王宮で豪華な暮らしをすることを夢見ていました。あるとき、泥棒の濡れ衣を着せられそうになっている女性を助けた彼は、彼女が王女ジャスミンであることを知ります。しかし、アラジンは王女を誘拐しようとしたとして捕まってしまいました。 牢屋に入れられたアラジンは、夜そこにやってきた老人に、脱獄させる代わりに洞窟の奥に隠されたランプを取りに行く取引を持ちかけられます。しかしその老人は、王座を狙うアグラバーの国務大臣ジャファーが変装した姿でした。

アラジン
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なにも知らずに洞窟に入り、ランプを手に入れたアラジンは汚いランプをこすります。すると中からジーニーと名乗る青い魔人が現れ、なんでも3つまで願いを叶えると言いました。話をしているうちにジーニーがランプから開放されたがっていることを知ったアラジンは、3つ目の願いは彼を開放することにすると約束しーー。

アニメ版と実写版の前半のあらすじでの大きな違いは、アラジンが最初に王女誘拐の疑いで捕まってしまうこと。実写版には老人に変装したジャファーは出てきませんでした。

実写版キャストと日本語吹き替え声優一覧表

キャラ名 キャスト 日本語吹替声優
アラジン メナ・マスード 中村倫也
ジャスミン ナオミ・スコット 木下晴香
ジーニー ウィル・スミス 山寺宏一
ジャファー マーワン・ケンザリ 北村一輝
イアーゴ アラン・デュディック(声) 多田野曜平
サルタン ナヴィド・ネガーバン
ダリア ナシム・ペドラド 沢城みゆき
アンダース王子 ビリー・マグヌッセン 平川大輔
ハキム ヌーマン・アチャル
ラズール ロビー・ハインズ

アラジン役/メナ・マスード

アラジン
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貧しくも心優しい純粋な青年、アラジン。ジャスミン王女と恋に落ちた彼は、ジーニーの力を借りてなんとか彼女との距離を縮めようとします。

メナ・マスード
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アラジンを演じるのは、カナダ国籍でエジプト出身のメナ・マスードです。ヒゲのせいか、アニメ版よりほんの少し大人っぽく見える気もしますね。しかし、筋肉のつきすぎていないほっそりした体型やジャスミンとの身長差など、アニメ版からの再現度はなかなかな高いのではないでしょうか。 2011年よりテレビ界を中心にキャリアを重ねてきたマスードは、これまでに『Open Heart(原題)』(2015)や『ジャック・ライアン』(2018)などのテレビドラマに出演。イギリスや中東、インドで行われたオーディションを突破し、アラジン役を射止めました。

吹替声優:中村倫也

日本語吹替版でアラジンの声を担当するのは、俳優の中村倫也です。 中村は、2005年に映画『七人の弔』で俳優デビュー。その後、数々の映画やドラマに出演し2018年にはNHK朝の連続テレビ小説『半分、青い。』や『今日から俺は!!』、2019年には『初めて恋をした日に読む話』に出演し、注目を集めています。 中村はアラジンについて「ジャスミンを誘って一緒にいろんな世界を見て回ろうという、優しさと強さ、ちょっとした強引さがありながら、素敵な体験をさせてあげる……」と語り、「そういう幸せな気持ちやキラキラした感情がいっぱいのシーンになればいいなと思って吹替しました」と「ホール・ニュー・ワールド」の歌唱シーンを振り返っています。

ジーニー役/ウィル・スミス

アラジン ジーニー ウィル・スミス
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ランプの魔人ジーニーは、陽気で楽しいことが大好きなキャラクター。ついふざけてしまったり、やりすぎてしまうこともあります。しかし実はランプに閉じ込められた人生を窮屈に感じており、これまでの“主人”が、願いを叶えてしまえば自分に興味を示さなくなることを嘆いていました。

ウィル・スミス
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人気キャラクター、ジーニーを演じるのはハリウッドスターのウィル・スミス。ジーニーの衣装や髪型などは完璧に再現されています。しかしその見た目については「ただの青いウィル・スミス」という意見もあるようです。今回のジーニーについて演じるスミス本人は「アニメ版とは違った解釈のヒップホップなイメージになる」と語っており、新たなジーニー像の誕生となりそうですね。

吹替声優:山寺宏一

ジーニーの吹替を担当するのは、アニメ版と同じく山寺宏一。山寺にとってジーニーは「愛おしいくらいに大切で特別な存在」と語るほど思い入れの強いキャラクターだけに、「自分に話が来なかったらどうしよう」という不安もあったそうです。 ウィル・スミスのキャスティングについてもぴったりだと感じたと言っており、アニメ版とはどのような違いがあるのか注目ですね。

ジャスミン役/ナオミ・スコット

アラジン ジャスミン ナオミ・スコット
©WALT DISNEY PICTURES

アグラバーのジャスミン王女は、父である王が勝手に進めている結婚話にうんざりしています。また、なかなか城の外に出ることもできない生活に退屈しており、城を抜け出してこっそり街に行くことも。

ナオミ・スコット
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ジャスミンを演じるナオミ・スコットは、イギリス・ロンドンでインド系の母とイギリス人の父のもとに出生。幼少のころから音楽活動をスタートし、2008年に母国のディズニー・チャンネルのテレビドラマ『Life Bites(原題)』でデビュー。その後、ディズニーのミュージカル映画『レモネード・マウス』(2011)や、『パワーレンジャー』(2017)への出演で頭角を現しました。 美しい王女ジャスミンの再現度はきらびやかな衣装も含めてほとんど完璧ではないでしょうか。また、実写版『アラジン』にはアニメ版では存在しなかったジャスミン王女のソロ・ナンバーがあると発表されています。楽曲自体にも期待が寄せられますが、スコットの歌声にも注目です。

日本語吹替:木下晴香

吹替版でジャスミンを演じるのはミュージカル女優として活躍している木下晴香です。 佐賀県出身の木下は、小学3年生から地元のミュージカル劇団に所属して歌や演技の基礎を学びました。その後、2015年に『赤毛のアン』で全国デビュー。2017年にはミュージカル『ロミオとジュリエット』のジュリエット役に抜擢され、その後も大きな舞台で活躍を続けています。 木下はジャスミンを演じたことについて、「本当に嬉しいです。数あるディズニー作品のなかでも本当に大好きな作品の一つで、まだどこか信じられない自分がいる」としながらも、「思い続ければ願いは叶う!」と力強いコメントを寄せています。

ジャファー役/マーワン・ケンザリ

アラジン,ジャファー
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アグラバー王国の国務大臣にして、王位の略奪やアラジンの暗殺を目論むジェファー。一時はジャスミンと結婚しようとさえする、金と権力を手に入れるためには手段を選ばない男です。

マーワン・ケンザリ
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そんなジャファーを演じるのは、オランダ出身のチュニジア系俳優マーワン・ケンザリ。2008年に母国で俳優デビューを飾ったケンザリは、2013年に『Wolf(原題)』に主演し、翌年ベルリン国際映画祭のシューティング・スター賞を獲得。アラビア語を含む四ヶ国語に堪能という語学力も活かし『アウトバーン』(2016)や『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』(2017)、『セブン・シスターズ』(2017)といったオランダ国内外の作品で活躍しています。 実写版ではジャファーの衣装は再現されつつ、更に豪華なものにアップデートされています。また、演じるケンザリはアニメ版よりも若くイケメンですが、その演技に期待したいですね。

監督はガイ・リッチー、スタイリッシュなアクションシーンも見どころに!

ガイ・リッチー
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実写版『アラジン』の監督を務めたのは、アクション映画を得意とするガイ・リッチー。これまでに「シャーロック・ホームズ」シリーズ(2009、2011)など、多くの作品でそのスタイリッシュな演出とアクションで高い評価を受けています。 常識に縛られない人物たちを描くことが得意なリッチーは、最初から本作の監督を希望していたそうです。本人によれば「私が作る物語はストリートの無法者たちの話です。どう描けばいいかわかっているんです。アラジンもそういった古典的なキャラクターですから」とのこと。 アクションに関してはさすがリッチー作品らしくスタイリッシュ!アラジンが颯爽とパルクールを用いてアクロバティックに追手を振り切るシーンが冒頭の見どころです。 また他にも、アラジンが洞窟にランプを取りに行くシーンやクライマックスの魔法の絨毯に乗ってのランプ争奪戦など、従来のディズニー・ミュージカル映画とは一線を画した、ドキドキするようなアクションが充実した作品となっています。

ジーニーの青さ以外の再現度も気になる!各キャラクターはどれくらい忠実?

まずは気になるジーニーの再現度とは?

実写版『アラジン』で一番再現度が気になるのは、なんといってもジーニーかもしれません。予告編やポスターなどで見たウィル・スミスのジーニーは“青すぎるウィル・スミス”といった感想もありましたが、実際に画面を所狭しと動き回るジーニーを見ると、アニメ版に負けず劣らずの強烈な個性を発揮していたように思います。 青いジーニーは100%CGだとインタビューで語っていたウィル・スミス。言われなければ上半身だけ普通に彼が演じているようにも見えるから驚きです!ファンキーなウィル・スミスのキャラも全開でした。 特にジーニー最大の見せ場である「フレンド・ライク・ミー」を歌う場面では、アニメ版をしっかり踏襲しつつ、キレのあるダンスも取り入れるなど実写版オリジナルのシーンに作り変えていました。 ジーニーについてもう1点どうしても触れておきたいのが、27年ぶりに再び同役の声優を担当した山寺宏一。アニメ版ではロビン・ウィリアムズに合わせて高めでコミカルに、実写版ではウィル・スミスに合わせて低めでファンキーに演じ分けている点が、さすがの一言!

アラジンはよりアクティブに、ジャファーはかなりオリジナリティが強い?

主人公のアラジンを演じたメナ・マスードは、顔はアニメ版アラジンの“トム・クルーズ似”よりもかなり濃い、まさに中東系の美男子ですが、動きがアニメ版さながらの非常にアクティブなキャラクターに仕上がっていました。そのアクションが一番際立っていたのが、冒頭の街での逃走劇とランプを取りに行く洞窟でのシーン。特に崩れゆく洞窟で逃げ惑う様はアニメ版に忠実に描かれ、息をのむ仕上がりとなっています。 アラジンが恋する王女ジャスミンはアニメ版のエキゾチックな顔立ちが印象的でした。ナオミ・スコット演じる実写版ジャスミンはまさに現実世界に現れたプリンセス!その美しさは息を呑むほどです。また、ジャファーにもきっぱりと物申す勝気な性格やアリ王子の中身を見抜く鋭い観察眼も、しっかりと再現しています。もちろんエキゾチックな面持ちもあり、王女の風格もあり、申し分のないプリンセスだったのではないでしょうか。 アラジンを利用し陥れるジャファーは、アニメ版と比べるとかなり別物です。見た目も声も、アニメ版の嫌味な感じよりはかなり“イケメン”なヴィラン。しかしそれが、実写版オリジナルの要素としては優っていたように感じました。いかにもアニメのヴィランらしい描写だった「アバヨ、王子様」が割愛されており、より実写らしいリアルな演出でジャファーのまがまがしさを表現しています。 もう一つ特筆すべきは、本作の影の功労者といってよいほどの活躍を見せた魔法の絨毯とアラジンの愛猿アブー。どちらもアニメ版と比べてみても遜色ない、その仕草の愛らしさと躍動感に魅せられること間違いなしです!

名曲「ホール・ニュー・ワールド」が実写版で再び

本作の楽曲を手がけるのは、ディズニーの数々のアニメーション作品で名曲を生み出してきたアラン・メンケンと新鋭の作曲家コンビ、パセク&ポールです。

ディズニー・レジェンドの作曲家!アラン・メンケン

メンケンはこれまでアニメ版『アラジン』(1992)のほかに、『リトル・マーメイド』(1989)、『美女と野獣』(1991)、『ポカホンタス』(1995)、『ノートルダムの鐘』(1996)など、多くの作品の劇中歌を手がけた、ディズニー・アニメーション映画における楽曲制作陣の重鎮です。 その代表作には『リトル・マーメイド』の「アンダー・ザ・シー」などがありますが、なんといっても『アラジン』でジーニーが歌う「フレンド・ライク・ミー」や、ジャスミンとアラジンのデュエット曲「ホール・ニュー・ワールド」の生みの親として有名です。

『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞を受賞の作曲家ユニット、パセク&ポールが参加

実写版ではメンケンとともに、パセク&ポールがオリジナル楽曲を共同制作しています。パセク&ポールは、ベンジ・パセクとジャスティン・ポールの2人からなる作曲家チーム。彼らは『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』(ともに2017)への楽曲提供で広く知られています。 実写版ではジャスミン王女のソロ曲「スピーチレス〜心の声」が新曲として追加されました。この曲でパセク&ポールが作詞、アラン・メンケンが作曲を手がけています。劇中の重要な場面でジャスミン王女を演じたナオミ・スコットがこの曲を力強く歌い上げており、実写版ならではの名シーンとなりました。

名曲「ホール・ニュー・ワールド」再び!あの名場面が実写で蘇る

アラジンとジャスミンが魔法の絨毯に乗り、世界中を飛び回る場面を印象的に彩った名曲「ホール・ニュー・ワールド」。もちろん実写版『アラジン』でも、かなり忠実にこの名シーンを再現していました。 メナ・マスード演じるアラジンとナオミ・スコット演じるジャスミンが、劇中でもこの楽曲を実際に歌っており、世界の名所を背景にした壮大でロマンティックな“マジック・カーペット・ライド”を見事に蘇らせています。

また日本語吹替版は「プレミアム吹替版」として、やはりアラジンの声優・中村倫也とジャスミンの声優・木下晴香が劇中で歌唱しており、英語版とはまた違った魅力でうっとりするような素敵なシーンを作り上げています。英語版と聴き比べてみても面白いかもしれませんね!

ディズニーの実写映画『アラジン』は2019年6月7日から全国公開!

名作アニメーション映画の実写化として注目が集まる『アラジン』。実績のある監督がメガホンを取り、ディズニーの伝説的作曲家と新鋭の作曲家チームが一丸となって作り上げました。 世界各国で行われたオーディションで選ばれたキャストたちの演技や歌声も期待以上の出来栄えで、とりわけハリウッドスターのウィル・スミスが演じるジーニーの姿はあらゆる意味で衝撃的!また新たにディズニー実写映画の名作が生まれたといえるでしょう。 実写映画『アラジン』は2019年6月7日から全国公開、6月14日にはアニメ版『アラジン』も「金曜ロードSHOW!」でテレビ放送されます。劇場で実写版を観てから、テレビでアニメ版を観て比較してみるのも楽しそうですね!