2019年7月12日更新

【ネタバレ】『トイ・ストーリー4』解説&秘密のトリビア集 完璧なエンディング後になぜ新作が作られたのか?

『トイ・ストーリー4』
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映画『トイ・ストーリー4』が2019年7月12日に公開。この記事では、本作のテーマやメッセージを徹底解説。さらに、作品内に散りばめられたトリビアも紹介しています。

『トイ・ストーリー4』徹底解説 "語るべき物語”とは何だったのか?

すべての子ども、もしくは昔は子どもだった大人たちを夢の世界に誘う「トイ・ストーリー」シリーズ。1996年に1作目、1999年に2作目が公開され、いずれも大ヒットを記録しました。 そして、10年ぶりに公開された続編『トイ・ストーリー3』でこれ以上ない完璧なエンディングを迎え、ファン達は「トイ・ストーリー」シリーズの終幕を確信したものです。 しかし、2019年7月12日に第4作目『トイ・ストーリー4』が公開されました!ピクサーが続編を作るということは、過去の作品を上回るほどの“語るべき物語”が出来たということ。 それいったいどんなものなのでしょうか。この記事では、『トイ・ストーリー4』のあらすじやキャラクターとともに、隠されたトリビアも紹介。さらに、本作のテーマやメッセージを徹底解説します。 ※この記事には、『トイ・ストーリー4』に関するネタバレ情報を含んでいます。未鑑賞の方はご注意ください!

「トイ・ストーリー」シリーズの過去作品はこちらからチェック

『トイ・ストーリー4』の気になるあらすじ

新たな持ち主、ボニーを見守るウッディたち。ウッディは“おもちゃのしあわせは子供のそばにいること”と考えていました。そんな彼らの前にある日突然現れたのは、ボニーの手作りおもちゃ「フォーキー」。彼はボニーのいちばんのお気に入りにもかかわらず、自分をゴミだと思い込み逃げ出してしまいます。 ボニーのためにフォーキーを探す冒険に出たウッディは、かつての仲間ボー・ピープとの再会し、新たなおもちゃたちとの出会います。そこでウッディが知った“見たこともないおもちゃの世界”とは?

押さえておきたい『トイ・ストーリー4』に登場する新キャラクター

フォーキー(声:トニー・ヘイル/吹替:竜星涼)

フォーキー『トイ・ストーリー4』
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フォーキーは、ボニーが先割れスプーンで作った手作りおもちゃ。彼女のいちばんのお気に入りになりました。 しかしフォーキー自身は、先割れスプーンとしての本来の役割が果たせないため、自分をゴミだと思っており、目を離すとすぐにゴミ箱に入りたがります。「ぼくはおもちゃじゃない!」と彼が逃げ出したことが、ウッディの冒険のきっかけとなります。

ダッキー&バニー(ダッキー声:キーガン=マイケル・キー/吹替:チョコレートブラネット・松尾駿)(バニー声:ジョーダン・ピール/吹替:チョコレートプラネット・長田庄平)

ダッキー&バニー『トイ・ストーリー4』
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青いウサギのぬいぐるみバニーとアヒルのぬいぐるみのダッキー。移動遊園地の景品で、持ち帰ってもらうことを夢見ている彼らは、その可愛らしい見た目に反してかなりの毒舌です。 解禁された映像では、バズの名セリフをネタに、息がピッタリ合った漫才のような掛け合いを披露してくれています。今後ダッキー&バニーのコンビは、もふもふの可愛らしい見た目と毒舌のギャップがうけ、多くの人を虜にしていきそうです。

デューク・カブーン(声:キアヌ・リーブス/吹替:森川智之)

デューク・カブーン『トイ・ストーリー4』
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『トイ・ストーリー4』の新キャラクターであるデューク・カブーン。実在するカナダ人スタントマンがモデルとなっている人形で、バイクとセットのおもちゃです。 デューク・カブーンはカナダ出身のバイクスタントマンのおもちゃです。曲乗りを得意としており、豪快でなかなかクセのある性格。本編でどんな活躍を見せてくれるのか注目ですね。 彼の声を担当するのは「マトリックス」シリーズや「ジョン・ウィック」シリーズなど、数々の大ヒット作に出演しているキアヌ・リーブス。アニメ声優初挑戦のキアヌはバイクスタントマンのおもちゃということで、普段とは違った声で演じています。

ギャビー・ギャビー(声:クリスティナ・ヘンドリクス/吹替:新木優子)

ギャビー・ギャビー『トイ・ストーリー4』
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ボイス・ボックス内蔵のかわいらしい人形のギャビー・ギャビー。背中のひもを引くと音声が出るはずでしたが、製造不良のためおしゃべりができません。

ギグル・マクディンプルズ(声:アリー・マキ/吹替:竹内順子)

ウッディ、ボー、ギグル『トイ・ストーリー4』
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ギグル・マクディンプルズは、1980年代にシリーズ発売された小さなプラスチック人形で、ボーの親友。いつもボーの肩に乗っています。はっきりとものを言う性格で、ボーの良きアドバイザーでもあります。「トイ・ストーリー」シリーズ最小のおもちゃである彼女の活躍にご注目!

おなじみのキャラクター&声優を紹介

ウッディ(声:トム・ハンクス/吹替:唐沢寿明)

ウッディ『トイ・ストーリー3』
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かつての持ち主、アンディのいちばんのお気に入りだったカウボーイ人形。背中の紐を引っぱると「俺のブーツにゃガラガラヘビ」、「ヒーハー!」などの音声が流れます。ボニーのおもちゃとなった後も、“おもちゃのしあわせは子供のそばにいること”と考え、彼女を見守っています。 本作では、自分をゴミと思い込み脱走したフォーキーを追って、冒険に出ることに。

バズ・ライトイヤー/日本語吹替声優:所ジョージ

バズ・ライトイヤー『トイ・ストーリー3』
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アンディのもとにやってきたときは最新型のアクション・フィギュアだった、スペースレンジャーのバズ・ライトイヤー。ウッディとは親友であり相棒です。 本作ではフォーキーを探しに行ったきり帰ってこないウッディを心配して、彼を救出しに行きます。

ジェシー(声:ジョーン・キューザック/吹替:日下由美)

ジェシー『トイ・ストーリー3』
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ウッディの妹であるカウガール人形。おてんばで快活な性格です。ボニーは彼女もお気に入りらしく、よく遊んでいます。本作ではウッディを救出するため、密かな活躍を見せます。

ボー・ピープ(声:アニー・ポッツ/吹替:戸田恵子)

ボー・ピープ『トイ・ストーリー4』
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ランプスタンドの飾り人形だったボー・ピープ。かつてはアンディの妹モリーのものでしたが、ウッディたちとともにアンディのごっこ遊びによく加わっていました。前作『トイ・ストーリー3』には登場しませんでしたが、本作ではパンツスタイルを着こなすたくましい女性に。また、彼女が前作に登場しなかった理由も明らかになります。

その他のキャラクター

『トイ・ストーリー4』
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前作につづいてもともとボニーの部屋にいたおもちゃも登場。そのなかでも、リーダー格ともいえるのが紫色の髪をしたぬいぐるみの女の子ドーリー。また、チロル地方の半ズボンを履いたハリネズミの人形、ミスター・プリックルパンツも再び登場します。 また、アンディのもとからボニーにもらわれてきたおなじみの仲間たちももちろん登場。しかし、ブタの貯金箱であるハムは、これまでの作品で吹替版声優を務めてきた大塚周夫が2015年に亡くなったため、咲野俊介に交代しました。同じく胴体がバネになった犬のおもちゃ、スリンキーの声を担当していた永井一郎も2014年に死去したため、本作からは辻親八が吹替を担当します。

『インサイド・ヘッド』の脚本家ジョシュ・クーリーが初めて長編監督に

ジョシュ・クーリー
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本作の監督ジョシュ・クーリーは、これまでも『Mr. インクレディブル』(2004)や『レミーのおいしいレストラン』(2007)、『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)など、多くのピクサー作品でストーリーボードアーティストとして活躍。そして、2015年には『インサイド・ヘッド』で脚本家を務めています。そんなクーリーが初めてメガホンを取り、『トイ・ストーリー4』を完成させました。 また、もともとラブストーリーになると言われていた本作は、当初脚本家としてそのジャンルを得意とする女優ラシダ・ジョーンズとウィル・マコーマックのコンビを招きました。しかし、「哲学面での相違」が原因で、彼らは降板してしまいます。 その後任となったのは、ノンクレジットではありますが『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)の脚本に参加していたステファニー・フォルサム。彼女が執筆した脚本はハリウッドのブラックリスト(映画化されれば必ずヒットするとされる脚本のリスト)に選出されるほど。今回、初めて長編作品の脚本を担当することで、注目が集まっています。

さらに進化している映像技術!

 『トイ・ストーリー4』
©Supplied by LMK/zetaimage

高い映像技術を誇るピクサーですが、そのテクノロジーは今なお進化しています。 本作で特にその進化が感じられるのは、ボー・ピープの質感。ボーのアクションシーンが多い本作ですが、どんなに動き回っても彼女が陶器製であると感じられる映像に仕上げるというチャレンジを、アニメーター陣は見事にクリアしました。 また、映画冒頭の迫力のある豪雨のシーンから薄暗いアンティークショップの景色、膨大な数のライトが点滅する移動遊園地のシーンなど、進化した技術を駆使して情感豊かで美しい映像が目を引きます。背景の映像がリアルであるほど、ウッディたちがおもちゃであることもリアルに感じられるのです。

『トイ・ストーリー4』解説 シリーズの共通点と新たなテーマとは?【ネタバレ】

“まだ語られていない物語”とは何だったのか?

『トイ・ストーリー3』
©️Photofest/Walt Disney Pictures

『トイ・ストーリー4』が製作されたのは、“まだ語られていない、語るべき物語”があったからだといいます。『トイ・ストーリー3』はウッディと持ち主アンディとの物語の最高の“終わり”でした。「でも、私たちはそこに新しい始まりを見てもいました。 アンディとウッディの物語は終わりましたが、彼のその後については、まだ語るべきストーリーが残っていると感じたのです」とプロデューサーのマーク・ニールセンはピクサーの試写イベントで語りました。 新しい持ち主・ボニーの手に渡ったウッディと仲間たちの状況は、どんなふうに変わったのか。それによってウッディはどんな影響を受けるのか。それを探索したのが本作です。また、ボー・ピープをウッディの人生に再び登場させるというアイディアも、製作の大きな動機づけになったのだとか。 観客が気になっていたのは、やはりボー・ピープがいなくなった経緯ではないでしょうか。それについては、本作でやっと知ることができました。ウッディは新たな冒険とボーとの再会を通して、世界は自分が思っていたよりもずっと広いものだと知ります。そして彼が経験する大きな“変化”こそ、本作が語るべき物語でした。

「トイ・ストーリー」シリーズに共通するテーマ

アンディ『トイ・ストーリー3』
©️PIXAR/DISNEY/zetaimage

「トイ・ストーリー」シリーズに共通する大きなテーマは、“自分は何者なのか?”、“自分がするべきこととは?”というものです。1作目ではバズが自分はおもちゃであると気づき、その役割を受け入れました。 2作目では、年代物の貴重なおもちゃであるウッディがアンディのそばにいることこそが自分の役割だと信じ、博物館行きを逃れます。そして3作目では、大人になったアンディにはおもちゃが必要なくなったことを受け入れ、ウッディは新しい持ち主ボニーのもとへと移りました。 本作でそんなアイデンティを探索するのはフォーキーです。彼は先割れスプーンとして本来の目的を果たすことができず、おもちゃとしての役割を押し付けられてしまいました。自分は場違いだという違和感を抱えながら多くのおもちゃたちと出会い、彼は居場所と役割を見出していきます。

『トイ・ストーリー4』のテーマ/メッセージ

フォーキーとウッディ『トイ・ストーリー4』
©PIXAR/DISNEY/zetaimage

シリーズを通しておもちゃたちは、子供を見守る親のような視点を持った存在として描かれてきました。それは本作でも変わっていません。 ボニーのもとに移り、あまり遊んでもらえなくなりましたが、幼い彼女を見守ることが自分の役割だと考えているウッディ。だからこそ、彼女のお気に入りであるフォーキーを連れ戻すために、彼は危険な冒険に出たのです。

しかし本作のもうひとつのテーマは、「生き方はひとつではない」ということ。 これまで「トイ・ストーリー」シリーズでは、“決まった持ち主のいないおもちゃは不幸”と描かれていました。本作で再登場したボー・ピープは、決まった持ち主のいないおもちゃです。しかし、彼女は決して不幸ではありません。自分の思うままに子供が集まる公園やイベントに行き、多くの子供たちと遊ぶ“人生”を選択したのです。決まった持ち主がいないからこそできる、そんな生き方はウッディにとって衝撃的でした。 彼女やその仲間たちの生き生きとした様子を見たウッディには、ある変化が訪れます。そして、ボニーのもとを去り、ボーたちとともに広い世界に飛び出すことを選んだのです。 「トイ・ストーリー」シリーズがおもちゃを親に重ね合わせて描いてきたことを考えると、“子供のいない人生は不幸”ではなく、身軽に自由を謳歌する生き方も肯定する作品になっているのです。

『トイ・ストーリー4』の楽しいトリビア&隠れ〇〇【ネタバレ注意】

あの名作ホラー映画へのオマージュ

シャイニング、ジャック・ニコルソン
©Warner Bros. Pictures/zetaimage

実はこれまでも「トイ・ストーリー」シリーズには、ある名作ホラー映画へのオマージュが隠されていました。それは、スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』(1980)。たとえば第1作目の悪ガキ、シドの家のカーペットの柄は、『シャイニング』の山荘のものと同じでした。 もちろん『トイ・ストーリー4』にも同作へのオマージュが隠されています。

物語の舞台がアンティークショップに移り、ギャビー・ギャビーの不吉な登場シーンでかかる音楽はレイ・ノーブルによる『真夜中、星々と君と(原題:Midnight, The Stars and You)』。これは、『シャイニング』のラストシーンでかかり、有名になった曲です。 また、ダッキーとバニーがある女性を脅かすシーンでは、女性が叫びながら逃げるとき彼女の家の番地が237であることがわかります。これは、『シャイニング』の呪われた部屋の番号。主人公ジャックが美しい女性と出会ったと思いきや、鏡に映った彼女は老婆だったというシーンの部屋番号です。

バズには別のキューブリック作品の小ネタが

2001年宇宙の旅
©MGM

本作では、ウッディだけでなく新キャラクターのギャビー・ギャビーなど内蔵音声のある人形がポイントになっています。知ってのとおりバズにも内蔵音声があり、「無限のかなたへ、さあ行くぞ!(To infinity, and beyond!)」がおなじみですね。

しかし、本作ではバズの内蔵音声として初めて再生されるセリフがあります。それは「ポッドベイのドアを開けてくれ(Open the pod bay doors.)」。 これはスタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』(1968)に登場するセリフです。人工知能HAL9000が人間に反乱を始めるシーンのセリフとして有名で、Apple社のSiriにこのセリフを投げかかると映画のHALと同じセリフを返してくれることでも知られています。

他のピクサー作品からのカメオ出演は?

ピクサー作品の楽しみのひとつは、やはり他作品のキャラクターのカメオ出演。もちろん本作にも、さまざまなキャラクターがこっそり登場しています。

まず紹介したいのは、アンティークショップのピンポールマシンに隠れているおもちゃたちのひとり、ティニーです。彼は「トイ・ストーリー」シリーズの原点となった1988年の短編映画『ティン・トイ』の主人公。第1作目の『トイ・ストーリー』にもカメオ出演していましたが、今回はしっかりと登場しています。 アンティークショップのシーンには多くの遊びが隠されていますが、ティニーの他にも「トイ・ストーリー」シリーズに2度目のカメオ出演となったキャラクターが。 それは、『バグズ・ライフ』(1998)と同時上映された短編『ゲーリーじいさんのチェス』の主人公ゲーリー。彼は『トイ・ストーリー2』におもちゃの修理人として登場していました。本作では、アンティークショップのカウンターの後ろに彼の白黒写真が飾られています。店主のマーガレットとの関係が気になりますね。

また、ボニーが幼稚園に体験入園したときのクラスメートや、移動遊園地にいる子供たちにも注目。どこかで見た子がいますよ。

やっぱり見つけたいルクソーボールとピザプラネットの車

『ルクソーJr』
© Buena Vista/Photofest/zetaimage

ピクサー作品を観るときには、背景にも目を凝らしてルクソーボールやピザプラネットの車を探す人も多いのではないでしょうか。しかし今回は、どちらも見つけるのが少し難しいかもしれません。なぜなら、どちらもその「物」としては映り込んでいないからです。

ルクソーボールは、あるシーンで同じ模様がいくつも登場します。それは、バズやダッキー&バニーが吊るされている射的の景品の中にあるロケットのおもちゃ。黄色い円に赤い星のステッカーが貼ってあるのがわかります。 また、ピザプラネットの車は黄色い車体と屋根の上のロケット型のライトが目立つので、これまでは比較的見つけるのが簡単でした。しかし、今回は難易度高め。移動遊園地の職員の脚にそのタトゥーが入っています。よほどピザプラネットが好きなのでしょう。知って入れば見つけるのは簡単ですね。

『トイ・ストーリー4』は2019年7月12日から公開中!

『トイ・ストーリー4』
©Supplied by LMK/zetaimage

『トイ・ストーリー3』で新たな持ち主・ボニーの手に渡ったウッディたち。彼らの新たな冒険はいったいどんなものになるのでしょうか。また、久しぶりにボー・ピープが登場し本作で語られる彼女が前作に登場しなかった経緯にも注目ですね。 フォーキーやデューク・カブーンなど、個性的な新キャラクターたちの活躍も気になる『トイ・ストーリー4』。今まで明かされなかった“本当の「トイ・ストーリー」”を存分に楽しみましょう!