喧嘩だけじゃない!おすすめ不良・ヤンキー映画15選【邦画・洋画】
タップできる目次
- 心動かされる感動ストーリーが魅力の不良・ヤンキー映画
- 「クローズZERO」シリーズ
- 『ドロップ』(2009年)
- 「ガチバン」シリーズ(2008年〜)
- 『GO』(2001年)
- 『下妻物語』(2004年)
- 「HiGH&LOW」シリーズ(2015年〜)
- 『青い春』(2002年)
- 『キッズリターン』(1996年)
- 『ビー・バップ・ハイスクール』(1985年)
- 「岸和田少年愚連隊」シリーズ(1994年〜)
- 『SWEETSIXTEEN』(2002年)
- 『トレインスポッティング』(1996年)
- 『ウエスト・サイド物語』(1961年)
- 『クライベイビー』(1990年)
- 『理由なき反抗』(1955年)
- 汗と涙で彩られた不良映画はいつの時代も色あせない
心動かされる感動ストーリーが魅力の不良・ヤンキー映画
ヤンキーや不良による暴力を描いた映画は、昔から今に至るまで常に一定の支持を集めています。普段はなかなか近寄りがたい不良の世界は、多くのひとが興味をそそられるのかもしれません。 そこで今回は、おすすめの不良・ヤンキー映画15作品を紹介。喧嘩シーンだけではなく、感動的なストーリーや俳優陣の鬼気迫る演技など、見どころも分かります。
「クローズZERO」シリーズ
豪華キャスト陣が魅力!2000年代を代表する不良映画
高橋ヒロシによる漫画『クローズ』の実写映画シリーズ。2020年5月時点で3作品公開されている人気作です。本シリーズは、原作漫画の前日譚をオリジナルストーリーで描いています。これは原作者たっての希望で実現したようです。 シリーズ1作目、2作目の監督を務めたのは三池崇史監督。バイオレンス映画の巨匠が手掛けたことで、迫力ある喧嘩シーンが見ものとなっています。 小栗旬、桐谷健太、三浦春馬、山田孝之など、出演俳優陣もとても豪華。興行収入はシリーズ合計で60億円以上を記録し、不良映画としては異例のヒットシリーズとなりました。その人気を受けて、映画オリジナルストーリーが漫画に逆輸入されています。
『ドロップ』(2009年)
品川ヒロシ監督の衝撃デビュー作!
人気お笑い芸人・品川庄司の品川ヒロシによる同名の小説の映画化作品です。監督と脚本も品川自らが務めました。不良に憧れる少年・ヒロシが転校をきっかけにヤンキーになっていく姿が、コメディ要素たっぷりに描かれています。 主演は成宮寛貴が務めています。二枚目の俳優がコミカルなキャラクターを全力で演じたことで、当時かなり話題となりました。お笑い芸人でもある品川ヒロシ監督作ということで、品川庄司、ピース、レイザーラモンHGなど多数のお笑い芸人が出演していることにも注目です。 また助演の水嶋ヒロは本作の演技が高く評価され、日本アカデミー賞の新人俳優賞にノミネートされました。
「ガチバン」シリーズ(2008年〜)
2008年から始まった不良映画「ガチバン」シリーズは2020年5月現在までにVシネマ作品を含めて23作品も発表されている人気作品です。シリーズ初期は窪塚俊介、その後は窪田正孝が主に主演を務めたことで知られています。 作品の特徴は、とにかく主人公が喧嘩に強いこと。ヤンキー作品というと喧嘩が弱い主人公が少しずつ成長していくというストーリーが多い中、本作は最初からとにかく強い主人公が暴れまわります。観ていて爽快感すら覚えるくらいの気持ちのいい喧嘩シーンが魅力です。 また永野芽郁、山田裕貴など、人気が出る前に本作に出演していた俳優が多数いることでも有名なシリーズ。人気俳優の下積み時代の演技が楽しめるのも魅力かもしれません。
『GO』(2001年)
アカデミー賞にノミネートされた名作不良映画!
直木賞を受賞した同名の小説を実写化した作品。在日韓国人の男子高校生が、自分のアイデンティティについて思い悩む姿を描いています。監督は行定勲、脚本は宮藤官九郎が務めました。 見所は、なんといっても主演の窪塚洋介と柴咲コウの演技です。本作の演技が高く評価され、それぞれ日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞に輝きました。長年実力派俳優として人気の二人ですが、その印象を決定づけたのは本作かもしれません。また作品自体も世界中で絶賛され、アカデミー賞外国語作品賞にノミネートされました。 派手な喧嘩シーンが多い作品ではありませんが、主人公の心の内面をうまく描いている点や、出演陣のリアルな演技が魅力の作品です。
『下妻物語』(2004年)
ヤンキーとゴスロリ!?禁断のコンビ結成!
嶽本野ばらによる同名小説の実写映画作品。茨城県下妻市を舞台に、ゴスロリ少女と暴走族の少女の不思議な友情を描いています。監督を務めた中島哲也は本作がきっかけで注目を集め、その後『嫌われ松子の一生』や『告白』など、ヒット作を次々と生み出しました。 魅力は軽快なテンポで進むストーリーと、アニメーションも使った絶妙な演出。一見テレビコマーシャルのような映像に驚くかもしれませんが、気がつけば物語にどんどん引き込まれていきます。 水と油のような正反対の二人の主人公が、お互いの補うように交流を深めていく物語はとても感動的。また樹木希林、篠原涼子、荒川良々など、共演陣の演技にも注目です。
「HiGH&LOW」シリーズ(2015年〜)
LDHファミリー総出演!作りこまれた世界観が魅力
人気ダンスボーカルユニット集団EXILE TRIBEから派生した作品です。「総合エンターテイメントプロジェクト」と称して、テレビドラマ、マンガ、そして映画など様々なメディアで展開。映画は2020年5月時点で7作品が公開されており、シリーズ累計興行収入は60億円以上を記録しています。 このシリーズのコンセプトは「全員主役」。不良グループの抗争や、仲間同士の熱い友情を、さまざまな登場人物の視点から描いているところに多くのファンが夢中になっているようです。人気俳優が多数所属しているEXILE TRIBEならではの手法と言えます。 またEXILE TRIBE以外にも多くの有名俳優やアーティストが出演していて、純粋に作品としても高いクオリティを誇っています。
『青い春』(2002年)
あの有名人も出演していた!?豪華キャストに注目
松本大洋の短編漫画『青い春』の実写映画化作品。学校の屋上で「ベランダゲーム」という命がけの根性試しをする、無気力な不良たちの暗く重い青春を描いた作品です。非常に暴力的なシーンが多い作品で、特にラストシーンの衝撃は今でも語り草になっています。 主演を務めたのは、当時まだ高校生だった松田龍平。過激な内容だったこともあり所属事務所は出演を見送るつもりでしたが、本人の強い希望で主演を務めたとのこと。その迫真の演技は、現在に通じる才能を存分に感じさせるものとなっています。 共演には瑛太、塚本高史、又吉直樹など、絶大な人気を誇るキャスト陣が集結していました。彼らの若かりし頃の演技にも注目です。
『キッズリターン』(1996年)
キタノ映画の真骨頂を味わえる名作
日本が誇る巨匠・北野武が手掛けた本作。1996年に公開されると各方面から高い評価を受け、カンヌ国際映画祭へ出品もされました。 二人の高校生がボクシングと出会うことで、それぞれの進む道を見つけていく姿が描かれています。「俺たちもう終わっちゃうのかな」「まだ始まってもいねえよ」という有名なセリフは、本作を観たことがなくても知っている人も多いのでは? 主役の二人を演じたのは、金子賢と安藤政信。二人の心が通じ合っているようで、通じていないような、不安定な掛け合いが本作の魅力です。また安藤政信は映画初出演ながら本作の演技が高く評価され、日本アカデミー賞やゴールデンアロー賞など、10以上の映画祭で新人賞を獲得しました。
『ビー・バップ・ハイスクール』(1985年)
ヤンキー漫画の金字塔が実写化!
1985年に公開された映画で、原作はヤンキー漫画の代名詞ともいえる漫画作品です。清水宏次朗、仲村トオル、中山美穂という、当時のトップアイドルが共演したことで話題となり大ヒットを記録しました。 コメディ要素と派手なアクションたっぷりに、主役の二人が巻き起こす大騒動が魅力の本作。学ラン姿にリーゼントという格好で、喧嘩と友情たっぷりの直球のツッパリストーリーが楽しめます。公開当時には、主役のヒロシとトオルに憧れて二人と同じような服装で学校に通っていた男子もたくさんいたようです。 また主役の二人は、映画公開後しばらくは街で本物の不良に絡まれることも多かったとか。
「岸和田少年愚連隊」シリーズ(1994年〜)
お笑い芸人の登竜門!?
1996年に第1作が公開され、2020年5月時点で7作品が公開されている人気のシリーズ。初期は井筒和幸監督や三池崇史監督がメガホンを取っていたことでも知られています。ナインティナイン、千原兄弟、ココリコが主役を務め、リアリティ溢れる岸和田の不良を演じました。 特に第1作目で主演したナインティナインの二人の演技は高く評価され、ブルーリボン新人賞を受賞しています。 2作目、3作目は三池崇史監督が手掛けたこともあり、よりバイオレンス要素が高まっています。派手なアクションシーンが多く、シリーズ中でも屈指の人気を誇る傑作です。
『SWEETSIXTEEN』(2002年)
家族を想う不良少年の姿に涙
2002年に公開されたイギリス映画です。母子家庭で育った主人公・リアムは荒んだ生活をしています。唯一心を許している刑務所にいる母親と平和な暮らしをするため、リアムは麻薬の売買に手を出すように。そして厳しい現実に直面します。 イギリスの貧困層の暮らしをリアルに描いているところに注目です。それを表すかのようにとても過激なセリフが使われています。そのためイギリスでは18禁指定の作品となりました。 また「スウィート・シックスティーン」とは、欧米で浸透している16歳の誕生日を盛大に祝うパーティーのこと。日本のように成人式がないかわりに、学校の卒業という節目の年である16歳が大人の第一歩とされているようです。アメリカでは16歳から自動車免許を取れるということもあり、16歳が日本よりも特別視されているのかもしれません。
『トレインスポッティング』(1996年)
斬新な映像表現に注目!
スコットランドを舞台に、ヘロイン中毒の若者たちが成功を目指す姿が描かれたストーリー。個性的な登場人物が多く出演していて、根強い人気を誇っています。 本作の斬新な映像表現の数々は今でも目をみはるものがあります。特に主人公・レントンが薬物の禁断症状に苦しむ場面は、思わず息を止めてしまうほどスリリング。巨大な赤ちゃんが迫ってくるシーンは、本作を観たことがある人ならすぐに思い出せるのでは? 登場人物の服装やセリフ、そして名曲が多数使われているサウンドトラックなど、あらゆる分野で90年代を代表する作品です。2017年には20年ぶりに続編が公開され、多くのファンに温かく受け入れられました。
『ウエスト・サイド物語』(1961年)
アカデミー賞10部門獲得した、不良映画の名作
1961年に公開された、映画史に残るミュージカル作品です。シェイクスピアの古典『ロミオとジュリエット』のストーリーを現代に置き換えて描かれています。アカデミー賞では作品賞を含む10部門に輝きました。 とある街を舞台に、広場を巡って不良少年グループ同士の抗争する姿が数々の名曲と共に描かれました。敵対しているグループの男女が禁断の恋に落ちていく、はかなく美しいラブストーリーも魅力の一つです。ヒロインのマリアを演じたナタリー・ウッドは本作の前には『理由なき反抗』にも出演しており、不良映画のヒロインとして特に有名な女優。 日本でも人気の高い作品で、これまで何度も吹替え版が制作されました。大竹しのぶ、沢田研二など、有名俳優が参加していることでも知られています。
『クライベイビー』(1990年)
ジョニー・デップの初主演作
『ピンク・フラミンゴ』で知られるカルト映画の巨匠・ジョン・ウォーターズが手掛けたミュージカル作品。不良グループのリーターの少年と裕福な家庭で生まれ育った少女が、身分の差を乗り越えて愛を紡いでいきます。感動的なストーリーや美しい歌と踊り、そしてユーモアがたっぷり詰まった作品です。 注目すべき点は、世界的スターであるジョニー・デップの初主演作であること。リーゼントヘアーでバッチリ決めた姿は、今見ても色褪せない魅力があり、のちの活躍を予感させるものになっています。 また、ヒロインを演じたトレイシー・ローズにも注目です。ポルノ女優からキャリアをスタートさせた彼女ですが、本作の出演をきっかけにその後もSFホラー映画『ブレイド』や人気ドラマ『プロファイラー/犯罪心理分析官』など数々の作品に出演することになりました。
『理由なき反抗』(1955年)
永遠のカリスマ、ジェームズ・ディーンの代表作
1955年に公開され、今でも多くの映画ファンに愛されている本作。同名の小説が原作で、著者であるニコラス・レイが自らメガホンを取りました。「チキン・ラン」と呼ばれる、自動車を使った危険な度胸試しに身を投じる不良少年たちの姿が描かれています。 主演を務めたのはジェームズ・ディーン。とにかく大人に対して怒りをあらわにする青年・ジムを演じています。甘いマスクと確かな演技力を持ったジェームズ・ディーンは、当時としては新しいタイプの俳優だったようです。わずか24歳でこの世を去ったこともあり、そのカリスマ性は現在でも多くの人を魅了しています。 また、クライマックスの手に汗握る「チキン・ラン」のシーンも本作を語る上で欠かせません。ロケ地となったグリフィス天文台には、ジェームズ・ディーンの記念碑が建てられています。
汗と涙で彩られた不良映画はいつの時代も色あせない
若者はもちろん、歳を重ねても不良に憧れる気持ちは多くの人が持っているのかもしれません、またヤンキーという日本独自の文化も、時代とともに少しずつ進化しているようです。今後もどのような不良映画が公開されるか注目していきましょう。