おすすめボクシング映画!闘志がたぎる名作15選【新旧洋画邦画あわせて紹介】
タップできる目次
- 熱い血がたぎる!おすすめのボクシング映画を洋画と邦画に分けて紹介
- おすすめボクシング映画【洋画編】
- 『ハンズ・オブ・ストーン』(2017年)
- 『ザ・ファイター』(2011年)
- 『サウスポー』(2016年)
- 『ロッキー』(1977年)
- 『クリード チャンプを継ぐ男』(2015年)
- 『レイジング・ブル』(1981年)
- 『ミリオンダラー・ベイビー』(2005年)
- 『シンデレラマン』(2005年)
- 『チャンプ』(1979年)
- 『カシム・ザ・ドリーム~チャンピオンになった少年兵~』(2010年)
- おすすめボクシング映画【邦画編】
- 『あゝ、荒野』(2017年)
- 『キッズ・リターン』(1996年)
- 『百円の恋』(2014年)
- 『あしたのジョー』(2011年)
- 『どついたるねん』(1989年)
- ハングリー精神を忘れないボクサーの魂に触れる映画
熱い血がたぎる!おすすめのボクシング映画を洋画と邦画に分けて紹介
格闘技ファンはもちろん、あまりボクシングに興味がない人でも、テレビでふと試合を見て血がたぎるような感覚を覚えたことはないでしょうか?ボクシングは身体を打たれ続ける過酷なスポーツ。ボクサーは人生と命を賭けて勝負に挑んでいます。 そんな熱いボクシングをテーマにしたおすすめ映画を、この記事では紹介しましょう。実在のボクサーの半生を描いたものや、大人気キャラクターの有名作品など、さまざまな名作が存在するボクシング映画。前半を洋画編、後半を邦画編に分けて、新旧の名作をおすすめしていきます。
おすすめボクシング映画【洋画編】
前半ではおすすめボクシング映画の洋画編をお届けします。洋画では実在した伝説のボクサーたちの波乱の半生を描いた伝記映画が多いようです。 その中でも架空のボクサーながら伝説となった「ロッキー」、クリント・イーストウッド監督作『ミリオンダラー・ベイビー』などは、ボクシングファンでなくても名前やタイトルは聞いたことがあるはず!彼らのボクサーとしての人生観にも要注目です。
『ハンズ・オブ・ストーン』(2017年)
パナマの英雄となったボクサー、ロベルト・デュランの半生と「ノー・マス」事件の真相
パナマのスラム街から生まれた世界チャンピオン、ロベルト・デュランの半生を追った伝記映画。彼を育てたトレーナーのレイ・アーセルとの絆を主軸に描き、デュランをエドガー・ラミレス、アーセルをロバート・デ・ニーロが演じました。 ロベルト・デュランはパナマのスラム街で育ったボクサー。16歳でプロデビューすると連戦連勝を続け、アメリカ人トレーナーのレイ・アーセルとともに世界チャンピオンを目指していました。1980年にはシュガー・レイ・レナードに挑戦し、ついにチャンピオンの座を手にします。 本作は、1980年のレナードとの再戦で起こった「ノー・マス」事件の真相を描いています。デュランが第8ラウンドで試合放棄同然のTKO負けを喫したこの事件は、ボクシングファンの間では語り草となっており、「石の拳」と称えられたデュランの知られざる苦悩をうかがい知ることができます。
『ザ・ファイター』(2011年)
実在のボクサー、ミッキー・ウォードとその兄ディッキー・エクランドの絆を描く
『スリー・キングス』のデビッド・O・ラッセルが監督を務めた実在のボクサーの伝記映画。アイルランド系アメリカ人ボクサーのミッキー・ウォードをマーク・ウォールバーグ、その異父兄ディッキー・エクランドをクリスチャン・ベールが演じています。 マサチューセッツ州ローウェルでボクシングに打ち込んでいたディッキーとミッキーの兄弟。しかしディッキーが試合に敗れた失望からその才能を麻薬で潰してしまい、刑務所に収監されてしまいます。残されたミッキーは新しいトレーナーと組み、頭角を現していきますが……。 ミドル級黄金期を築いた伝説のボクサーのひとり、シュガー・レイ・レナードからダウンを奪ったこともあるほど、ボクサーとしての才能を持っていたディッキー。彼が落ちぶれていく様子をクリスチャン・ベールが見事に体現し、アカデミー賞で助演男優賞を受賞しました。シュガー・レイ・レナードが本人役でゲスト出演しています。
『サウスポー』(2016年)
すべてを失った元世界チャンピオンが家族の絆を取り戻すため再起をかける
『トレーニング デイ』のアントワン・フークア監督、ジェイク・ギレンホール主演のヒューマンドラマ。ボクシングで1度は世界チャンピオンとなったボクサー、ビリー・ホープの再起をかけた闘いを描いています。 捨て身のファイトスタイルで、世界ライトヘビー級チャンピオンの座をつかんだビリー・“ザ・グレート”・ホープ。しかし短気な性格が災いし、大乱闘を起こした末に妻を死なせてしまいます。さらには娘と引き離され、ボクサーライセンスまで剥奪された彼は、失意のどん底に。それでも人生の再起をかけ、トレーナーのティックのもとを訪れます。 ジェイク・ギレンホールは役作りのため、半年におよぶトレーニングでボクサー体型を作り上げたそう。本作はエミネムの実体験をもとにした物語であり、エミネムがサウンドトラックのプロデューサーを務めるとともに主題歌「Phenomenal」を提供しています。
『ロッキー』(1977年)
アメリカン・ドリームの体現者!米映画界が誇る伝説のボクサー「ロッキー」の物語
無名だったシルヴェスター・スタローンが脚本を書き上げ、自らの主演で成功を勝ち取ったアメリカン・ドリーム体現映画。フィラデルフィアの三流ボクサー・ロッキーの不屈の闘志を描いた物語です。 フィラデルフィアの貧しい地区に暮らすロッキーは、ボクシングだけでは生活できず、借金の取り立てでその日暮らしをする4回戦ボクサー。しかし突然、世界チャンピオンのアポロ・クリードが気まぐれから対戦相手に指名されます。 たとえ絶対的な力量の差があってもアポロに一矢報いるべく、自ら編み出したトレーニング方法で鍛える健気なロッキーの姿を見ると、思わず応援したくなるでしょう。15ラウンドが終わってもリングに立っていられれば三流ボクサーでないことを証明できると奮起し、最後に恋人エイドリアンの名を叫び続けるシーンは熱い感動が込み上げます。
『クリード チャンプを継ぐ男』(2015年)
「ロッキー」シリーズ新章!ロッキーがアポロの息子のトレーナーに
シルヴェスター・スタローンをスターダムに押し上げた「ロッキー」シリーズのスピンオフシリーズ1作目。ロッキーの生涯のライバルで親友だったアポロ・クリードの息子・アドニスを主人公にした新たな物語です。 自分が生まれる前に亡くなった元世界王者の父アポロと父同様に、ボクサーになろうとしていたアドニス。ま過去の動画でロッキーの存在を知った彼はフィラデルフィアへ向かい、ロッキーに師事を請います。 父の血と闘志を受け継ぎ、ひたむきにボクシングと向き合うアドニス役を、『ブラックパンサー』のキルモンガー役で知られるマイケル・B・ジョーダンが演じました。本作で助演を務めたシルヴェスター・スタローンが、『ロッキー』以来となるアカデミー賞ノミネートを果たしています。
『レイジング・ブル』(1981年)
ロバート・デ・ニーロがミドル級世界王者ジェイク・ラモッタの波乱の人生を演じた傑作
1940年代に活躍したミドル級チャンピオンのジェイク・ラモッタの自伝をもとに、マーティン・スコセッシ監督がロバート・デ・ニーロ主演で映画化した伝記映画。引退後はコメディアンに転身したラモッタの波乱に満ちた人生を、あえてモノクロ映像で表現しています。 デビュー戦以来無敗を誇ったラモッタは、因縁の相手シュガー・レイ・ロビンソンを破るまでに成長。しかし妻ビッキーに対する猜疑心や八百長試合を仕組んでくる組織との関係が、少しずつ彼を破滅に追い込んでいきます。 「レイジング・ブル (怒れる牡牛)」と呼ばれ、驚異のスタミナを誇ったジェイク・ラモッタ。現役時と引退後のラモッタを忠実に再現するため、ロバート・デ・ニーロは27キロの増量で役作りに挑み、「デ・ニーロ・アプローチ」という造語も作りだしました。
『ミリオンダラー・ベイビー』(2005年)
クリント・イーストウッド監督作!女性ボクサーとトレーナーの固い絆と深い愛
クリント・イーストウッドが監督、製作、主演を兼ね、主人公の女性ボクサー・マギー役にヒラリー・スワンクを迎えたアカデミー作品賞受賞作。孤独な女性ボクサーとトレーナーの絆と愛を描いています。 中西部の田舎から出て、ボクサーを目指してロサンゼルスのボクシングジムを訪ねたマギー。ジムのオーナーであるフランキーもまた孤独な境遇で、マギーの入門を初めは断りますが、彼女の熱意に感化されていきます。 家族の愛に飢えたハングリーな女性ボクサーが成功を掴むサクセスストーリーであると同時に、結末には議論を呼ぶテーマをぶつけた問題作でもあります。ヒラリー・スワンクはマギー役の役作りのため、多くの世界チャンピオンを輩出したヘクター・ロカのジムで3ヶ月間ものトレーニングに臨んだのだとか。
『シンデレラマン』(2005年)
世紀の番狂わせを起こした実在のボクサー、ジム・ブラドックのアメリカン・ドリーム
『ビューティフル・マインド』のロン・ハワード監督がラッセル・クロウ主演で、アイルランド系アメリカ人ボクサー、ジム・ブラドックのサクセスストーリーを描いたヒューマンドラマ。 1930年代の大恐慌下のアメリカ。ケガのためボクシング界から引退し、港湾労働者となっていたジムは、日々の生活にも窮していました。そこへたった一回の試合のチャンスが舞い込み、愛する家族のために再びリングへ向かいます。 大恐慌で誰もが明日をも知れない身だった時代に、貧困の中から立ち上がり人々に勇気と希望を与えたジム・ブラドック。彼はいつしか「シンデレラマン」と呼ばれるようになり、絶対不利といわれた1935年のマックス・ベアとの試合で大番狂わせを起こしてヘビー級世界王座を獲得しました。
『チャンプ』(1979年)
カムバックを信じる息子のために!元チャンピオンの父が見せた最後の闘志
イタリア人監督フランコ・ゼフィレッリが1931年の同名映画をリメイクし、親子の絆を描いたボクシング映画。ジョン・ボイトが主人公のビリー・フリン、フェイ・ダナウェイがその妻アニーを演じました。 ボクサーとして世界チャンピオンとなるまで成功したビリー・フリンは、今や落ちぶれて酒とギャンブルに浸っていました。妻アニーには逃げられ、8歳の息子T・Jと二人暮らし。そんな中でもT・Jだけは父を「チャンプ」と呼んで尊敬し、いつか再び父がチャンピオンになると信じていました。 プロボクシング界で一度は頂点に立った男が、自分を信じてくれる息子のために再び立ち上がり、父として最後の闘志を見せる姿には、思わず目頭が熱くなります。息子のT・J役を務めたリッキー・シュローダーは本作の演技で、ゴールデングローブ賞で新人男優賞を受賞しました。
『カシム・ザ・ドリーム~チャンピオンになった少年兵~』(2010年)
ウガンダ国民抵抗軍の少年兵だったジュニア・ミドル級王者カシム・オウマの壮絶な半生
IBFジュニア・ミドル級チャンピオンとなったカシム・オウマの激動の半生に迫ったドキュメンタリー映画。監督はキーフ・デヴィッドソン、製作は俳優のフォレスト・ウィテカーが務めています。 6歳の時にウガンダ国民抵抗軍に誘拐され、少年兵として大量虐殺の訓練を強制的に受けさせられた経験を持つカシム・オウマ。彼が壮絶な過去に向き合い、アメリカで王座をつかむまでを追っています。 少年兵として育てられたカシムが見たウガンダの過酷な現実と、青年になってから学んだボクシングが彼の人生を大きく変えていく様子を克明に記録。脱走兵となり、言葉も通じないアメリカでボクサーとなったカシムが、紆余曲折の末に祖国の地を踏む姿には深い感動を覚えます。
おすすめボクシング映画【邦画編】
後半からは、邦画編のおすすめボクシング映画を紹介します。 菅田将暉がボクサーを熱演した『あゝ、荒野』や山下智久が伝説のボクシング漫画の実写に挑んだ『あしたのジョー』では、彼らの引き締まった肉体に惚れ惚れ。他にも北野武監督の青春映画『キッズ・リターン』、安藤サクラが女性ボクサーに扮した『百円の恋』、元チャンピオンの赤井英和が主演した『どついたるねん』と新旧の名作揃いです。
『あゝ、荒野』(2017年)
菅田将暉がハングリーなボクサーを演じる!詩人・寺山修司唯一の小説を映画化
『書を捨てよ、町へ出よう』で著名な詩人・劇作家の寺山修司の同名長編小説をもとに、菅田将暉とヤン・イクチュンのW主演で映画化した二部作。監督は『二重生活』の岸善幸が務めました。 2021年、新宿。親に捨てられて孤児院で育った新次は、そこでの仲間と詐欺犯罪に手を染めていました。しかし仲間の裕二の裏切りで兄貴分の劉輝は半身不随に、新次は少年院へ。出所後、裕二への復讐を誓った新次は、吃音症の内気な青年・健二と出会い、二人それぞれの理由でボクシングを始めます。 ボクシングで復讐しようとする新次を菅田将暉、内気な性格を直そうとボクシングを始める健二をヤン・イクチュンが演じました。二人ともトレーニングと肉体改造に半年をかけ、プロテストに合格できるレベルまでに達したとか。菅田将暉は本作の演技で日本国内の映画賞で主演男優賞を総なめにしています。
『キッズ・リターン』(1996年)
北野武監督の青春映画!高校生の不良コンビがボクシングと出会う
北野武が監督・脚本を務めた青春映画で、不良高校生のマサルとシンジがヤクザとボクシング、それぞれの道に分かれていく様子を描いています。本作がデビュー作となった安藤政信がシンジ、金子賢がマサルを演じました。 高校の同級生だったシンジとマサルは、ある日偶然再会し、当時のことを思い出していました。あの頃、いつもつるんではカツアゲやイタズラをしていた二人。カツアゲの仕返しでボクサーに一発で打ちのめされたマサルは、シンジを誘ってボクシングを始めますが、シンジの方がボクシングの才能を開花させ、マサルはヤクザの道に入っていきます。 自らも高校時代にボクシングジムに通っていた経験を持つ北野武は、芸能界でもボクシング通で有名。1994年のバイク事故から生還した彼の渾身の復帰作であり、タイトルの「リターン」にはその意味も込められているのかもしれません。
『百円の恋』(2014年)
安藤サクラが女性ボクサーを熱演!32歳崖っぷち女・一子がボクシングで人生の転機を図る
周南映画祭の脚本賞「松田優作賞」第1回グランプリ受賞作となった足立紳の脚本を、武正晴監督が安藤サクラ主演で映画化。人付き合いが苦手で引きこもり生活を送っていた女性・一子が、ボクシングを通して転機を迎える様子を描いています。 弁当屋を営む実家に寄生し、引きこもり生活を送っていた32歳の一子。出戻りの妹と大ゲンカの末、勢いで一人暮らしを始めることに。100円ショップで深夜バイトを始めた一子は、帰り道のボクシングジムで見かけるボクサーの狩野に恋心を抱きました。 一子は32歳で恋愛経験もなく、出会う男たちに酷い仕打ちを受けてしまいます。厳しい現実と対峙しなければならなくなった彼女を救って熱中させてくれたのが、ボクシングでした。芽生えた闘志が徐々に燃え上がり、たくましくなっていく一子を、安藤サクラが体当たりで演じています。
『あしたのジョー』(2011年)
伝説のボクシング漫画を実写映画化!山下智久が矢吹丈を演じる
高森朝雄原作・ちばてつや画の伝説のボクシング漫画「あしたのジョー」を、曽利文彦監督が実写映画化。山下智久が主人公の矢吹丈、その宿命のライバルとなる力石徹を伊勢谷友介、ジョーを見出す元ボクサーの丹下段平を香川照之が演じました。 昭和40年代の東京、下町でやさぐれた日々を過ごしていた少年・矢吹丈は、元ボクサーの丹下にボクサーの資質を見出されたものの、犯罪に手を染め少年院に送られます。そして、そこで生涯のライバルとなる力石徹と出会うのです。 山下智久の鍛え上げた筋肉に思わず見入ってしまう本作。それ以上に話題となったのが、力石徹役の伊勢谷友介と丹下段平役の香川照之の原作に寄せた役作りと熱演ぶり!山下智久と伊勢谷友介はともに過酷なトレーニングと減量に挑んだといいます。
『どついたるねん』(1989年)
「浪速のロッキー」と呼ばれた元チャンピオン・赤井英和の自伝を本人主演で映画化
元スーパーライト級のチャンピオン・赤井英和の自伝をもとに、阪本順治が監督・脚本、赤井英和本人が主演を務めたボクシング映画。再起不能となったボクサー・安達英志がカムバック戦に賭ける姿を描いています。 イーグル友田との試合中、KOで再起不能に陥ったボクサー・安達英志。緊急手術により奇跡的な回復を見せたものの、医師からはリング復帰は絶望的と診断されてしまいます。それでも元チャンピオンのコーチ左島と出会い、カムバック戦を目指しますが……。 赤井英和は1985年の大和田正春との試合の後、脳挫傷などで頭を開く緊急手術を行い、そのまま現役を引退。しかしボクシングへの情熱を捨てることができず本作に出演し、現役チャンピオンを相手に迫力あるボクシングシーンの撮影にも挑んでいます。
ハングリー精神を忘れないボクサーの魂に触れる映画
ボクシングという格闘スポーツが始まったのは、なんと古代エジプト時代から。近代ボクシングが17世紀にイギリスで確立されてから、欧米をはじめ世界各国で現代のプロボクシングが広まっていきました。 ボクシングをテーマにした映画は古くはチャップリンの作品から存在し、あらゆる時代で「ハングリー精神」を持ったボクサーたちの熱い闘いを描いていきました。拳と拳をぶつけ合うのは、魂のぶつかり合いと同じ! ここで紹介した作品からも等しく、その魂を受け継いだボクサーたちの壮絶な人生、熱いドラマを知ることができます。彼らのハングリーさに触れ、闘志に目覚めるのもアリかもしれません。