2019年1月18日更新

「ドラゴン・タトゥーの女」シリーズが面白くなる裏話『蜘蛛の巣を払う女』「ミレニアム」との比較も

© Columbia Pictures

2011年に公開されたハリウッド映画『ドラゴン・タトゥーの女』。7年の歳月を経てついに公開された続編『蜘蛛の巣を払う女』を大いに楽しむための第一歩として、第1作目の物語を振り返りつつスウェーデン版、最新作の違いや裏話を紹介します。

全世界800万部のベストセラーの再映画化作『ドラゴン・タトゥーの女』

2011年公開のハリウッド映画『ドラゴン・タトゥーの女』。全世界で800万部を売り上げたスティーグ・ラーソンによる推理小説『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』を原作とする映画です。本作は原作者の祖国スウェーデンを中心にデンマーク、ドイツと合作した映画「ミレニアム」シリーズ3部作に次いで製作されました。 監督はミステリーの名手デヴィッド・フィンチャーが務め、「007」シリーズのダニエル・クレイグと共演したルーニー・マーラの出世作となった一本としても有名です。 そして7年の歳月を経た2018年、ついに続編『蜘蛛の巣を払う女』が製作されました。 この記事では続編を大いに楽しむための第一歩として、『ドラゴン・タトゥーの女』の物語を振り返りつつ、本作がさらに面白くなる事実を紹介していきます。

ハリウッド版『ドラゴン・タトゥーの女』のストーリー

「大物実業家ヴェンネルストレムが武器を密売していた」という大スクープを記事にしたことにより、名誉毀損の罪で有罪判決を受けたジャーナリスト、ミカエル(ダニエル・クレイグ)。そんな彼がヘンリック・ヴァンゲル(クリストファー・プラマー)という男に捜査能力を 買われ、"ある事件"の調査を依頼されたことから、物語は幕を開けます。 「40年前に姿を消した一族の少女ハリエット・ヴァンゲルの失踪事件を調べてほしい」 ヘンリックは一族の誰かがハリエットを殺したと確信しており、事件の謎を解いてくれれば、莫大な報酬とともにヴェンネルストレムを破滅させられる決定的な証拠を与えるとミカエルに語るのです。40年前の失踪事件の裏には一体何があるのか。助手として紹介された天才女ハッカー、リスベット(ルーニー・マーラ)とともに、ミカエルはヴァンゲル一族の大きな謎に迫っていきます。

ミステリーの名手デヴィッド・フィンチャーが監督!判断軸は“脚本”

デヴィッド・フィンチャー
©Vandeville Eric/ABACA/Newscom/Zeta Image

ハリウッド版の監督をつとめたデヴィッド・フィンチャーは、『セブン』(1995)や『ファイト・クラブ』(1999)、のちには『ゴーン・ガール』などで知られるようになる、ミステリーの名手として名高い映画監督です。 原作小説が世界各国で数多くのミステリーの文学賞を受賞している本作は、そもそも出来のいいミステリー作品。 また、母国スウェーデンで製作された映画「ミレニアム」シリーズも世界中で大ヒットを記録していて、そのシリーズが公開されたのは2009年。特別古いわけでもなく、英国のアカデミー賞では外国語映画賞を受賞するほど評価された作品です。 なぜデヴィッド・フィンチャーはタイムラグもほとんどない段階で、この映画の監督を務めたのでしょうか?その答えはシンプルで、「脚本が素晴らしかったから」だとか。 フィンチャー監督は「たとえ同じ脚本でも監督が変わればまったく違う映画ができる。ぼくはいつでも脚本ですべてを判断している」と語っています。つまり彼にとって映画を撮るかどうかの判断軸は“脚本”なのです。 もちろん、ハリウッド版の映画製作を企画したのはコロンビア映画社であり、デヴィッド・フィンチャーはただ雇われただけというのも理由の一つにはなりますが、彼が引き受ける決め手となったのは「脚本の素晴らしさ」でした。

脚本を執筆したのは名脚本家スティーブン・ザイリアン

デヴィッド・フィンチャーが惚れ込んだ脚本を執筆したのは、スティーブン・ザイリアンというアメリカ人脚本家。彼がこれまでに手がけた作品を見てみると、とんでもない実力者であることがわかります。 『レナードの朝』『シンドラーのリスト』『ミッション:インポッシブル』『ハンニバル』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『アメリカン・ギャングスター』『マネーボール』 どれもこれも、多くの映画ファンを唸らせてきた名作ばかりです。本作と2014年の『エクソダス:神と王』以降はあまり映画制作に携わっていませんが、巨匠マーティン・スコセッシ監督の最新作『アイリッシュマン (原題)』(2019)で久々の映画脚本を担当します。 スティーブン・ザイリアンは本作の脚本を半年かけて書き上げました。

完璧主義者デヴィッド・フィンチャー監督独自の緻密なこだわり

完璧主義者としても有名なデヴィッド・フィンチャーは映画監督の重要な責任として「最適の人を選び、その人たちがベストの仕事ができる環境をつくってあげること」があると考えています。そしてそのためには、彼はどこまでも緻密にこだわりぬくのです。 本作の撮影は過去20年の中でもトップレベルに厳しい寒さのなか、すべてスウェーデンで行われました。その理由は「スウェーデンの風景を見渡してみると、あの小説はこの場所だからこそ書けたんだということを確信したんだ。だからこの映画も、スウェーデンでなければならないと思った」からだと語っています。 しかし冬のスウェーデンの日照時間は非常に短く、朝9時に日が出て、15時には日が沈むことも。さらに労働時間にも厳しいため、撮影には3ヶ月ほどの時間がかかりました。 たとえば劇中でリスベットがバイクで疾走するシーンに至っては「ぼくは常に編集のことを入念に考えているから、何回撮り直したか数えきれないほどテイクを重ねた」といいます。デヴィッド・フィンチャーの卓越した画作りとカット割りの特徴の裏には、この緻密なこだわりがあるのです。

「映画制作には、すべての条件がタイミングよく並ばなければならない」

ダニエル・クレイグ
Daniel Deme/WENN.com

また、デヴィッド・フィンチャー監督は映画制作においては、必要な全ての条件のタイミングがばっちりかどうかを重視しています。それはパズルのようにピースが揃っている状態ではなく、惑星の並びのようにタイミングよく並列されていることが重要なのだそう。 本作の主人公ミカエルを演じたダニエル・クレイグの配役の背景に、彼の言う"タイミングの良さ"がよくわかるエピソードがあります。 ミカエルを演じたダニエル・クレイグは『007 スカイフォール』の撮影スケジュールの都合で、当初はオファーを断っていました。その間、ジョニー・デップやブラッド・ピット、ジョージ・クルーニー、ヴィゴ・モーテンセンなどが候補となっています。しかし偶然にも「スカイフォール」の撮影が延期になったことにより、ミカエル役を演じることになったのです。 セクシーかつタフな紳士ジェームズ・ボンドのイメージが強かったダニエル・クレイグはこの役を演じるにあたり、できる限り一般的かつ"普通"な中年ジャーナリストに見えるよう、体重を増やして役作りを行いました。

一筋縄ではいかなかったリスベット役のキャスティング

ジェニファー・ローレンス、スカーレット・ヨハンソン、ナタリー・ポートマン、も候補だった

ナタリー・ポートマン
Cinzia Camela/WENN.com

しかし最も難航を極めたのが、ヒロインであるリスベット・サランデル役のキャスティングでした。リスベットは原作においても154cm、体重42kg、遠目だと痩せすぎた少年のような見た目というしっかりとした設定があるというのも難航した理由です。 スウェーデン版である「ミレニアム」シリーズ3部作でリスベットを演じたノオミ・ラパスは大ヒットの大きな理由のひとつになるほど、絶賛される演技を見せました。デヴィッド・フィンチャー監督も彼女の演技を「実に思い切った演技で、神がかっていた」と評しています。 加えて原作小説も世界中で大ヒットしているため、有名無名関係なしに多くの女優がハリウッド映画化に際し、リスベット役に名乗りを上げたのです。キャスティング担当のラレイ・メイフィールドは実に何千本もオーディションテープを見たとか。 スカーレット・ヨハンソンやジェニファー・ローレンス、ナタリー・ポートマンといった名女優たちも候補になりましたが、ヨハンソンは「セクシーすぎる」ローレンスは「身長が高すぎる」といった理由でキャスティングに至りませんでした。 ナタリー・ポートマンが最有力候補となったものの、彼女は疲労を理由にオファーを断ってしまっています。

ルーニー・マーラに決定するまではイバラの道だった……!

最終的にリスベット役はルーニー・マーラに決定しましたが、無事に決まるまではイバラの道を通っています。制作側と彼女本人、双方にとってです。 ルーニー・マーラは当初、自分にはこの役は合わないと言われていたことに納得していましたが、たくさんの女優が立候補していることを聞き、「だったら自分も立候補する」と感じてオーディションテープを送ったといいます。 テープを観た監督は彼女に強い興味を持ち、オーディションとしてスクリーンテストを5、6回行いました。後に監督たちがインタビューなどで語ったところによれば、それはデヴィッド・フィンチャーによる戦略だったようです。 その戦略をとったのは、話題をさらいながらヒットさせられる女優かどうかを気にかけて「違う女優を見せてくれ」と言うスタジオを説得するため、そしてそれでもなお役に食らいつく女優であるかどうかを示させるため。ふたつの理由がありました。 外部には秘密にしなければならないテストも何度かあり、ルーニー・マーラは雑誌による取材を「食中毒でいけなくなった」といって断ったこともあったといいます。

覚悟を見せつけたルーニー・マーラの女優魂

あのピアスは本物……!

リスベットの役どころの特徴はやはり、その外見です。眉や鼻、唇だけでなく、乳首にまでピアスをし、裸にもなるシーンがある。これだけの役を演じることは、良くも悪くも人生を変える。ルーニー・マーラはもちろんその覚悟を持ったうえで、リスベットの役へ入り込むために実際にピアスを空けています。 右の眉のものと、乳首のピアスは本物で、その提案は自ら行ったものです。鼻や唇のものはフェイクだったそうで「本物よりも痛かった」とコメンタリーで語っています。

シャワーシーンのアザも本物

リスベットがシャワーを浴びているシーンで、彼女の体にいくつものアザが見えるシーンがありますが、そのアザも本物。 実はこれはリスベットの壮絶な過去である「後見人にレイプされた」という痛ましいシーンを演じる際にできたもの。後見人のニルスを演じたヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲンとルーニー・マーラが見せた渾身の演技の結果、至るところにアザができていたのです。 このシーンは演技とはいえかなりショッキングなものだったようで、ニルス役のヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲンは撮影後ひどく落ち込み、なかなか部屋から出られなかったといいます。 こうして、まさしく"体当たり"でリスベットを演じたルーニー・マーラの演技は絶賛され、彼女の名を一躍知らしめることとなりました。

スウェーデン版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』との違いは?

スウェーデンからあまり間を置かず、ハリウッド版が製作された『ドラゴン・タトゥーの女』。2作を比較した評論が出るのは当然の成り行きでした。 ここでは、スウェーデン版とハリウッド版の違いを見ていきます。

ノオミ・ラパスとルーニー・マーラ、それぞれの個性が光る2人のリスベット

スウェーデン版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(2009)で天才ハッカー・リスベットを演じたのは、本作が映画初主演となったノオミ・ラパスです。 ラパスが演じたリスベットは、タフで大人の雰囲気が漂う女性でした。彼女はその過去から「男」に対する敵意に満ち溢れており、ミカエルに協力する理由も明確です。 ハリウッド版『ドラゴン・タトゥーの女』でルーニー・マーラが演じたリスベットは、ラパスに比べ痩せているためか、過激な行動は健在ですが、守りたくなるようなか弱い女性といった印象。 「男」に対する復讐心という点では、スウェーデン版よりも弱くなっているように見えます。

ハリウッド版の謎を畳み掛ける濃密な脚本、スウェーデン版は丁寧に謎解き

日本語訳版では950ページにも渡る原作小説をまとめながら、巧みに謎を畳み掛け、フィンチャー監督の創作意欲に火をつけた脚本。独自のこだわりをつらぬきつつ、説得力のある映像をつくりあげた監督。強い覚悟とともにリスベットを憑依させた女優魂。 ハリウッド版は、これら様々なクリエイティビティが見事に結実した作品であると言えます。 一方スウェーデン版では、静かな描写ながらもぐいぐい引き込まれる前半の捜査部分が印象的。また、ハリウッド版ではセリフよりも映像をメインにさっくりとまとめられていた謎解きパートが丁寧に描かれ、よりわかりやすくなっています。

スウェーデン版とハリウッド版 それぞれの評価は?

スウェーデン版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』は、英国アカデミー賞で非英語作品賞を受賞しました。また、主演のノオミ・ラパスの演技も絶賛され、同主演女優賞にノミネート。脚色賞にもノミネートしています。 他にもヨーロッパ映画賞をはじめ、多くの映画賞にノミネート、受賞を果たしました。 一方ハリウッド版の『ドラゴン・タトゥーの女』は、賞レースへの絡みはほとんどなかったものの、米映画レビューサイトRotten Tomatoesでは、スウェーデン版と同じく86%Fleshの評価を獲得しています。

【ネタバレ】リスベットのキャラクターを左右するラストシーンの違い

ハリウッド版『ドラゴン・タトゥーの女』では、ミカエルに想いを寄せるようになったリスベットの切ない姿が描かれました。 彼のために新しいライダースジャケットを用意したリスベット。しかし、「娘に会う」と言っていたミカエルが愛人のエリカといるのを目撃してしまい、ジャケットをゴミ箱に捨ててバイクで走り去って行きます。 その後ろ姿が印象的なラストシーンです。

スウェーデン版でも、刑務所に収監されているミカエルのもとを訪れたリスベットが彼にキスをするなど、2人の親密な様子が描かれました。 ミカエルは、ヘンリクから報酬の一部として受け取った資料を公開し無罪放免に。再び捜査対象となったヴァンネルストレムは、自殺してしまいます。 その後、彼の隠し口座から大金が引き落とされているのが発覚。ミカエルは、監視カメラに映った犯人と見られる女性が、変装したリスベットであることに気づきました。 スウェーデン版の方は、悪人を出し抜くリスベットの活躍が痛快なラストとなっています。

『ドラゴン・タトゥーの女』と最新作『蜘蛛の巣を払う女』の違いは?

前作から7年の歳月を経て製作されたシリーズ最新作『蜘蛛の巣を払う女』。 この最新作は、これまでの作品とは大きく違う点があります。新たな監督、キャストとともに、いままでの作品との違いを紹介します。

フィンチャーが製作総指揮、監督は『ドント・ブリーズ』のフェデ・アルバレスに

フェデ・アルバレス
© Picture Alliance/Avalon.red

『蜘蛛の巣を払う女』では、前作で監督を務めたデヴィッド・フィンチャーは製作総指揮にまわり、『死霊のはらわた』(2013)や『ドント・ブリーズ』(2016)などのホラー映画で成功を収めたフェデ・アルバレスがメガホンをとりました。 アルバレスは、無名時代にYouTubeに公開した短編映画が評判となり、『死霊のはらわた』リメイクでは、オリジナル版の監督サム・ライミから直々に指名を受けたという経歴の持ち主。 結果、同作品はオリジナル版よりもエンタメ性が高くなり、大ヒットを記録しました。『ドント・ブリーズ』も敵味方の攻防戦というわかりやすい内容で、ハラハラするアクションが魅力となっています。 本作『蜘蛛の巣を払う女』もエンタメに徹し、前作やスウェーデン版よりも取っつきやすい作品に仕上がっています。

新生リスベットはゴールデングローブ賞受賞のクレア・フォイ

蜘蛛の巣を払う女

新たにリスベットを演じるのは、Netflixオリジナルシリーズ『ザ・クラウン』で若き日の英国女王エリザベス二世を演じたクレア・フォイ。彼女はこの役でゴールデングローブ賞ドラマ部門主演女優賞を獲得しています。 監督のアルバレスによれば、「本作のリスベットはもう24歳ではありません。過激で突飛な行動もしますが、以前よりは 大人になり、分別も持っています」と、人として成長したリスベットが描かれているとのこと。 攻撃的で壮絶な過去を持つリスベットという難役を任されたフォイは、これまでの2人に負けず劣らずそのキャラクターを見事に体現しています。今回のリスベットは複雑な思いを抱いているのですが、彼女の繊細な表情の演技は、それに見事にマッチしています。

ミカエル役には新たに北欧イケメン俳優 スヴェリル・グドナソンを起用

「ミレニアム」のミカエル・ニクヴィスト、『ドラゴン・タトゥーの女』のダニエル・クレイグと、ミカエル役はリスベット以上にそれぞれの作品で印象の異なる俳優が演じています。 今回、『蜘蛛の巣を払う女』でミカエルを演じるのはスウェーデン出身のスヴェリル・グドナソン。 クレイグとはまた違った雰囲気の彼は、2017年の『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』でスウェーデンの伝説的テニスプレイヤー、ビヨン・ボルグを演じたことで注目を集めました。 グドナソン演じるミカエルが前作のダニエル・クレイグが演じた同キャラクターと違っている点としては、彼の優しさがさらに強調されているということです。また、クレイグ演じるミカエルにあった若干の女たらし感も影を潜めています。

『蜘蛛の巣を払う女』はアクションシーンが満載!

蜘蛛の巣を払う女

本作は、これまでのシリーズではあまり見ることのなかったアクションシーンがふんだんに盛り込まれています。 リスベット役のフォイも、今回のために筋力トレーニングや長距離走などで身体を鍛えたそう。これまで、肉体的な役作りをしたことがなかったという彼女ですが、本作のためのトレーニングを通して運動することの面白さに目覚めたとも語っています。 彼女のトレーニングの成果、アクションシーンの出来栄えにも注目です。

最新作『蜘蛛の巣を払う女』のトリビア・裏話

原作4作目『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』は作者が違う!?

スウェーデンでは「ミレニアム」三部作として、「ドラゴン・タトゥーの女」、「火と戯れる女」、「眠れる女と狂卓の騎士」の3作が製作された本シリーズ。 原作の三部作は、スウェーデンの作家でジャーナリストのスティーグ・ラーソンによるものです。 しかし、スウェーデンをはじめとする全世界で8000万部のベストセラーとなったこの原作が出版されたのは、実はラーソンの死後でした。 4作目である『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』は、ダヴィド・ラーゲルクランツが執筆し2015年に出版されたものです。 作者が交代した人気小説シリーズは、イアン・フレミングの「007」シリーズをはじめ海外ではそれほど珍しくありませんが、本作は「作者が変わったことさえ気がつかない」と絶賛されました。

今回もリスベット役候補には豪華女優陣が!

前回リスベット役の候補に上がったナタリー・ポートマンやスカーレット・ヨハンソンをはじめ、リスベット役には多くの有名女優の起用が検討されました。 そのなかには、『ローグ・ワン』(2016)のフェリシティ・ジョーンズや『エクス・マキナ』(2015)のアリシア・ヴィキャンデルの名前も上がっていたようです。 アルバレス監督は、最終的には直感でクレア・フォイに決定したと語っています。 フォイの起用は意外だろうと監督も考えているようですが、彼女をキャスティングしたことに非常に満足しているようです。

クレア・フォイはスウェーデン訛りの英語を習得

クレア・フォイ
© Face to Face/Avalon.red

これまでリスベットを演じたノオミ・ラパスもルーニー・マーラも、役のために入念な下準備をしていたことはよく知られています。 今回のクレア・フォイは、リスベットを演じるにあたりスウェーデン訛りの英語を習得したとか。 『ザ・クラウン』で若きエリザベス二世を演じたフォイは、その際にも独特なイギリス王室のアクセントを習得していました。 今回も、そのときと同じアクセントコーチの指導を受けたというフォイ。 リスベットという強烈なキャラクターを演じるにあたって、過去の出演作の自分を思い起こして欲しくなかったため、セリフのアクセントにもこだわったと話しています。

「ドラゴン・タトゥーの女」シリーズはどの作品も魅力満載!

蜘蛛の巣を払う女

原作小説がベストセラーということもあり、ミステリーファンからの評価が高い「ドラゴン・タトゥーの女」シリーズ。この小説三部作も、共通したテーマを持ちながらもミステリーとしてそれぞれ違った性質の事件を取り扱っており、舞台もスケールアップしていき、そこが魅力とされています。 映画版もスウェーデン版、ハリウッド版ともにそれぞれの魅力があり、最新作『蜘蛛の巣を払う女』もまた違った良さを持った作品になっています。 映画版でも3作それぞれのリスベットとミカエル、監督の手腕などを見比べてみるのも面白いシリーズです。