2017年7月6日更新

『T2 トレインスポッティング』を観るなら知っておきたい10のトリビア【ネタバレ注意】

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『T2 トレインスポッティング』
© 2016 - Sony Pictures Releasing

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続編『T2 トレインスポッティング』トリビア10選!【ネタバレ注意】

1996年に公開された伝説的青春映画『トレインスポッティング』。ダニー・ボイル監督と主演のユアン・マクレガーはこの作品によって一躍有名になりました。スタイリッシュで斬新な映像と時代を反映した音楽で、ガッチリと90年代の若者の心をつかんだ作品です。 舞台は不況にあえいでいたスコットランド。どうしようもないヘロイン中毒の主人公・レントンが、やはりどうしようもない仲間たちに囲まれて自堕落な青春を送る様子を描いています。 レントンの仲間は気のいいヤク中のスパッド、ジャンキーなモテ男のシック・ボーイ、アル中で喧嘩っ早いベグビーの3人。彼らが選んだ未来とはどんなものだったのでしょうか。
続編は前作同様ダニー・ボイル監督とアーヴィン・ウェルシュ原作に加え、主要キャストであるユアン・マクレガー(レントン)、ジョニー・リー・ミラー(シック・ボーイ)、ユエン・ブレムナー(スパッド)、ロバート・カーライル(ベグビー)の4人も再集結しています。正真正銘の20年後を同キャストで描く『T2 トレインスポッティング』、中年になった4人のそれぞれの現在は果たして・・・? では、監督やキャスト、音楽など前作との関連も含むトリビアを10本ご紹介していきます!

1.ダニー・ボイルとデヴィッド・ボウイとレントンの関係とは?

デヴィッド・ボウイは前作『トレインスポッティング』に音楽提供するのを断っていたそうです。ダニー・ボイル監督はレントンがトイレにダイブするシーンにボウイの「ゴールデン・イヤーズ」を使いたいと思っていたものの断られたため、代わりにボウイがプロデュースしたイギー・ポップの楽曲「ラスト・フォー・ライフ」を使用したといいます。しかしこの曲は冒頭のシーンに使われることになりました。 そのため、サントラの「ラスト・フォー・ライフ」のクレジットにはデヴィッド・ボウイの名も入っています。結果的にはこの楽曲が映画のアイコンとなり、作品もヒットを記録したのも興味深い話ですね。 ボイル監督はデヴィッド・ボウイの死去を受けて、トリビュートとして作中にデヴィッド・ボウイのアルバムを登場させることを決めたそうです。そのアルバムはレントンのレコード・コレクションの中に見つけることができます。また、レントンは小説版ではデヴィッド・ボウイのファンとして描かれています。 しかし残念なことに、監督はその後もロンドンオリンピック開会式への出演オファーも、ボウイの自伝作品での楽曲提供も断られています。

2.ダニー・ボイルとユアン・マクレガーは不仲になっていた?

実は『T2 トレインスポッティング』でダニー・ボイル監督とユアン・マクレガーがタッグを組むのは、『トレインスポッティング』の翌年の映画『普通じゃない』以来初めて。2000年の映画『ザ・ビーチ』の主演をユアン・マクレガーではなくレオナルド・ディカプリオにオファーしたのがきっかけだったようです。 しかしボイル監督も初めはユアン・マクレガーを主演にと考えていたらしく、製作サイドからの要望でディカプリオに決まったそうです。監督の3作に出演していたマクレガーは、その後自分の方向性を見失った時期があったといいます。 その後今作に至るまで口をきかなかったという二人。さすがに20年も経てばお互いのその時の状況も理解できたようで、ようやく和解に至ったようです。

3.アーヴィン・ウェルシュの続編小説はゆるいベースとなっている?

T2 トレインスポッティング
『トレインスポッティング』の原作者であるアーヴィン・ウェルシュは、その続編として「ポルノ」を2002年に執筆しています。この小説が『T2 トレインスポッティング』の原作となっていますが、ボイル監督によればゆる~く元となっているとのこと。 実はほとんどが第1作の使用されていない部分が含まれたオリジナルのストーリーであって、「ポルノ」からはいくつかの要素が入っているそうです。『T2』のベースも小説「トレインスポッティング」がメインのようですね。 続編映画も初めはタイトルを『ポルノ』としてましたが、後に『T2 トレインスポッティング』となり、映画公開が決まった後には小説「ポルノ」もタイトルを「T2 トレインスポッティング」に変更されました。

4.ベグビーはゲイ?

2009年のインタビューで、ロバート・カーライルはベグビーというキャラクターは、ゲイなのではと語っています。これは実は『T2 トレインスポッティング』の内容のヒントとなっていて、ベグビーは妻とのセックスでは勃たないという事実が明らかになるようです。 実際、原作者のアーヴィン・ウェルシュも小説の中では性的にあいまいな描き方をしていると認め、カーライルの解釈に理解を示しています。カーライルの解釈によれば、ベグビーが暴力的なのは、ゲイということがバレないか内心ビクビクしているからとのこと!

5.シック・ボーイのスコットランド訛りはショーン・コネリー仕込み?

シック・ボーイを演じたジョニー・リー・ミラーはメインキャスト唯一の非スコットランド人ですが、ミラーの映画デビュー作『サイバーネット』での演技とショーン・コネリーの真似が上手いことから、この役に起用されたといいます。 偶然の一致か、シックボーイといえば「007」シリーズのジェームズ・ボンド狂で知られるキャラクターですね。しかし撮影中はアクセントのコーチが付き、グラスゴーのバーで訛りが正確か試したこともあるようです。

6.『T2』といえば・・・?

『ターミネーター2』
続編についてのインタビューで、ボイル監督は冗談で、もしジェームズ・キャメロン監督が許してくれるなら、今作を『T2』と呼んでほしいと語っていました。キャメロン監督の大ヒット作『ターミネーター2』の通称が『T2』だったからですね。 しかしあくまでも『T2』は通称だったので、ボイル監督は特にキャメロン監督の許可なく、このタイトルを使用することができたようです。ところが、やはりインターネット検索で“T2”と入れると一番頭に来るのは『ターミネーター2』だとわかったので、結局映画のタイトルは『T2:Trainspotting』に落ち着いたのだそうです。

7.スタンリー・キューブリックへのオマージュを発見

『シャイニング』
ボイル監督は作中にキューブリック監督への2つのオマージュを行っているようです。一つは、『シャイニング』に登場する「オーバールック・ホテル」のカーペットと同じ模様が、スパッドの部屋の壁に映し出されているシーン。 もう一つは、ベグビーが鏡張りの部屋をブチ破って、『シャイニング』のジャックのように顔を覗かせるシーンです。ボイル監督は『トレインスポッティング』の中でもキューブリック監督へのオマージュを行っていて、『時計じかけのオレンジ』と同じように装飾されたバーの壁を使用していました。

8.劇中音楽をアンダーワールドのリック・スミスが担当

『トレインスポッティング』といえば、やはり劇中音楽やサントラの評価が高いことでも有名ですが、続編の『T2 トレインスポッティング』でも音楽の力は健在なようです。 前作のサントラに「ボーン・スリッピー」を提供し、映画同様ヒットを飛ばしたアンダーワールドのリック・スミスが、続編では音楽を担当しています。続編のサントラには「ボーン・スリッピー」ではなく、「スロー・スリッピー」という楽曲が提供されています。 また2017年1月27日には、続編公開記念としてアンダーワールドの限定12インチ・シングル「ロング・スロー・スリッピー/イヴェンチュアリー・バット」がリリースされています。

9.スパッドの物語は小説「トレインスポッティング」から?

『T2 トレインスポッティング』に出てくるスパッドが書いている回顧録は、実はすべて小説「トレインスポッティング」のフレーズから取られているそうです。物語の最初の一文「シック・ボーイの額から、汗が滝のように流れ落ちていた」は、そのまま小説版と同じ文章です。 スパッドの物語のタイトル「Strolling through the meadows(夜のメドウズ公園)」は、小説版に実際ある章のタイトルで、その物語の多くは小説版で書かれたものです。ベグビーの飲んだくれの父親と廃れたリース駅で出会うシーンも含まれていて、この章のタイトル「Trainspotting at Leith Central Station(トレインスポッティング、リース・セントラル駅で)」が本のタイトルとなっています。

10.『T2 トレインスポッティング』にもアーヴィン・ウェルシュがカメオ出演!

『トレイン・スポッティング』
原作者のアーヴィン・ウェルシュが前作と続編両方に、同じ役柄でカメオ出演しています。 『T2 トレインスポッティング』では、ベグビーが盗品を売った相手がアーヴィン・ウェルシュ演じるドラッグ・ディーラーで、『トレインスポッティング』でも同じ役柄で出演しています。ミッキー・フォレスターという役名もあり、前作ではレントンにトイレに駆け込ませることになる座薬を渡した売人でした。 また前作には、脚本を書いたジョン・ホッジが万引きしたレントンとスパッドを追いかける警備員役でカメオ出演しており、プロデューサーのアンドリュー・マクドナルドもレントンがロンドンでヴィクトリア朝の家を売りつけようとする顧客役で出演していました。