2017年7月6日更新

映画『北の桜守』あらすじ・キャスト【吉永小百合120本目の出演作】

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吉永小百合

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吉永小百合120本目となる出演映画『北の桜守』が2018年に公開

日本を代表する大女優の一人である吉永小百合の120作目となる映画出演作『北の桜守』の製作が、このたび発表されました。『北の零年』『北のカナリアたち』に続く「北の三部作」ラストを飾る作品との位置づけです。 物語の時は太平洋戦争の戦時下から戦後。北海道を舞台に、過酷な自然と時代の荒波を懸命に生き抜いた親子の30年を描くヒューマンドラマです。 メガホンをとったのは『おくりびと』の滝田洋二郎。劇中に挿入される舞台演出を手掛けるのはケラリーノ・サンドロヴィッチで、音楽を小椋佳と星勝が担当します。そして、吉永にとって記念碑的作品であることを称えるように、驚くべき豪華なキャストが揃いました。 ここでは、現時点で明らかになったあらすじやキャストの情報などをまとめてみました。

『北の桜守』のあらすじ

太平洋戦争末期をむかえた1945年。当時、日本の領土だった樺太で暮らしていた一組の家族。ソ連軍が突然侵攻してきたことにより、追われるように江蓮てつと息子2人は、北海道の網走に命からがら辿り着きます。 てつは、厳しい自然環境や飢えに苦しむ貧困と懸命に戦いながら、息子2人を立派に育て上げます。そして、ときは過ぎて1971年。アメリカでビジネスに成功した次男の修二郎が、15年ぶりに網走の地を訪れると……。 兄の姿はなく、老いた母だけが、いまだ帰らぬ夫を待ち続けながらつまし過ぎるほどの日々を送っていました。修二郎は、てつを引取り札幌で同居することを決めます。が、てつは残酷な戦争の傷を心に抱えたままでした。

映画『北の桜守』で主人公・江蓮てつを演じる吉永小百合

吉永小百合
1945年3月13日生まれ、東京都渋谷区出身の吉永小百合が、映画デビューしたのは1959年。新聞配達の少年を主人公に描いた松竹映画『朝を呼ぶ口笛』で、刈谷美和子という脇役でした。当時はまだ中学生。その3年後、1962年の映画『キューポラのある街』で、埼玉県川口市を舞台にひたむきに生きるヒロインのジュンを演じ、ブルーリボン賞主演女優賞を受賞するなど一躍注目を集めます。 その後、数々の映画に主演し、多くの名作を世に送り出してきたことは説明するまでもないでしょう。2015年に主人公の福原伸子役で出演した『母と暮せば』が119作目にあたり、本作がいよいよ120作目です。 反戦リベラルの立場から、最近は広島や福島のことを語った朗読CDなどを発表し、言論活動にも積極的です。2017年3月現在、72歳。いまだ衰えぬ美貌を保ち、現役で活躍する日本映画界を代表する女優のひとりです。

次男・修二郎を演じるのは堺雅人

堺雅人
息子を演じる堺雅人は1973年10月14日、兵庫県神戸市生まれ、宮崎県宮崎市出身です。大学在学中から劇団「東京オレンジ」の看板俳優として活躍していましたが、2004年の大河ドラマ『新選組!』の山南敬助役で、一躍注目されました。 2008年の大河ドラマ『篤姫』で演じた徳川家定役、映画『クライマーズ・ハイ』の佐山達哉役などで、押しも押されもせぬ人気俳優の一人に。その後も社会現象を巻き起こした2013年のドラマ『半沢直樹』の主人公、2016年の大河ドラマ『真田丸』の主人公など、常に大作・話題作への出演が続いています。 プライベートでは、2013年の映画『大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』で共演した菅野美穂と同年に結婚。2年後の2015年には第1子となる男児をもうけています。

『北の桜守』の脇を飾る豪華キャスト

江蓮真理/篠原涼子

篠原涼子
修二郎の妻・真理を演じる篠原涼子。1973年8月13日生まれで、群馬県桐生市出身。1990年に「東京パフォーマンスドール」のメンバーとしてデビュー後、バラエティー番組などでも活躍するようになります。1994年に発売したシングル「恋しさと せつなさと 心強さと」が大ヒットし、人気歌手となりました。 本格的に女優業に取り組んでからも、2005年のドラマ『anego[アネゴ]』、2006年のドラマ『アンフェア』、2007年の『ハケンの品格』など、毎年のようにヒット主演作を連発します。2017年に主演したドラマ『愛を乞うひと』では、山岡照恵と陳豊子役という一人二役で大きな話題を呼びました。 2005年には俳優の市村正親と歳の差結婚をして話題に。今や二人の息子を抱える母親の顔を持ちながら、女優として目覚ましい活躍を続けています。

菅原信治/佐藤浩市

佐藤浩市
生活苦の親子に手を貸す闇米屋の菅原信治役で、佐藤浩市が出演します。 1960年12月10日生まれ、50代中盤を過ぎていよいよ俳優として円熟味を増してきた佐藤浩市。名優・三國連太郎の息子として、デビュー翌年の1981年に出演した映画『青春の門』の伊吹信介役でいきなりブルーリボン賞新人賞を受賞など、華やかスタートを切りました。 以後、多数のドラマや映画に出演してきましたが、最近では2015年の『愛を積むひと』と『起終点駅 ターミナル』の両作に主演。前後編に分かれた大作映画『64-ロクヨン-』では主人公の三上義信を演じ、多数の賞に輝いたことも記憶に新しいでしょう。これだけのキャリアがありながら、吉永小百合とは初共演です。

江蓮徳次郎/阿部寛

阿部寛
行方不明になっているてつの夫・徳次郎役には、映画『ふしぎな岬の物語』で吉永小百合のおい役を演じた阿部寛が抜擢されました。 1964年6月22日、横浜市に生まれた阿部寛は、人気カリスマモデルとして活躍後、俳優の道に進みます。つかこうへいの舞台などでキャリアを重ねたのち、2000年のドラマ『TRICK』で演じた上田次郎役が出世作となりました。映画でも次々に主演作に恵まれますが、2012年の『テルマエ・ロマエ』と2014年のその続編で演じたルシウス・モデストゥス役は、強烈な印象を残す代表作です。

その他にもベテランキャスト集結!

その他キャストでは、隣人の島田光江役で高島礼子、真理の父・岡部大吉役で中村雅俊、居酒屋の主人役で笑福亭鶴瓶、友人の山岡和夫役で岸部一徳の名が発表されています。

「北の三部作」前2作について

『北の零年』【2005】

『北の零年』
明治3年、北海道に移住を命ぜられた淡路島の稲田家500余名が、様々な苦難を乗り越えながら自分たちの国づくりに果敢に挑む姿を描きます。 吉永小百合が演じたのは主人公の小松原志乃。渡辺謙、豊川悦司、石原さとみらが共演し、監督は『今度は愛妻家』『世界の中心で、愛をさけぶ』などヒット作を連発していた行定勲が担当しました。 史実に基づく重厚な人間群像ドラマであり、文化庁支援作品となりました。

『北のカナリアたち』【2012】

『北のカナリアたち』
2012年に公開された三部作の2作目『北のカナリアたち』の原案は、湊かなえによるミステリー『二十年後の宿題』。かつて北海道の礼文島と利尻島で教師をしていた川島はる。夫の死で島を出てから20年後、一人の刑事の訪問をきっかけに、教え子たちと再会する旅に出ます。やがて夫の死の真相が明らかになっていくサスペンスです。 主人公を演じたのは、もちろん吉永小百合。柴田恭兵、仲村トオル、森山未來らが共演し、監督は『大鹿村騒動記』の阪本順治がつとめました。

『北の桜守』を監督するのは『おくりびと』の滝田洋二郎

滝田洋二郎『おくりびと』
三部作前2作の行定勲、阪本順治という大御所監督に続き、本作でメガホンをとるのは滝田洋二郎です。 ピンク映画から一般映画に転身し、1986年の映画『コミック雑誌なんかいらない!』や、2001年の映画『陰陽師』などを手掛けてきた滝田洋二郎。なんといっても代表作は2008年に手掛けた映画『おくりびと』。第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞し、日本中をあっと驚かせました。 吉永小百合という大女優とタッグを組むことに、滝田自身は「特別な喜びと緊張と期待」という言葉を寄せています。

『北の桜守』の撮影でハプニング発生

2月という真冬の中クランクインし、撮影が開始された『北の桜守』。北海道の網走(あばしり)で流氷広がる海岸での撮影シーンがありましたが、撮影当日に風向きが変わり流氷が流されるという事態に。 その後流氷は接岸しましたが、再び流されてしまったようです。網走でのロケ最終日、やっとの思いで撮影に臨めましたが当日は撮影班のテントが吹き飛ばされるほどの吹雪で、体感温度はマイナス20度だったんだとか。主演の吉永小百合が子役を気遣う様子も見られたそうです。

吉永小百合と堺雅人の共演は2度目!

『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』
吉永小百合と堺雅人は、声優として映画『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』で一度共演しています。 手塚治虫の名作漫画「ブッダ」のアニメ映画化作品で、コーサラ国一の勇者・チャプラを堺雅人、その母を吉永小百合が担当していました。母と息子役そのものも2度目ということになります。

吉永小百合120作目となる出演映画『北の桜守』は2018年3月公開

撮影は2017年2月16日、厳寒の北海道網走市でクランクインしました。夏までに撮影を終える予定とのこと。 映画『北の桜守』は2018年3月に公開されます。