2017年7月15日更新

【人間食べ食べカエル】見たら死ぬ!怪人スレンダーマンの恐怖!

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スレンダー 長身の怪人
© MMVIII GRACESAM FILMS, LLC ALL RIGHTS RESERVED

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人間食べ食べカエルの映画コラム第2弾は『スレンダー 長身の怪人』

スレンダー 長身の怪人
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食べ食べコラム第2弾は、今夏のミニシアターの1大イベント「カリコレ2017/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2017」にて、7月15日(土)より公開される『スレンダー 長身の怪人』を特集する。 アメリカの有名な都市伝説の怪人であるスレンダーマンを題材にしたホラー映画について語っていきたい。

『スレンダー 長身の怪人』のあらすじ

さまざまな町でニュースを追う記者のサラとカメラマンのマイロは、ある小さな町の銀行に差し押さえられた家の中で、1本のビデオテープを見つける。その中には謎の黒いスーツの男と意味不明な記号が映っていた。 やがて2人はそこに住んでいた家族を発見するが、彼らは何者かに監視されていることに気付いてしまう。それをきっかけに、想像を絶する恐怖に巻き込まれることとなる……。

全米を震撼させた都市伝説の怪人スレンダーマン

スレンダーマンとは、インターネットミームにより生まれた都市伝説上の怪人である。異様に細身で長身という特徴的なスタイルに、ピシッと身にまとった黒スーツ、顔は無表情ないしのっぺらぼうという、まさに怪人としか言いようのない恐ろしい見た目が特徴だ。 それは、小さな子をさらったり、姿を見た者に何らかの心的外傷を与えたり、また最悪は対象を死に至らしめると言われている。

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大人気Webシリーズ『Marble Hornets』とは?

そして本作について語る前に、元となったWeb映像シリーズ『Marble Hornets』についても説明しよう。このシリーズは2009年にジョセフ・デラッジとトロイ・ワグナーの2人が製作した、アメリカの都市伝説をコンセプトにした映像作品だ。映像制作の学校に通っていた学生が作成していた作品『Marble Hornets』を通じて、スレンダーマンの恐怖を描くという内容。断片的な未編集映像などから構成されており、自主制作ながらやたら手の込んだリアリティな設定と映像で観る者を恐怖に陥れた。 公開後には全米で反響を呼び、累計再生回数7700万回を超える一躍大人気の作品となった。このシリーズのファンであった本作のプロデューサー陣が映画化を熱望し見事企画が実現。このたびWebシリーズを下敷きにした形で、本作『スレンダー 長身の怪人』が誕生したのだ。

スレンダーマン映像化に敏腕スタッフと実力派キャストが集結!

そんな本作は、公開するや否やスマッシュヒットを飛ばした『ドント・ブリーズ』や、ティーン向け小説を映像化し大ヒットした『ハンガーゲーム』のプロデューサー、さらに『パラノーマル・アクティビティー』シリーズのスタッフら、最近の映画界に旋風を巻き起こしてきた猛者たちによって手掛けられている。 また、キャストにはTVシリーズ『リミットレス』主演に抜擢されたジェイク・マクドーマン、『ウォーキング・デッド』シリーズのアレクサンドラ・ブレッケンリッジなどが参戦。 そして本作の肝とも言えるスレンダーマンは、何とあのお方が演じているという……。

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ナチュラル・スレンダーマンのアクター、ダグ・ジョーンズ

本作のスレンダーマンは、前述の特徴的な見た目を完全再現しており、そのあまりにも人間離れした姿にフルCGでも使っているのか?と思うが、実はきちんと演者がいる。 その正体はダグ・ジョーンズだ。ダグ・ジョーンズと言えば『パンズ・ラビリンス』のパンとペイルマンや、『ヘルボーイ』シリーズのエイブなど、見ると一発で脳裏に焼き付く強烈なビジュアルの異形を度々演じてきた、業界屈指の個性派俳優である。(余談だが、彼は同じく7月公開の『バイバイマン』でも、名前を知ったら死ぬ怪人バイバイマンを演じており、7月はダグ・ジョーンズに関わったら死ぬ映画が2本も公開する恐るべき状態となっている。) 本作では彼の最大の特徴とも言える、ナチュラル・スレンダーマンな素晴らしい長身スタイルを存分に活かし、スレンダーマンの不気味なビジュアルを完璧に体現している。

POV形式で描く日常を侵食される恐怖!!

スレンダー 長身の怪人
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本作は登場人物の持つカメラ越しで全編描かれた、所謂P.O.V.(Point of View Shot)形式の作品だ。ある出来事からその存在に気付いた登場人物たちがスレンダーマンの恐怖に巻き込まれていく様を、臨場感満点に描いていく。 なんてことのなかった日常が次第に何かに侵食されて壊れていく様子をジワジワと描く展開に中々ゾッとさせられる。派手さは一切ないがゆえに全編に不気味な雰囲気が満ちている。

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圧倒的チラリズムで迫りくるスレンダーマン!!

本作のスレンダーマンは、決してデカデカと映り込み大暴れするような主張が強いタイプではない。木の陰にスレンダーマン!画面の端にスレンダーマン!遥か後ろ僅かにスレンダーマン!!こんな調子で何かの拍子にチラっと映り込み、持ち手がカメラを動かすとすぐにフっと消える。 控えめな、それでいて強烈なビジュアルで観る者に確実にインパクトを残す中々テクニカルなスレンダーぶり ?を魅せてくれる。この巧みな映り込みで本作の恐怖度を引き上げているのだ。 例えるなら、『ほんとにあった!呪いのビデオ』シリーズでいうところの「お分かりいただけただろうか?」パートが全編に渡り幾度となく炸裂するような感じの作りとなっている。

スパイダーマンの夏、スレンダーマンの夏

スレンダー 長身の怪人
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ふとしたことから始まる恐怖の連鎖に、スレンダーマンを見事に組み込んだオカルトホラーの秀作。風景にさりげなく混ざり込んだスレンダーマンを嫌というほど観ることが出来る為、本作の鑑賞後は思わず周りの風景にヤツを幻視すること請け合いだ。 また、これまでありそうで殆どなかったスレンダーマン映画というだけでも一見の価値はある。これから非常に暑い日が続くが、そんな中で少しでもゾクッとしたい方は、本作を鑑賞してみても良いかもしれない。この夏はスパイダーマンも良いけど、スレンダーマンもね!!

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上映情報

監督:ジェームズ・モラン 出演:アレクサンドラ・ブレッケンリッジ、ダグ・ジョーンズ、ジェイク・マクドーマン 配給:アット エンタテインメント ©️MMVIII GRACESAM FILMS, LLC ALL RIGHTS RESERVED 劇場:新宿シネマカリテ(カリコレ2017/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2017) 公開日:7/15(土)21:00~、7/19(水)14:30~

執筆者:人間食べ食べカエル

人間食べ食べカエル

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