合コンで“映画好き”の地雷を踏んだ全ての男たちに言いたい、「ガマンしろ」と。
合コンで「映画好き」だと言いたい全ての男たちへ
合コンで映画が好きだ、と言って後悔したことはありませんか?僕にはあります。 数年前の合コンでのこと。映画好きであると自信満々に宣言すると、 女性「じゃあ一番好きな映画はなに?」 僕は「これはしめた」とばかりに、直前に鑑賞した傑作『カポーティ』について講釈を垂れました。すると……。 女性「ふーん。なんか難しそう笑」 なんたる屈辱、なんたる無念。以降僕に映画の話題が振られることはありませんでした。彼女が本物の”冷血かあ……”(『カポーティ』だけに)などと考えながら、隅っこの方でゴムのような唐揚げを頬張り、そのまま合コンは終了したのです。
ところで映画『カポーティ』は実在の作家トルーマン・カポーティ(『ティファニーで朝食を』の原作者)が自身の代表作『冷血』を執筆する上で、自ら事件を取材する過程から描いた映画です。故フィリップ・シーモア・ホフマンの絶妙な演技は高く評価され、本作でアカデミー賞主演男優賞を獲得しました。
映画好きが悪いのか、女子が悪いのか
僕(映画好き)が悪かった。 合コンで正直に好きな映画を言う、ということが間違いだとは言いません。しかしそれは目的と手段を履き違えています。フィリップ・シーモア・ホフマンの神がかった演技について、何も知らない女子に説明をすることが合コンの目的でしょうか。違います。女子と仲良くなることが目的です。つまり、映画の話はあくまで手段とするべきなのです。 ですが合コンにおいて、映画という手段は非常に有効。一番のメリットはデートへの繋げやすさです。新作であればそのまま劇場デートに繋げやすいし、旧作であればお家デートまで射程圏内というわけ。 この記事では対象の女性(20代)を分類し、映画好きであることを武器した攻略法を、具体的な映画タイトルも交えながら徹底的に解説します。
1. 普通の女性(合コン慣れ)
初対面の男性とも臆さず話すことができる人たちです。エンカウント率は最も高い女子。僕の『カポーティ』講釈をスルーした女性もここに分類されます。 そんな時、あなたの一番好きな映画は「地上波放送していた映画」です。 「じゃあ午後ローでやってた『シャークネード』でもいいの?」とすっとぼけるイキリ映画オタクの皆さん、残念でした。ゴールデンタイムに限ります。 合コンはチーム戦という言葉を聞いたことがありませんか?合コン慣れした女子たちは、同調に長けています。つまり周りの友達が観ている映画を観ている可能性が高い。もし相手が観ていなくても、周りの子が「観てる〜!」となれば完全に勝利です。女子も興味津々で聞いてくれるはず。
地上波放送していた映画って?
ディズニーアニメが鉄板でしょう。『アナと雪の女王』などはレリゴーまで歌えておいた方が良い。金ローで繰り返し放送されているジブリも大事。合コンで映画好きと言うと決めているのなら、合コンに行く前にこれらは予習しておきましょう。 気をつけておきたいのがMarvelなどのヒーローものです。『トランスフォーマー』の類も危ない。『バトルシップ』などもってのほかです。中には好きな女子もいますが、多くはそれほど興味がない場合が多い。逆にそういう類の映画は男子向けにテレビ放送されているのだ、ということを頭に入れておくべきです。 少し容姿に自信のある男子なら少女漫画原作の映画などを挙げても良いです。「この前適当に観た『君に届け』が意外と面白かったんだよね〜」などと言えば、ギャップが発生します。
掴みは成功!その後は…?
合コンのゴールについての議論は様々ですが、ここでは「連絡先交換」と「次回(別日)のデートの約束」に設定します。その日のうちにどうこうしたい、という方は「映画好き」と言わない方がいいです。回り道している時間はない。 例えばその場がジブリで盛り上がったとします。もちろんジブリ映画鑑賞やジブリ美術館への約束が取り付けられれば最短でのゴールとなります。それが叶わずともネットで拾った都市伝説の話をしても楽しいし、宮崎駿と高畑勲の違いを話しても楽しい。逆につまんないジブリ映画の話をしても盛り上がります。 あなたが映画オタクで自己顕示欲を少しでも解放したいのなら、少しマイナーな映画監督の作品を提案してみては?ジブリや細田守で盛り上がっているなら今敏監督(『パプリカ』『東京ゴッドファーザーズ』『パーフェクトブルー』)がおすすめです。
2.普通の女性(合コン不慣れ)
チーム戦での合コンにおいて、若干足並みの揃わない女子がいます。よく観察すれば男子となかなか目を合わせてくれない。スマホをおしぼりの横に置き、隙あらば弄る……。 同性で盛り上がる方が好きな女子です。ここから少し強引なのですが「アニメ派」「アイドル派(ジャニーズ)」に趣向を限定します。もちろん合コン慣れした女子にもこれらの趣向の方はいるので一概に断定できないのも難しいところです。その場合は臨機応変に。
アニメ派の場合
ここでいうアニメは深夜アニメのことで、前述のディズニーやジブリのことではありません。これらのアニメは時々劇場版として公開されている程度なので、この場合相手の好きな映画で盛り上がることは難しいでしょう。 では「映画好き」と言ってはいけないのか。そうではありません。これは後述の「アイドル派」でも同様に使えるのですが、オタクっぷりで張り合うことができます。 「今期のアニメは何本追ってる」「円盤に何円使ってる」という言葉を引き出せたらこちらのもの。「実は俺も映画好きで…」から自分の映画好きエピソードをしてください。何かの趣味に没頭している、という立派な共通点が完成します。あとは相手のアニメ好きエピソードをうんうんと頷きながら聞いていれば大丈夫です。
アイドル派(ジャニーズ)の場合
ここではアイドルをジャニーズとしています。LDH(EXILEなど)は1.合コン慣れした女子、もしくは後述の3.男性慣れした女子が好む場合が多いのでここでは述べません。 相手の口から少しでもジャニーズの名前が出れば、すぐに映画好きであることを宣言して「ジャニーズといえば……」を枕詞に、ジャニーズのアイドルが主演した映画を褒めましょう。ポイントは映画好きにも好まれている映画をチョイスすることです。自分の好きなアイドルたちの演技が、客観的にも評価されて喜ぶはずです。 『永遠の0』(岡田准一)や『硫黄島からの手紙』(二宮和也)は硬派ながら知名度も高いのでおすすめです。 あなたが自分の映画好きをもう少しアピールするなら、『味園ユニバース』(渋谷すばる)が良いかもしれません。批評家評価の高い作品です。 同じく評価の高い『ヒメアノ〜ル』(森田剛)は大傑作ですが、合コン向きではないため避けたほうがいいです。
3.男慣れした女性
1.合コン慣れした女子よりも、さらに積極的な女子です。異性との出会いが自分よりも多いんだろうな、と判断したらここにカテゴライズされます。 この場合、映画好きはほとんど通用しません。しかしこの手の女子が好きな映画もいくつか想像できますので機を伺いましょう。
諦めるのはまだ早い
少し前なら『TED』です。もちろん他のジャンルに属す女子にも『TED』好きな人が多いのでしょうが、少しエッチで可愛い見た目はやっぱり3.に好かれると思います。同じ理由で『ミニオンズ』もいけます。 あとは『ワイルド・スピード』です。とても強引ですが、3.の女子は絶対に一度は車好きの男と付き合っているはずです。そうして(半ば強制的に)『ワイルド・スピード』シリーズを観ているはず。本項から外れますが、車好きのパパっ子も『ワイルド・スピード』シリーズが大好きです。 ジェイソン・ステイサムやヴィン・ディーゼルなど筋肉俳優に話題を持ち込むことができれば、あとはあなた次第です。あなたのご自慢の筋肉を「ちょっと触ってみる?」でボディタッチまで可能とします。自信のない方は隅っこの方でおしぼりヒヨコでも作っててください。
4.育ちの良い女性
育ちの良さなんてすぐにわかるようなものではありません。ただご飯を食べる前にいただきますというとか、おしぼりが綺麗にたたんでいるとか、そういう所作から推測しましょう。男性が苦手そうには見えないが、それほど自分から合コンを盛り上げようとはせず、少しマイペースな女性もここに加えます。 100点の映画がいくつかあります。 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 『ホーム・アローン』 育ちの良い子は充実した家庭環境の中で、必ず家族で映画を観るタイミングがあったはず。この記事で対象としている20代女子が子供の頃に家族で観ていた映画といえば間違いなくこれです。 映画が家族のコミュニケーションツールという手段として用いることができることを知っている女子は、その後も手段として映画を時々観ているはずです。そして泣きたい時に映画を観ている場合が多い。感動は映画から手軽に得ることができるからです。
女子と観るべき感動映画って…?
育ちの良い女子と仲良くなり、お家で映画を観ることになりました。 「泣ける映画がいいなー」 と無邪気に笑う女子。さて、どんな映画を一緒に観るべきか。 このタイミングで二種類ほど観てはいけない感動映画があります。恋愛映画と悲劇映画です。恋愛映画はなんとなく良さそうですが、これは正式に付き合ってから観るべきです。付き合う前の微妙な関係の時に観るのはおすすめしません。なんだか企みが透けて見えてダサい。 悲劇映画は確かに感動できますが、鑑賞後に落ち込む可能性が高い。『タイタニック』なんてダメだよ! これらを避けた感動映画を一本挙げるならば『アイ・アム・サム』などいかがでしょうか。映画を手段として鑑賞している女子が、観ていないけどタイトルだけ知っている映画だと思います。『ショーシャンクの空に』なども良い。一般的に「ヒューマンドラマ」というジャンルに属す映画です。
5. 映画好きの女性
チャンスこそ慎重に。合コンで良さそうな女子が映画好きとわかったからといって、すぐに大きな声で『カポーティ』の話をしてはいけません。合コンはマウントを取る場所ではありません。塩キャベツ処理機になってしまいますよ。 相手が映画好きだとわかったら、自分の好きな映画を叫ぶ前に必ず相手の一番好きな映画を聞いておきましょう。 その上で1~4までに当てはまる映画を挙げた場合にはライト層です。それぞれの分類に振り分け直してください。しかし映画好きであることは確定しているわけですし、映画デートに持っていきやすさは段違いです。あなたが映画に詳しいならば、その知識は徐々に出していくべきです。 ここでは、よく挙げられる女子の「一番好きな映画」に対する「一番好きな映画」を紹介します。
『アメリ』
少し前だとど定番でした。とにかくガーリーでかわいいものが好き、少しサブカルに興味があるけど、まだ詳しくなはい…という女子です。 そんな女子に言うべき「一番好きな映画」は『グランド・ブダペスト・ホテル』です。
ウェス・アンダーソン好き、ということにしておけばだいたい対応できます。『グランド・ブダペスト・ホテル』は一番有名なのでもしかしたら観ているかもしれません。そういうの時のために『ムーンライズ・キングダム』『ファンタスティック Mr.FOX』は押さえておきましょう。
ウェス・アンダーソン監督作品
では最初から挙げて来た場合どうすればよいのでしょうか。サブカルもかなり踏み込んでいると思います。その女子の中で「可愛い」は飽和しつつあると想像できます。 そんな女子に言うべき「一番好きな映画」は『アリス』です。
ヤン・シュヴァンクマイエル、もしくはチェコアニメがおすすめです。可愛い中に毒を潜ませた絶妙な感じは女子ウケが高い。ここまでくれば、別に映画ではなくても類似のアート展へのデートに持っていくのも楽々です。
『シング・ストリート』
こちらも頻出ですので鑑賞しておきましょう。音楽好きや、もしくはバンド活動で音楽をやっている女子が多く挙げます。同監督(ジョン・カーニー)の作品『はじまりのうた』も同じくらい登場します。 そんな女子に言うべき「一番好きな映画」は『スクール・オブ・ロック』です。
監督のリチャード・リンクレイターと言えば『ビフォア』シリーズや『6才のボクが大人になるまで。』の方が有名ですが(ちなみに『ビフォア』シリーズは恋愛映画、『6才の〜』は長い映画ですので、どちらも初デート向きではありません)、音楽映画の傑作も残しています。 「子どもたちが実際に演奏しているんだよ〜」などとwikiからのうんちくも付け足せば、見渡す限り敵がいないでしょう。
これであなたも「映画好き」と合コンで言える!
まだまだ挙げればキリがありませんが、あとは自分で確かめてください。 大原則は「映画の話はあくまで手段」です。出しゃばらずに相手を立てるのは、映画好きを武器にせずとも合コンの鉄則なのではないでしょうか。 以上、合コンには二回しか参加したことがない(全敗)、映画好きによる妄想記事でした。
執筆者:southpumpkin
1992年生まれの映画好きサラリーマン。 足が速くて、とても優しい。