「ドクターX」シリーズ徹底解説!失敗知らずのドラマの魅力とは【2019年に続編放送か?】
“失敗知らず”の高視聴率ドラマ「ドクターX」シリーズ
2012年10月より、テレビ朝日系の木曜ドラマ枠で放送されている、医療ドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』。米倉涼子が主演を務め、2017年までに本編5シリーズ、スペシャル1本、スピンオフ2本が製作されました。 本作の主人公は、天才的な腕を持ちながら組織には属さず、病院を渡り歩くフリーランスの外科医・大門未知子(だいもんみちこ)です。未知子は目の前の患者を救うというポリシーを胸に、様々な騒動を通して人間の欲望渦巻く医療界にもメスを入れてきました。 今回は20%越えの高視聴率を叩き出し、続編の放送が期待される大ヒット作「ドクターX」シリーズの失敗知らずな魅力に迫ります!
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『ドクターX』は毎回スカッとする痛快なストーリーが魅力
病院内の医療ミス、派閥争いといったシリアスなテーマですが、内容は単純明快で安心して見られるとの声が多くあります。と言うのも、毎回1話完結で、必ず主人公の勝利で終わる勧善懲悪がお約束のストーリーだからです。 さらに、大門未知子が持つ武器は「天才的な手術の腕」のみです。何の後ろ盾も無い女性が、技術だけで金と欲にまみれた権力者を圧倒する様はまさに痛快!胸がスカッとする展開が、現代のストレス社会に生きる視聴者に刺さりました。 脚本はNHK朝ドラ『花子とアン』などの中園ミホを始め豪華な脚本家たちが手がけており、パターン化してもマンネリを感じさせません。
ドラマ「ドクターX」5期までのあらすじをおさらい!
シーズン1 (2012年放送)
最初の舞台は、東京都にある名門私立医科大学病院の分院「帝都医科大学付属第三病院」。大学病院は日本医療の最高峰ですが、医局制度は崩壊しつつあります。 神原名医紹介所に住み込むフリー外科医・大門未知子は、特例の条件と高額報酬と引き換えに、外科医不足に悩む同院と契約することに。新院長・毒島隆之介(ぶすじま りゅうのすけ)を筆頭に、金と権力にまみれた者たちと対立を繰り返しながら、医療と患者の命に向き合っていくのでした。 後に未知子を支えていく原や加地、新米外科医・森本らの視点から彼女の実力が提示され、「ドクターX」とは何たるか、にも迫りました。
シーズン2 (2013年放送)
大門は帝都医科大学付属病院の内科統括部長・馬淵一代(まぶち かずよ)にスカウトされ、“支店"と呼ばれる第三病院に対し、“本店"となる「本院」に呼び出されます。 ヒエラルキーが崩壊し、弱肉強食の時代に突入した医療界を表すかのように、外科では統括部長の蛭間重勝(ひるま しげかつ)が横暴を振るっていました。「御意」を合言葉に、蛭間に服従を誓う”どこまでも姑息な男”海老名も登場。蛭間は主任教授選を有利に進めるため、未知子の手柄を派閥内の人間のものにしてしまうなど、彼女を最大限利用しますが……。 蛭間だけでなく、次期院長と囁かれる女帝・馬渕との女のバトルも描かれました。
シーズン3 (2014年放送)
東西を代表する「東帝大学病院」と「西京大学病院」が手を組み、日本医学界の頂点に君臨する特定機能病院「国立高度医療センター」。 蛭間は西側に拾われ、西京大学病院病院長兼、医療センター理事になっていたのです!彼と東側の院長の確執はセンター内にも持ち込まれ、東西の覇権争いの場に!大門は毒島の手術の件で新総長・天堂義人(てんどう よしと)に認められ、センターに正式採用されます。 新総長が「戦略統合外科」として、東西の医局の一本化を目指す中、神原の体が病魔に侵され余命約半年という状況に。同時期に蛭間にもがんの併発、さらに肝転移が発覚して……。
シーズン4 (2016年放送)
隠ぺい行為や医療ミス、派閥闘争などで評判がガタ落ちになった「東帝大学病院」。その新院長に、大門の宿敵・蛭間重勝が就任しました。 蛭間が病院のブランド力、自らの権力復活を目論んでいたところ、彼と対立する副院長・久保東子(くぼとうこ)が大門の腕を見込んで契約してしまうのです。大門は外科と内科の勢力争いには目もくれず、ただ目の前を命を救っていきますが、相棒である城之内博美(じょうのうち ひろみ)の膵臓がんが発覚! さらには、多くの医師が中国・上海の病院にヘッドハンティングされる事態が起こるのです。
シーズン5 (2017放送)
ひょんなことから、元新米外科医の森本と再会した大門。森本とともに、初の女性院長が誕生し、クリーンな医局を目指す「東帝大学病院」で雇われることになりました。 病院は"患者ファースト”を取り戻しつつあったのですが、改革方針が気に入らない権力者たちが暗躍し、院長は早々に左遷……。日本医師倶楽部会長・内神田景信(うちかんだ かげのぶ)の後ろ盾を得て、蛭間が左遷先の知床分院から院長に返り咲き、大門との宿命の対決が再スタート! 大門はドクターXを目の敵にする内神田、そして蛭間の陰謀が渦巻く病院内で戦いますが、彼女の身にも恐ろしい病魔が巣食っていたのでした。
米倉涼子演じる大門未知子のキャラクター
米倉涼子演じる大門未知子は、他人と関わろうとしない孤高の一匹狼です。ポリシーを貫くためならば、教授の頼みも「致しません」と拒否します。 一方で、手術の腕には絶対の自信を持っており、必ず患者を救うというプロ意識と責任感は人一倍強いキャラクターです。そんな長い物に巻かれず、媚びない姿が米倉のイメージとも重なり、カッコいい女性として憧れの対象になりました。 それなのに、仕事以外はダメダメで、趣味の麻雀や卓球も全く才能がありません。代わりにプライベートでは人間味が増し、親しみやすさが感じられます。 こうしたオンとオフのギャップも、ファンに愛される魅力の1つなのでしょう。
「ドクターX」シリーズの個性豊かな登場人物&キャスト
城之内博美(じょうのうち ひろみ)/内田有紀(第1期~第5期)
城之内博美は神原名医紹介所に籍を置く、フリーランスの麻酔科医。一人娘を抱えるシングルマザーで、大門とは勤務医時代に出会い、第3期以降はオペの事実上の相棒に。気心の知れた友人としても信頼関係を築く博美を、内田有紀が演じました。 内田は90年代前半に、ボーイッシュ系アイドルとして人気を博しましたが、2002年に「北の国から」で共演した吉岡秀隆と結婚。2005年の離婚を契機に女優復帰し、本作では自分と同じように離婚を経験し、強く逞しくいきようとする女性を好演しています。 実年齢ではアラフォーですが、美しさはそのままに、柔らかい雰囲気の女性になりました。
神原晶(かんばら あきら)/岸部一徳(第1期~第5期)
神原晶は「メロンです。請求書です」の台詞でお馴染み、「神原名医紹介所」の所長。未知子らの派遣先に出向いては、手術料と謝礼を徴収し、請求書と高級メロンを置いていきます。 未知子が「師匠」と慕う存在で、謎多き元外科医を、飄々として落ち着いた語り口や演技が魅力のベテラン・岸部一徳が演じました。市川崑、北野武ら大物監督から一目置かれる名優であり、ドラマ「相棒」シリーズの官房長役などでも有名です。
加地秀樹(かじ ひでき)/勝村政信(第1期/第2期第8話/第3期/スペシャル/第4期/第5期最終話)
加地秀樹は関西の名門、私立灘高校出身のエリート。東帝大学病院総合外科の准教授(第5期)で、「腹腔鏡(ふくくうきょう)の魔術師」の異名を持ちますが、私生活ではバツイチです。金の亡者ではあるものの、患者に対する責任感は強く、権力や出世には執着しません。 スピンオフ「ドクターY」の主役を務める人気キャラを演じるのは、バラエティ番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で人気を集めた勝村政信。 本作やドラマ「コード・ブルー」をはじめ、複数のドラマで医者の役を演じてきました。
海老名敬(えびな たかし)/遠藤憲一(第2期/第3期/スペシャル/第4期第5話・第6話/第5期)
海老名敬は東帝大学病院総合外科副部長(第5期)で、未知子曰く「”御意三兄弟”の長男」。上に弱くて下に強い一方で、医者として大事な部分は失っていません。土壇場で未知子に感化され、策略を台無しにしてしまうなど憎めない人物です。 そんな海老名を演じた遠藤憲一は、悪役を中心に舞台やVシネマで下積みを経験し、2009年にドラマ『白い春』で注目を浴びました。 近年は恐妻家の一面も発覚し、強面とのギャップを活かしたコミカルな演技を披露しています。
原守(はら まもる)/鈴木浩介(第1期/第2期第1話/第3期第4話~最終話/スペシャル/第4期/第5期)
原守(画像左)は東帝大学病院総合外科講師(第5期)で、未知子とは帝都医大時代からの同僚。患者に寄り添う心優しい外科医ですが、気弱な性格故に上の人間に頭が上がりません。 未だ未知子に名前を覚えてもらえない不憫な男を演じたのは、『LIAR GAME』の強烈キャラ、福永ユウジ役で知名度を上げた鈴木浩介。西田敏行は彼が所属する劇団青年座に入団し、後を追って退団したほど憧れの存在であり、本作でついに初共演を果たしました。
蛭間重勝(ひるま しげかつ)/西田敏行(第2期/第3期第1話・最終話/スペシャル/第4期/第5期)
蛭間重勝は東帝大学病院病院長(第5期)で、表では温和で気さくに振る舞っていますが、逆らう者や役に立たない駒には容赦のない冷血漢です。欲と野望を糧に、不死鳥の如く未知子の前に立ちはだかる本作のヒールを、名優・西田敏行が演じました。 西田は映画「釣りバカ日誌」シリーズのハマちゃんこと、浜崎伝助役で有名になり、大河ドラマの主演を4回(歴代最多)も務めた大御所。俳優業以外でも活躍しており、バラエティ番組『探偵!ナイトスクープ』では、泣き虫な2代目局長としてお馴染みです。
小悪魔?魔性の女?美人ぞろいの秘書キャストにも注目!
『ドクターX』では代々、秘書キャストに米倉の後輩がバーター起用されており、女優の登竜門として注目を集めてきました。 院長らの傍に控える、お金や権力が大好きなセクシー秘書を、全日本国民的美少女コンテストなどで実績を残した美女が演じています。1期は林丹丹、2期は笛木優子、3期は内藤理沙、4期は田中道子、5期は是永瞳、スペシャルでは鹿沼憂妃が事務局長の秘書を好演。 第3期は少し異色で、女性秘書の関ヶ原は院長ではなく、男性秘書の井川と怪しい関係でした。 復活を望む声が多いのは、第2期で蛭間に「珠ちゃん」と呼ばれた照井珠緒。嫉妬深かったり、魔性だったりと、それぞれの個性で華を添えてくれました。
『ドクターX』を象徴する名台詞「私、失敗しないので」
大門未知子の「私、失敗しないので」は、『ドクターX』を象徴する名台詞です。 未知子のモデルとなった柔道選手・松本薫が、ロンドンオリンピックのインタビューで答えた、「私ミスはしないので」という言葉が由来なのだとか。「失敗を恐れる国民性」と言われる日本人には、一度は言ってみたい憧れのセリフになりました。 スカッとする決め台詞として、TBS系のドラマ『半沢直樹』で一大ブームとなった、「倍返しだ!」を連想する視聴者も多いかもしれません。 そのほか、西田敏行演じる蛭間重勝に媚びを売る医師3人の「御意!」、未知子の「致しません」が好きなセリフに挙げられています。
シリーズの平均視聴率は脅威の20%越え
ビデオリサーチ調べによると、関東地区の『ドクターX』過去シリーズの平均視聴率は、脅威の20%越えを記録しているようです! 第1期(2012年放送)は19.1%と20%を下回ったものの、同年の民放連続ドラマ1位でした。第2期(2013年)は23.0%、第3期(2014年)は全ドラマ年間1位の22.9%。第4期(2016年)は21.5%で、第1期と同じく民放連続ドラマ1位を獲得しました。 続編や劇場版製作の指針となる視聴率は、ドラマを語る上で切り離せないものです。本作の高視聴率は話題に挙がることが多く、新規ファンの獲得にも繋がりました。 ただ視聴率が高いだけでなく、橋田賞や向田邦子賞など錚々たる賞も獲得しています。
「ドクターX」6期の制作がすでに内定!?2019年に続編放送か?
2019年4月放送の『羽鳥慎一モーニングショー夜の拡大版』にて、米倉涼子が『ドクターX』の”第6弾”をほのめかす発言をして、憶測を呼んでいるようです。 「女性自身」4月30日号によると、芸能プロダクション関係者は「今秋に復活すると決まったんです! 」と語っており、局の幹部しか知らない「超極秘」とのこと!テレビ朝日は開局60年を迎え、2019年から翌年にかけて記念作品を多数放送予定なので、その一つに局を代表する『ドクターX』の続編を……というのは納得かもしれません。 信憑性には疑問が残りますが、「女性自身」は2019年10月期の放送と報道しています。
続編も期待される「ドクターX」シリーズから目が離せない!
毎シリーズ高視聴率を叩き出し、『相棒』などと並んでテレビ朝日を代表する長寿シリーズとなった、失敗知らずのドラマ「ドクターX」。 続編を熱望する声に応え、本編は2019年現在までに5シリーズ放送されましたが、噂される第6期の行方はいかに!? ファンとしては、大門の痛快っぷりをまた観たいですし、「私、失敗しないので」や「御意」といった名台詞の数々を聞きたいところ。続編の公式アナウンスを期待して待ちましょう!