ほとんど裸の映画『愛の渦』が衝撃的すぎる【門脇麦の脱ぎっぷりがすごい】

2017年11月11日更新

2014年に劇場公開され、スマッシュヒットを記録した映画『愛の渦』。乱交パーティーの一夜をワンシチュエーション劇で描き、池松壮亮、門脇麦ら出演者の“最もハダカ”なドラマが話題になりました。そんなセンセーショナルな渦を巻き起こした映画『愛の渦』のキャストや見どころをご紹介します。

着衣時間18分半の衝撃作!映画『愛の渦』

2014年に劇場公開され、乱交パーティーの一夜に集う人々のむき出しの感情バトルを描いた映画『愛の渦』。123分の上映時間中、登場人物の着衣時間がたったの18分半という衝撃作で、スマッシュヒットを記録しました。 主演の池松壮亮、門脇麦らの体当たりの演技も話題になり、二人の出世作となった映画『愛の渦』の見どころをネタバレありでご紹介します。

スマッシュヒットを記録!映画『愛の渦』あらすじ

午前0~5時。傍目は何でもないけれど、中は豪華なマンションの一室に集まった男女。 ニート、女子大生、フリーター、保育士など、普段の生活では交わりそうもない彼らの目的は「ただセックスがしたい」。しかし純粋な性欲は、体だけでなくお互いの心までも裸にしていき、次第に好意、嫌悪、侮蔑、格差といった感情に溺れていき……。 果たして、渦巻く思惑と欲望の一夜が向かう結末とは?滑稽なまでにむき出しの性欲が渦巻く先は、愛か?ただの欲望か? 第50回岸田國士戯曲賞受賞の伝説の舞台、衝撃の映画化です。

劇団ポツドールの伝説的舞台を映画化

気鋭の主宰者・三浦大輔率いる劇団ポツドールの同名舞台を映画化した本作。舞台版は、「演劇界の芥川賞」と言われている第50回岸田國士戯曲賞を受賞した伝説的舞台です。 セックスの前後の状況のみをリアルに描き、三浦いわく「純粋な性欲のみを描きたかった。」舞台版。三浦が大幅に脚本を書き直した映画版では、集まった男女の感情面に寄り添い、一夜の間に渦巻き高ぶった感情をどう着地させるか?という点をテーマに描いています。 本作では、セックスの最中に登場人物たちの感情も大きく変化していくので、舞台版にはなかったセックスシーンも必須で、当初は、映画『モテキ』などの大根仁監督が映像化を試みましたが、難し過ぎて断念。 そこから、ポツドールの主宰者である三浦自身が監督・脚本を務め、映画化。大根はポツドールの「渦」シリーズの第二弾である『恋の渦』を2013年に映画化したという経緯があります。 舞台版ではなかった乱交パーティーのその後まで描いた主役二人のラストは滑稽で切なくもあり、秀逸です。

日本映画界の濡れ場俳優・池松が体当たりで演じる

ニートの若者/池松壮亮

ニートの若者を演じているのは、池松壮亮。大学を卒業し、俳優業を本格化させた2014年、本作を皮切りに、映画『海を感じる時』『紙の月』、ドラマ『裏切りの街』と“脱ぐ”作品が続いたことから、“日本映画界の濡れ場俳優”の異名を持つように。 何でも、『海を感じる時』で共演した市川由衣から「前貼り先生」と呼ばれるほど、前貼りの着脱が速くなったとか。 もちろん、映画&ドラマシリーズ『MOZU』では激しいアクションをこなし、映画『永い言い訳』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』などでは等身大の若者を演じるなど、幅広い役柄に対応でき、特に抑圧されていた感情を爆発させる演技が抜群に上手い若手実力派俳優の筆頭です。

池松壮亮が演じたニート

池松は、親からの仕送りで乱交パーティーに参加するニートの若者を演じています。普段は引きこもりで人とのコミュニケーションを苦手としているため、パーティーのペアの中で最後に残った門脇演じる女子大生に押し倒される形で、欲望の渦へと巻き込まれていきます。 体が繋がると心まで繋がったように感じてしまう性格の持ち主で、最初にペアを組んだ女子大生に恋心と独占欲を抱くように。 しかし、その事を他の参加者に指摘されてもその場では否定し、何とかパーティー後も女子大生と関係を続けようと試みるも、店員には怒られ(連絡先の交換はNG)、女子大生にも拒否されてしまいます。 きっと、これまでもその場の感情や欲望に呑まれながら生きてきた結果、今ニートなのだろうなと彼の人生の予想がつく、色々と甘ちゃんなキャラクターです。

『愛の渦』でブレイクした女優・門脇麦

地味な女子大生/門脇麦

地味な女子大生を演じているのは、門脇麦。門脇は、設定から言ってもかなり難易度の高いヒロインの座をオーディションで射止めました。 オーディションでは、「三浦とどうしても仕事をしたい。」という思いから、三浦らがいる前で全裸になって見せたと言います。そんな門脇の気合いを前に、三浦もなぜか裸になって応えたとか。 本作を観た観客が一様に「凄い女優が現れた!」とザワザワした通り、門脇は本作をきっかけにブレイク。ミニシアター系作品を中心し、次々と難役をこなし実力をつけていきます。 ブレイク後も、映画『闇金ウシジマくん Part2』『二重生活』とハードなラブシーンのある役柄が続きましたが、実は門脇、キスなどのラブシーンは苦手なのだそう。「毎回傷ついて、お風呂で泣いて次の日にはすっきりする。」とインタビューで語っていたのが印象的ですね。 ナイーブな面を内包しながらも、演技面では度胸の据わった演技を見せる。そういったところが、門脇のどこか憂いのある雰囲気だったり、飄々として見えたりする多面的な魅力に繋がっているのかも知れません。

門脇麦が演じた女子大生

門脇は、普段は地味で真面目ながらも、人一倍強い性欲を持っている女子大生を演じています。それと同時に、性に対してある種の怯えを持っていて、パーティーから一夜明けたラストシーンでも、性に対し一線を引いているのが分かります。 三浦はそんな女子大生の性格を、女性客が一番共感しやすいキャラクターと位置付けています。門脇のまさに自己を解放するかのような喘ぎ声は、一度、三浦にダメ出しをされたため、ひたすらカラオケボックスで練習したと話していました。

脇を固める濃い!個性派キャストたち

基本的には「そのままそこに存在してください。」という指示をキャスト陣に出していたという三浦。それを想定してか、登場人物のキャラクターイメージに近い配役を脇までガッチリ固めています。

フリーター/新井浩文

パーティーで一番初めに動き出すフリーターの男性を演じているのは、新井浩文。本作で池松、門脇と競演しているように、映画『ヒミズ』『百円の恋』『バクマン。』など若手実力派俳優との共演が多数あります。 本作では、主人公二人の間に割って入り、場をかき乱し周囲の感情を煽る役どころを演じています。新井は本作で「女優さんが言うなら貼るよ。」と言って前貼りを張らなかったそうで、後日、女優陣にトークイベントで「(前貼り)つけて欲しかった。」と暴露されています。 今回の役にピッタリだなぁと苦笑してしまいそうなエピソードです。

キャスト全員の表情から目が離せない

その他の乱交パーティーのメンバー、店長の恋人で週の半分以上パーティーに参加している常連女性役を赤澤ムック(旧芸名:赤澤セリ)、美人だが臭いに問題ありなOL役を三津谷葉子、上から目線のマウンティング保育士役を中村映里子。 サラリーマン役を滝藤賢一、巨漢の童貞役を駒木根隆介が演じています。さらに、主人公二人の関係性に変化をもたらす途中参加のカップルを信江勇&柄本時生、主宰者と店員を田中哲司と窪塚洋介がそれぞれ演じています。 映画の始まりと終わりで表情や役の印象がガラリと変わったり、成長するキャラクターもいるので、全員が今どんな表情をしているのか?に注目してみてください。

むき出しの感情&欲望バトルにあなたの心も晒される!

まるで自分が映画の世界に同じく居て彼らと同じ体験をしているような感覚に陥る映画『愛の渦』。人間は体が裸になると心まで裸になってしまうようで、色々な登場人物のむき出しの感情や欲望に晒されて、観終わった後は、こちらまでグッタリと脱力してしまいます。 一度、恥じらいや日常の仮面を取ってしまうと、そこからはもうむき出しの感情&欲望のオンパレード。日常生活の中では絶対言ってはいけない台詞の応酬が始まり、狭い空間内での悪口、侮蔑、仲間外れ、独占欲、嫌悪といった感情が、容赦なく飛び交います。 疑似体験型の作品なので、登場人物たちの感情にリンクしてしまう部分も多く、日常の仮面を外した顔を見られたくない人は一人で観に行った方が良いかも知れません。 そして、一夜が明けたら、また人間の仮面を被って日常へと戻っていく。極限状態のディザスター・ムービーではないですが、感情面はそれに近いものがあり、人間には「人間」という仮面が必要なのだと痛感する作品です。

こんな場所でも!?『愛の渦』は日本人あるあるが満載の人間劇

三浦が実際に、乱交パーティーに2~3回ほど参加し取材して脚本を書いたという本作。 「ただセックスがしたい。」という共通項のみの男女が集まり、タイムリミットもあるのに、パーティーのスタンバイルームで、バスタオル一枚で誰が口火を切るか?そわそわしている感じが、とても日本人的で面白く描かれています。 日本人はこういう非日常の場所でも、謙虚で恥じらいがあって、足並み揃えて全員で~というのが、日本人あるあるで笑えますし、観ているこちらまで緊張と気まずさが伝わってきます。“乱れる行為”なのに全然乱れてないという……。 プレイルームに移動してからも、正座で膝を突き合わせて「よろしくお願いします。」でプレイスタート。色気も何もあったものじゃありません。 実際に乱交パーティーに参加している人たちは、セックスをスポーツと捉えている人も少なくなく、本作のように皆で協力して行ったセックスの後に生まれる団結感や達成感が、実際の場でも生まれることがあると言います。 撮影期間中、狭い空間に缶詰でひたすらセックスの演技をしていた俳優陣も、皆ハイになって、スポーツをしているような団結感が生まれていたそうです。 三浦は、冒頭の気まずさからハイになる過程まで綿密に計算して演出していたそうなので、三浦の思い描いたリアルな乱交パーティーが三浦から俳優陣へ、俳優陣から観客へ伝わる体感型ムービーに仕上がっています。