『ズートピア』のジュディ・ホップスを徹底解剖!
多様な動物たちが暮らす近代都市を舞台にしたディズニー映画『ズートピア』は、初のウサギの警察官になる夢を叶えたジュディ・ホップスと詐欺師のキツネ、ニック・ワイルドの友情と活躍を描いた名作。 この記事では、主人公ジュディを徹底解剖! 明るく正義感が強いヒロインの魅力に迫ります。
年齢、性格など、基本プロフィールを紹介!
ズートピア警察署(ZPD)シティ・センター第1分署に所属する「初のウサギ警官」ジュディ・ホップス巡査。 9歳の頃から「よりよい世界を作るため」に警官に憧れ、15年後に見事に警察学校を主席で卒業した24歳です。 署長をはじめ同僚の警察官は水牛やゾウなど屈強な動物ばかり。「力の弱いウサギに警察官が務まるのか?」 と周囲から偏見の目で見られることを非常に嫌っているようです。 グレーの毛並みと紫の瞳がトレードマーク。ウサギなので耳がよく、捜査にも役立っています。恐怖を感じたときには鼻をひくつかせ、苛ついたときには右足をバタつかせる癖があるようです。
ジュディの家族は?
ジュディの生まれ故郷は田舎町のバニーバロウ。ニンジン農家を営む両親のもとに生まれました。うさぎは多産で兄弟はなんと275匹もいるそう。兄弟の多いジュディは掛け算が得意。ニックの脱税を指摘する際も活かされていましたね。 父のスチューと母ボニーは、ジュディが警察官になるのを不安に思い、子供の頃から諦めるよう説得してきました。また上京するジュディにキツネよけのスプレーやスタンガンを持たせようとしています。 そんな少し保守的な家庭で育ったためか「草食動物と肉食動物が仲良く暮らす理想の街」としてズートピアに憧れの気持ちを抱いて上京しました。
ジュディの声優は?
ジェニファー・グッドウィン
字幕版『ズートピア』でジュディを演じたのは、1978年生まれの女優ジニファー・グッドウィンです。ボストン大学で演技を学び2001年にテレビドラマ『ロー&オーダー』でデビュー。2011年からは『ワンス・アポン・ア・タイム』に白雪姫役としてレギュラー出演しています。 ジュディがニックに謝罪するシーンでは、ジェニファーは実際に声をあてながら泣いてしまったようです。
上戸彩
一方日本語吹替え版のジュディは、上戸彩が演じました。映画化もされ大ヒットしたテレビドラマ『昼顔』などで知られる人気女優。本作以外にもディズニー映画『ピーター・パン2 ネバーランドの秘密』(2002)のジェーン役や『マレフィセント』(2014)のオーロラ姫役の吹き替えも担当しました。
連続失踪事件の捜査に!?
周囲から「ウサギが警官になるのは無理」と言われながらも、「よりよい世界を作るため」に厳しい訓練を突破し初のウサギ警官となったジュディ。憧れの大都会ズートピアでの新生活をスタートさせます。 しかし署長から最初に命じられたのは駐車違反の取締。肉食動物の連続行方不明事件の捜査には関わらせてもらえません。 なんとか署長に頼み込み、「48時間以内に発見できなければクビ」という条件で、イタチのオッタートンの捜索を任せられます。 そこで偶然知り合った詐欺師のニックを「脱税の証拠をばらす」と脅して調査に協力させることに。 マフィアのボス、ミスター・ビッグに氷漬けにされそうになった際には、以前ジュディが彼の娘の命を助けたことで命拾いしました。また最初は協力を渋っていたニックも、ジュディがボゴ署長に叱責された際に助けを出します。 この二人はとても良いコンビのようで、新人警官のジュディは知恵の働くニックにたびたび助けられ、彼から多くのことを学んでいきます。
ジュディの発言により街は混乱状態に……。
行方不明となった動物を見つけ出し、連続失踪事件を見事解決したジュディ。ニックとの間に友情も芽生え、事件は無事解決したかのように見えましたが……。 ジュディは記者会見の場で、迂闊にも「肉食動物のみが凶暴化し他の動物を襲った」と根拠のない差別的な発言をしてしまったため、ズートピアの住民は混乱と恐怖に陥り、肉食動物への排斥運動が起こります。 ニックからは失望され絶交を言い渡された上、チーターのクロウハウザーが「肉食動物だから」と受付の仕事をクビにされるのを目の当たりにしたジュディは、自らの不用意な発言に責任を感じ、故郷に戻ります。 そして彼女は、自分にも無意識のうちに差別や偏見が根付いていたことに気づきました。かつてジュディが「ウサギが警察官になるのは無理」と言われ続け、可能性を否定されたのと同じことが、肉食動物たちの身に起こってしまっているのです。 「よりよい世界を作るため」に差別に負けず警官となった彼女でしたが、誰かを傷つけ差別する側になってしまうこともあるというのは、とても皮肉なことですね。 このシーンで我が身を振り返り、ハッとした観客も多いかもしれません。
ジュディの成長に注目!
傷心で帰郷したジュディでしたが、かつていじめっ子だったキツネのギデオンが更生し立派なパイ職人になっていること、キツネ嫌いだった父スチューが偏見を改めギデオンと仕事仲間となっていることを知り、感動します。 ギデオンの「あの頃は自分に自信がなかったんだ」という反省の言葉を聞いた彼女は、「私も同じようなものだから」と返します。 自信を喪失していたジュディでしたが、偏見と戦う自身の姿がギデオンやスチューの意識を変えたことを初めて知ります。また無意識のうちに自分の中にも偏見や差別心があったことも認め、ニックに謝りに行くことに。 自分が差別をし誰かを傷つけたという事実を認めるのは、とても苦しいことです。しかし、その苦しみを乗り越え正していく勇気を持たなければ、「よりよい世界を作る」ことはできないことに彼女は気づいたのです。
ジュディの「現実は厳しい。それでも何度間違えても、努力し続けなければならない。」という言葉で、本作は幕を閉じます。 成長した彼女の耳には、かつて上京の際に電車の中で聴いていた「Try Everything」(全てに挑戦しよう)という歌詞も、また違った意味に聴こえることでしょう。